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浅野琢也の雑記帳23 2012年08月01日〜12月

あさのたくやのざっきちょう Takuya Asano Web 平成24年


2012年11月10日
映画『悪の教典』が全国309スクリーンで公開されます。
 
浅野琢也で「衣装製作(制服デザイン)」しました。
(R15+)です。


2012年12月21日

『レ・ミゼラブル』(2012年)トム・フーパー監督作品を観た。ブロードウェイ
ミュージカルを映画化した作品だった。ミュージカルの場合は、舞台の大道具を
使うという制約があるが映画の場合は、屋外にセットを作ったりできるので観客が
イマジネーションで補っている部分を映像の力で理解させてくれるので完成度が
高いと関心した。舞台のレ・ミゼラブルはトニー賞の特集を放送していた時に観た。
小説やドラマやアニメやミュージカルを観てストーリーは知っていたが2時間
40分の時間に良くまとめていた。殆どが歌でセリフを少なくして、今までの
ミュージカル映画は、会話やセリフの比率が多かったのも沢山の曲で表現できた
作品なんだと感心した。出だしの軍艦のフランス国旗を持ってこいと言われる
シーンとラストのジャン・バルジャンが死んだ後に先に死んだファンティーヌや
司教や革命で死んでいった学生達の場面に関連させている所など良く出来ている。
字幕版で観たが、なるほどと感心する歌詞の翻訳だ。釈放でなくて「仮り出獄で
警察に定期的に出頭する義務がある」という状態なのでジャベール警部が追い
続ける理由がハッキリした。(警視と約されている作品もあるが警部が妥当だと
感じた)
テナルディエ夫妻は、自分の娘のエポニーヌやガブローシュが革命で死んだのに
マリウスとコゼットの結婚式にタカリに来るあたり悪人すぎて救いようが無い。
ガブローシュがバリケードから出て弾を集めに行って撃たれるのは、雨で火薬が
湿ってしまった為に兵士の弾入れを集めたという事でスッキリと理解できた。
革命が失敗して学生達の亡骸と一緒に並んでいるガブローシュにジャベールが
自分の勲章を付けるあたりの演出は、映画でないと表現できないと感じた。
一切れのパンを盗んで投獄されたジャン・バルジャンのパンはキリストの肉体を
表していると映像から床に置かれた壊れた白い十字架を見て気が付いた。
軍艦をドックに引っ張って入れる場面や革命の拠点になっている酒場が三叉路に
あったりジャベールが飛び込む橋の下の水の流れなど背景が綺麗で良く出来て
いた。「自由の為に闘って、パンの為に闘い、死なないと平等は来ない」みたい
歌詞の歌をガブローシュが歌うあたり子供の純粋な目で見た世の中として印象に
残った。衣装は、ヨレヨレに洗濯してアイロンをかけない等の工夫で民衆の
貧しさを出しているようだった。ジャン・バルジャンが市長にまでなった
モンフェルメールは、「家なき子」のビタリスが警官を殴って三ヶ月投獄された
地として登場しているのを思いだした。



2012年12月17日

『ONE PIECE FILM Z』(2012年)長峯達也監督作品を観た。アニメの劇場番で
少年ジャンプのスートリーの流れに整合性を持たせたスピンオフ作品である。
出だしはサウザンドサニー号で何故かファッションショーをやって遊んでいる
所からはじまる。その時に軍艦に囲まれてクードバーストでドック島に逃げる。
船の修理中に海列車で温泉で有名な観光地のセカン島に行って戦う事になる。
テレビのアニメではネオ海軍が登場して物語の繋がりが明確になるように
放送されている。元海軍大将が三箇所あるエンドポイントの火山に「ダイナ岩」を
仕掛けて大爆発させて火山の噴火を広範囲で発生させて新世界を壊滅させる計画を
阻止するというストーリーだった。
麦わらの一味達が温泉で元海軍本部大将のクザン(青雉)と再開するシーンでは
海軍本部大将サカズキ(赤犬)との決闘のキズ跡が見える。ゼファー先生と呼ばれ
現在の海軍の将校や士官を育てたゼット(黒腕のゼファー)が妻や子を亡くし
さらに訓練の演習艦で自分とアインとビンズの2人を残して新兵(生徒)をある海賊に
殺された不幸な過去から海軍を去りNEO海軍を作り新世界を滅亡させる計画を実行する。
その海賊が王下七武海入になったことでNEO海軍を設立した。
海賊も海軍も新世界で暮らしている無関係な人まで巻き込んでしまう計画に
多くのNEO海軍の兵士が参加している状態に疑問を感じた。不幸の道連れに賛同
する状況の設定や説明を知りたいと感じた。革命軍も登場するのかと期待したが
出てこなかった。海楼石製の機械義手「スマッシャー」をつけていた。
劇中で悪魔の実の能力者用に海楼石の銃弾を使った。海楼石は加工が難しいから
今まで使われていなかったらしい。銀の銃弾みたい発想で登場すそうだと思っていた。
後は、面白くニコ・ロビンや海軍の、ゆくえを見定めたいという青キジは、カッコ
よかった。(岸壁の墓標に酒を見せる場面)


2012年11月25日

『三文オペラ』(1931年)ゲオルク・ヴィルヘルム・パープスト監督作品を観た。
18世紀のロンドンが舞台のようだ。但し全員がドイツ語で会話して歌もドイツ語だ。
マレーネ・ディートリッヒの時代に撮られた作品みたいだ。時代背景は汽車や車が
登場しないのでハッキリと時代考証から読み取れない。第一次世界大戦の前なのか
後なのかも解らない。映画は「悪くなければ生きられない」「道徳の前に、まずメシだ」
という感じではじまる。ドスのメッキー(メッキー・メーサー)がターンブリッジ横丁の
女郎屋から出て来る。ジェニーが見送っている。女郎屋の窓から女がメッキーが忘れた
象牙のステッキを渡す。メッキーが受け取るときに一瞬だけ杖が仕込み杖だと解る。
(刃が一部見える)街頭でモリタートを歌っている男がいる。1人は手回しオルガンだ。
メッキー・メッサの起こした事件を写真を見せて歌で大衆に伝えているようだ。
そこにメッキー本人もいるが気にしていない。そして洋品店ミリーナーズのショー
ウィンドーでウェディングドレスを見ているポーリーに一目ぼれする。
そしてポーリーとお付きの女性を鳥賊(いか)ホテルにダンスに誘う。メッキーが仕切って
いるホテルのようだ。ドアマンに他の女は、入れるなと指示したり店内には手下がいる。
そしてテーブルに付くとお付きの女性にソーホー1番のダンス名人を、あてがいメッキー
とポーリーはテーブルで見つめ合い語りあう。メッキーは手下にブロケードの花嫁衣裳を
用意する指示を出す。結婚式は深夜の2時30分だという。この時にメッキーは大英帝国
の元軍人で手下達が「隊長」と呼んでいる事から全員が元兵隊でメッキーの仕事を手伝っ
ている事がわかる。婚礼の家具や披露宴の食材などをテムズ倉庫3番に揃えて結婚式場に
する命令を出す。しかもロンドン警察の警視総監に手紙を書いて招待する。
手下達がロンドン中で強盗や窃盗をしてメッキーの結婚式の準備をしている。
その時にメッキーとポーリーは埠頭のヨットの上でデートしている。沢山の帆船が係留
されているのは帆が沢山見える事でわかる。「いつまでも一緒だ」「戸籍が入ってなくても」
「祭壇に花が無くても」みたいな会話がいい。時間は深夜の2時10分となり倉庫に二人は
入る。倉庫にはテーブルから蝋燭の燈った燭台が置かれている。会場で手下がシャンペンを
抜くとパンと音がしてメッキーは腰をかがめる。そして会場でポーリーとメッキーにグラス
が渡されるがポーリーのグラスはシャンパングラスだがメッキーのグラスはワイングラスで
手下に手を抜いたと指摘しはじめる。ポーリーは「全部盗品なの?新居に入りきらないわ」
と平然としてい言う。場面が変わり警視総監室で総監が部下が強盗を1人も逮捕できずに
いる事と女王陛下の戴冠式で秩序を乱されると困ると叱責している。そこへ柱時計を背負
って11時の鐘の音で警察官に強盗の現行犯逮捕された男が警視総監の前に連れて来られる。
男は、帽子の中に警視総監宛てのメッキーからの手紙を入れていて帽子の中を総監にだけ
見えるようにする。総監は部下を部屋から出して手紙を読んでメッキーの手下を裏口から
釈放する。メッキーの手下の強盗や略奪でロンドンの夜に警察官の銃声が響く。
場面が倉庫に用意された結婚式場に戻る。手下は牧師さんまで連れてきていた。
メッキーは牧師に新婦はポーリーン・ピーチャムだと伝える。牧師は結婚式を素早く終わらせ
て洗礼式があるので帰りますと言う。
メッキーは、子供が出来たら洗礼も頼むとジョークをいう。披露宴にも出てほしかったようだ。
そして披露宴が、はじまりメッキーは手下に余興をやらせる。ポーリーも余興にピアノの
弾き語りをする。いつの間にか立って踊って歌っている。伴奏はピアノからアコーディオン
を手下の誰かが弾いているようだ。そこに警視総監が現れる。ハロー・ジャッキーとメッキー
は挨拶する。本名はタイガー・ブラウンだとポーリーに紹介する。ドスのメッキーと警視総監は
インドでは戦友だったようだ。会話に茶色いのや黒いのをビフテキにして食べたという思い出が
語られる。(もしかして人間だったら怖いと想像してしまった)警視総監は、メッキーに「ピーチャム
の娘を、あの老人から奪ったのか?」と言う。そして顔を出した程度で帰る。
ポーリーは深夜の結婚式が終わって朝にウェディングドレスを持って家に戻る。建物に「ピーチャム
商会」と大きく書かれている。ロンドン中の乞食が集まっている。毎週木曜日が〆日のようだ。
乞食の扮装はABCと分類されて五種類ありマネキンに着せて飾っている。身を持ち崩した男が
乞食になる許可を貰いに来ている。仕事の道具はきちんと洗濯してローソクで穴を開けるなど
仕事の道具は、手入れして与えろと指示している。物乞いするエリアもブロックごとに割り当て
している。乞食王ピーチャームは、許可証と衣装と小道具の松葉杖や義手を提供して収益の50%
を払わせている。しかも1000名を超える人数を抱えている。
ピーチャム老人は娘のポーリーンがメッキーと結婚した事を聞いて「離婚しろ」と言い出す。
そしてメッキーを逮捕させる為に警視総監に逮捕しないと戴冠式で女王陛下に50人の乞食が
お祝いを述べると言う。警視総監が脅す気かというと「私達は、罪を犯していません不幸者なだけです」
という。警視総監は、本人がいないと逮捕できないと言い出す。するとピーチャム婦人が「ターンブリッジ
横丁の女郎屋に現れます。」と言う。しかもメッキーが現れたら合図するように女郎屋の女に協力させる。
メッキーは、手下にオーク街の倉庫から現金だけ奪う計画を立てている。有価証券は、そのままにしておけ
と言うと手下が「証券取引所でサギに合ったら困りますからね」というセリフが面白い。
そこにメッキーの妻のポーリーが戻り「父が警視総監に密告した」という。警視総監のタイガー・ブラウンは
ピーチャムに戴冠式をメチャメチャにされない為に、かばいきれない状態だ。メッキーは証拠を残すヘマは
していないと言うが警視総監のタイガー・ブラウンは沢山の罪を用意している。未成年者を誘惑したと言う
罪に対してメッキーは、30歳だと言っていたという所が面白い。そしてメッキーは、身を隠すために
旅に出るから後は、ポーリーに任せると部下に言って階段でポーリーとキスをして出て行く。
ポーリーはターンブリッジには行かないでという。そしてポーリーが銀行から現金を奪う計画を引き継ぐ。
ピーチャム婦人(ポーリーの母親)がターンブリッジの女郎屋でジェニーにメッキーが来たら合図するように
金を渡して協力させる。そして警官達と外で合図を待っている。
ターンブリッジにはメッキーの手配書が張られて賞金は100ポンドと書かれている。
メッキーは、木曜日はターンブリッジ横丁の女郎屋に顔を出す習慣があり立ち寄る。
メッキーが立ち寄ってコーヒーを飲んでいるとジェニーが合図して警官が踏み込んで来るが女達が逃げる
のを手伝う。メッキーは外に逃げたが警官と鉢合わせして逮捕される。ピーチャームはメッキーを逮捕でき
なかったと思い乞食達をデモに動員する。ポーリーは銀行自体を買収してメッキーを頭取にする。
法を犯さないで強盗より効率良く金が手に入るのは銀行経営だとメッキーの手下は役員になる。
そして牢屋に入れられているメッキーの保釈金を1万ポンド警視総監に届ける手配をする。
牢屋に入れられたメッキーの様子を警視総監のブラウンが見に来て食事にワインを付ける指示をして葉巻を
置いていく。牢屋の番もメッキーの事を隊長と呼んでいたのでインドで闘った1人のようだ。
そこに女郎屋でメッキーを捕まえる手伝いをしたジェニーが面会に現れて牢屋の番を色仕掛けで中に閉じ込めて
メッキーを逃がす。それを知らずに保釈金を警視総監に届けると逃げた後だったが警視総監は、1万ポンド
受け取る。女王陛下の戴冠式のパーレードが始まりピーチャムの乞食達がデモを始めた所でメッキーが
銀行の頭取になったニュースを新聞で読んでピーチャムはポーリーとメッキーが貴賓席に座っていると思い
デモを止めようとするが動き出したデモ隊は暴徒になってしまう。脱獄したメッキーは、街角で1万ポンド
届けた手下と会い仕事場をどうした?ソーホーの掃き溜めか?と聞くとピカデリーのシティーバンクに移り
ましたと言う。そしてメッキーが銀行に付くとポーリーやメッキーの手下が待っている。着替えて戴冠式を
観に行こうという話しになるが乞食のデモで銀行の鎧戸を閉めて中にいる事になる。そこへ暴動の責任で
首になる警視総監が白い馬を引っ張ってやってくる。誰かいないかと叫ぶとメッキーが現れる。
そして「もう、おしまいだ」と嘆くとメッキーは「ジャッキーここに錨を沈めてくれ」と言う。
ポーリーは、銀行に出資してほしいと警視総監に言うと保釈金の1万ポンドを出すという。
メッキーは、警視総監にまで成った男が今でも親友だという。そして2人で戦争の時の歌を歌い出す。
「兵隊の寝床は大砲の上」とか「茶色いのや黒いのを捕まえて切り刻んでビフテキにした」みたい
かなり怖い歌詞みたいだ。そこにピーチャームが現れてロンドン1の貧乏人が本当の文無しになった。
貧乏人の力を思い知らされた。メッキーあんたのお金と私の経験で一儲けしようという話になる。
そしてモリタートが流れる。
「これで目出度く幕が閉じ 一つ屋根で一件落着 金が入りゃ全て丸く収まる 荒波を泳ぎたければ
他の奴らを追い払うことだ けど最後には、肩寄せ合って貧乏人のメシを食う
闇の中に居るヤツもいれば光の当たるヤツもいる。光の当たるヤツは、良く見えるが 闇にいるヤツは
見えやしねえ」みたい歌詞で締めくくられてEnd で終わった。「モリタート」と呼ばれ日本語で
「殺人大道歌」の歌詞だ。劇中の歌に反戦的なセリフが練りこまれていたり資本家への皮肉が込められて
いるように感じたのはドイツ・イデオロギーの影響かも知れない。大団円(グランド フィナーレ)で終わった。



2012年11月04日

『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』(2003年)ジム・シェリダン監督作品を観た。
アメリカの合衆国旗を太陽の光が通り抜けて生命の誕生を示唆している始まりだった。
そして、ビデオカメラを持った少女を乗せたサリバン一家の車がカナダからアメリカに
入国する場面になる。2人の姉妹の下にフランキーと言う弟がいたが死んでしまい父親は、
死を受け入れらないままで子供の数を間違えてしまう。入国審査官は、休暇旅行に不審感を
持ったが、クリスティが一つ目の願いを、ここで願う。子供の死で観光旅行だと納得して
通過できる。マンハッタンに向かう車のラジオから60年代から90年代のヒット曲をお届け
しますと流れている。時代は、90年から20世紀の初めみたいだ。時代設定に巾を持たせる
ことで設定に合わせるコストを下げるテクニックだと特典映像で解説された。
そしてニューヨークに到着して部屋を借りる。入り口に麻薬中毒の男がいる。最初は
アイルランド人は、警察官だと警戒していたが新しい住人だと解り部屋に案内しようと
エレベーターは壊れていると階段を上がるが上の階で家主が交代して案内してくれる。
そしてカギを開けてくれる。酷くボロボロだが巣食っている鳩を窓から逃がしてペンキを塗る。
そして4人家族は暮らし始める。父親のジョニーは、俳優を目指しているがブロードウェイの
オーディションで役を得られない。そして夜にタクシーの運転手で生活費を稼ぐ。
元は教員だった母親のサラはアイスクリーム屋でパートをする。
猛暑の日にジョーイがボロボロのエアコンを台車に乗せて運んで来る。そしてプラグが
合わない為に自暴自棄になる。しばくしてプラグ交換の部品を買いに行くが数セント足りない。
店のレジで値引き交渉するが断られる。家に戻ると銀行に入れたので現金が無いとビールの
空き瓶を渡されて換金して支払う。エアコンは動くが建物のヒューズが飛んで止まってしまう。
その為に熱くて部屋に居る事も辛くなり家族で映画館で涼む。この時に再上映でETを見る。
そしてカニーバルの屋台でアリエルがETの人形を景品にしている店で人形をほしがる。
7回連続してボールを穴に入れると掛け金が戻り人形が貰える。失敗すると倍額払えば
続ける事が出来る。ジョーイは、最初は調子良かったが外してしまい掛け金が膨れ上がっ
てしまう。ついに家賃にまで手を付ける。この時にクリスティは2つ目の願いをする。
そして景品と掛け金を手に入れる事ができた。家に戻り鬼ゴッコみたいにジョーイはサラを
探すが目隠しした暗闇でフランキーを探し始める。そして落ち込むが妻のサラが2人の娘を
アイスクリーム屋に預けていた。そして夫婦の絆を深める。この時にサラは妊娠したと感じる。
生命誕生へのステップだ。この時に叫ぶ男と言われていた絵描きのマテオは、絵をナイフで
破いてしまう。何やら叫んでいる。サラは、夫ジョーイの目を見るとフランキーを思い出して
しまうようだ。
エアコンも無事に動きクリスティーとエリアルは、クリスチャン系の学校に通学し始める。
そして季節は秋になる。ハロウィンの日が来る。学校の発表会で着る為に衣装を手作りする。
サラのお腹は、大きくなっている。コスチューム屋でパーティグッズの衣装を買うことも出来ない。
学校で手作りコスチューム賞をくれるが、クリスティーは帰りにゴミ箱に捨ててしまう。
哀れみは、ほしくないと言う。そしてアイルランドには無いトリック・オア・トリートと言って
回ってみたいと言い出す。スラム化したアパートなので両親のジョーイとサラは心配する。
同じ建物でドアをノックしても誰も開けてくれない。子供達がガッカリしないかも心配のタネだ。
そしてマテオの部屋も2人はノックする。写真を現像していたマテオがウルサイと怒鳴っている。
でも2人は、誰かいるとノックを続けた。マテオがドアを開けると天使の姿をしたアリエルを見て
気を落ち着ける。そしてハロウィンの日だと理解する。そして上の階から2人を気にしているサラの
お腹に気が付き新しい命が誕生する事に気づく。2人を部屋に入れる時にドアを開けたままで
案内する。フランキーと言う弟が脳の悪性腫瘍で死んだ事を聞いてマテオは、涙を流す。
そして冷蔵庫を調べるが食べる物が無くてビンに入れたコインを代わりに渡す。2人は喜んで家に戻る。
ジョーイはイヤがったがサラはマテオの暮らしぶりを心配して食事に招く。そしてサリバン家とマテオの
交流が始まる。サラとマテオが皮膚の黒い人をアイルランドでは青い人と言う。黒い人は悪魔という意味
だと会話している。マテオが天使の血は青いと言う。そんな会話が出来る程に打ち解けていった。
「怒りの葡萄」をテレビで放映しており一画面が写る。娘達と壁に天使の絵を描いていたりする。
お腹の赤ん坊の元気が無いとサラとジョーイは病院でエコーの検査を受ける。赤ん坊の経過が良くないと
医者から説明を受ける。下手をすると母体を危険にさらすと言われる。子供達の前でジョーイが赤ん坊が
元気だと安心させる芝居をしなかったとサラに責められる。そして階段に付けた転落防止の柵が悪かったと
言い出す。ジョーイは、いたたまれずに部屋を飛び出す。そしてマテオが3人目が生まれると全て上手くいく
と言った意味を知らされる。マテオが脳の腫瘍で長くない命だと知らされる。そして部屋に戻る。
映像がクリスティーの撮っていたビデオ映像に変わる。そしてジョーイは、オーディションの為に並ぶ。
雨が降り出す。そんなある日、マテオが階段で倒れてしまう。クリスティーがマウトゥー・マウスで
人工呼吸し心臓マッサージをして助ける。季節は冬になりニューヨークは、大雪になる。
サリバン家とマテオは、ソリに乗ったり雪合戦をして遊ぶ。ここでマテオが公園のブランコに座るシーンがある。
満月の夜にマテオは頭に出来物が出来ている。アリエルを悲しませないためにマテオは、ETみたい宇宙人で
地球の空気が合わないから家に帰ると言う。そしてマテオが入院する。
サラも出産の為に入院する。クリスティーはビデオカメラを売ると家計を心配する。そんな時にアイルランド人
の男が食券をくれる。前にお金を貰った礼だと言う。
その後にサラが産気付いて早産で未熟児が生まれる。そして輸血が必要になる。安全な血液を輸血する為に長女の
クリスティーだけ血液型がO型なのでクリスティーが血をくれる。
医療費を払う為の小切手が不渡りになってしまう。
ガッカリして家に帰る途中でジョーイは、アイルランド人で小銭を恵んでいた男に泣きつかれる。
断ると男はカミソリを喉に当てて脅した。ジョーイは冷静にカミソリを取り上げて、大声で威嚇して男を震えさせた。
そして赤ん坊は生死の境を越える。この、ほぼ同時にマテオは別の部屋で死んでしまう。
出産費用や入院費用が全額、支払い済みになっている。マテオ・カワミが死ぬ前に立て替えてくれている。
マテオのいないくなり空いた部屋が残される。ジョーイは役を得る事が出来た。
それと同時にサラと赤ん坊サラ・マテオ・サリヴァンが退院して戻って来るとジョーイがクリスティーと
アリエルに伝えた。赤ん坊の退院祝いに部屋に多くの役者仲間が集まってホームパーティーを開くまでに
なった。でもアリエルはマテオがサヨナラを言わないで居なくなったと思って寂しそうだ。
クリスティーが満月を見て自転車からマテオが手を振っていると芝居をする。ジョーイをベランダに呼んで
月の所でマテオが手を振っているのが見えると言う。そしてフランキーも一緒だと言う。エリエルも見える
と手を振る。そしてクリティーとジョーイの2人ベランダに残りジョーイにサヨウナラとフランキーにも
手を振ってと言う。そしてジョーイは涙を流す。クリスティーの最後の願いは、父ジョーイにフランキーの
事で苦悩するのを終わりにする事だった。そしてクリスティーもビデオを閉じて思い出にした。
この映画は、ジム・シェリダン監督が移民した時に経験した事をベースに子供もに脚本を書いてもらった
実話なので撮影で監督が過去の記憶でアンションやカットの口がタイミング良く回らない事があったと
特典映像に入っていた。マテオの病気は、80年代にブロードウェイで多くの役者の生命を奪ったエイズを
ベースに病名を曖昧にして現在に対応している。
この時代は、レントというミュージカルもある。近所で実際に起こっているかも知れない感じだ。
映画は9.11の後の公開でアイルランドは、西洋で唯一ハンストで10名も命を落とす国だ。
アラブ圏に近い考え方を持った国民性があるかも知れないと言う解説も特典映像にあった。
マテオは、サリヴァン一家と交流して孤独と死の恐怖の孤独の部分から開放されたという事のようだ。
ジム・シェリダン監督が自分の過去と向き合い監督の家族による協力があった作品だった。



2012年10月28日

『キャバレー』(1986年)角川春樹監督作品を観た。ライザ・ミネリの
同じタイトルのミュージカル映画『キャバレー』(Cabaret)(1972年)を
連想してしまって観る機会が無かった。
『静かなるドン』という、新田たつおの人気漫画が1989年(平成元年)から
スタートしているので思い出してしまった。
港町の場末のキャバレー・スターダストに現れる滝川というヤクザの
イメージや行動パターンなどは映画の公開が先なので影響を与えているの
かも知れないと感じた。ハードボイルド小説というかピカレスク文学というか
シリアスな内容だった。角川映画10周年として角川春樹が制作総指揮と
監督を兼ねているが自主制作ではなく全国劇場公開作品だった。
主人公は裕福な家庭で名門大学の学生だがジャズの部活では飽き足らず家を
出てライフスタイルまで変えてジャズのサックス奏者をしてジャズの真髄を
模索している。中年のヤクザの滝川は、19歳と若い主人公の矢代俊一に
対しては、一目置いてるみたいで「矢代さん」と呼んでいる。
滝川の最初の殺人が組が禁じているシャブを取り扱った自分の子分を射殺した
時にジュークボックスから流れていたジャズの曲「レフト・アローン」の
生演奏を毎回聞いてチップを矢代に置いて静かに帰る。この滝川の縄張りの
周辺の組が関東連合の傘下に入り兄弟分の友好団体が杯を返して孤立していく。
ストイック(禁欲的)な男がヤクザをやっているのかは謎のままで夜でも
サングラスをしている。ワイルド・ターキーを一杯だけ飲んで帰っていく。
酔うまで飲まない所が良い味を出している。ある時に埠頭で待ち伏せされている
事をサックスの練習で埠頭にいた矢代が聞いて隠れていたが滝川に危ないから
行くなと知らされても行ってしまう。そして返り討ちにしてしまう。
だが巨大組織となった関東連合に縄張りの周囲を固められ追い詰められていく。
そしてラストは、たった1人で関東連合の杯事の為に現れた総長と幹部の組長を
整列するヤクザの向かい側にジュラルミンの盾を持って整列して警戒している
機動隊員に紛れ込んで警察とヤクザの見ている所で撃ち殺してしまうが
関東連合の組員達にスグに何発も撃たれてしまう。たぶん死んだと思うが
アウトレイジ・ビョンドみたいに助かっているかも知れない。
そしてスター・ダストも閉店してしまうのでジャズのバンドだけで別れの為に
セッションをする。そして矢代は、ニューョークに行ってジャズの道を究める
という描写で終わる。エンドロールが全部英語になっているから角川映画が
国際映画祭に出品する事に力を入れて作ったような感じの作品だった。
貨物車が滝川と女を乗せたまま動き出すシーンは凝っていると言える。
原作は栗本薫の小説で同じタイトルだ。これが2000年にミュージカルに
なっていた。80年代公開の映画なので代紋の入った金バッジを付けて黒っぽい
スーツで整列して勢力を見せ付ける為に盛大な葬式などが出来た時代に作られた
映画なのかも知れない。1960年録音されたビリー・ホリデイの追悼盤で
この映画のテーマ曲になったと書かれていた。30年近く前の映画でバブル期に
入る前で暴力団新法が施行される以前の時代背景を頭に入れて観ると良い。



2012年10月12日

『アウトレイジ ビヨンド』(2012年)北野武監督作品を観た。(R15指定)
映画は海中から引き上げられる黒塗りの車のシーンからはじまった。
山王会を担当している刑事とホステスが殺されていた。山王会は5年で
国土交通省の大臣とまで癒着する程に巨大化していた。ホステスと大臣
は肉体関係があった。組織犯罪対策課刑事の片岡は自分の後釜の刑事が
殺されたのと大臣の不祥事を隠すために山王会に身代わりを自首させて
表向き事件を解決させる。そして暴力団同士が抗争で共倒れするように
仕組む。目的は警察での出世だ。前作のラストで元村瀬組若頭の木村に
刑務所で背中から刺されたて死んだと思われている元大友組組長の大友に
山王会の先代を殺したのは現在の二代目会長の加藤だと刑務所に面会に
行って教える。場所は刑務所の職員用の食堂だ。そして「きっちりケジメ
つけてくださいよ」という。大友は、もうヤクザやらないと消極的だ。
大友に顔を切り刻まれてバッティングセンターを経営して足を洗っている
元村瀬組若頭の木村の所にも行って抗争を起こさせようと焚きつける。
大友は刑期を短くされて出所させられる。出所の時に刑事の片岡が車で
待っていると後から別の車が来て大友は、その車で韓国人フィクサーの
豪邸に招かれる。上野育ちの大友は、上野のヤミ市を仕切っていた大物と
旧知の中だった。そこに滞在している。バッテイングセンターを経営している
木村に刑務所で刺された事を大友は恨むどころか木村に酷い事したから仕方
ないとまで言っている。刑事の片岡は木村と大友を再会させる。木村は
山王会が大友が生きている事を知って命を狙うと知って2人のバッティング
センターの従業員(元の若い衆)を護衛に付けるがカレーを食べているときに
大友が護衛はいらないと2人を残してエレベーターに乗って腹を撃たれる。
ホテルからバッティングセンターに車で助け出されて運ばれる。そして2人
は悪くないと木村に言う。その2人は黒い袋を被せられて殴り殺しにされる。
その事件を利用して刑事の片岡は木村が大阪の花菱会若頭の西野と杯(さかずき)
関係にある事を利用して抗争するように仕向ける。だが花菱会会長と大友と木村が
杯を貰う事が出来ず木村はその場で自分の指を噛み切って詰める。それを見て
花菱会会長は顔の知られていない若い衆を大友と木村に貸して山王会への報復を
影で支える。大友は、まず山王会幹部の舟木を拉致して山王会の先代会長殺しが
現在の会長の加藤だと話させて録音する。そして花菱会に送る。更にCDにして
山王会幹部に送り幹部会で加藤から離反するように仕向ける。次に山王会若頭の
石原を拉致してバッティングセンターに監禁する。石原は、何でもするから許して
くれと泣きを入れる。大友は「じゃ野球やろう」とピッチングマシンのボールが
石原を椅子に縛りつけて死ぬまでボールが当たるようにする。山王会会長の加藤は
引退宣言をして足を洗うがパチンコ屋で刺し殺される。パチンコ屋の従業員が現場
を隠して手際良く口を塞いで刺し殺す。周囲の客は気づいていない。殺し終わると
パチンコ屋の雑踏が聞こえる演出がいい。そして木村は組を作り木村組と山王会が
五分五分の手打ちになるように大阪の花菱会がお膳立てする。その時に花菱会の
幹部の西野が「ゾウさんとアリの差がある」と2010年に3夜連続のスペシャル
(ドラマ『わが家の歴史』で八女時次郎役の西田敏行が上野動物園にゾウが来たから
博多にもゾウを連れてこようとして年老いた象を売りつけられて船で死亡してしまい
シッポだけ持ち帰ったりフラフープみたいフラリングで失敗したりするドラマを
思い出させてくれるセリフを入れて楽しませてくれた。この演出は、外国では
気づかれなかったのでは無いだろうか?国際的評価を得るハードルは高いと思う。)
大友は木村組の若い衆でいいよと身を引いている。その後で木村は殺されてしまう。
映画のラストは木村の葬式が行われる。刑事の片岡は、葬式にメンツを大切にする
大友が現れると待っている。大友は葬式に来ると殺される可能性が凄く高い。
片岡の相棒の刑事は、出世しないでいい。付いていけないと帰ってしまう。
そこへ大友は現れる。刑事の片岡は、拳銃を渡して大友に使わせようとして用意して
いた拳銃を大友に渡す。指紋が付かないようにハンカチを使っている。大友は、その
銃を刑事の片岡に向けて何発も撃ち殺す。完成度が高い良く出来た映画だった。
第69回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門正式出品だったが無冠に終わった
が外人ウケしなかったと言うことなのかも知れない。キャッチコピーの「全員悪人 完結」
「一番悪い奴は誰だ?」にケジメが付き観終わってスッキリできる映画だった。


2012年09月17日

『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(2012年)本広克行監督作品を観た。
いきなり商店街の「鳥の唐揚げ屋」さんで青島俊作と恩田すみれ に和久伸次郎の三人が
働いている。え?警察辞めて結婚したのかと思ってしまった。街に溶け込んで弁当も売っている。
商店街の人にも打ち解けている。2人は、新婚の夫婦のようだ。それが行方不明の向かいの喫茶
店の息子が、ひよっこり帰って来た所を逮捕して2週間の張り込みだったと分かる。
目立たないように張り込みるのでない所が新鮮で映画に引き込まれる。そして湾岸署に戻ると
机に付いている人が少ない事に気づく。そこに機動隊の装備を付けたまま王刑事が戻ってくる。
青島は人手が足りないからと交通課で駐車禁止の取り締まりをしていると青島刑事は、罰金五千円
と言われる。タバコのポイ捨てをしたようだ。「厳しくなったね〜」という。
それが終わると経理課に手伝いにいかされる。経理課では、経費削減に取り組んでいて「張り込み」
で使った唐揚げの油が高いと言われるが売り上げの帳簿を見ると張り込みの為の商売で利益が出て
いて拍手喝采される。それから環境イベントの警備の応援にいく。
その頃、本庁では6年少女誘拐殺人事件の容疑者が無罪になり押収した拳銃が検察から
戻ってくる。室井慎次(警察庁長官官房審議官・警視監)が拳銃を保管庫にしまう。
そして湾岸署に戻ると環境イベントの会場から男性が大勢の見ている前で拉致される事件が
起こる。一瞬の出来事なので目撃者は多いけど携帯電話で写真を取ったりしている人はいない。
防犯カメラにも写っていないようだ。そして拉致された中年の男性がトンネルの中で射殺死体で
発見される。湾岸署に捜査本部が設置され捜査会議で拳銃の弾から種類などの情報が無い。
所轄の湾岸署員達が疑問に思う。和久刑事が質問がありますと挙手して中国から
研修に来ている王刑事に質問させるあたり下は下で保身していて人間らしくて面白い。
本庁では拳銃を持ち出した人物が警察幹部だと特定されていた。しかもトンネルでの殺人事件の
捜査本部に何食わぬ顔で参加している。
捜査本部で飲むために水を500本を王刑事に発注させて青島がサインして水が届くハズがビールを
発注した事になり納品されてしまう。そのミスを隠蔽するために青島達は、「飲酒運転撲滅」と書いた
横断幕やコーションテープで危険物と書いたりして覆い隠してビクビクしているのも面白い。
真下署長は、本庁の捜査員の高級弁当を発注するがケータリングで温かい食事が届いていて
所轄している湾岸署の捜査員に配られて食べていると経費が無いから「後でお金取るから」と
真下署長が皆に言う。恩田刑事がカップラーメンを食べながら食べたいと言っていた弁当だった。
その恩田刑事は、昔に拳銃で撃たれた場所が痛む事が多くなり現場で仕事を、続けるのが無理に
なってしまう。後遺症が残っていて年数が経って悪化したので警察官を辞めて大分に帰る事になる。
だけど皆に弱い所を見せたくないと上司にだけ知らせて消える予定だ。目立たないように私物を
整理する恩田すみれ は、深夜バスに乗り込む。そんな時に、真下署長の息子が誘拐される。
上層部の責任を取らせる形で青島と室井は、辞職勧告させられている状態になってしまう。
6年前の少女誘拐事件の時に、当時に事件の交渉を担当した真下が48時間の規則にしたがって
交渉を打ち切らされる。そして人質を取ったままの犯人にローラー作戦をかけて犯人に少女を殺されて
しまった時に、担当していた2人の本庁の刑事が犯行のあった日に犯行を再現する流れで警察内部の
保身と出世に固執する上層部や警察のシステムに事件を起こして異議を唱えるのが動機らしい。
青島は、室井管理官に誘拐犯の行動を考えて潜伏先を自転車で誘拐現場から走り出す。少女の時は
大型玩具店だったが近くに無いので環境イベント会場で子供がロボットで遊んでいた事を思い出す。
自転車を置いて中を調べると子供の靴入れが落ちている。室井管理官と電話しながら次に潜伏して
いたのは、東京タワーの見える倉庫だったと言われて走って倉庫街を走る。しかし青島が昔に受けた
傷が痛み出して倒れてしまう。痛いのを我慢して起き上がって走り出す。そして輸入バナナの倉庫が
怪しいと連絡する。そして部下の和久刑事がパトカーで来る。パトランプを付けているから青島は
走りよって犯人に気づかれないように切るように指示する。そして2人で倉庫に踏み込む。
2人は、拳銃を持っていない。真下署長の子供が防犯ベルを鳴らしながら逃げようとするが犯人に
捕まりそうになる。そこに大分行きの長距離バスが突っ込んでくる。恩田刑事が乗客を下ろして
バスを借りて応援に来てハデに倉庫にバスごと飛び込んで来る。和久刑事は犯人を逮捕する。
娘を殺された被害者の女性が鳥飼誠一管理官の姉だったと言うセリフが効いていた。
そして青島は警察手帳を室井(警察庁長官官房審議官・警視監)から渡される。そして真下署長は
子供を抱いて妻の雪乃に無事を知らせる。子供はビーフ・ストロガノフが食べたいと言い真下が
ピロシキもと付け加える。王刑事が発注ミスしたビールが事件解決の、お祝いみたいに湾岸署員に
青島係長が配布して自然に消し去られる。横山邦一(警察行政人事院・情報技術執行官)が警察機構の
トップに辞職勧告を突きつけて帰る。そして室井が新しい警察組織の機構を作る役を任命される。
マスコミの前で会見をする。その場に青島がいて意見を求められる。青島は、街の人を守るだけですと
答える。ラストで警察署に戻るためか事件の捜査に行くためか走っていく後ろ姿を見せてファイナル
となる。真下署長の子供を誘拐した本庁捜査一課の2人にしても状況や実態に合わない時間の線引きで
人質の命が奪われたのに異を唱える為に捨て身で起こした犯行だったしラストの室井が希望の持てる
ルール作りを任されることでサブタイトルの「新たな希望」になるという事だった。
だが青島俊作と恩田すみれ は後遺症が悪化した身体で現場の仕事が続けられるのか?心配になった。
15年間、期待を裏切らないクォーリティーで続いたドラマと映画だけに良い出来だった。


2012年09月16日

『バトルシップ』(2012年)ピーター・バーグ監督作品を観た。NASAが太陽系外で
地球に似た環境の惑星Gを発見した。地球外生命体が存在する可能性があるので電波を
人工衛星で増幅させてビーコン信号を送り交信を試みる国際ビーコンプロジェクトを開始
した事からエイリアンが来てしまう事になる。ハワイのオワフ島に送信施設が建設された。
その頃、アレックス・ホッパーは兄のストーンと飲みに行きサマンサと出会う。チキン・
ブリトーを食べたいとサマンサに言われてコンビニに行くが閉店時間で買えないので店に
忍び込みレジに金を置いて自分でレンジで温めて届けようとするが警察にスタンガンで
撃たれてしまう。これがエイリアンと遭遇した時の戦闘で電気ショックみたい攻撃にあう
付箋になっている。そして兄のストーンに海軍に入るように勧められて海軍に入る。
それから数年して宇宙空間に5つの物体が確認される。軌道はハワイの電波ビーコンに
向かっているが途中で人工衛星に、ぶつかって破片が香港やヨーロッパに飛び散った。
四つの物体は、ハワイに到着した。ハワイでは世界14カ国海軍が参集して環太平洋合同演習
リムパックが開催されていた。アレックス・ホッパーは大尉になり駆逐艦のUSS
ジョン・ポール・ジョーンズの乗員として参加していた。サッカーの試合もあり日本と
アメリカが決勝戦で試合をした。日本から参加している「護衛艦みょうこう」のナガタ
一等海佐とボールを取り合い負けてしまう。パールハーバ(真珠湾)で日本が優勝する。
スポーツ交流の後は、式典に遅刻してしまう。恋人のサマンサはシェーン提督の娘なので
結婚の話を提督にしようとするが緊張して言い出せない。そして演習がはじまった。
そこにUFOが飛来する。演習から実戦配備になり分遣隊としてUSSサンプソン・
護衛艦みょうこう・USSジョン・ポール・ジョーンズの3隻が太平洋上からオワフ島に戻る
ように派遣される。建造物みたい形状のUFOに近づくとハワイの周囲にシールドを張られて
オワフ島と周辺海域に3隻ごと閉じ込められる。
3隻で戦闘になり兄のストーンが指揮していたUSSサンプソンが攻撃されて全滅する。
UFOから時間差で爆発する爆雷みたい玉を打ち込まれたり音響兵器みたいに範囲攻撃されたり
する。UFOは、攻撃目標を赤と緑で決める目を持っているようだ。のちにトカゲと同じ目だと
報告を受ける。アメンボみたい形状なのにバッタみたい動きをする二隻の宇宙船が戦闘用みたいだ。
アレックスの乗艦しているUSSジョン・ポール・ジョーンズも攻撃されて艦長などの死傷者
が出てしまう。因縁のあるナガタ一佐の護衛艦みょうこう・に援護されて戦闘するが
護衛艦みょうこうが沈没してしまう。救助の為に進路を変えるとUFOの攻撃が止まる。
ナガタ一佐達を救助してミサイル駆逐艦ジョン・ポール・ジョーンズで闘うがレーダーに映らない。
アレックス大尉は、ナガタ一佐と艦長を交代してもらい反撃する。津波ブイの波の動きをグリッド
状にしてミサイルを撃ち込む。昔レーダー・ゲームというオモチャがあったが同じ要領だが宇宙船を
二隻破壊する。宇宙人は、甲冑みたい宇宙服を着ているがヘルメットを外すと人相の悪い人間に近く
目がトカゲみたいだ。(1983年のテレビドラマ『V』「Visitor」(来訪者)「Victory」(勝利)・
「Victim」(犠牲者)の頭文字で地球の水を手に入れるのが目的で人間に変装して好感を持たれる
ようにしてテクノロジーの提供で外交していたヒト型爬虫類の宇宙人を思い出した。)
宇宙人のヘルメットの目の部分がサングスみたいになっている事からトカゲは太陽が眩しいと
目が見えない事を利用して作戦を立てる。宇宙人は戦闘で巨大な通信設備の付いた旗艦を破壊され
たのでオアフ島のビーコン施設を占領するため回転する球型の戦闘機みたいものを発信させた。
宇宙人の目的は、母星の惑星Gへ地球の状態を報告する事だと気づく。その施設の側にアレックスの
恋人サマンサが理学療法士で仕事中だった。戦争で両足が義足になった退役軍人のリハビリの為に
山にある通信施設の近くを歩いていると宇宙人と遭遇してビーコン施設から逃げてきた科学者と合う。
科学者から話を聞いて母星に連絡されて大軍が襲ってくる前に施設を破壊しないといけないと
アレックスに携帯電話をかける。アレックスも通信の確保の為だと気づく。だがジョン・ポール・ジョーンズも
被弾してしまっている。そこでタイトルになっているバトルシップの登場をさせる。
第二次世界大戦の記念館として展示されている戦艦ミズーリを使って艦砲射撃で施設を破壊するため
ミズーリに乗り込むが操作方法が解らない。だが合同演習の式典に参加していた退役軍人の中にミズーリの
元乗員がいて操作してくれる。そしてオアフ島周辺にシールド(バリアー)を展開されて外界からの
援護が無い状態から開放される。周囲に待機していた友軍の支援で宇宙人をやつけてアレックス達は
地球を救った英雄として表彰される。そしてサマンサとの結婚の話をシェーン提督にする。答えは
ノーだけどランチでチキンブリトーを食べて降伏条件を話し会おうと言って映画はエンドロールになる。
エンドロールが終わるとスコットランドに落ちた宇宙船の残骸を制服の少年達が発見して中を見ようと
している。しかし開かない。そこに少年達の知り合いが車で通りかかりバールやチェーン・ソーを使って
こじ開けると中に1人の宇宙人が生き残っている。そして映画は終わった。私としては場所が真珠湾だから
サッカーの親善試合で頭を蹴られるのはアレックスにして日本は卑怯だと感じさせて宇宙人との戦闘では
仲間として身体を張って犠牲になってアレックス達を勝利に導く流れにした方が面白かったのでは?と感じた。
スコットランドの場面は、ヒットしたら続編を作る為なのかも知れない。イギリスに宇宙人で昔に観た
「謎の円盤UFO」というドラマを思い出した。どうなるのか気になる終わらせ方だった。



2012年09月14日

『ストライキ』(1924年)エイゼンシュテイン監督作品を観た。工場で大勢の
労働者が働いている。貴族や資本家は、その中にスパイ(密告者)を入れて監視
している。工場主が、そのスパイの写真が並んでいるリストを見ている。
猿・狐・ふくろう・無口・坊主・田舎者・ゾーヤ・ブルドック・仕立屋・牧童・外様と
名前もスゴイが何と写真の中の人物が動き出す。ハリーパッターの学校の絵みたいだ。
写真のフレームの外に帽子を掛ける演出はスゴい凝っている。それからスパイ達の
労働者の居住地域への潜入ぶりが紹介される。汽車の部品を作ったりしているようだ。
労働者達は、生活が厳しいらしくストラスキで対応しようとしている。トイレに集まって
相談している場面もある。アコーディオンを弾いてピクニックに行く様子場面もある。
その頃、地下で宣伝ビラを印刷して労働者仲間に、こっそりと手渡しで配布する場面も
ある。そんな時に、1人の労働者が「マイクロメーター」を紛失してしまう。
値段は三週間分の給料らしいが工場の支配人は、泥棒だと決めつける。身の潔白を示す
為に工場の中で、死んで身の証を立てると書き残し首を吊ってしまう。工場の労働者達は
騒然としてストライキに入る。ストライキに入る合図なのか汽車の汽笛を鳴らし続ける。
投石でガラスを割るなど暴動に近い状態だ。主婦も加わっている。そして支配人を一輪車
(ねこ車)に乗せて浅い川に入れてズブ濡れにする。工場に誰も行かないので止まっている。
全員が家で家族と過ごしている。その間にも工場には、注文が入り受注は増え続ける。
大勢の労働者が別の業種の鋳物工場にもストライキをするように交渉に行く。そして
事務所へ交渉の為に書面に要求を書いて持ち込む。八時間労働、管理者の乱暴をやめさせる、
賃金の三割アップ、未成年者の六時間労働などだが工場主達は、工場に政治を持ち込むなと
無視する。労働者の集まっている所へ騎馬隊出動する。工場主達は、ジューサーで、もっと
絞れば汁が出ると飲み物を作っている。書類は、果物の汁が靴に付いたのを拭くのに使った。
この対比させる手法は、野麦峠の女工の足元と鹿鳴館で踊る女性の足元の対比の手法に
つながっているようだ。ストライキを続けていると収入が無くなり家庭内の食べ物が無く
なっても買うことが出来ない。スパイ達が動き出したようだ。八時間労働は工場の判断で
なく法律で決まっているから出来ない。賃上げについては・・・スパイは労働者の街頭連絡を
懐中時計型の写真機で隠し撮りして現像していた。そして密告した。夜、雨の中で3人の
男達が争っていると車が通りかかる。そして警察が倒れている男を蹴飛ばして拘束して
しまう。その一方で背の低い男女が踊っている。そこで労働者は、懲役4〜5年より首謀者を
密告しろと買収される。ストライキの首謀者の写真が映される。猫を殺して吊るして不安に
したりする事までやる。「保安課は、手段を選ばない。」と字幕が入る。壊れた車に住んでいる
浮浪者の親玉と取り引きする。大勢が樽の中に住んでいて一斉に顔を出す場面にはビックリ
させられる。そして樽から飛び出して行った。別のスパイも動きだす。尾行して路面電車を
追いかけたりする。何者かが群集に紛れ込み建物に爆弾を投げ込み火事を、起こす。
火災報知器を押せないように警官が立っていると1人の女性が報知器を押す。労働者が火事を
起こしたように挑発した人間と警察がグルになっているらしい。消防隊が来たら火事でなくて
群集に放水を始めた。ちりじりバラバラになって逃げる群衆たち。「首謀者を洗い出せ」という
字幕が入る。そして放水シーンが続く。「争議団による御用商店の焼き討ちが行われた」という
事になり鎮圧がはじまる。群集は分散したが情勢が不穏で騒動が広まる恐れがあると知事が
軍隊に出動を命じる。群集を取り囲む兵隊の騎馬の足の下に赤ん坊が取り残されている。
赤ん坊の母親が子供を助けようと叫んでいる。そして群集が赤ん坊を助けようと軍隊に向かって
行った。それを、きっかけに軍隊が襲い掛かる。群集は逃げる。工場に逃げ込もうとしても
門が閉ざされている。軍隊は更に群集に向かって「突入」してくる。次々と殺されていく。
橋の上まで馬で上がってくる。高官と交渉していた労働者に「君の地区は」と言って机を叩くと
労働者地区の地図の上にインク瓶が倒れて血の海を連想させる。そして「連行しろ」と逮捕される。
軍隊が銃で群集に向けて発砲をはじめる。牛の屠殺(とさつ)で牛の喉から大量の血が出て
地面を血に染めていく場面と群集が軍隊に殺される場面になる。3.11の津波のをニュースで
みたような印象だった。投げる群衆に発砲が続き死体の山になる。大きく目が写されて
「労働者階級の肉体の上に幾多の生々しい傷跡が刻まれた」と字幕が入る。
「忘れるな」「労働者よ!」という字幕でThe End になった。時代はロシア革命前だ。
白黒なので血の色などグロテスクな感じは抑えられているが・・・戦艦ポチョムキンを撮る前の
セルゲイ・ミハイロヴィチ・エイゼンシュテインの初監督作品だ。サイレントで登場人物が
誰かという相関図も無いため、登場人物を見分ける事が出来ればスパイ映画としても楽しめ、
より感情移入も出来るのだが、あまりに大勢いて顔が同じに見えてしまい何が起こっているかを
観るのがやっとだった。日本の映画を観る外国人も戦国時代の合戦の場面でのぼり旗や家紋で
判断する状態になるのかと思えた。写真が動くスパイのリスト・マイクロメーターの紛失で首吊り・
火を消さないで群集に放水して首謀者を洗い出せという消防・無抵抗の住民全部を虐殺する軍隊・
権力の暴走は、怖いものだ。怖い映画だけどエイゼンシュタインの演出は斬新で楽める作品だった。


2012年09月09日

『バーバレラ』(1968年)ロジェ・ヴァディム監督作品を観た。無重力空間の
シーンを、この時代に、どのように撮影したのだろうと感心した。物語が始まり
いきなり地球大統領から通信が入る。挨拶がラブと片手を上げる。
タウ・セティー星系で行方不明になったデュラン・デュラン博士を探す任務を頼まれる。
26才の青年科学者だと写真も見せられる。そして強力なポジトロン光線を完成させた
ので最悪、宇宙戦争が起こるかもと少し不安げにいう。
そしてタウ・セティー第16惑星リテオンで行方不明になったデュラン・デュランを
探す任務を頼まれる。
軍隊が無いので女宇宙士バーバレラに直接頼む。この時代は、武器が必要ないほど
平和らしい。(スーパー・ミルクちゃんを連想してしまった)
危険な任務に使うデュラン・デュラン探知機(翻訳機付き)と武器を紛争博物館から借りて
バーバレラの所にファクシミリで実物を電送してくれる。(スーパーミルクちゃんだと、
王様のアイデア研究所ではアイパッチ博士から道具を調達していたなんて考えてしまった)
そして宇宙船の移動時間154時間は移動中、眠りながら惑星リテオンに向かう。
宇宙飛行士は、1人で後は、コンピューター制御で乗組員はバーバレラしかいない。
近くに到着して眠りから覚める。惑星の手前で強い磁気嵐に遭い宇宙船が故障して手動で
不時着する。宇宙船から出ると氷の世界だ。いきなり2人の少女に氷の入った雪球をぶつけられて
捕らえられてしまう。拘束されてエイみたい生物が引くソリに乗せられる。
近くにデュラン・デュランの宇宙船がある。そこには子供たちが大勢生活している。
人形みたいロボットの歯が噛み付く仕掛けになっていてポールに縛られて身体に噛み付かれる。
そこに鎧みたいロボットと毛皮のズボンに毛皮の上着を着た髭の男が現れて子供達を網で
捕まえて助けてくれる。翻訳機でマーク・ハンドで子供が大きくなって使えるようになったら
キャッチマンが捕まえて官憲に引き渡すらしい。ソゴーという惑星の中心に行けば何か分ると
バーバーレラは、助けられて氷の上を帆走する乗り物で移動する。助けたお礼を聞くとセックス
という。宇宙暦の紀元四万年の時代のセックスは互いにピルを飲んで片手を合わせるらしい。
マーク・ハンド宇宙船を修理してもらいに地下三千フィートにある巨大な都市国家ソゴに向かい
デュラン・デュランを探す。ソゴに付くと宇宙船が大破してバーバレラは気絶してしまう。
そこに有翼人のパイガーが現れる。ソゴの国で両目を見えなくされて迷路に捨てられたらしい。
パイガーは何でも知っているビン教授の所にバーバレラを案内する。ビン教授はデュラン・デュランは
ソゴにいるが迷路から出られないという。迷路なのでパイガーが飛べばスグに着くことが出来るが
パイガーは、目が見えないため飛べないと思い込んでいる。
だが、自分の鳥の巣みたい家に戻ると、目が見えない状態で飛ぶ事にチャレンジして成功する。
空を飛んでいると空中戦になりバーバレラは地球国で持たされた小型ミサイルで応戦して撃退する。
有翼人パイガーに迷路の上を飛んでソゴに運んでもらう。黒の女王が支配する地下都市ソゴに
たどり着くとアイパッチ(眼帯)をした女性がバーバレラに話しかけてくる。黒衛兵と呼ばれている
ロボットがある。そこで天使の羽が目立つバイパーは捕らえられてしまう。バーバレラも黒の女王に
捕らえられて透明の部屋に閉じ込められて沢山の小鳥に口ばしで突付かれてしまう。黒の女王は、頭に
角を生やしているがアイパッチの女性と同一人物だとバーバレラは気づく。この星は、液体生命体マトモス
という湖のエネルギーで成り立っているらしい。マトモスがプラスなのでマイナスの悪のエネルギーを
引き寄せるらしい。透明なスライムみたいものだ。小鳥に襲われて危うくなったとき透明パイプで革命軍
の基地に助け出される。そこにはディルダン司令官がいる。助けたお礼にピルを飲んで手と手を合わせる
未来のセックスをする。ディルダン司令官は、手袋を、はめたまま手を合わせていた。
助けられたがバーバレラはソゴの宰相にとらえられてオルガンみたいな楽器に顔だけ出すサウナが合わさった
機械に入れられて快楽で拷問される。服を脱がしせる仕掛けがあるようで着ていた服が出て来る。
拷問に耐えていると機械から発火してヒューズが切れたようだ。バーバレラを拷問した老人の宰相が
王国を乗っ取り自分が支配者になるうという狂気に取り付かれたデュラン・デュランだと
デュラン・デュラン探知機が反応して気づく。マトモスの影響で地球と時間の流れが違うため老化していた。
デュラン・デュランは、バーバレラを四次元に放出して消し去ろうとする。そこでバーバレラは、女王の
いるドリームルームに入るために必要な透明のガギを持っていると協力する取り引きをする。
そして女王の部屋に入るとデュラン・デュランが透明のカギを床に落として部屋から出れないように
して黒の女王とバーバレラの2人を閉じ込めてしまう。バーバレラは、黒の女王を探し出して侍従長の
デュラン・デュランの反逆を知らせる。デュラン・デュランは、革命軍を空軍で攻撃させるがバーバレラが
地球から持ってきた武器で全滅させる。デュラン・デュランは、ポジトロン光線を使用して革命軍を
消滅させてしまう。バーバレラと黒の女王は、ドリームルームの玉座から、その様子を見ている。
閉じ込められたドリームルームは、女王が1人でいないとマトモスが怒り出すようになっている。
最後の手段として女王は、マトモスを放して星の文明を破壊する自滅を選ぶ。だが女王とバーバレラと
バイパーは、マトモスに殺されない。そしてバイパーは自分の目を見えなくした女王とバーバレラを
ビン教授が修理した宇宙船に運ぶ。バーバレラは、何故、酷い事をした黒の女王も助けてくれるのと
聞くとバイパーは「天使だからさ」と答える。宇宙暦の紀元四万年という遠い未来なので、かなり変わった
衣装やセットだ。バーバレラが着替える事が多く、色々な衣装を身に付けていた。1968年に作られた映画
なので、フラッシュ・ゴードンなど後から作られた映画にかなり影響を与えた作品だ。ただSFエロスという
分野なのでテレビで放送されないみたいで観られる機会が少ないようだ。



2012年09月02日

『るろうに剣心』(2012年)大友啓史監督作品を観た。アニメの『るろうに剣心
-明治剣客浪漫譚-』をベースにしている。戊辰戦争で錦の御旗で敗北したときに
剣心は、新撰組の斎藤の前で自分の刀を戦場に残して去っていく。その戦場に残された
刀からニセ抜刀斎が誕生する。剣心が10年の放浪の旅で団子を食べていると神谷薫に
手配書の男だと思われる。それが最初の出会いになる。ニセ抜刀斎の斬奸状は神谷活心流と
なっている。警察官の斎藤(藤田と名乗っている)は、ニセ抜刀斎だと見抜く。
その為、神谷道場の門弟は、明神弥彦だけになる。ニセ抜刀斎は、1人で警察署を襲ったり
する。背後に貿易商の武田観柳がアヘンを加工した「蜘蛛の糸」という麻薬を扱っている。
金の力で町医者に麻薬を開発させて剣心と因縁のある高荷恵が麻薬の製法を知っている。
麻薬の製法を知っている医者は高荷恵以外は、口封じに切り殺されている。
その高荷恵を明神弥彦が神谷道場に連れてきて匿う。井戸水に毒が入れられて町人が大勢、
倒れるが町医者は武田観柳が殺させたので生き残った医者の高荷恵が手当てをする。
武田観柳が神谷道場周辺を船着場にして麻薬の貿易を拡大するのが目的だった。
警察や軍隊も手を焼いている時に剣心と相楽左之助が武田観柳の洋館で闘う。警察官と
なった斎藤も協力してガトリングで抵抗する武田観柳を捕らえる。だが神谷薫がニセ抜刀斎の
鵜堂刃衛に捕らえられて殺さずの誓いを立てた剣心との一騎打ちをして敗れ逮捕される。
神谷薫は、助けられて剣心が出て行ったのではと心配して探すと夕食の材料を持って現れる。
明治という時代背景にあったオリジナルストーリーでアンションシーンも違和感が少なく
バランス良く出来た映画だった。原作の設定が正確なので実写版を作るのがスムーズだった
ように感じた。


『逆転裁判』(2012年)の三池崇史監督作品を観た。ゲームを忠実に再現しているので
実写版だと違和感を感じるが近未来の裁判という設定なので、原作の再現性は高い。
実写版の前にアニメを放送してシナジー効果を作れば良かったという感じがした。
内容は、ゲームと同じだった。実際の裁判経験がある人から見ると証拠や資料は事前に
提出するのでスピード感がある近未来の予審裁判の判決で決まるのには無理がある。
上告になるケースが多いハズだが無かった。ただ、ゲームからでも裁判制度に興味を
持たせて裁判員制度が良いほうに機能する方向に向かってほしいと感じた。
映画は、エンタティーメントとして割り切って観ると楽しめた。ストーリーはゲームと
同じ流れなので省略する。



2012年09月01日

『フリーダム・ライターズ』(2007年)リチャード・ラグラヴェネーズ監督
作品を観た。荒廃した1994年のアメリカの公立高校に赴任した新人の英語教師の
エリン・グルーウェルが生徒に本を読むことを教える。壁に落書きがあり拳銃で
縄張り争いまでして殺人事件まで起きている。上司役に「ハリー・ポッター」で魔法省から
ホグワーツに来てダンブルドア校長を失脚させる先生役のイメルダ・スタウントンが出ていた。
この街も生きる事が戦争の状態の街だ。しかも実話が元になっている。
生徒の為に使う本の予算も無くて学校で生徒に使う教材などの費用を作るためにレストランなど
のアルバイトを掛け持ちする。夫との夫婦生活の時間が無くて離婚されてしまう。
父親にも、もっと良い仕事も職場もあると言われるが信念を貫く。安易に募金を集めるより
自分で稼ぎ出す方が早いという考えには共感できた。
国家間の戦争と少年ギャングの縄張り争いとの共通点をみつける。会話の中でホメロスを
教えようとすると「ホーマー・シンプソン」と生徒が言う場面があるが、シンプソンズは
名作の映画のパロディーが多いので知識が無いと本来の楽しさが味わえない。
何を読ませるかで「アンネの日記」を読ませる。以外な事に生徒たちが自分達の境遇との
シンパシーを感じる。最後まで読んでハッピーエンドでないという事がわかる。
自分達と同じ歳でホロコーストで殺されてしまうからだ。そして生きた証を残そうと全員が
日記を書く。そしてパソコンでデータ化する。ウィンドウズ95が出る前だ。モニターには
ワードに打ち込んでいる場面が映っていた。ウィンドウズ3.1を使用しているようだ。
そしてアンネの日記を読んだ感想をアンネの家族を匿っていたオーストリア人の女性が存命
だという事を知り、講演を頼み実現する。生徒達は、高校中退しないで大学に進学する。
そして生徒達の日記を出版してベストセラーになりNPO法人としてフリーダム・ライターズが
出来るという実話だった。


『この空の花 長岡花火物語』(2012年)大林宣彦監督作品を観た。
アニメの 「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」通称『あの花』が
劇場公開中なのでタイトルがゴッチャになって「あの空の花」と記憶して
しまっていた。「モノクロームの少女」は観ていない。ミニシアター系の
作品は、映画館に知らない映画のチラシが置いてある。シネコンのチラシと
違うと改めて感じた。『モンサントの不自然な食べもの』のチラシが置いて
あったりする。映画館の売店で遺伝子組み換え食品のポップコーンを売店で
買って食べながら映画を観ながら食べていたら話のネタに出来そうだ。
タクシーで長岡に有られた遠藤玲子とタクシーの運転手が会話していると
周囲が昭和の初めの戦争中になる。防空頭巾にモンペ姿で一輪車に乗って
走っている。しかも車の中を覗き込むように会釈していく。時空飛びかと
思うが昔の恋人から「生徒の劇を観てほしい」という手紙を貰っているので
新聞記者としての興味から天草から来たようだと解る。そこで回想になる。
東京のアパートの階段で同性相手の男と別れる女の場面から始まる。
別れる理由が「戦争なんて関係ないのに」だ。男のリアクションは
「痛い! この雨が痛い!」だ。ただ喧嘩別れでない事は、互いの連絡先や
仕事を知っている状態から想像が出来る。昔の恋人に挨拶しないで
「まだ戦争に間に合う」という劇の事や、爆撃の様子を調べていた。
そして長岡大空襲に中越大地震と東日本大震災から長崎の原子爆弾から
真珠湾攻撃に山本五十六ので話をつなげている。収束焼夷弾と鉛筆の形が
同じ六角形だと共通点を結びつける私も変わっているが・・・アンデパンダン展
で収束焼夷弾を作って展示した作家がいたので飛来する時は四本の白い布で
バランスを取る構造だったのかと思い出してしまった。イマジネーションが
あれば戦争は、起こらないというセリフが出てくるがジョン・レノンのイマジン
から来ているのかと元ネタを読んでしまう。しかも山下清が花火を観に現れた事に
なっている。日本にある原子力発電所が50箇所あり長崎に落とされたフアットマン
と同型の核弾頭の代わりに通常の爆弾を詰めた大型爆弾を日本中に50箇所近く
落として実践を兼ねた訓練をしていた話なども出てきて教養番組的な内容も盛り込んで
いた。台本を届ける花という少女が一歳半の時に空襲で死んだ赤ん坊が女子高生に
なって現れるというファンタジーになっている。周囲の人達が作り出した想像の
産物みたいだ。一輪車にのって不安定だ。綱渡り人生を一輪車で表現しているみたい
感じもする。自転車操業も難しい現在の様子を表現しているのかも知れない。
ただ、観客にも想像力を求めているのが気になる印象が残る。劇は練習シーンが
ゲネプロ状態なのか衣装を着用している。通し稽古の時がドレスリハーサルだと
思ってしまうのは、私、個人のファッションデザイナーとして習慣なのかも知れない。
川を利用したステージで劇を練習しているシーンには、「ねらわれた学園」
みたい手法のCG(VFX)が使われている。学生の劇の練習場面だからリアルに
していないのかも知れない。後半で紙芝居で戦争体験を語る、お婆さんの体験と
謎の高校生「花」の台本の劇との内容がシンクロしている事に気づく。
一歳半の時に死んだ赤ん坊が女子高生に成長するのは、お婆さんが見たかった姿と
いうことでまとめた感じだった。
発想の転換で、火薬を花火にすれば戦争は、起こらないのにと言う山下清の
言葉がベースになっているが・・・ホテル・ルアンダみたいにナタでも内乱が
起こるから「理想なら誰でも言える」気もするが幸福にしろ理想にしろ虹の
橋を追いかけるみたいに捕まえられないけど想像すれば見えるという事の表現を
花火と爆弾・戦争と祭りのシーンで表現しているようだ。火薬の製造と科学肥料は
近い。だから軍事転用できる。原子力の平和利用が原子力発電所だけど3.11の
事故で放射能汚染した故郷の復興は難しい。第五福竜丸の時の政府にアメリカが
200万ドル払って、被害を隠すようにした事も取り上げられていた。
戦争体験しているが自分の受けた被害が大きすぎて口を閉ざしたままの人が高齢に
なってきて、死ぬ前に言い残しておこうと言う時期になってきたようだ。
劇中に一輪車が登場するが戦争で鉄として「二十四の瞳」では供出させられていた。
大林宣彦監督のアート的フィルターで観たとすると一輪車は足が無くて宙に浮いている
戦争で亡くなった人を幽霊みたいに表現していると思えた。
沢山の内容を盛り込んだ映画なので3時間もの長編だが退屈させない内容と編集
だった。全部を理解するには、事前知識に加えて、かなりの映画を観ていないといけないが
沢山の内容を盛り込んでいるから、その中で鑑賞者が共感できる部分があるだろう。
この作品がアンジェ・ワイダ監督の「カティンの森」みたい当事者性があるのか
興味深い。



2012年08月26日

『ヒューゴの不思議な発明』(2011年)マーティン・スコセッシ監督作品を観た。
時計職人の父親が博物館の火災で死んでしまう。ヒューゴはクロード伯母さんに
パリのリヨン駅の構内の大時計を管理している叔父に引き取られた。
叔父のクロードは、12才のヒューゴを学校に行かせず駅の時計のメンテナンスを
教え込む。そしてヒューゴ・カブレを残して、アルコール中毒の叔父クロード・カブレは
行方不明になって戻らない状態になる。ヒューゴはパリのリヨン駅でクロードの代わりに
時計のメンテニンスを続けながら父親が修理しようとしていたオートマタのゼンマイ仕掛けの
人形を修理して復元しようとしていた。文字を書く仕掛けの人形のようだ。その部品を駅の
中の玩具店から盗みだそうとして店主に捕まる。その時にヒューゴの父親が残した機械人形の
修理方法の図面が書かれている手帳を玩具店の店主に取り上げられてしまう。
玩具店の主人は第一次世界大戦の前に沢山の映画を撮ったジョルジュ・メリエスの老いた姿だった。
ヒューゴは後でメリエスが手品師から映画監督になったが戦争で大衆が映画に見向きもしなくなった時に
フィルムを売り払い靴のヒールを作る材料になった過去を知る。
ジョルジュ・メリエスには、孫娘のイザベルがいてヒューゴに興味を持ち人形のハート型の
カギを持っていた。そして手帳を取り戻す手助けをしてくれる。駅の壁の中にあるヒューゴの
部屋で人形を修理しているのを知る。人形の修理が終わると映画『月世界旅行』の絵を描く
仕掛けになっていた。
その絵から玩具店の主人パパジョルジュがジョルジュ・メリエスだと解る。
しかし過去の栄光を忘れて暮らしているジョルジュ・メリエスは、一本だけ残っていた
映画を観てヒューゴが直した機械人形が残っていた事から過去と向き合うようになる。
そんな時に、アルコール中毒の叔父クロード・カブレがセーヌ川から水死体で発見される。
駅の鉄道公安官は、ヒューゴを浮浪児だと思い込み孤児院に入れようとする。
その時、ジョルジュ・メリエスが自分の養子として引き取る事になる。ヒューゴとハートのカギを
持っている少女イザベルは、図書館で絵の事を調べているとタバール教授が戦争でジョルジュ・メリエス
は、死亡したことになっていた。本の写真は玩具店のパパジョルジュと同一人物だった。
そんな時に、アルコール中毒の叔父クロード・カブレがセーヌ川から水死体で発見される。
駅の鉄道公安官は、ヒューゴを浮浪児だと思い込み孤児院に入れようとする。
その時、ジョルジュ・メリエスが自分の養子として引き取る事になる。ヒューゴとハートのカギを
持っている少女イザベルは、駅の構内の本屋のラビッスに教えられ、映画アカデミーの図書館で
絵の事を調べているとタバール教授が話しかけてくる。戦争でジョルジュ・メリエスは、死亡した
ことになっていた。本の写真は玩具店のパパジョルジュと同一人物だった。
タバール教授は、メリエスの家で映写機とフィルムをママジャンヌに見せて隣の部屋で寝ている
パパジョルジュに気を遣いながら月世界旅行を上映してもらう。タバール教授が映写機を回し
ヒューゴとイザベルとママジャンヌの3人で観ているとフィルムがカラーになる。ママジャンヌが
1コマづつ色を塗ったと言う。そこにジョルジュ・メリエスが映写機の音に気づいて現れる。
そして自分のフィルムが残っていた事とヒューゴが修理して大切にしていた機械人形が残っていた事で
過去の人生を取り戻す。そして500本の映画のうち80本が現存していた。映画史で死亡していたと
思われていたメリエスの上映会が行われてハッピーエンドになる。
はじめは駅の鉄道公安官(相棒に犬のマクシミリアン)がヒューゴを浮浪児だと思い込み孤児院に
入れようとする事もあったがヒューゴに義足を改良してもらい上映会のパーティーに参加していた。
水死体で発見されたアルコール中毒の叔父は、ヒューゴを駅で働く人達に紹介していなかった。
学校に行かせる義務を果たさないで自分の代わりにこっそりと駅の時計を管理させようとしたから
だろう。酒に溺れてセーヌ川で溺れ死んでいたのは、自業自得だと感じてしまった。
リュミエール兄弟の映画の発明からハロルド・ロイドの「要心無用」(1923年)みたいに時計の針に
ヒューゴがぶら下がるシーンがあったり(バック・トゥー・ザ・フューチャーにもあった)
メリエスに届ける途中に線路に落ちた機械人形を拾い上げるために線路に下りて汽車に轢かれそうになり
鉄道公安官に引っ張り上げられて助けられるシーンなどは、リュミエール兄弟が1895年に世界で最初に
作った映画「汽車の到着」を思わせる。劇中でリュミエール兄弟にメリエスが映写機を売ってほしいと
交渉するシーンもある。新しい発明があっても商業的価値で利用方法まで確立できない事が多い。
近代ヘリコプターと潜水艦を発明したアメリカのホランドの例もある。発明者の意図しない利用方が
開発されるのは、ノーベルのダイナマイトが軍事利用された例と似ている。
ラストでイザベルがテーブルで本を書いている。内容は、「昔、私は1人の少年と出会った。
答えは、この本の中で明らかになる・・・」部屋の外に廊下があり機械人形が飾られている。
映画史を盛り込んで楽しませてくれる映画だった。


2012年08月19日

『さびしんぼう』(1985年)大林宣彦監督作品を観た。高校生の
主人公は、お寺の跡取り息子で経済的に恵まれている。親に買ってもらった
望遠レンズの付いた一眼レフのファインダーで女子高の音楽室の少女を眺めて
いる。小遣いでフィルムを買えないため写すことが出来ない。主人公の少年は
母親にピアノの練習をしろと言われている。ショパンの『別れの曲』が附箋だ。
ある時から「さびしんぼ」とかいう顔を白く塗った同年代の少女が現れる。
寺山修二のATG作品の流れを感じるメイクだ。原作のタイトルは『なんだかへんて子』
だ。後で自分の母親が16歳の少女時代に演劇か暗黒舞踊みたい事をやっていた時の
写真の姿だった。写真の精なので水に濡れると死んでしまうらしい。後は、17歳に
なると消えてしまう。この妖精は、最初は、主人公にしか見えなかったが周囲の人にも
見えるようになる。校長室のオウムが宮沢賢治の詩を、話しているが3人で「タンタン狸」
を覚えさせて3人の母親が呼び出されたり、理科の実験室のアルコールランプで3人で
スキヤキを作って食べていると先生に見つかり没収して先生が証拠隠滅しておいてやると
言ったり他人に迷惑をかけない悪戯が面白い。片思いで誰かを好きになると「さびしんぼう」
になる。女子高の少女は、ピアニストになるのが夢だけどピアノを買えるほど豊でない。
寺の前で自転車のチェーンが外れて家の近くに送っていく。もう会わないでと言われる。
主人公は露天で母親と魚を売っている姿をみる。それぞれの夢を捨てて現実を受け入れて
生きていく事になると『さびしんぼう』は消えて写真が落ちている。尾道三部作・新尾道三部作の
転校生・ねらわれた学園・ふたり・時をかける少女・あした、は見ているが『あの、夏の日』
(1999年)は、まだ観ていない。『さびしんぼう』は、青春デンデケデケデケっぽい感じもした。


2012年08月18日

『タバコ・ロード』(1941年)ジョン・フォード監督作品を観た。
何代も南部で綿とタバコを栽培している農家だが、土地は、やせ細り
かつての屋敷もボロボロだ。登場人物は、「じゃじゃ馬億万長者」の
家族が石油を掘り当てる前の生活より貧しい。野菜のカブを取り合う程に
飢えている。「怒りの葡萄」みたいに土地を取り上げられそうになる。
昔、人生ゲームの公告で、大富豪になるか?貧乏農場で働くか?という
キャッチコピーが放送されていたが借地代の100ドルが払えず夫婦で
「救貧農場」まで歩いて向かっていたら地主が銀行に半年分の50ドル
を代払いして家に送ってくれる。不安だけど希望が残っている終わりかた
だった。パッピー・エンドとまでいかないので私は『ベター・エンド』だと
感じた。タバコの栽培から綿花の栽培に変わり奴隷制度が廃止された
歴史を知った上で観賞するとアメリカ型大規模農場が出来る前の時代背景が
良くわかる映画だった。


2012年08月12日
60周年記念 平和美術展 美術家平和会議(東京都美術館)に出品。

☆展覧会期: 平成24年8月12日(日)〜8月19日(日)
☆開催時間: 9:30〜17:30
 ※最終日(19日)の入場は14:00で閉会は14:30です。
会期中に休館日はありません。■展示室は、ロビー(LB)階 第1展示室とロビー階 第2展示室です。
観覧料: 一般700円、障害者・大学生以下無料


「戦闘ゼロに向かって」を出品
平面F20号作品

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2012年08月 8日

『ロボジー』(ROBO-G)』(2012年)矢口史靖監督作品を観た。
白もの家電メーカー(洗濯機や冷蔵庫の色が白いから)の「木村電器」
に勤めるエンジニア3人組は、リストラ候補の為か2足歩行のロボット
の開発プロジェクトを任される。しかしロボットの歩行実験中に
ロボットが歩いて窓を突き破って転落して壊れてしまう。
ロボットショーで発表する日に間に合わず「気ぐるみショー」の役者を
募集してロボット「ニュー潮風」の規格に合った人を募集する。
体型が規格に合ったのは老人の鈴木重光だった。腰痛がありネオジウム磁石
で作った磁気治療器具を腰につけてロボットの中に入ってもらう事になる。
ロボット・ショーでロボット工学を勉強している女子大生を助けた事で
危険予知の機能に注目が集まり話題になる。だが地元のケーブルテレビが
疑問を持つ。イベントかと思ったら大学の講義で質問されるが、どうなっている
と思うと逆に質問して設計図を本物のロボットを作る事ができる改良を加えていく。
しかし中を見たいというマスコミの記者会見で全てがバレるかと言うときに
中に機械を入れたニュー潮風をロッカーに隠しておいて人間が入っているものと
すりかわって窓ガラスを突き破って転落して壊れたように見せるトリックで
危機を切り抜ける。ニュー潮風のコスプレーヤーからイベントで名刺を貰っている
のが付箋だった。このトリックを見て大河原孝夫監督の「誘拐」(1997)で喫茶店の
電話ボックスで三億円の鞄がすりかわっていたのを思い出した。孫にサインをする
時に筆でサインするあたりは、面白かった。ロボットのネーミングも白物家電の
洗濯機を連想させる「ニュー潮風」とつけていた。ドラム式洗濯機だとタイムトラベル
しそうだと別の映画を思い出したりしたが退屈しないで観られた。


『マジック・ツリーハウス』(2012年)錦織博監督作品を観た。
子供向けアニメとして作られていた。四つの時代に行って4つの
メダルを本にはめ込むと奇跡が起こる。1番目に恐竜のいる白亜紀に
行くとメダルが落ちている。二番目に中世の城に荷馬車に忍び込んで
食堂に飾っている鎧の飾りになっているメダルを入手する。
3番目は、デスピオス火山が噴火する直前のポンペイに作られた水道の
水路に飾られているメダルを入手する。水は高い所から低い所に流れる。
高い所に石作りの水路があった。カリオストロの城を思わせる感じの
街だった。4番目は大航海時代のカリブ海で海賊の金貨の入った宝箱に
入っていたメダルを発見する。宝箱を運んでいる海賊が箱を落として
金貨が箱から地面に落ちる。その中にメダルがある。海賊に捕らえられて
鉄砲で撃たれるがメダルに当たって無傷だがメダルが割れてしまう。
しかし本がメダルを吸い寄せて四つ揃う。ネズミにされた魔法使いモーガンの
特徴に「アホ毛」を付けて識別させている。モガンが人間に戻ると仕返しに
マーリンがネズミに変えられてしまう。兄弟が力を合わせ周囲の協力で
目的を果たせると言う事だが幼児向きすぎる感じの出来だった。
原作は、沢山の冒険のバリエーションがあるので連続アニメにすると
もっと良い作品になると感じた。



2012年08月 1日

『長ぐつをはいたネコ』(2011年)クリス・ミラー監督作品を観た。
 シャルル・ペローの童話「長靴をはいた猫」とは、全く別の
オリジナルストーリーだった。
「シュレック」に登場したキャラクター『長靴をはいた猫』の誕生
から生い立ちと冒険をアニメ映画化した作品だった。但し、独特の
ストーリーだった。孤児のネコは、孤児院で育てられる。同じ孤児に
玉子のハンプティ・ダンプティも同じ孤児院で育つ。ネコは孤児院で
『プス』と名前が付けられる。橋の上で起こった事件で『プス』は
警察に協力してヒーローになる。この時に警察からブーツを贈られる。
片やハンプティ・ダンプティは、悪の道に進みだす。2人はジャック
が行った天空の巨人の国だ。「ジャックと豆の木」で巨人は死んでいる
から『魔法の豆』を奪い金の卵を産むガチョウを持ち帰る冒険をする。
魔法の「豆の木の種」を探して、悪党のジャックとジルの武装馬車から
ハンプティー・ダンプティーとスリが得意なメス猫キティ・フワフワーテ
の3人で協力して「豆」を手に入れる。ハンプティー・ダンプティーは
発明や研究が得意の頭脳が武器だ。豆を植える方法や場所を研究していた。
そして雲の上からガチョウと金の玉子を持ち帰るが『ガチョウは持ち帰るな』
といわれていた。故郷の村で村人達に金の卵を分けて名誉を回復していると
巨大なガチョウの親が雛のガチョウを取り返しに来る。村を歩き建物を崩壊
させる。村を救うため3人は、橋にガチョウを引きつけた。ハンプティー・
ダンプティーは橋から落ちた。するとタマゴの殻の下は、金のタマゴだった。
長靴をはいた猫のプスは英雄だけど、お尋ね者のまま村を去る。
雌猫キティは、近いうち会おうとプスのサイフをスリ、プスに遠くから見せる。
可愛い外見と、ミスマッチな「お尋ね者」というキャラクターやキャット・ウーマン
みたいなコスチュームで登場したメス猫キティは、バットマンみたい出会い方
で楽しめた。

『長ぐつをはいたネコ』のスピンオフ・ショート ムービー「悪の三銃士」
の方は、女王から牢獄に捕らえた極悪人から王冠のハート型の宝石のありか
を聞き出して取り返してくるように依頼される話だ。なんと可愛い3匹の
子猫たちが凶悪な犯人だった。可愛いいけど「プス」は宝石を取り返し3匹を
お城で三銃士として働くように、しつけてハッピーエンドになった。

 犬と猫では、自由で気まま、な冒険の場合ネコが向いていると思う。
人間との危険な冒険なら犬が最適だ。ハウンド犬にベア・ ハウンドや
ロシアン・シープドッグを掛け合わせた大型で、被毛が厚い『ボルゾイ犬』まで
いるらしい。見たことが無いので、私はドラマのシャーロック2の遺伝子操作した
ハウンドを連想してしまう。愛玩動物として可愛い種類の犬も多いので飼い主が
犬向きか猫向きか性格も影響するのかも知れない。



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