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浅野琢也の雑記帳22 2012年05月01日〜07月31日

あさのたくやのざっきちょう Takuya Asano Web 平成24年


2012年07月28日

『ALWAYS 三丁目の夕日'64』(2012年)山崎貴監督作品を観た。
シリーズ3作目なので続 三丁目の夕日の続きだ。茶川竜之介は前作で
芥川(あくたがわ)賞の候補になるが受賞できなかった。古行淳之介は
茶川の元に残り高校生に成長していた。茶川竜之介は、少年向け雑誌の
看板作家になっているが駄菓子屋を改装して横で居酒屋を経営する
妻のヒロミに頼る生活だ。そんな時に冒険少年ブックに掲載された
ビーナスという小説が人気となり茶川の銀河少年ミノルが打ち切られる。
茶川と暮らしている淳之介が作者だとわかるが、茶川は淳之介を東大に
入れて安定した生活ができるように考えていた。しかし淳之介は、
作家になる事を選び茶川の元から出版社が用意した社員寮に去って行く。
茶川は、淳之介が忘れた万年筆を持って車の所に届けて、ライバル宣言
する。編集担当が茶川の目を見て作家があの目をした時は、怖いという。
シンプルで解りやすい内容だけど退屈しないで楽しめる映画だった。
あまり成長しない茶川と成長していく淳之介を対比させる演技・演出や
時代背景が私の経験した時代と近いから親近感を持てるのかも知れない。



2012年07月22日

『戦火の馬』(2011年)スティーヴン・スピルバーグ監督作品を観た。
市場で小作農家と、その地主が1頭の馬を、競りあう。周囲の人は、
農耕に向かないという。馬に、農耕が出来るように少年アルバートが
馬と一緒に、すきを牽いてみせて荒地を耕す。周囲の人や地主が見物して
いる。雨が降り土が軟らかくなったみたいだ。そして荒地を耕す事に成功
する。だが作物が収穫前にダメになってしまう。時代は、第1次世界大戦
の直前だ。アルバートは馬に「ジョーイ」と名づけて大切にする。
しかし、父が無理をして競り落とした為に地主に金を払うことが出来ず
村に戦争に備えて馬を集めに来たイギリスの将校に売る。アルバートは
「ジョーイ」と離れたくないから志願兵になると言う。
別れる時に少年アルバートは「ジョーイ」の鞍に父の勲章を付ける。
将校は、アルバートと「ジョーイ」の絆を察して大切に扱う。戦地の
フランスで元気に活躍している「ジョーイ」をスケッチしていた。
しかしドイツ軍との戦闘で戦死してしまう。
将校のスケッチと戦死の知らせがアルバート少年の所に届けられる。
「ジョーイ」は、戦場で生き残りドイツ軍に捕らえられる。そしてドイツ軍の
負傷兵を輸送したりする。年齢を偽って入隊したドイツ軍の少年兵の兄弟が
脱走してジョーイをフランス人の納屋に隠してすぐに死んでしまう。
戦争で両親を失い祖父と2人で暮らしている少女がジョーイと黒い馬を
見つけて可愛がるが、ジョーイはドイツ兵に連れていかれ戦場で軍馬として使われる。
アルバートもジョーイを探したいと入隊して前線のフランスに行く。
そして塹壕の中で毒ガスやガス爆弾を使った戦闘でアルバートは、目を負傷してしまう。
ジョーイは、戦火の中を生き延びる為に逃げて鉄条網に絡まり動けなくなる。
そこは、イギリス軍とドイツ軍が、こう着状態になっている場所だった。
イギリス兵が鉄条網に絡まって動けない馬を発見して1人で救出に行く。
白旗を振って馬の所に行くが道具が無い。そして1人のドイツ兵が鉄条網を
切るのを手伝う。両方の軍隊が注目している。ジョーイは助けられた。
ただ、どちらの馬になるかコインの裏表で勝負して決める事になった。
ドイツ兵がコインを投げて「皇帝が恨めしそうにオレを見ている」と言った。
イギリス兵が勝った。ドイツ兵は、鉄条網を切った道具を、イギリス兵に
プレゼントして別れた。傷ついたジョーイを軍医に見せようとするが軍医は
断る。そこへ目を負傷したアルバートが自分の馬だと額に白い星があり足の下
の部分は四本とも白いと言う。汚れた馬を洗うとアルバートの馬だと解り
軍医が手当てしてくれる。そして戦争が終わる。しかし馬は、競売にかけて
フランスに置いていく事になる。上官や戦友たちが競売で買い戻せるように金を
出し合いアルバートに渡す。競売でジョーイが隠されていた納屋の持ち主
の老人が落札する。そしてアルバートにジョーイが鞍に付けていた勲章と
ジョーイをアルバートに渡して戦争で死んだ孫娘が可愛がっていた馬だと返して
くれる。アルバートの目も治り故郷にジョーイに乗って帰還する。
「戦争は全てを奪う」と言うセリフが出て来る。アルバートと戦場で再会して
故郷に生還した「奇跡の馬」だ。地主の息子は、戦死してしまった。
ジョーイが黒い馬を、庇うようにするあたりとドイツ軍の2人の兄弟の少年兵が
何とも言えない感じだった。映画化されるまで舞台でウォー・ホースとして上演
されている作品だった。第1次世界大戦の時は、年齢を、ごまかして軍隊に志願する
少年が多かったのかも知れない。ウォルト・ディズニーの伝記に第1次世界大戦に年齢を
ごまかして参加したと書かれていた事を思い出した。戦争が終わってジョーイを競り落とした
老人は、息子夫婦を戦争で失い孫娘(納屋でジョーイを見つけた少女)まで亡くしていた。
この「戦争は、全てを奪う」という言葉に重を感じた。



2012年07月14日

『サラの鍵』(2010年)ジル・パケ=ブランネール監督作品を観た。
『黄色い星の子供たち』(2010年)と同じヴェル・ディヴ事件を題材にしている。
フランス政府がナチスに協力して1万3000人のユダヤ人を競技場に収容した事件なので
競輪場の中央に赤十字のテントがあった。サラの鍵の場合は、60年前の事件を調査して
いく物語だ。編集会議でジャーナリストのジュリアがヴェル・ディヴ事件の記事を書く
担当になり取材をはじめる。パリのマレ地区に建築家の夫の実家のアパートを
改装して3人家族で住む予定だ。偶然に取材で今、自分達が改装している夫の祖父母から
譲り受けたアパートに、1942年7月までヴェル・ディヴ事件で収容所に送られたユダヤ人家族が
住んでいた事に気付く。そして取材を兼ねて、ジュリアは、自分達が住むアパートに、かつて
住んでいた家族の安否を調べていく。そしてサラの家族が住んでいた記録から取材と調査が
進んでいく。
 マレ地区に暮らすサラがフランス警察によるユダヤ人一斉検挙の時に
母親とサラが警察に父親と弟は何処にいるか聞かれ父親と弟は、田舎に行っていると
2人をかばうが父親が戻って来てしまう。3日分の着替えと食料を持って来るように
荷造りの時間が与えられたので納戸(壁にドアが付いている)に弟のミシェルが隠れる
ようにする。「かくれんぼと同じ。絶対に開けちゃ駄目よ」「すぐ戻るから」と約束して
鍵をかる。ミッシェルは水差しとパンを持たされて隠れているが鍵を、かけられて幼い
ミッシェルは、閉じ込められたままになる。サラが脱出しようと鉄条網を潜ろうとして
見張り役に捕まえられるがサラがジャックという名前を知っていた事から見逃してくれる。
そして麦畑を橋ってフランス人の家族に助けを求めるが最初は、関わりたくないと断られ
犬小屋で一夜を過ごす。デュフォール家でサラと一緒に逃亡した娘が病気だと知りユダヤ人
を匿っているとバレてしまう危険を、侵してナチスと関わりの深い医者に見せる。
しかしジフテリアで死んでしまう。ナチスが家に来てユダヤ人を匿っていないか調べられた
がユダヤ人だと知って匿っていたら医者を呼びませんとサラの存在を隠して助ける。
そして少年に変装させてパリのマレ地区のアパートにサラを連れて行く。その時にジュリアの
家族が引っ越して来たばかりで異臭が小動物の死骸かも知れないと言っていた。
サラが鍵を開けると餓死していた。デュフォール家で亡骸を引き取りサラと帰っていった。
その後、サラはデュフォール家の養女になるが成人してアメリカに引っ越して結婚していた。
しかし、弟を死なせてしまった心の傷が深く自動車を運転していて対向車線にはみ出して
トラックと正面衝突して死んでしまう。サラには、息子がいた。イタリアで仕事をしていたが
息子は、自分がユダヤ人の血を引いていると知らなかった。ジュリアの夫の家の貸し金庫に
残されていた記録で、サラの生活費の援助をしていた記録が出てきて不正にアパートを手に
入れたわけでは無かった事がわかる。そしてジュリアは、高齢出産をする。
 第二次世界大戦を知る人が高齢になり孫の世代が社会人になり中間管理職になっている
例が多く、戦争の悲惨さを家族にも口を閉ざしていた世代の寿命が近いためテーマとして
60年前の過去を語るという設定が多く作られるみたいだ。サラのカギも保管されていた。



2012年07月08日

『赤ずきん』(2011年)キャサリン・ハードウィック監督作品を観た。
童話の「赤ずきんちゃん」のイメージと違い狼が人狼(おおかみ男)だった。
昔、狂犬病になると、おおかみ男みたいに見えたので伝説化したのかも知れない。
吸血鬼は、血を吐いた結核患者かから連想しそうだ。
童話に出てくるカエルは、召使いの下男を意味していたりするが子供が読むと
両生類のカエルだと思ってしまう。
村では、ブタを生け贄にして狼の襲撃を防いでいた。ヴァレリーは、その村で暮らして
いたが姉のルーシーが狼に殺されてしまう。村で狼を退治するためにソロモン神父を
呼ぶ。ソロモン神父ら複数の部下を連れて村にやってくる。猊下(げいか)と呼ばれて
いたので聖職位階はハッキリしなかった。世界に三本しかない銀の剣を持っていた。
なんだか『ドラキュラ』を退治に来たヴァン・ヘルシング教授が
現れるような感じだ。
ヴァレリーの幼なじみで恋人のピーターや鍛冶屋で村1番の金持ちヘンリーなど誰が狼男
なのか解らない。村人が襲われてソロモン神父が狼男に噛まれてしまう。
赤い月の期間に噛まれると狼男になるのでオーガスト神父が銀の剣で殺す。
狼男が教会に逃げ込んだ村人の前に現れてヴァレリーを差し出せという。村の外(森)で
暮らしている、おばあちゃんが心配で家に行くとピーターに声をかけられる。
家に付くと、おばあさんが狼に変わる。童話のセリフの、おばあさんの「耳が大きいのはなぜ」
「目が大きいのはなぜ」「口が大きいのはなぜ」も入っている。狼男の正体は、実の父親だった。
血縁でも人狼にはならないため赤の月に自分の能力を継がせる必要がある。ヴァレリーだけ
狼に変身した父親と会話できるという設定だった。狼男の実の母親がヴァレリーの祖母に
あたるのでラストは、ビックリした。赤頭巾の衣装は、赤いフード付きマントだが生け贄として
差し出せという時にウェディングドレスのトレーンみたいに白い雪に赤いコントラストで裾を
長く引きづっているシーンがある。狼男をヴァレリーが銀の爪を付けた腕で殺してピーターと
父が狼男だと村人に知られないように腹に石を詰めて死体を川に捨てる。
ファンタジーの世界をリアルに表現した映画だった。ヴァレリーの父は娘と村から大きな街に
移って人狼の力で利益を得たいというような事を言っていた。漫画『北斗の拳』の継承は
一子相伝(いっしそうでん)なので似た雰囲気を感じた。登場人物のネーミングがピーター
だと「ピーターと狼」(ピーターと小鳥が灰色の狼を生け捕りするみたい話)を連想させる。
誰でも知っている童話を実写でリアルにすると、こんな感じになるのかと感心した。


『ソーシャル・ネットワーク』(2010年)デヴィッド・フィンチャー監督作品を観た。
ハーバード大学学生のマーク・ザッカーバーグがアンタがモテないのは、
「オタクだからじゃなくて、性格がサイテーだからよ」と、ボストン大学の学生のエリカに言われて
しまう。頭に来て寮に帰ったマークは、ブログに彼女の悪口を書いてしまう。その勢いで
ハーバードのサーバーをハッキングして女子学生の写真を集めて女の子の顔の格付けサイト
フェイスマッシュを作って公開してしまう。その為にアクセスが集中する。
誰でも自分の評判は気になる。それから大学に割り当てられたメールアドレスのドメインを
持っている人だけの会員性のThe Facebookとしてマイスペースのフレンド認証の手順の前に
自分のプロフィールの開示を登録メンバーが行うようにするなど改良していく。
普及して、このサイトの創設者名に共同開発したプログラマーの名前が無いので訴訟になる。
アメリカの場合は、特許権は憲法で保障されている程、知的財産権を重視しているので
アイデアを盗む事は悪という認識がハッキリしているみたいだ。ただ独創性は、感じなかった。
ホームページ・ブログ・フェイスブックは、新しい話題を提供しないとアクセスが減る。
ツイッターになるとチャットなのでパソコンの画面に付きっ切りで時間と手間が大変だ。
映画としての面白さは、「波の数ほど抱きしめて」とか「インストール」みたい感じだった。
ビジネスとして観ると、日本ではレコードが高く有線放送のビジネスを大学生が企業化して
普及させた例がある。ネットワークの世界で見ると、1980年代末期からパソコン通信が
ありMS−DOSで動くホストプログムでも電子掲示板とファイルのバイナリティー転送で
顔写真が送れたりチヤットが出来た。アマチュア無線が趣味でコミニュケーションツールの
1つとしてパソコン通信が発達したのでインターネットをビジネスにするには抵抗を感じた
人が多い。無料のフリーソフトは、利用料金を取る商用ネットへのアップロードを禁止する
のが多かった。映画の中で「コーラの公告を入れるとクールで無くなる」というセリフは、
このあたりの流れを感じているのだと思われた。結局、コミニュケーションのツールは
進化しても、人間同士のコミニュケーションとして、文章を作成する必要が、あるので
やっている事は、あまり変わらないみたいだ。



2012年06月29日

『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』(2011年)オリヴァー・パーカー監督作品を観た。
2003年の『ジョニー・イングリッシュ』で007シリーズのパロディーの2作目だ。
ローワン・アトキンソンが空軍情報部MI7の諜報部員になって活躍する。
任務で護衛にしっぱいして要人を暗殺されてしまい中国の少林寺で修行していと復帰命令が
くる。秘密兵器にボンドカーがロールスロイス・ファントムだったりスピード違反の
自動取り締まり機のフラッシュが連続して光るシーンなど笑わせてくれる。秘密兵器を搭載した
電動車イスも笑える。高速走行の時は、バックミラーが出る。いっそパラリンピックみたいに
ホイールの角度まで変えてほしかった。ライダーから途中でヘルメットだけ借りるシーンも
笑えた。事前に『007 慰めの報酬』を、観てから観た。中国人の掃除婦の老婆の秘密兵器も
面白かった。ラストでナイトの称号を、回復して貰えると女王に謁見すると女王に変装して
肩に乗せる剣で切りかかられて本物の女王陛下を犯人だと捕まえてしまうが、贋物の女王が
捕まえられて終わる。良く出来た映画で楽しませてくれた。


『007 慰めの報酬』(2008年)マーク・フォースター監督作品を観た。
表向きは環境団体のNGOだかNPO法人「グリーン・プラネット」を窓口に
実際は、広大な土地を入手してダムで水不足を、人為的に作って不当な利益を
得る国際組織で黒幕を吐かせようとするがボンドが生きたまま捕まえられずに
何人も殺してしまう。MI6の内部にも、この組織のメンバーが潜入してMを
殺そうとしたのが経緯だ。新兵器で楽しませる事が難しい時代だけに007も
アクションで見せるしかないみたいだった。



2012年06月28日

ウレぴ(ウレぴあ)2012 Summerの表紙に「人生の最後に観たい映画の話」という
特集が出ていた。39人で109本の映画を、上げている。私は、『ソイレント・グリーン』
(1973年)リチャード・フライシャー監督作品を思い出してしまう。代表作は『ミクロの決死圏』や
『トラ・トラ・トラ!』だ。近未来の2022年ニューョークを舞台に殺人課のソーン刑事役の
チャールトン・ヘストンと人間ブックと呼ばれる同居して仕事をサポートする老人のソル役に
エドワード・G・ロビンソンが出ていた。食料不足でホームレス化した人間を生きたまま
ブルトーザーでトラックに積み込むポスターが印象的だった。肉や野菜は、高騰して特権階級に
しか入手出来ないらしい。魚も入手出来ずプランクトンを原料にした「緑のウェハース」を
食べて生き延びている社会だ。そのソイレント社の幹部の殺人事件の捜査をしているうちに
ソルがホームと呼ばれる公営安楽死施設で死を望んで安楽死してしまう。
ベットに寝て交響曲第6番「田園」を聞きながら草原の動物や大海原の海洋生物が生きていた
様子を観ながら一筋の涙を出して眠るように人生を終わる。刑事のソーンは、ソルの亡骸が
どうなるのか遺言どおりに追跡する。ソルの亡骸を含めて大量の死体がトラックでソイレント社の
工場に運び込まれて人間の死体を原料にソイレント・グリーンの生産をしている事実を目撃する。
プランクトンから食料を作るのはムリだったが政府は、ソイレント社と組んでいる。
ソルは、加工されていても死んだ人間を食べてまで生きたくないと思ったようだ。
ソーンは、ソイレント食品の重役を暗殺した者に襲われ倒すが負傷して病院に搬送される。
何か叫んでいる「プランクトンもダメになった。ソイレント・グリーンの原料は人間だ。
早く何とかしないと・・・」みたい事を言っているが、ここで映画は終わった。
すでに1970年代に映画で問題提起していた。ソルが最後に観ていた映像は、アニマル・プラネット
やナショナル・ジォ・グラフィックフィルムみたい感じだった。私が観たいかと問われると
絞り切れない。「探偵はBARにいる」のセリフでないが自分の人生を走馬燈のように最後の
瞬間に観る事になるのかも知れない。人生を生きる事は戦いだ。安定した職業に見えても結局、
本人が望まなくても技術革新や社会情勢の変化で映画みたいに波乱万丈な人生を経験する人は
かなり多いと予想できる。本人が問題意識を持って正確な情報を得て気付く事もあると思える。


『レンタネコ』(2012年)荻上直子監督作品を観た。レンタ〜ネコ ネコ ネコと
河川敷をリヤカーに猫を乗せてハンドマイクで歩く。リヤカーには、日よけ傘が付いて
いて人通りは少ない。ビジネスモデルとして考えると採算は合わないようだ。
昔に「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学」という本で
商店街で金物屋を経営していて配達のついでにやっていると言う事が書かれていた。
サヨコが猫を飼いたいけど飼えない事情のある人に猫を貸すが猫が快適に生活出来る
環境か住居を審査するの。最初の客は、高齢で余命が無い裕福な老婆。息子に作っていた
ゼリーを作るのが趣味だがスプーンでネコの足跡の形にくり抜いて食べている。
この時は、株を仕事にしていると言う。レンタル料は1000円で期間は向かえが来るまで。
暫くして息子からネコを引き取ように電話が入る。次が単身赴任の男性で妻がネコアレルギー
なので家族の元に帰る時まで。この時は、多摩川の母と呼ばれる占い師で1時間待ちと言う。
片方の靴下に穴が開いている。
古いが庭付きの広い一軒家に1人で住んでいる。猫が沢山いて寂しくないけど結婚願望は
あるみたいだ。資産を残してもらって自由に猫と暮らしているみたいだ。
リヤカーを引っ張るのは、家に引きこもらないで健康の為に散歩が目的でやっているみたい
だ。ある日、ネコにランクが付いていてニッポンレンタネコになっている夢を見る。
歩いているとニッポンレンタカーのハワイという看板で店に入る。レンタカー屋を1人で
何年も任されているメガネの女に車を借りてネコを乗せて遠くにドライブする。
コンピューターでTVのコマーシャルソングも仕事にしている。
その女とドーナツを食べると周囲を食べてドーナツの穴の部分を最後に食べる。
ネコを貸して暫くすると、くじでハワイ旅行が当たったので旅行中に借りている
ネコを一旦預けてハワイに行くという。サヨコは、ネコが沢山いるので家をあける旅行を
あきらめる。家でゴロゴロしている時の服は、民族衣装のサルエルだったりする。
隣の住人は、あなたの前世は、セミだったと顔を見るたびに言う。
ある日、中学の同級生と再会しムンバイに行くからネコを貸してくれと言われるが断る。
縁側で麦茶を出すと瓶のビールを持って来て「夏はビールだろう」という中学時代の
回想シーンで「夏はガリガリ君だろう」とガリガリくんを貰った事を思い出す。
仕事はドロボーと言う。刑事が尋ねて来てホントに警察に指名手配されていた。
今のネコは、口が肥えて「煮干し」でなくて「笹かま」を与えると良いらしい。
サヨコには友達がいない。2年前に、おばあちゃんが他界して心の穴を埋められていない。
両親は、映画で触れていないが家庭環境が特殊だと予想できる。株取り引きに占い師に作曲家と
三つの仕事を、こなしているあたりコミュニケーション能力や行動力は、あるみたいだ。
ラストは中学生にネコ貸せと言われ断る。なんだか現代アートでMAVO(マヴォ)という日本で
活動した戦前のダダ(美術系統)のグループがリヤカーに作品を乗せて引っ張って見せる
移動美術館みたいアート作品を発表した写真を見たがレンタネコは、それを思わせる。
レンタネコというパフォーマンスみたいだ。〔MAVO(マヴォ)には「のらくろ」の田河 水泡
(高見沢 路直)もいた。〕まったりとした猫みたいライフスタイルで規則正しい生活を
レンタルコを続けているのは自己管理が出来ている状態だ。曜日によって、こなす仕事を調整
したりしているのかも知れない。三つとも家で夜に、こなしていた。
昼間は洗濯物を干したりエアコンの電気を気にする程に広い空間があって羨ましい感じもした。



2012年06月20日

『月光の夏』(1993年)神山征二郎監督作品を観た。特攻隊員の実話を元にした
ドキュメンタリー小説を映画にしている。終戦後45年に校内音楽会の場面から
映画がはじまる。全校児童の数が多い。
音楽会の来賓に定年した音楽教師だった公子が来ている。古くなって廃棄されるピアノを
見て戦争中の思い出を語る。太平洋戦争末期の夏に九州の佐賀県に特攻隊の基地があり
鳥栖市(とすし)の国民学校に2人の特攻隊員がトイツ製のグランドピアノがある事を
聞いて借りに来た話を定年した当時の音楽教師が全校児童の前で講演する。
物流の要所なので戦前の経済的に余裕のある父兄が、お金を集めてグランドピアノを
学校に寄付していた。そして回想場面も織り込まれる。
6月の、ある日メタバル基地から2人の特攻隊員が訪ねてくる。上野の音楽大学のピアノ科
の学生だった。連れは 熊本師範の音楽専行科出身だった。死ぬ前に、ピアノを
弾きたいという事で、学校には楽譜がベートーヴェンのピアノソナタ第14番「月光」
だけしか無かった。1人が月光を演奏した。もう1人が楽譜をめくった。
時間が無くて、楽譜を、めくっていた隊員が演奏できなかった。学校の壁に「陸軍少年特攻兵募集」の
ポスターが貼ってある。当時の校長が軍事教練を受けていた小学生達に「今生の最後に弾いている曲だ」
と聞かせた。そして特攻隊員を送り出す為に「海行かば」を歌って送り出そうとしたが音楽教師は
泣いていた。楽譜をめくっていた隊員が、自分達の為に「海ゆかば」を弾いて子供達が
歌った。そして子供達に送り出され百合の花を渡されて基地に戻っていった。そのピアノを修理して
保存する運動が起こり新聞などのメディアが取り上げた。終戦特集にしようと
特別操縦見習い士官(特操)だった事がわかり、同時に特攻隊員が誰だったかを
調査し可能性の高い人物が熊本の麻生に生存している事が解る。取材の電話を入れると
「覚えていません」と言われる。その為に作り話し疑惑を持たれる。(被害者の心情という
ものを理解していない。感情に流されない強引で公平な取材も一歩間違えるとアスペルガー症
候群みたいな記者を生み出す、そのため取材対象との間に壁が出来てしまう。
記憶に無いと否定はしていない事から話したくない事実や忘れたい過去を
ほじくり出し過去の傷跡を開くような行為になる事は、解りきっているが取材を
する側は、報道の自由を、押し出し責任を取る事は、あまり考えていないみたいに
見えてしまう。現代では雑誌の編集長を取材する場合は、新聞社のデスクが行う
礼儀も忘れられている。)マスコミの上司が取材を始める。そして飛行機の不調で
引き返して再出撃できず生き残った隊員は福岡の第六航空軍の司令部があり振武寮に
軟禁されたという。整備も行き届かず燃料も無く不時着する機知覧特攻平和会館に
特攻隊員の遺影が飾られていると向かうと1036の石灯籠が道に並んでいる。
陸軍の特攻隊員の数と同じだ。海軍の特攻隊は5000名程だと思われる。
ここの写真で月光を弾いた隊員が「海野光彦」という事が解る。
別の生き残った振武隊員から福岡に遷され「振武( しんぶ)寮」に入れられて手紙も
出すことが禁止で死んだ事にされたという情報を得る。取材を続けて行くと風間は
海野の妹を妻にしていた事を語る。六機で的の機動部隊に向かって出撃しする。
しばらくすると風間の機体から黒煙が出て引き返す。レーダーを避けるため海面すれすれ
の低空飛行で行くしかない。しかも制空権を持っている相手は、高い高度から攻撃して
くる。敵に辿り着くのも難しかっただろう。しかし矢ヶ島謹司少佐は、命が惜しくなって
戻って来たと決め付ける。実際には、整備が完璧に出来ない程にガタがきている飛行機で
特攻している事が公に知られると士気が下がる事実を隠蔽する目的もあったと思える。
ピアノが修理され鳥栖市の小学校の体育館で公子と風間森介そしてピアノが再会する。
ラジオ局などのマスコミが来ている。公子は当時の月光の楽譜を風間に渡した。
風間は、月光の第一楽章を弾き海野の妹で風間の妻が譜面をめくっていた。

この映画は、おもに九州を中心にした市民より1億円の募金を集めて製作されたらしい。
1993年当時ならバブル期だったのでリージョナルシネマだった為か、あまり知られていない。
改めて観ると良く出来ていた。

最近、永遠の0(ゼロ)という百田尚樹の小説を読んだので真珠湾攻撃から沖縄戦まで
戦い続けたパイロットの話を読んだばかりだ。実際に空母に近づく前に対空砲火に「近接信管」
の付いた「VXヒューズ・マジック・ヒューズ」を使い弾が飛行機に命中しないでも近くで
爆発して撃墜するセンサーが付いていたと書かれていた。



2012年06月14日

『リアル・スティール』(2011年)ショーン・レヴィ監督作品を観た。数年後といえる
未来のアメリカが舞台だ。ロボットを使ったボクシングで生活してる元プロボクサーの
チャーリー・ケントンの所に昔、別れた妻が死亡したと連絡が来る。チャーリーには
11歳の息子マックスがいる。息子のマックスの親権は、亡くなった妻の姉でマックスの
叔母のデブラと叔父のマーヴィン夫妻で、しっかりとした家庭環境で育てたいと申し出が
ある。父親のチャーリーは、息子の面倒をみてくれる親戚が、裕福な金持ちなのでロボット
試合で借金だらけなので息子の親権を5万ドルで譲ると交渉する。成り行きで夏休みに
息子と過ごした後でニューョークに送り届ける事を約束する。父と子だけにロボット試合を
続けて興行の旅をする。ノイジーボーイはミダスの試合でスクラップになる。
ロボットを失いチャーリーは、マックスと夜間にスクラップ置き場にロボットのパーツを
盗みに忍び込む。足を踏み外して転んだマックスは泥の中に埋もれているロボットを発見する。
そしてロボットに「アトム」と名前を付ける。一世代前のスパーリング用ロボットだった。
目で見た動きを真似できるシャドー機能が付いている。チャーリーは試合用でないと決め付けるが
マックスはZooという場末の試合で賭けに勝つ。父親チャーリーにボクシングの戦い方を
アトムに記憶させて勝ちだしそして注目されだす。音声コマンドを組み込んで素早い指示で
戦う。子供がロボットを操縦したりパフォーマンスとしてロボットと同じ振り付けで踊ることで
注目されて公式試合でチャンピン『ゼウス』と戦う。音声入力が壊れて最後は、視覚認識
コマンドで戦う。『ゼウス』に1点差で判定負けするが父と子や親戚との絆が強まり人生の
勝者になる期待を持たせてくれた。
家庭崩壊した孤独な人が増えている現在の社会を良く表現している。チャンピオンチームの
ロボットデザイナーの名前がタク・マシドといかにもという感じだった。
アメリカ映画らしく逆境の中でチャンスを掘り起こして現実の物にするアメリカの精神力を
感じた。最後まで諦めないことが大切だと思える作品だった。SF的要素を加えたスポーツ興行物の
映画である。

 私としては、マザー・テレサの「まずは、家族を愛しなさい」とゴッドファーザーの
「家族を愛さないヤツは、男ではない」というセリフに共通点を感じている。
家族が同じ屋根の下で暮らせる社会システムを維持できなければ子供を産みづらい
ため少子化が加速する。アフリカの難民ですら家族単位で生活している。だから
子供の死亡率が高くても次々に産むことができる。数十年で、どんな世界になるのか?
私としては「八日目の蝉」になっでも見届けたいものだ



2012年06月13日

『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』(2011年)スティーヴン・スピルバーグ監督作品を観た。
1929年から発表されたマンガ原作の実写版だ。この時代の日本だと1933年の冒険ダン吉が近い
ようだ。タンタンは新聞記者でスノーウィという犬と行動している。タンタンは少年だが10代
でも仕事をしているのが普通の時代だ。自分で部屋を借りて1人暮らししている。
タンタンが偶然、フリーマーケットで3本マストの帆船の模型を買った事から冒険に巻き込まれる。
その模型を手に入れたいと探しているサッカリンより先にタンタンのものになってしまいタンタンに
何倍も払うから売って欲しいとしつこく迫るが断る。タンタンはユニコーン号だと気付く。
そのときスノーウィーがユニコーン号にぶつかってメインマストを壊してしまう。
メインマストから金属の筒が飛び出して床に落ちる。タンタンはユニコーン号に何か秘密が
ありそうだと図書館で調べると海賊に襲われ積み荷のタバコとラム酒に加えて王室の財宝と
共に沈没した軍艦だったことが判明する。部屋に戻ると何者かがユニコーン号を持ち去った
後だった。タンタンはサッカリンが怪しいとムーランサール城へと忍び込んでユニコーン号の模型を
見つけるがスノーウィが壊した痕跡が無く別のものだと気付く。タンタンが部屋に戻ると部屋が
荒らさ家捜しれており、模型を置いてあった棚の裏側の床に落ちた筒状の金属ケースに入った
謎の羊皮紙を見つける。タンタンはサッカリンの目的は、同型の模型に隠された羊皮紙だと気付く。
自分のサイフに羊皮紙を入れたがスリに掏られてしまう。丁度、街にスリによる連続被害が起こって
いる。デュポンとデュボン という2人のインターポールの刑事が捜査している。
タンタンは誘拐されて木箱に入れられてカラブジャン号に乗せられる。羊皮紙を手に入れるために
カラブジャン号のハドック船長も乗員がサッカリンの手下になって囚われている。
ユニコーン号の模型は3隻あり最後の一隻が王宮の防弾ガラスに入っているためオペラ歌手の
歌声で振動波が起こりガラスが割れた所で3枚目の羊皮紙を入手する。
ハドック船長はムーランサール城に住んでいた。サッカリンはユニコーン号を襲った海賊の末裔
だった。ハドック船長はユニコーン号の船長の末裔だった。謎を解くと財宝は屋敷の地下室の
隠し部屋にあった。だがユニコーン号が沈没した座標をサルベージすれば膨大な量の財宝を
発見できる。タンタンとハドック船長は、互いに冒険に行こうと言って終わる。
やはり映画は、希望や可能性を感じさせるエンディングがスッキリする。問題提起で終わると
後味が悪い。3Dアニメでもスピルバーグの作品は良く出来ている。


『映画 怪物くん』(2011年)中村義洋監督作品を観た。怪物ランドの新大王就任で
好き嫌いが原因で国民の不信感をもたれる。就任を延期させて人間界のヒロシの所へ
行くつもりがアクシデントでインドの王宮に降りてしまう。そこで天から来た伝説の
勇者だと思われる。そして姫を救出すれば伝説のカレーを食べられると介入する事になる。
しかし姫と王子は、さらわれたのでなく王宮に現れて実権を奪われて自分達の地位を奪還
すべく国民達と連携して戦っていた。王宮で兵士に命令している人物は、怪物ランドの
底辺の国民で岩石の怪物だったが平民が王になれない身分制度に対して人間界の王族の
姫と結婚して王になる事が目的だった。その為に悪魔界の王子とグルになって怪物くんと
戦う。この戦いで怪物くんは、国民の事を考えるようになり成長するというものだ。
人間界で何をしているか怪物ランドの国民は、大きなモニターで観察している。
ありふれた少年成長ものだが感動がない。手や足が伸びたり大きくなったりするのは
ワンピースのモンキー・D・ルフィーのゴムゴムの能力の元ネタみたいに見えた。
昔にアニメでみた怪物くんの帽子の下は謎で最終回で帽子を取ると昆虫の触角が隠れて
いた記憶がある。それもダミーだったのか解らない。マンガ原作の映画が多いが、この
映画はストーリーが単調でクォリティーの高い内容のアニメを見慣れている子供達は退屈
に感じたと思われる。しかも実写版なのでキャラクターに感情移入して観るのにムリが
ありシンパーシーを持てなかった。マンガも昔に流行ったから興行的に成功すると安易な
ストーリー展開と戦闘などの設定のままでは難しいようだ。



2012年06月10日

『書を捨てよ町へ出よう』(1971年)寺山修司監督作品を観た。
ドキュメンタリー・ミュージカルと言うジャンルらしい。映画がはじまると
主役が観客に向かって話し掛けてくる。こんな暗い映画館で、みんな何かに
待ちくたびれている。なんか面白い事がないかと映画館の暗闇の中でカッコ良く
堕落しようなんて思っているんなら行儀良く座っていたってダメだよ。と東北弁
みたい感じで話している。そして場内禁煙だけど、こっちは自由なんだとタバコ
を吸い出す。高倉健の映画観て自分が二〜三人ひとを斬った気分になった
のは誰だよ?と毒づいたりする。自分は泣いていたと言う。グリコでアルバイト
したけど100メートル17秒とかズレた事をいったりボクシングをやったら
3日しか続かなくて血の付いた包帯を巻いた手を見ていたとか境遇を語ったりする。
日本から人力飛行機で朝鮮に帰ろうとして死んだ人がいると言い出す。
「誰も俺の名前なんか知らない」朗読詩の前置きがおわる。
そして映画がはじまりボクシングのリングが映し出され音楽がかかる。そして戸籍を
読んで家族の説明をする。住んでいるのは新宿の戸山団地のようだ。父親に髪を
切ってもらっている。線路の上を走る。人力飛行機で飛んでやると叫び走っている。
サッカーの部室で練習が終わって部員達がシャワーを浴びている。そこに顔を出して
いる。星条旗が中心から燃えて顔にマンガみたいに見えるバランスのお面をがぶった
人が写しだされて若者達の風俗が写される。妹は男性の性器の形をしたサンドバックを
電柱にぶら下げて腹が立ったら殴れるようにして警察に外せと言われたらしい。
主人公の青年が、スーツにネクタイのサッカー部の男に筆おろしの為なのか、
遊郭みたい所に連れていかれる。ゲイボーイがいて本理想(好みのタイプ)と言われる。
次に占い師みたい女がいる。なんか色々な人がいる遊郭みたい感じで、老女・若い女性と
気に入った相手を選べるようだ。そして若い女性に服を脱がされるが全裸で、うつ伏せに
なっている。うつ伏せのまま最後には、泣き出して帰ると言って春画に手をかけると
カーテンみたいに開いて田園の風景が広がっている。そして遊郭を出て女医のいる
病院らしい所に行く。赤い照明が怪しい。「苦しみは変わらない変わるのは希望だけだ。」
マルローと青いドアに書いてある。
グランドに白いラインパウダーで「自由の敵に自由を許すな」とライン引きで書いてある。
その上でサッカーをして文字が消えていく。フリーダムと歌が流れてサッカーをしている。
そして「あげまん」の見合い写真みたいに何人もの様々なプロフィールや自分の趣味や好みを
動画で写して相手を募集している映像が流れる。そしてサッカー部の部室で部員がたむろ
している。オープンリールのテープレコーダーで東北弁を聞いて笑っている。
訪ね人の張り紙が映し出されて次にマンガを映し出される。
そしてサッカーのクランドと田舎の「かあさん」が映し出されて次にボクシングのリングが
写しだされる。主人公が部屋で眠っていると、ウサギを飼っている妹が線路脇を通って
散歩している。父親と祖母がウサギを処分した方が良いと話している。
主人公は部室の掃除をしている。いきなり人力飛行機の場面になる。
そして祖母が父親がウサギを殺さないから近所の金さんに夕方、お風呂が行っている間に
ウサギを始末してほしいと頼む。そしてウサギは殺される。夕食を食べていると妹がウサギ
が殺されている事に気付く。戸山から早稲田まで近いのでサッカー部の部室に妹が入り込む。
シャワー室にいたサッカー部員が、いきなり襲いかかり他のサッカー部員も加わって
部屋に鍵をかけてレイプされていても助けられなかった。中に入ることも出来ず主人公は
ドアの前で耐えているだけだ。自転車のベルを鳴らし続けていた。
部室から出てきた妹と歩いている。何故か手でウサギのマネをして妹をなぐさめている。
画面が高倉健の大きなポスターが映し出されて助け出せなかった事を悔やんでいるようだ。
ウサギが死んでから祖母の所に養老院の案内にキリスト教の牧師らしき人がくる。
父親が呼んだ事がわかる。映像が変わって死んだ祖父が三途の川の沼に入れば一皮剥けると
いう。そして若返って見える演出だ。主人公は、ウサギが殺されて落ち込んでいるから
洋食屋に連れて行く。客の中に書物について難しい話をする客がいる。
盛り場の女性にインタビューする場面があり今まで読んだ本で面白かった本を訪ねられて
女性は、聖書と答える。老婆(祖母)は、家族に相手にされないと繁華街で宝くじがあたったけど
相続人がいないと嘘をついて周囲の人にかまってもらう。身寄りが無いから相続人がいないと
言うと、隣の金さんが、この婆さんは、家族もあるし息子もいるけど相手にされない時に
万引きしたり嘘ついたりして相手にしてもらうと言う。
父親が妹の為に代わりのウサギを買ってくる。いらないと言われる。父親と主人公が会話を
している。屋台をはじめたらと言うと予備校に行っていないから就職しろという。
人ごみで通行人に、この先に行くと良いこと無いと絡んだりしている。
友人の部屋に行くと妹が暮らしている。そして映画が終わると白いスクリーンが残ると
いうナレーションが入る。コカコーラの瓶の中に蜥蜴を入れて飼っていたら大きくなって
出てこられなくなった。コカコーラの瓶の中の蜥蜴が日本の現状だという。
そして人力飛行機が燃えている。主人公を刑事がコートを盗んだと連れて行く。
主人公は、俺のコートだバカヤローと叫び続けている。
セーターの上にコートを着ているのはカサブランカに憧れているからみたいだ。
出演者やスタッフが集合して、映画は灯りが付くと終わるけど人力飛行機で墜落する夢を
みるのは捕まるものが無いからかなあと言う。映画は電気が付くと消えていく。
たから映画が嫌いだという。
エンドロールの代わりにキャストやスタッフの顔のアップが横に流れていく。
映画の中に様々なメディアアートを挿入しているためストーリが断片的になって難解だ。
かなり個性的な表現の作品だった。



2012年06月08日

『交渉人』(2003年)三池崇史監督作品を観た。WOWOWのドラマだ。
医療過誤を良くおこす病院で息子を失ったFBI帰りの石田修平警視正と
末期ガンで医療過誤訴訟まで生きられない妻と警察の資料室にいる
遠野麻衣子は、石田の妻に卵子提供して体外受精までして、やっと作った
子供だった。医療制度の崩壊に司法・行政の制度の不備など社会問題によって
引き起こされた事件だった。まず、コンビニを外国人に強盗させる。そして
日本人が外国人になりすまし病院に立てこもり患者を人質に取る。そして
ある程度の人質を解放する。最後まで残したのは、医療過誤を起こして隠蔽
した病院の経営者などの関係者だ。鉄筋を焼いた棒で火傷の跡が残り烙印と
して反省させて開放する。事件の真相が明確になると自分達の悪事も世間の
知る所になり真相を語らないと確信しての制裁だった。
『誘拐(ゆうかい)』(1997年)大河原孝夫監督作品は、公害被害の原告の
中に事件を指揮する刑事津波浩(渡哲也)がいてガンで余命が無い事から
犯行を計画して3億円を背負って走る姿をマスコミに放送させるストーリー
だったが動機や背景は似ていると感じた。沢山のヘリコプターがスゴかった。
 今年の全国公害被害者総行動では、3.11で被爆して健康被害にあった人が
大勢参加していたらしい。すでに子供の甲状腺に異常が出たりしている。
丁度、6月の4・5日だった。水俣病の認定に申し込み期限をつけて7月以降に
水俣病だと診断されたり発病し悪化しても何の保障もしない行政対応だ。
昔、障害が残っても倍賞金を払わないで済ませる交通事故の示談屋が暗躍した
ことがあったが、大っぴらに国家の制度が、こんな状態で良いのだろうか!と
私が東京大気汚染公害裁判の幹事をやっていた事もあり考えさせれた。


2012年06月07日

『金色夜叉』(1937年)清水宏監督作品を観た。松竹大船撮影所で作った作品で
間寛一役を夏川大二郎・お宮役を川崎弘子が演じている。あまり沢山、映画化されて
いるので調べるのも大変だった。鴫沢家のカルタ会で銀行家の富山と鴫沢宮の結婚が
決まってしまう。富山は、この時代に運転手付きの車で、お宮を送る。
片や間寛一は旧制第一高等学校に通う貧乏学生だ。学友達も寛一と、お宮が結婚すると
思っている。
間貫一(はざま かんいち)の許婚の、お宮(鴫沢宮、しぎさわ みや)は、惨めな生活
はイヤだと寛一との婚約を破談にしてしまう。熱海の海岸で、お宮を問い詰めると、
宮は惨めな結婚生活は、イヤと言う。貫一は、お宮を蹴り飛ばして別れる。
お宮は、富山の妻となり寛一は、高利貸しの実家で見返してやろうと学校を辞めて働く。
かつての学友の家が債務者の保証人なので差し押さえをする。学校を辞めると同時に
人間も辞めたと言う。鰐淵商会(わにぶちしょうかい)の手代として働いていると、
富山が株取り引きで失敗して、みつえに金策を相談して間寛一が金を貸す。寛一は
期限厳守としっかり伝える。
富山は、株取り引きで無一文になってしまう。寛一が期日に取り立てに行くと富山は留守
だった。寛一は、たいした金額でないから小遣いで払えないのかと言う。富山の空の大きな
金庫に目が眩んだのかとイヤ味を言う。そして、この程度の金ならくれてやりますよと、
お宮の目の前で証文を破り捨てる。そして1人泣いてい過去を詫びている。
お宮は、寛一に妊娠していると打ち明ける。寛一は「いい、お母さんになるよう お祈りします」
と言ってお宮を残して部屋を出る。玄関で戻って来た富山とすれ違う時に、
「奥さんを大切にしてあげてください」と言い みつえ には「間寛一は、日本一いや世界一の
大馬鹿者でしたよ」と行って去る。寛一の学生時代のボロボロの学生服姿から金融業の
鰐淵商会で働いているスーツ姿のギャップが良かった。
現在は、金貸しを主人公にしたマンガが幾つも映画化されている。時代背景が明治の
金色夜叉より刺激的でトラマチックな内容だ。明治時代に高利貸しになると後ろ指を
指されただろう。金融業といっても事務的に仕事に私情を挟まないで借用書通りに
事務的に仕事を、こなしている寛一は、現在の銀行家より真面目に見えた。
庶民金融は、戦後の昭和に創業した所が多いが現在は、グレーゾーンが無くなり
銀行の一部門やクレジットカード会社になっているみたいだ。


『月光ノ仮面』(2012年)板尾創路監督作品を観た。終わるまで月光仮面が
出てくる映画だと思い込んでいた。ベートーベンのピアノソナタ「月光」が
流れているのだから『月光の夏』みたい映画を連想するべきだが電人ザボーガー
の印象が重なってしまった。寄席の場所は御徒町のようだ。池にボートが繋がれて
いて満月の日が続いている。戦死したハズの兵隊が帰国して落語の寄席で落語家
の座布団に座ってしまう。この男、粗忽長屋をぼそぼそとつぶやくだけで一言も
話さない。大勢で高座から退かせて外に引きずり出すと持っていたお守りから
落語家の「森乃家うさぎ」だと思われて森野屋一門で生活を始める。戦前は新聞が
取材に来る程の人気があり、真打ちになる所で徴兵された。その為、若い弟子は、
兄さんと面倒を観る。しかも師匠と婚約者まで本人だと思い込んでいる。
そして暫くすると咽を怪我して声を失った「森野屋うさぎ」が戻ってくる。
師匠に手紙で自分の代わりに話をさせたいと伝える。そして一門会を開く。
戦場で自決する寸前に追い込まれている場面がありラストの以外な行動の布石
になっていた。夜間戦闘機「月光」 との関係は無いみたいだった。



2012年06月04日

『愛と誠』(2012年)三池崇史監督作品を試写会で観た。物語の回想シーンのアニメで
はじまった。クエンティン・タランティーノ監督のキル・ビルみたい手法だ。
そしてカルメンがオペラだとしたら昭和の歌謡曲や狼少年ケンのアニメソングで
歌って踊るのが面白い。角川・東映版だからなのか太賀誠の額の傷が月光仮面
みたいだと、からかわれるアニメの回想シーンがある。月光乃仮面のDVDが
角川映画から発売されるから宣伝を兼ねたのだろうかと考えてしまう。
旗本退屈男の主人公・早乙女主水之介(さおとめもんどのすけ)の額に受けた
三日月型の「天下御免の向こう傷」を連想してしまうが21世紀なので若い世代に
通じるように月光仮面にしたのかは、解らない。短い時間で青葉台から花園実業に
転校して自分を捨てた母親と再会する所まで一気に話が進んで行った。
大勢を相手にしても太賀誠が喧嘩する場面は圧倒的に強い。リアルより娯楽として
面白くなる方向のようだった。封切り前なので、このくらいにして後は見てのお楽しみだ。
浅野琢也の名前はエンドロールの衣装協力に入っていた。

    6月16日公開です。

2012年06月03日

『カルメン』(1984年) フランチェスコ・ロージ監督作品を観た。
フランス人の作家プロスペル・メリメが1845年に発表した小説に音楽が付いて
オペラになった作品だ。ビゼーのオペラだが舞台でなく屋外のオールロケで楽しめる
映画だ。ミュージカルに近いがオペラなので伝統的な感じで難解だった。
カルメンはタバコ工場で働いているジプシーの女性だ。スペインなので半裸で
タバコを作っている。その工場の隣に兵舎があり歩哨の時に工場を眺めるのが
兵隊たちの楽しみだ。そんな時に隣の工場で女同士の喧嘩が起こりカルメンを
衛兵の伍長ドン・ホセが牢に護送するがカルメンの色じかけで逃がす。
ドン・ホセには、婚約者ミカエラがいたがカルメンに夢中になる。そして
密輸をするジプシーの群れに身を落としてしまう。伍長の地位も捨ててしまう。
カルメンの愛は「半年の期間限定」だと諭されるが聞かない。カルメンは、すでに
闘牛士エスカミーリョに心を移している。ドン・ホセは婚約者のミカエラから母親が
危篤だと教えられジプシーの盗賊団を去り実家に戻る。
闘牛場の前にエスカミーリョの恋人になたカルメンがいる。エスカミーリョが闘牛場に
入った時に、カルメンの前にドン・ホセが現れて復縁を迫る。復縁しなければ殺すとまで
言い出す。カルメンは殺せばいいと言いドン・ホセがカルメンを刺し殺して終わる。
闘牛士の衣装や軍服のデザインは良く出来ていた。字幕を読みながらオペラを聞くが
知っている曲を歌っていると感動する。情熱的だけど冷めやすく気の多いカルメンばかり
もてるのが不思議だ。ダバコ工場に何百人もの女工が働いていて、その中の1人で情熱的で
冷めやすい性格なので目立つがスバ抜けて美人という訳でもないように感じた。


『シルクハットの大親分』(1970年) 鈴木則文監督作品を観た。熊坂虎吉がシルクハットを
被ったままで船室のバスタブで身体を洗っている場面からはじまった。若山富三郎が主役の
熊虎一家の熊坂虎吉親分を演じている。緋釦博徒では脇役だったが日露戦争の時に軍の仕事を
請負い民間人にも関わらず手柄を立てる。時代背景は。明治維新が終わり元、武士だった
人間が現役世代で活躍している。大陸から自前の船で凱旋するが出迎えが少ない。
軍需で暴利を得ようと軍の高官と結託し金を水増ししている熊本の鎮台一家総長、谷垣伝次の
歓迎会だけ関西・四国・九州の親分衆や軍の高官が集まり盛大に開かれているので会場で
手柄を立てたのは、名も無い人足達のおかげだと冷や水をかける発言をして乱闘になって
しまう。そこに、大阪堂万一家の、お神楽のおたか親分が仲裁に入りこの場を、納める。
雇った3人の人足の遺骨と位牌を持って女郎屋に行って死んだ人間にも女を買うあたり
情が深い。子分に木箱に入った避妊用具を配って突撃ラッパを吹かせたり笑わせてくれる。
それから殉職した人足の遺族の家を訪ねる。(現代の企業は、労災隠しをしたり代表が遺族
宅を訪問する事すら無くなった。裁判になっても弁護士と法務担当任せだ。人情が無いのに
加えて情報が伝わらない組織構造が問題なのだろうが改める企業は、まず無い。)
人足の娘が高熱で寝込んでいるが医者に見せる金が無い。熊虎は、人命がかかっていると
軍隊の中将が乗っている人力車を力ずくで借りて少女を病院に担ぎ込む。(無法松を
思い出させる)病気は、はしかだった。熊虎は、そのため憲兵隊に呼び出されるが、大陸での
活躍を書いた乃木将軍からの手紙に戦友とまで書かれているので大陸に要塞を設営する公共事業を
任される。ただし熊本の鎮台一家が半分を担当して熊虎一家も半分を担当する。
乃木大将の手紙を貰って喜んでいるが熊虎は、字が読めない。
九州から大陸に人足と物資を船で輸送する仕事なので四国の熊虎には不利な状態だ。
陸軍中佐、鬼頭太一郎と結託している鎮台一家と赤馬一家の親分の大坪駒造で遼東半島に
新要塞構築の工事請負を一任されていたので熊虎が陸軍省防衛部長の松村良徳から遼東半島の
要塞構築についての人夫と食糧調達の半分を取られて面白くない。人のいい熊虎が関わると
お国の為と不正に料金を水増しして暴利を得る事が出来なくなる。
仕事の下準備に九州に付いた熊虎一家に対して鎮台一家がダイナマイトを崖から荷馬車に
投げつけたり刺客を送ったて殺そうとした。鎮台一家の妨害で困っている所に大阪・堂島の
おたか親分の陣中見舞だった。熊虎が鎮台の船に潜入すると鎮台一家は態虎一家が人足を
集められないように慰安婦として騙して連れてきた大勢の女達まで船で人足と荷物や資材と
一緒に大陸へ連れ出そうとしていた。熊坂虎吉は鎮台一家と戦おうとするが急に意識を失って
しまう。鎮台一家に刀で串刺しにされそうになっている所で銃声が一発鳴り刀に命中する。
そこに緋釦博徒のテーマ曲と共に緋牡丹のお竜が現れる。ジーンとくる、かっこいい登場だった。
そして、矢野組の客分や熊虎一家の子分達が駆けつける。この状況はマズいと鎮台は、後で
報復にダイナマイトを使って熊虎一家の子分や人夫達に緋釦の、お竜の子分の新二郎に
熊虎を追いかけて来た蝶子まで犠牲になる。熊虎が倒れた原因は、少女に はしか を感染させ
られた為だった。「怪我なら怖くないが病気はあかん」と弱音をはく一面が良かった。
病気が治ると緋釦のお竜と共に「兄弟いくで!」と鎮台に向かって斬り込んだ。
そして怪我を負うが軍の仕事を、大阪堂万一家の、お神楽のおたか親分が手配して船に乗り
先に行っていると熊虎を助けラストも良かった。



2012年06月02日

『桜田門外ノ変』(2010年)佐藤純彌監督作品を観た。冒頭にアヘン戦争の
絵が登場する。日本も同じ目に合わされるのではないかと朝廷の許可を得ないで
不平等条約を結んだ江戸幕府大老・井伊直弼を暗殺して挙兵する計画を立てるが
将軍が変わって挙兵できないで終わる。桜田門外の変で暗殺に成功するが幕府と
藩の両方に追われて捕らえられる前に切腹する仲間達、のちに桜田十八士と
呼ばれるみたいだが寺に逃げ込んで切腹するのは神社・仏閣は管轄が違うため
らしい。自刃(じじん)に切腹と沢山人が死ぬのだが水戸脱藩浪士だけ梯子を
外された状態だった。『サムライ・シネマキャンペーン』の『十三人の刺客』
『雷桜』『武士の家計簿』『最後の忠臣蔵』は、すでに観たので全部観終わった。
『一命』に登場すた井伊家と同じ場所なのかと気になる。


『おと・な・り』(2009年)熊澤尚人監督作品を観た。隣の音が聞こえる古い
木造アパートに人物写真から風景写真へ被写体を変えようとしている
男性カメラマンとフラワーデザイナーを目指し花屋で働いている女性が住んで
いる。互いの生活音だけ聞こえている。実家に戻ると担任の先生が定年になり
謝恩会があるとハガキが届く。そこで顔を会わせるみたい感じだ。
フラワーデザイナーの試験にも受かる。田舎に帰ったりする移動の時に駅や
列車を写すことで空間移動のメリハリを付けていなで映像をつないでしまい
解りづらい。熊澤尚人監督の『君に届け』の前の映画なので、鑑賞者を感情移入
させる力がまだ弱かったようだ。


『昆虫物語 みつばちハッチ 勇気のメロディー』(2010年)アミノテツロ監督作品を観た。
内容は、ハッチが虫と会話のできる人間の少女と出会いスズメバチに、さらわれた母親と
再会し救出するまでのストーリーだ。ドーナツとハーモニカが目立つアイテムだった。
子供が観るにはストーリーが単調でジブリやディズニーみたいなクォリティーに慣れている
ため今ひとつという感じだった。


2012年05月27日

『愛と誠』(1974年)山根成之監督作品を観た。信州の蓼科高原のスキー場で
早乙女 愛を助けて怪我をする場面で子役の前歯が1本無いのが気になった。
そしてアーチェリー部の合宿にきていた早乙女 愛たちがカミナリ族に絡まれている所を
『フーテン・タイガー』こと太賀 誠が助けるが乱闘になり警察に捕まってしまう。
早乙女 愛は、父親に頼んで少年院行きになりそうな太賀 誠を父親のコネで
名門・青葉台学園に編入させる。しかし転校の自己紹介で先生に帽子を取れと言われ
次にポケットから手を出せと言われて事故に見せて拳を先生の顎あてて怪我をさせる。
それからラグビー部とボクシング部を掛け持ちして自分の手下を作って学園の覇権を
取ろうとする。そして多摩川の河川敷で決闘をする。そこに岩清水 弘が割り込んで
腕力でない1対1の命をかけた決闘をする。チキンレースみたいに勇気を競う方式で
ナイフの柄を地面に刺して刃が天を向くようにして後ろ向きにナイフに近づいて倒れて
近い方が勝ちだがナイフの刃の上に倒れると死ぬという感じだ。結果は、引き分けだ。
そこに隠れていた太賀 誠の手下が大勢で現れて投石をはじめる。黄色いヘルメットに
ローマ字でタイガーと書いてあるあたりが過激派が暴れていた時代感を表している。
学生服の黒が暗闇に隠れるのに適している。太賀 誠やラグビー部とボクシング部の
メンバーは白いシャツなので石を、ぶつけられて次々と倒れていく。太賀 誠が止めても
止めない。そして早乙女 愛の額に石が命中して怪我をしてしまう。太賀 誠が早乙女 愛を
抱き上げて顔に傷が残らないようにする。と言って終わる。
「岩清水弘はきみのためなら死ねる!」は、当時、流行語になった。
40年近い時を経過し世紀を越えて2012年6月16日に公開される21世紀の『愛と誠』が、
どう生まれ変わるのか楽しみだ。


『花より男子』(1995年)楠田泰之監督作品を観た。ぼくたちの映画シリーズとして
『白鳥麗子でございます!』などバブル経済の余韻が残っていた時代の作品である。
一般市民(パンピー)の、内田有紀が牧野つくし役でセレブばっかりの英徳学園大学で
F4と張り合う内容だった。『桜蘭高校ホスト部』みたいなノリに感じた。
社会背景は医療費の負担が社会保険の本人負担が1割の時代だった。



2012年05月23日

『ワイルド7』(2011年)羽住英一郎監督作品を観た。前半は飛行船に細菌兵器を搭載した
バイオテロの阻止でブラックサンデーに最近は、洋画の『12モンキーズ』『タキシード』
ドラマの『24』を観ていたので、又このネタかと思いながら忍耐強く観ていた。
バイクのアクションも物足りない感じがするのは、人間離れしたアクションをVFXで
表現する映画が多いため見慣れているからだろう。あまり変わった改造車でなかったり
サイドカーでなくトライクだったりしてメカが中途半端に感じたりした。
排気量の多いバイクだと取り回しが大変難しい。そのためFOXのドラマ『ダーク・エンジェル』
では「Ninja 650」に乗っている設定で実際はKawasaki ZZ-R250 にしていた事を思い出しました。
トレーラーは、機動隊みたい雰囲気で警察組織みたい雰囲気が出ていました。火器が強力だけど
ここまで大事になると自衛隊の治安出動レベルの国際テロを解決させる設定は無理があると
感じさせられた。バイオテロを防いだ時に公安調査庁情報機関(通称:PSU)の情報分析部門統括者
が警察に情報を流す時間を遅らせて株のインサイダー取引きで20億円の利益を得ていた事から
〔ワイルド7〕VS〔PSU〕の〔桐生〕となる。ここからワイルド・セブンの存在に気付き取材
していた記者をワイルド7のセカイの娘だと知ってPSUの桐生が人質にする。しかも桐生は
SAT(Special Assault Team 特殊急襲部隊)を指揮している。銃撃戦でセカイが撃たれたが
最後の力で記者の娘を救出して死んでしまう。左右の肺を貫通したように見えたので無理がある
と感じた。桐生の切り札の情報をワイルド7指揮官の草波勝警視正が開示して世界中ま裏世界の
勢力図が変わり裏社会に狙われて桐生は消されてしまう。ワイルド7のメンバーが1人欠けた
所にテロリストに家族を殺されて復讐の為にバイクに乗ったスナイパーの女性が警察に出頭して
ワイルド7のメンバーとなり終わり良ければ全て良しで後半から面白くなった。
ワイルド7の飛葉大陸が着用した衣装(黒に赤をポイントにしたライダースとブラックデニムの
カーゴバンツにブーツがDVD発売のためにTSUTAYA渋谷店の1階に展示されていた。
主観では電人ザボーガーのほうが面白かった。月光乃仮面も観てみようと思う。


2012年05月20日

『レディ・キラーズ』(2004年)イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン監督作品を観た。
ミシシッピ州の保安官事務所に黒人の未亡人が近所のラジカセのヒップホップの音が大きい
と注意するように言いに来るところからはじまる。保安官事務所の壁に選挙のポスターが
貼ってある。猫を捜させられたり有権者の機嫌を取って再選を目指しているようだ。
その未亡人の家に訪問者が現れる。ゴースウェイト・ヒギンソン・ドア教授でロココ時代の
音楽を研究しているので張り紙を見て「貸し部屋」を借りたいという。それから楽団員が
地下室で練習すると言いながらカジノ船の金を保管している地下金庫の金を奪うため
トンネルを掘り出す。ここで全員死んで老婆に大金だけ残る「マダムと泥棒」を思い出した。
イギリスが舞台の映画を現代のアメリカに置き換えたリメイクだと気付いた。
保安官は、ポケットベルなので1980年代のようだ。ドーナツ屋の中国人の将軍は、
『総務部総務課山口六平太』の吸っているタバコを口の中に隠して出して又吸う特技を
やっていた。死体が出ると汽車の荷台に投げ込むのがゴミを捨てる艀(はしけ)に捨てて
いた。仲間割れや戦闘でなくタイミングの悪さや偶然で死人が出ていた。教授が保険会社が
盗んだ金は、保険で支払われて加入者が1人あたり1セントだけ損をすると言ったので
保安官が金は、貰っておきなさいと言ったので月に5ドル寄付している大学に寄付する
様子だ。ラストで猫がちぎれた指を橋から捨てゴミを捨てる艀に乗っかる。
河口に積み上げられたゴミの山が印象的だ。ゴミに有害物質が混ざっていたら水質汚濁で
水を汚染しないかと考えてしまった。コーエン兄弟の映画は、最近ではトゥルー・グリット
を観た。


2012年05月18日

5月は、SICF13とデザイン・フェスタ35を見に行ったので体力的に
かなりキッかった。座って休む場所が少ないし水分の補給も大変だ。
建物が巨大になると歩行困難なので大変困る。また体調を整えて話題を
提供する予定だ。

2012年05月07日

『テルマエ・ロマエ』(2012年)武内英樹監督作品を観た。アニメの実写化なので、
ある程度は、クォリティーが下がるのを覚悟してみた。『秘密結社鷹の爪』の
FLASHアニメ制作会社・DLEが作ったアニメを観ていたので古代ローマ帝国の都市を
実写化で、いかに見せるか難しそうだったが、この難問をクリアしていた。
昨年の3,11の震災で疲れきった日本人を癒してくれるのは、結局、温泉なのかも
知れないと思わせてくれる。ナポリに近いヴェズーヴィオ火山が50年前に噴火して荒廃した
荒れ地で被災した土地の末裔が山賊で生計を立てているストーリで温泉街を作るのは
アニメの話なので、この実写映画とは違うストーリーの内容だった。
温泉を戦場に作る時、タイムスリップした年寄り達が湯治場と言っていたあたり
観光地としての温泉だけでない歴史と伝統を感じさせてくれた。パンフレットの
解説も風呂の歴史まで書いてあり娯楽作品の中に教養番組としても楽しませてくれる
作りになっていた。温室のバナナの種が発芽する設定も良かった。ラテン語を覚えるために読んでいる
本は、図書館の蔵書シールが写っていて図書館から借りてきたという生活感が良かった。
風呂で溺れるような感じでタイムスリップするが、その場に戻って来るので違和感も無い。
戻ってくる時は、感激の涙を流した時という設定も良い。余談になるが3,11直後だと風呂で溺れる
シーンでさえ自粛してしまっただろうが被災して温泉が避難所になった事もあるし阪神大震災の時に、
海上自衛隊の艦長の判断で被災者に風呂を提供した前例で東日本大震災では海上保安庁と海上自衛隊が
風呂を提供していた。
600円のパンフレットには、日本では寺が風呂を施浴(せよく)したのが銭湯の始まりなど良く解説して
ある。日常生活に使って違和感の無いグッズも良く売れているみたいだ。中身の濃いパンフレットを安く
すればグッズも買おうという気になる。おまけに温泉に行きたくなり景気回復にも効果がありそうな
映画だ。温泉組合や観光地が作った映画で無いがロケ先は、茨城・栃木・群馬と福島周辺の県と
いうのもすごい。
第二次世界大戦の直後に作られた名作として残る映画は、多いが今年の4月・5月の映画は良く出来て
いるような気がする。邦画全体のモチベーションが上がってきたみたいだ。
武内英樹監督の場合は「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」と「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」の
経験がある。「のだめ」の時は、日本人が外国人に扮する違和感を感じたが同じ監督なのでスタップも
3回目にもなると手馴れてきたのかクォーリティーが高くなったみたいだ。
そのため違和感を感じなくストーリーに集中できた。温泉の常連達までも団体でタイムトラベルして
戦争で怪我をした古代ローマ人のために「湯治場」としてオンドル式の温泉を作ってしまうあたりは、
人のいい日本人らしさが良く出ていた。附箋としてタイムスリップした時に残されたコインとトーガの
年代を退官した元教授が後輩の教授に分析させて事前に情報を得ていた為か、全員が古代ローマでの
状況と環境に適応してタイムトラベルを娯楽にしてしまうあたりは、年の功なのだろうと納得させられる。
しかも史実とズレそうな歴史の補正までしていた。大きな風呂や温泉に入ると気も大きくなるみたいだ。
「水周り関係」に「医療関係」を併せて、いっそ高齢者の入浴中の孤独死防止にバイタルチェック
(パルスオキシメーターや心電図の一部機能を併せ持った)のセンサー機能付き浴槽を開発してみると
役立つのではないかとおもった。血圧計のトコルコフ音を感知するには浴槽内(湯船の中)に足の、
ふくらはぎをエアーか温水を浮き輪みたいな形状で膨らんだり萎んだりすることでマッサージする機械を
付けることで測定可能だが浴室のスペースも必要だしコストがかかりそうだしメンテナンスが大変そうだ。
やはり人間が必要だ。テルマエ・ロマエで奴隷が息で泡風呂にしていたみたい発想になってしまう。
ここは面白いと同時に鍛冶屋の鞴(ふいご)が発明されていればと思えた。
古代ローマ帝国の公衆浴場と日本の銭湯の共通点に着眼した点に加えて温泉で酒飲んで宴会という部分が
無いあたりもスッキリと、まとまっていたおかげで楽しめた。
原作の時点で美術大学などで石膏デッサンをさせる前にモチーフが何処の誰だとか何処で発見されたもの
だとかの歴史的背景などを教えて興味を持たせることで探究心と想像力を育成をする、指導方法のきっかけ
を作るのにも良い作品だと言える。この映画は、こんなヒントも含んでいた。


2012年05月05日

『世にも奇妙な物語』(1967年)のエドガー・アラン・ポー原作の3本のオムニバス映画を
思い出した。第一話が『黒馬の哭く館』 ロジェ・ヴァディム監督・第二話が『影を殺した男』
ルイ・マル監督で第三話が『悪魔の首飾り』 フェデリコ・フェリーニ監督だった。
オープンカーのフェラーリを運転していた男の首が風防ガラスで飛んでしまう場面が印象に
残っている。フェリーニのフェラーリが出てくる映画だった。4月に美術協力したドラマの
「世にも奇妙な物語」春の特別編の打ち合わせの時に思い出して助監督さんに話をしたので
気になって調べてみた。


2012年05月01日

『カイジ2 人生奪回ゲーム』(2011年)佐藤東弥監督作品を観た。深夜アニメと比較すると
実写版でアニメを超えるハードルの高さを感じる。帝愛グループの地下シェルターの地下帝国
の強制労働を「チンチロリン」のイカサマを暴いて地上に出てアニメ版より大勢を救い出す
ためにパチンコ『沼』を攻略する話になっていた。アニメでは金庫の金で勝負する部分が
帝愛の裏ATMカードという設定と『姫と奴隷』というゲームが追加されていた。
流石に、帝愛グループの地下シェルターが放射能の為に作っているなどの解説は、原作の
マンガやアニメで周知なので省略したようだ。裏カジノなのでラスベガスのカジノみたいに
上着着用みたいな服装コードが無いのも仕方ない。帝愛グループが1つのカルト集団みたい
描写がアニメの面白さなのだが3,11の原子力発電所の事故の直後に公開の実写映画では
製作側の配慮は大変だったと思われる。キャッチコピーが良く出来ていた。
ホームレス用の簡易宿泊所の席を離れたら負けの附箋がラストの車両火災のトリックに、
つながっている部分は感心させられた。ここは、見落とすともったいない。
「おかえり、クズの皆様。」「ダマして、奪え。俺たちの未来を取り戻せ。」映画を観て
なるほどと思った。但し実写版の1作目の方が完成度が高くスッキリしていた。


『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』(2011年) ポール・W・S・アンダーソン
監督作品を観た。映像の美しさに加えてレオナルド・ダビンチが残した飛行船の設計図を
盗み出してスカイキャプテンのイメージを連想させる飛行船に軍艦を取り付けた空中戦艦と
呼べそうなメカを加えたりして見た目は、デラックスだった。ただ登場人物のキャラクターや
個性が霞んでしまった感じを受けた。『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』という
2003年に観た映画みたいな感じだった。頑張って最後まで見るとラストに凄い数の空中艦隊が
観られて戦争は、したくないと言いながら軍拡した映像で、どうなるのだろうか??
という終わり方をした。ダビンチの飛行船のマストが横に張り出して推進力になっている
構造だが実際に空中帆走可能なのか気になった。三銃士はイタリア・フランス・イギリスを
移動して活躍している。リシュリュー枢機卿は、カトリックでイギリスはプロテスタントと
カトリックの国という歴史的背景として宗教的な対立もあったのかも知れない。
『エリザベス:ゴールデン・エイジ』2007年では、バチカンが工作員を送り込む海岸のシーン
があったなど古い記憶と新しい情報をリテラシーするのも映画の楽しみ方だ。


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