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浅野琢也の雑記帳24 2013年04月01日〜06月

あさのたくやのざっきちょう Takuya Asano Web 平成25年


2013年06月30日

『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(2012年)アン・リー監督
作品を観た。沢山の動物の映像で映画は始まった。
3Dを意識した美しい映像だ。それからライターに中年男になった
パイが体験談をしている。タイタニックっぽい流れだ。パイは、名前の
由来がプールでパリの公営プールの水が美しいからフランス語でピシル
がプールという意味だったからピシンという名前を付けられる。
インドで小学校に入るとピシンが小便という意味でピシン・モリトール・パテル
という名前を、からかわれないように無理数である円周率を学校中が驚く程の
ケタ数を覚えて黒板に書いて学校の伝説になってパイと呼ばれるようになったと
いう話をしていた。父親は宗教は暗黒だという。大卒の母親は、カースト低い父と
結婚したため勘当され信仰は過去との唯一の絆らしい。そして12歳の時、兄に
2ルピーやるからキリスト教の教会で聖水を飲んで来いと言われて聖水を飲んで
いると神父に喉が乾いていると思われてコップの水を渡される。
パイは、神父にイエス・キリストは無実なのに父なる神が人類の罪を肩代わりして
磔にされるのは理不尽だと言うと神父は、神の我々への愛であり人が神を理解出来る
ように神と子の苦悩を知らせる為だと答えた。パイは、無実の人間に罪を償わせるのは
ナンセンスだと思いながら興味を持った。自己犠牲では、ブッタが悟る過程で餓死しそうな
高僧に自ら小枝を集めて火を点けさせて火に入って焼肉として食べられるウサギの話がある。
小説「生贄のジレンマ」に登場するウサギも、この話が元ネタみたいだ。
パイは、キリストに興味を持ちヒンドゥー教の神がキリストへと導いてくれた
と感じる。イスラム教にも興味を持つ。父親はキリスト教の洗礼も受けて三つの宗教に
改宗すれば祭日が多い楽しい人生を送れると言う。理性で考えて科学も信じろ宇宙の
謎は、科学が解き明かすという。母親は、心の問題は科学より宗教だという。家族との
夕食で肉を食べる人と野菜しか食べない人がいるので同じ食卓で同じ物を食べられない
為らしい。中年になったパイはライターに大学で宗教学を教えていると話す。
インドで植物園兼動物園を経営していたパイの家族が動物を乗せた日本船籍の貨物船で
カナダに移住することになる。移住の理由は市の援助が受けられなくなり動物園の運営が
続けられなくなった為だ。「かつてコロンブスはインドを目指したのに家族でインドを離れ
なければならない」と言うセリフは上手い喩えだ。
動物を外国で高く売るために貨物船に乗せて出向するあたりでノアの箱舟みたいだ。
しかし船は、日本の北にあるマリアナ海溝付近で嵐にあい沈没してしまう。
深夜で家族が寝ている寝室は浸水しており助けられない。しかも海には鮫がいる。
救命ボートにシマウマとオレンジジュースという名前のオラウータンと
ハイエナとベンガル虎で名前がリチャード・パーカーとパイが乗り込め漂流
する。シマウマは足を骨折している。オラウータンはバナナを入れた網に?
掴かまっている所を救命ボートに引き上げる。「パイの箱舟にようこそ」と
言うセリフから前半の宗教の話と関連しているようだ。ボートの上で動物達が
捕食しだし生態系の食物連鎖を連想した。オラウータンが乗っていた網に入って
いたバナナを食料として確保しておけば良かったのではと思った。
後は、ネズミが一匹いたがトラの口にパイが投げ込んだ。
最初は救命ボートに猛獣がいるので救命胴衣と浮き輪とオールで
ボートにロープで結んだ筏を作りパイは、筏の上で過ごしていた。
網でシイラらしい大きな魚を捕ってトラに与える時に泣きながら神が魚になって
助けてくれたと言う場面の後で海が美しく輝いて周囲をクジラが泳いでいて、いきなり
ジャンプしたので衝撃で波が起こり筏の水とビスケットが流されてしまう。
トラが空腹になりパイに襲い掛かる可能性を考えていたのが災いしたみたいだ。
漂流中に船が見えて信号弾を使って知らせて救助されると思ったが気付かずに
船は離れてしまいパイは落胆する場面もあった。
食料はトビウオの群れとマグロが船に飛び込んで来て食料に出来たりする。
嵐の後で食料も水も少なくなりパイは死を覚悟してトラに最後の水を与えて
意識を失う。意識が戻るとミーアキャットが暮らす浮島にボートが流れ着いて
いる。上陸して湖の水を飲みトラはミーアキャットを食べる。パイは木上に
網でハンモックを作り横になる。夜になるとミーアキャットの群れが地面から
木の上に移動する。パイが木の上から地面や湖を見る。島の湖の水は胃液の
ように魚を骨に変える所を見る。カメラが浮き島全体を写すと横たわる人間みたい
形だ。この浮島自体が巨大な食虫植物みたいになっており昼間に水と食料を調達して
虎を連れて島を脱出する。木の上で島の花に人間の歯が入っていたり動物が
高い木に非難して沢山の湖の水が魚を溶かして骨にしてしまう場面を観て
危険だと感じたからだ。その島は横から見ると寝釈迦みたい形だった。
そして漂流を続けてメキシコの砂浜に漂着して漂流は終わる。
救命胴衣に付いていたオレンジのホイッスルを首に掛けていたのが印象的だった。
ホイッスルと筆記用具を合わせた道具なら便利な気がした。犬笛みたいにトラを
呼ぶときに役に立つていた。長い漂流に合わせて髪が伸びているが若いので
髭は伸びていなかったようだ。保険会社の調査報告書のコピーは1978年
2月19日だった。
現代ならGPS発信機で遭難信号を出して227日も漂流しないで済むが
パイが少年時代に経験した話なので何十年も前に起こった事だ。
トラは、メキシコの森の中に消えてしまいパイは、砂浜から病院に運ばれる。
この海難事故でたった1人の生存者であるパイの入院しているメキシコの病院に
日本の保険会社の調査員が来て沈没の原因を聞く。報告書に書ける話をしてほしいと
言うのでパイは動物を人間に置き換えた話をする。足を折った船員とコックと母親と
パイが救命ボートに乗っていた。コックは、非常食があるのにネズミを日干しにして
食べた。船員の足が化膿したので足を切った。パイと母親は手伝った。船員は死んで
しまった。コックは船員の足を魚の餌にするために切ったと母が怒った。コックは
死んだ船員の肉を食料にした。一週間ぐらいしてウミガメをパイが逃がしてしまい
コックに殴られ母親がコックを殴った。パイは筏に乗り移ったがコックが母親を
刺し殺してしまう。母親は海に落ちて鮫に喰われた。パイはコックを刺し殺して
コックが船員にしたようにして生き延びた。という話をした。ライターにも話して
聞かせた。そして、どっちの話が好きか聞く。そして、続きは君次第だという。
その後でパイの妻が2人の子供を連れて帰宅する。ネコも一匹飼っている。
海難事故で家族を失ったパイは家庭を築いている事がわかる。
映画の前半でヒンズー教の神は3千3百万もいるらしい(日本の8百8十万の八百万の
神々より多い)などパイはカトリック・ヒンドゥー教徒だとかの前ぶりがあった。
インドだから宇宙の真理を探究するブラフマン教的な感じも含んでいるのかも
知れない。227日間の水と食料の調達方法など特別な事をしていた訳でなく神の
意思で生き延びたような描写にしていた。対極にパイの父親は、西洋医学によって
ポリオの治療を受けて治ったので神を、あまり信じていないようだった。母親は
植物学者でベジタリアンみたいだった。パイは円周率を暗記していて付けられた
あだ名だった。トラがボートの上で弱って干からびたように横たわっていたり良く
出来たCGみたいだった。弱冠だがのスラム・ドック・ミリオネアを狙って人口の多い
インドを念頭に作られたのかも知れないという感じがした。英語にフランス語が出来て
数学の学力も高い。インド人は、元は植民地ゆえに高い国際感覚を身に着けている
ような印象を受けた。日本人の私は、年のせいかカタカナ言葉を、かなり忘れてしまい
新しく覚えるのが苦手になった気がしている。以前に観た映画のタイトルを忘れている
事もあった。
このライフオブパイはボートで漂流する場面が多いから、もしかしたら低予算で作れ
そうである。しかし、かなりの制作費を使い3Dで作られている。それだけに映像は
美しかった。救命ボートで漂流して嵐に遭遇した時に稲妻や「ヤコブの梯子」みたいな
映像を入れたり苦行で悟りを開いたような雰囲気を感じさせてもいた。
網で魚を取って食料にしたり真水をボートで確保するなどの生き延びる為に工夫する描写を
少し加えた方が、もっと説得力ある作品になったと感じた。映画の中で魚を干物にする場面は
少しあったが。好みとしてはロビンソン・クルーソーや十五少年漂流記みたいに
工夫して生活を向上させていくようなストーリーの流れが好きだが風でサバイバル方法の
マニュアルを飛ばされたりして窮地に追い込まれていく。何故ライターに、このような話を、
したかを考えて観ると良い映画みたいだ。神秘体験がある哲学的で宗教的なストーリーだった。
パイという名前も輪廻転生や宇宙の星の動きを示唆している可能性もある。現実は理屈では
割り切れないと言う事の比喩を含んでいるのかも知れない。海難事故で1人、漂流すると
現実なのか夢だったのか幻覚や妄想なのか解らない事を体験するのかも知れない。
特に悲惨すぎると人間は記憶の改編で生命を維持する事があるらしい。思い出を美化する
みたい事なのかも知れない。イヤな事は、忘れたり考えない方が楽に生きられそうだ。
いっそガリバー旅行記みたいな夢のあるストーリーを見られると良いのだが・・・深く思い
内容の体験は、話す方も聞く方も辛いようだ。
食虫植物の島は、アニメのワンピースでウソップが2年間、戦士の修行をしたストーリーに
似ていた。食料を与えて太ったら島が食べてしまう所などだ。元ネタがありそうだ。
ボートにロープで繋いだ筏は、「太陽がいっぱい」のヨットにボートを繋いだみたいな感じも
した。
小説『海賊とよばれた男』(百田尚樹)の中に原油をガソリンや石油や潤滑油に分離する
精製方法が解説されていた。沸点まで加熱して分離するという事だ。
バック・トゥー・ザー・フューチャー3でデロリアンのガソリンタンクが壊されガソリンの
エンジンが使えなくなり汽車を使ってタイムトラベルした事を、思い出した。容易に原油を
入手できないとかドクが手っ取り早い方法を選択したのか?と考えてしまった。
映画や小説から発想できる事は多い。見方によっては難しく考える事も軽い気分で楽しむ事も
出来る映画だった。「生きる事は手放すこと」らしい。



2013年06月16日

『潮騒』(1964年)森永健次郎監督作品を観た。あらすじは、
初江が島に帰ってきて浜で新治の給料袋を拾って届けていた。
新治は、船の下を探しているので初江が初対面で新治の名前を
知っていて確認してから大笑いする。
「箸が転んでもおかしい年頃」の表現みたいだが、50年前の
離島に住む思春期の少女と現代の少女達では、携帯のインター
ネット機能で得る情報量が違う。そのため感覚や感性も変化した
ような感じがする。初江が毒ヘビに足を咬まれて新治が毒を吸出し
背負って血清の注射に運ぶ場面と、ごちゃ混ぜに覚えていた。
この2つが縁で新治と初江は嵐で漁が休みの時に監的哨で再会を
約束する。初江が嵐で濡れた服を脱いで裸でいるのを新治に見られ
て恥ずかしいと言い新治も服を脱げば恥ずかしくないと言いだす。
変わった対応だと感じた。2人の間には焚き木があり火を飛び
越える。
クライマックスは、新治が嵐で舫い綱が切れて流された網元の船を
嵐の海を泳いで回収して初江と新治の婚約を島中の海女さん達で
取り持つ。灯台長の娘、千代子が大学の春休みで帰省して2人の仲を
噂にしたまま東京の大学に帰ってしまったが手紙で取り持つように
母親に頼んで協力する。初江の父親も「男は気概」と初江と新治の
交際を認める。2人は、晴れて婚約して灯台を眺めている。
人生の道しるべもハッキリして新治は20歳になったら海技免状
(一等航海士)を取ると初江に話している。そしてハッピーエンドに
なった。
 NHKの「あまちゃん」で昔に観た「潮騒」を、又、観なおした。
この連続ドラマの劇中に登場する「潮騒のメモリー」の歌詞を聞いた
からだ。「来てよ、その火を飛び越えて」は、ヘビを飛び越えたのでは
なかった。深読みして「その日を飛び越えて」と特別な節目の日を
意味していると思っていたが、シンプルに火だった。同じ映画を観賞
しても時代背景や社会情勢に影響されて感じ方は変わり評価も変わる。
最新作を観て劇中に登場した映画は、観なおすようにすると理解も
深まり楽しめると思う。



2013年06月09日

『009 RE:CYBORG』(2012年)神山健治監督作品を観た。いきなり聖書の1説みたい
ナレーションではじまった。アニメの絵は、今まで観てきた石ノ森章太郎のマンガ
と違いリアルな感じになっている為00サイボーグの見分けられずらい感じだった。
バビルの塔と超高層ビルがオーバーラップするような内容だ。そして中国の上海で
超高層ビルの爆破テロが起きたというニュースを学生服姿の島崎ジョーが観ている。
マンハッタンの地下のバーで002(ジェット・リンク)と007(グレート・ブリテン)の
2人がカウンターでテロについて会話している。
00ナンバーのサイボーグ達は、ブラックゴーストが弱体化して、それぞれの祖国に
帰って働いている。007はイギリスのMI6で002はアメリカ国家安全保障局だ。
そして009の島村ジョーは日本の高校生として生活している。009だけ3年ごとに
記憶をリセットされ27年間も高校生を繰り返している設定だが同級生などの繋がりも
消すことが出来るのか少し疑問に感じた。「彼の声」にしたがって「人類をやりなおす」
と言う言葉に動かされて多発する連続自爆テロ。世界をリセットする力が働いているらしい。
記憶の無い009が単独でスターバックス・コーヒーの紙コップで爆弾を作って六本木ヒルズを
爆破しようとしている。同世代の女子高生と話をしていたりする。そこを甲殻機動隊みたいな
機械を付けた003のフランソワーズ・アルヌールが発見して005のジェロニモ・ジュニア
(アメリカ自然保護区で働いている)と2人でジョーに記憶を取り戻させるため手荒な事をする。
その時にジョーが爆破しようとしていた六本木ヒルズにアメリカのイージス艦の乗務員が
ミサイルを撃ち込みビルは崩壊する。ジョーは学生服の上に赤いフード付きのダッフルコートを
着ていた。
009は記憶を取り戻しギルモア博士と合流して001(イワン・ウィスキー)と005
(フランソワーズ・フランス国家諜報員)から00サイボーグ招集の説明を聞く。
ギルモア博士達の知りえた情報ではサミュエルキャピタル社というイスラエル国防省の出先機関が
世界秩序が不安定な状態を利用して兵器と安全保障をビジネスとしている可能性を話す。
しかし009が「彼の声」を聞いて自爆テロで爆死する直前だったと言い出す。
そこに宗教団体やカルトな組織などの接点は無い。なんらかの方法で脳波を操作され
たのでは無いかという可能性もありえるという話になる。個人の自爆テロから軍人が兵器を使った
テロに拡大していく。001と005は、金髪の天使らしい少女をみかけるようになる。
そしてアメリカのスティルス爆撃機がインド洋で消息を絶ち002が追っている。
004のアルベルト・ハインリヒと008のピュンマが合流して車でギルモア研究所に向かっている
と008が金髪の天使らしい少女をみかける。008は、考古学者になり天使の化石を研究している。
006の張々湖(ちゃん ちゃんこ)は、001と脳波通信しながら中華料理チェーン「張々湖」の
商標権では訴訟になっているけどギルモア財団に寄付もしていると話している。
002の操縦していたスティルスは撃墜されるが002は自分の特殊能力で自力飛行して飛行して
B2爆撃機を、追ってドバイに向かう。
009も001の超能力でB2爆撃機の上にテレポートさせてもらい002と会うがB2爆撃機の
上で009と002が口論する。「彼の声」を聞いて行動しているパイロットを支援すると言うが
発射されたミサイルをレーザー銃で撃ち落すが核弾頭を搭載していた一発を打ち落とせずビルに
命中して核爆発を起こし大惨事になる。
009はテロを阻止できず加速装置で核爆発の爆風から逃げて意識を失う。
002が所属しているNSAとサミュエルキャピタルの会話でサミュエルキャピタルは、もともと
「彼の声」にしたがっていると言い出す。
008のピュンマは、テロの原因である「彼の声」の手がかりを掴む。
天使の化石が影響しているのではないかと考える。「彼の声」が「神からの声」を聞いたと考える。
シャーマンや修行僧とか宇宙飛行士などの緊張感による神秘体験でシナプス・バーストが起こっている
のでは無いかとか人類の思考する脳が神なのではないかとか難しい宗教論を00サイポーグ達が
話している。アクションや戦闘シーンだけで楽しめるが深い内容のアニション映画だ。
ブッタの教典にも同じ事が書かれているとか001が言う。
アメリカ政府は、この惨劇でB2爆撃機の上にいた2人を衛星写真で写しておりイスタンブールの
ギルモア財団に罪をなすりつけて国際社会の非難をかわそうとロボットみたいな死体兵器の特殊部隊を
送り込み戦闘になる。
そんな時にアメリカの原子力潜水艦が核ミサイルを発射しようとする。002は、その状況を
連絡してくる。ここまで事が大きくなるとアメリカ政府も隠蔽できなくなり対応に困っていると
いう事だ。
この時に、赤に黄色のマフラーの00サイボーグの服に着替える。(それまで私服で戦っていた)
009のジョーと004のアルベルト・ハインリヒと005のワランソワーズの3人が
潜水艦の正確な位置が解らないためハワイ沖のアメリカのイージス艦にテレポートして
船の迎撃ミサイルを使ってテロを阻止しようとする。005の索的能力がビジュアルで良く
わかる映像だ。ローレライという潜水艦の映画みたい感じだ。フランソワーズがイージス艦から
迎撃ミサイルを撃つが多弾頭核ミサイルなので1発だけ迎撃に失敗してしまう。
001のテレポートは、残り1回になり009を核ミサイル破壊に成層圏にテレポートさせると
生きて脱出させられない状況になるが009は、最後のテレポートを頼む。そしてミサイルに
爆弾を仕掛けるがミサイルのカバーが分解して飛ばされてしまい失敗する。
そこに002が現れてミサイル破壊の使命を果たそうとする。このミサイルを防いでも自爆テロは無くならない
が、「彼の声」は聞いた人の立場や受け取り方で違う。抗う人もいるとミサイルの上で言っている。
002が核ミサイルの軌道を変えるが002は力尽きて落ちてしまう。
009は人は不完全ゆえに予期せぬ驚きと新しい発見・無限の可能性を秘めている。神よと言い
ながら爆発してしまう。イージス艦から2つの流れ星をフランソワーズが見ている。
009は気がつくとベネチュアのフランソワーズのセーフハウスのベットで意識が戻る。
ギルモア博士や他の00サイボーグも無事だ。ここは、紛れも無く君達が救った世界だと
ギルモア博士がいう。そして世界は争いだらけになったから君達が信じる正義を行う時だと
いう。天使の化石は、名も無き戦士のモニュメントだったんだとフランソワーズが言って
終わる。009のジョーが何故無事なのかは解らない。001以外の何者かがテレポートさせたと
いう可能性もありそうだ。
映画は、環境や境遇が自爆テロを生むという事を示唆しているような内容だった。
すごく重たいテーマだけど深く考えないで観ると楽しめたのかも知れない。
天使の化石といえば、FOXのアニメ・シンプソンズのスプリングフィールドで発見されてDNA鑑定
しようとして騒ぎになって、真相は、新しくオープンするショッピングモールの広報で入り口に取り付け
て終わりという話があったと思い出した。009は、50年前に作られているから00ナンバーの
サイボーグの能力を超えるロボットが登場していたり00ナンバーのサイボーグを改良したりして
いないのかと考えたりもした。石ノ森章太郎の神との戦いというテーマを引き継ぎ作っているだけに
深く考えると哲学的要素も強く理解するのに高度な知識レベルが必要なアニメだった。



2013年06月02日

『殺人狂時代』(1947年)チャールズ・スペンサー・チャーリー・チャップリン
監督作品を観た。原案オーソン・ウェルズになっている。墓石のシーンから始まり
アンリ・ヴェルドゥの生前の身の上話がナレーションされる。銀行の出納係として
30年勤めたあげく不況で解雇され車椅子の妻と7歳ぐらいの子供を養うために
熟年の未亡人と結婚して殺害し遺産を全部自分の物にするが、投資している株に
失敗して次から次に大金が必要になる。沢山の資産家の女性と結婚しているため
ひたすら汽車で移動している。汽車のピストンのアップで移動を表現している。
動物を眠らせて人道的に死に至らしめる薬品の作り方を聞いて実際に作って浮浪者
で試そうとする。ホテルで死人が出ると司法解剖されるので人体から毒が検出され
るか実験しようとしている。アンリ・ヴェルドゥは猫が好きみたいだ。家具商として
借りているパリの部屋の前でカフェで買った食べ物を与えるシーンがある。
そして雨の夜にベルギーからパリに来た女性の浮浪者で試そうとするが子猫を
抱えていたり夫を助ける為に頑張ったが死別したなど会話をするうち2〜3日暮
らせる金を与えて帰す。借りたタイプライターを質屋に入れたら窃盗で3カ月刑務所に
入れられた事なども話す。花屋で売り家を観にきた婦人をターゲットにしようとカード
を付けた花を届けさせている。そこにモロー刑事の姿がショーウィンドウごしに映って
いる。モロー刑事は2週間尾行して重婚罪で逮捕までするが、この事はモロー刑事1人
しか知らない。捕まえる時に毒入りワインを飲んでから連行して汽車で眠って1時間後に
死亡してしまう。死体は見つからないけど最後に家族に会わせてくれれば自白しますと
甘い言葉をかけて汽車で向かわせて眠っている時に手錠を外して自分のキップだけ抜いて
逃げてモロー刑事は1人で汽車に乗ったままにする。そして車内で移動中に心臓発作で
病死したと新聞に掲載される。
派手な結婚式で遺産目当てに結婚している相手と鉢合わせして新郎が気付かれない
ように顔を見られないようにする場面などチャップリンらしいドタバタも見せてくれる。
世界恐慌で銀行に取り付け騒ぎが起こり破産してしまう。そして妻と子も失ってしまう。
そしてヒットラーやムッソリーニが軍事行動を起こし第二次世界大戦が始まる直前に
なる。破産し妻と子を失ったヴェルドゥが人ごみを1人歩いていると浮浪者だった女性に
車から呼び止められる。今では軍需産業の社長夫人になり豪華な車にアンリ・ヴェルドゥを
乗せてカフェ・ロイヤルで食事をごちそうする。そのレストランに殺害した重婚相手の
ワイナリーを経営する家族が来て通報する。そこで先に女性が帰るように見送って
渡された名刺を細かく破り運命と対決するように警察の後に続いてレストランに戻り様子を
見ている。しかもヴェルドゥの顔を見て気絶した相手を受け止めて抱えて気づいたら親切な
殺人鬼に抱えられている事に気づいて指を刺す演出など芸が細かい。そうしてヴェルドゥは
警察に捕まる。裁判で「大量殺人といっても私はアマチュアです。国家や組織的に行う殺人に
比べれば」と言い「皆さんとスグに会えますよ」と戦争が大きくなり自分をギロチンにした
人達も自分が死んだ後で死ぬ事を予見しているような事を言うのが印象的だ。
「頭脳明晰にも関わらず悪事を行った」と判事に断罪されても「世間は私の頭脳を必要と
しなくなった。その頭も胴体と離れてしまいます」と冷たく答える。しかも死刑直前に神父に
「魂に救いを」と祈られると「魂は、元々神のものです」と切り返す。ウィットが利いている
というより「リアル」すぎて怖い。最後にタバコを薦められて断り「ラム酒」を断るが飲んだ
事が無いと飲むあたり好奇心や探究心はあるみたいキャラクターだった。この複雑な女性関係を
貨物船の船長や土木技術者に探検家と家から通勤しない職業に設定していた。
殺害する前に銀行の預金を下ろさせたりする手際の良さに出納係30年の札勘(さつかん)の
スピードなど見事だった。しかも生命保険は調べられるから使わないなど計画的だ。
家を売りに出す時に肥満体系用の人台が置いてあり妻を亡くしたと言って、次のターゲット
としてくどく婦人の体系に近いことで親近感を持たせ愛妻家を装い相手の劣等感を払拭させる
小道具として活きていた。銀行が吸収や合併という形で無くなり銀行の名前すら忘れてしまった。
20世紀末を思い出した。その為に、かなりの人数が転職しないとならない状況になり高学歴で
高収入に加えて安定した硬い職業だと誰もが信じていた社会が崩壊した。
郵政の民営化もあった。その後も不況がより深刻になっている。この映画では、世界恐慌で首に
された元銀行員の出納係りが3年間で沢山のマダムを殺して財産を相続して奪うことを
ビジネスにしている話だ。残酷描写は、3日間煙が出続けている焼却炉などで表現している。
同時に庭の薔薇を剪定しはていると地面の毛虫を助ける描写もある。
移動に汽車を使うので車輪のアップで移動している感じを出している。時刻表を巧みに利用
して分刻みに移動してバロン証券との取り引きで本名で電話をかけていたりする。
車椅子の妻と結婚して10年目の子供を養うために必死で稼いでいる。
なんだか白黒の昔の映画が新鮮でリアルに感じた。「1人殺すと殺人1,000人殺すと英雄」
というセリフもあった。白黒の古い映画だが、この時期に見ると喜劇として私は笑えなかった。
ハリウッドでレットパージが起こった時代に、チャップリンのアメリカ政府による国外追放を
させた作品でもある。見終わって棺桶に入れられてバットで棺桶を叩かれたみたい衝撃を感じた。
しかも21世紀に入って10年を過ぎても世界経済は、まだ悪い方に向かっているようだ。
この映画の時代みたいに世界中で人類が大勢、死んでしまう方向に向かってほしくない。



2013年05月21日
「絵本の里」で知られる北海道剣淵町を舞台にしています。
映画 『じんじん』 のオフィシャルサイトにリンクしています。

企画・主演 大地康雄、山田大樹監督作品・夕張ファンタステイック映画祭
にて今年ダブル受賞
した作品です。札幌・旭川で5月18日(土)公開です。
東京は7/13(土)シネマート新宿ほか 全国随時公開。
詳細は、映画「じんじん」の公式サイトで、ご確認ください。

監督 山田大樹/キャスト・大地康雄・小松美咲・佐藤B作・中井貴惠・井上正大・板尾創路・他

(札幌映画サークルの代表でもあり幹事会社の・潟vリズムで宣伝プロデューサーでもある岡本さん
が力を入れています。しかも永田文化服装学院の学院長の実家にいる弟さん夫妻がロケ地や宿泊や炊き
出しなどの協力にカメオ出演しています。原案の元になったそうです。私は、関わっていませんが映画を観て
戴けると嬉しいです。)



2013年05月20日

『鍵泥棒のメソッド』(2012年)内田けんじ監督作品を観た。殺し屋と売れない
役者が銭湯で入れ替わるというキャッチコピーだった。風呂無しの木造アパート
に1人で暮らす桜井武史が銭湯に行こうとすると住民税の請求書がポストに入って
いる。封筒を地面に捨てるが近所の人に見られて拾う。コンドウは岩城社長を
1人消す仕事を終わらせ高級車で帰宅する途中で映画のロケの為に渋滞に巻き
込まれる。時計を見ると血が付いている。銭湯の煙突を見つけて銭湯に寄る。
そこで桜井と出会う。コンドウが入浴料を払う時にかなり現金の入ったサイフを
桜井が見てしまう。そして浴場で桜井が隣の人の石鹸を使おうとして手から滑って
床に落ちてビリヤードみたいに浴室のドアを開けて入ってきたコンドウの足の下に
滑り込みコンドウは、石鹸を踏んで豪快に倒れ頭を強打して気絶する。その時に
桜井が自分の鍵とコンドウの鍵を掏り変える。コンドウは鍵から桜井と思われ
荷物と共に救急車で病院に搬送される。住民税の請求書から病院では桜井だと
思い込む。コンドウと鍵を摩り替えた桜井はコンドウの服を着て荷物を持って
銭湯を出る。自動車のカギのリモコンを押すと銭湯の駐車場の車が反応する。
セキュリティー解除音でどの車のカギだか気がつく。こんな具合に付箋がしっかり
していて観賞者に解りやすい脚本になっている。下手な運転で桜井はコンドウの
車で借金をしている役者仲間に借金を返してまわる。生活が困窮している所に
住民税の請求書が届いたから出来心で、カギを摩り替えたのではないかと思える
描写は、なかなかのものだと関心した。それから救急車で搬送されたコンドウの
入院先に意識が戻っていたら荷物を返そうと紙袋を持って行くと気絶していた
コンドウが意識を取り戻すが記憶を失い自分が桜井だと思い込んでいる事を知る。
桜井は銭湯に居合わせたので様子をみにきたと言って返そうとした紙袋を持って
病院を出ようとす。病院から連絡を受けて入院の身の回り品を届けに来たアパートの
大家と鉢合わせ、もう退院したと思わせてコンドウとの接触を回避する。
それからコンドウのマンションで桜井は生活する。部屋は立派だが変装用の衣装や
様々な身分証明書が入ったクローゼットを見てビックリしている。分厚い本を
見ると繰り抜いてあり拳銃まで入っている。その場所でコンドウの携帯電話の
着信音が鳴り桜井は、出てしまう。殺しの依頼主・工藤からの電話で岩城社長殺しの
ギャラの受け渡し場所を桜井のアパートのポストにして取りに行って車に乗せられて
更に岩城の愛人の井上綾子も殺してほしいと追加の依頼を要求され引き受けてしまう。
しかし役者の桜井に人殺しはなど出来ない。中学生ぐらいの少年と暮らしスーパーで
レジを打っている井上綾子と接触する。コンドウの方は記憶が戻らない状態で退院する。
病院の玄関で父親の見舞いに来ていた女性に記憶を失くしたコンドウは道を聞くため声
をかける。そして女性に住民税の請求書の住所を見せて方角を聞く。声をかけられて
女性は車に桜井だと思い込んでいるコンドウを乗せてアパートまで送ってくれる。
車の中で一流品を特集した雑誌の編集長で水嶋香苗は自己紹介する。そして桜井の部屋に
コンドウを送り記憶を取り戻すように協力するためアパート部屋を見て手がかりを探す。
劇団員らしいと演劇関係の編集担当に調べてもらうと約束する。コンドウは部屋の
両隣の住人から自分のことを聞き出そうとするが桜井とコンドウが入れ替わっている
事も知らない。隣の女性はネコを飼っている。大家に内緒にしてと頼む。これが
ラストで活きてくる。コンドウは、自分を桜井だと思い込みカレンダーの
エキストラ集合場所にいき映画のチンピラ役を得る。
撮影は順調で監督が喜んでいる。コンドウは几帳面な正確で完璧主義者みたいだ。
病院に入院している時にノートとペンを買い自分の状況を分析して書き込んでいる。
役者だと思いしっかり演技の本を図書館から借りてきたりしている。NDCコード
が背表紙に付いている部分を映しているから説明が無くてもわかる。コンドウを
アパートに送り届けた水嶋香苗は、父親が病気で死ぬ前に結婚式を挙げたいと相手を
探している。そしてコンドウの事を気にしている。桜井の所属していた劇団は、
数年前に潰れている事までしらべて報告する。コンドウのマンションで生活して
いる桜井は、コンドウのクッキーの缶の中にあった現金で殺人の依頼を受けた女性を
殺した事にして親子で暮らせるようにマンションを用意しているようだ。
しばらくしてコンドウが記憶を取り戻し桜井と入れ替わっている事に気づく。
そして水嶋香苗(編集長の女性)との結婚を、考え「お前の人生をもらう」と言い出す。
桜井が遺書を、書いていたので金が無くて自殺しようとしていたのかと言い出す。
しかも自殺に失敗したロープが桜井の部屋に残っている描写などがある。
工藤はコンドウが殺した岩城社長の愛人の井上綾子を殺して、金のありかを聞き出せ
と催促してくる。コンドウは、桜井の計画が不完全だと指摘してコンドウの下で働いて
いる事にして依頼主の工藤に桜井をコンドウだと思い込ませたままで計画を練り上げる。
そして決行の時に編集長の女性が現れて計画が失敗してしまう。そして3人で協力して
社長の愛人と息子の2人を殺したが金は、発見出来なかった事にしようとする。
血まみれの2人を見た工藤は、女性が死んでいないと死体を蹴飛ばす。愛人は
蹴られてうめき声を上げる。依頼人は本物の血の臭いがしないから気づいたと言う。
そこで編集長の女性が子供部屋のギターや絵などがプレミア物で全部で2億円は
すると気づいて依頼人に渡して3人は助かる。依頼人が荷物を運び出し始めると
警察に空き巣が入っていると通報する。そして実は沖縄で生きている岩城社長の所に
愛人と息子を送る手筈を整える。車に桜井の自殺の原因になった女性の写真が
落ちている事に気づく。コンドウは、殺し屋でなくて便利屋で丁寧な仕事
をしていたが貧乏で伴侶を失った男で夜逃げ屋みたいな逃がしやだった。ギャラは
両方から貰っていた。そして桜井は、自分のアパートに戻る。隣の女のネコが部屋
に入ってきて自殺の原因が失恋で新しい恋の予感を感じさせて終わる。
コンドウの計画を立てるときの几帳面さを感じる演出で完璧を目指しているのが
良くわかる作りのいい映画だった。車のセキュリティーの使い方も上手かった。
命がけの芝居をした桜井は、コンドウに鍛えられて役者として成功すると思える
まとめ方で希望を感じさせてくれた。スティング(映画のセットで相手を騙す)と
シャレード(高額の切手に現金を買える)の良さに夜逃げ屋本舗を合わせて
現代向けに練り直していて完成度の高い映画だった。



2013年05月13日

『聖☆おにいさん』(2013年)高雄統子監督作品を観た。劇場版アニメ
だけどテレビアニメのクォリティーに達していないように感じた。春・夏・秋・冬
と新年までの下界バカンスを原作のマンガからピックアップしてまとめた感じ
だった。マンガのダイジェスト版で絵が動いているという感じだ。小学生がブッダ
の額を輪ゴムで狙う部分やUSAランドでブラックサンダーマウンテン に乗る
部分に時間を使ってしまったみたいだ。『聖☆おにいさん』の漫画原作を全部
読んでから手塚治虫のブッタも全巻再度読んでから映画を観た。
行き倒れになった僧ゴシャラを、熊とウサギと狐が発見した、熊は魚・狐は木の実を
取ってきて僧侶に与えることが出来たが、ウサギは何も持ってくることができなかった。
高僧ゴシャラに火を、熾(おこ)すように身振りで伝え、みずからを火の中に投じて
自分の肉を僧に与えることで「解脱」して天にのぼった。アシタ仙人の師ゴシャラは、
この体験で悟る。ブッタもアシタ仙人から聞いていた話たがブッタが熱病の時に
介抱したアッサジが一命を取り止め、予知能力を授かり自分の最後を予言して
ブッタの目前で予言通りに生きたままオオカミに食べられる。 オオカミには飢えた
子供がいた。『聖☆おにいさん』にクリスマスの時にイエスが食べたいものを
ブッタに聞かれてフライドチキンと言うとマッチを銜(くわ)えたニワトリが来る、
やっぱり七面鳥かなと言うとマッチを銜えた七面鳥がドアをノックする。
「解脱」して輪廻転生を終えて天界に行ける事を知っているから自己犠牲に
なりたいみたいに感じる。でも打算的だと私は、感じてしまう。生きて使命を
まっとうする事も重要ではないだろうか?と『生贄のジレンマ』を感じてしまう。
今回は劇場版アニメだと期待しすぎた。単行本で面白いを感じる部分が満載で
感動したり笑える部分があり映画なのだから濃縮還元した作りにしてほしかった。
だが、キリスト教と仏教を扱った作品だけに制約が大きいのだろう。ことわざに
『参らぬ仏に罰は当たらぬ』『触らぬ神に祟りなし』がある。
映画も両方の宗教に当たり障りの無いエピソードにして、ゆるくて平和で幸福感を
感じさせるようにしているようだった。


2013年05月02日

『図書館戦争』(2013年)佐藤信介監督作品を観た。テレビアニメで
2008年4月〜6月に放送された内容を実写化した作品なのでリーマンショック
に3.11や政権の交代に北朝鮮の核問題を抱えている今観るとどう感じるのか
不安な感じがしていたが、物語のスタートが冒頭で1988年の元号が平成に
変わった時の描写を「正化(せいか)」とすることで違和感を払拭して
ストーリーに観客が違和感無く入れる作りになっていた。図書館法は図書館の
憲法とも言われているものだがリアル社会で憲法改正のハードルを下げる
流れがあり映画を楽しんだ後で考えさせられた。書店で良化隊と図書隊の
対応を経験して図書隊に志願した主人公が戦闘訓練を受けて成長していく
ストーリーで、閉館にる私立の歴史図書館の蔵書を関東図書隊が輸送する
が良化隊の違法行為の記録が多数あるため真実を灰にしようと大規模な戦闘
になると同時に葬儀場から稲嶺指令と介助者になって護衛の任務にしていた
ライブラリー・タスクフォースの笠原郁が誘拐されて大規模書店跡に監禁され
てしてしまう。図書館の敷地内でしか銃器を使えない図書隊は書店ごと買い
取って武力行使して2人を救出する。ラストの「はげめよ」と笠原は上官の
堂上に頭をなでられて図書隊に入るきっかけになった憧れの隊員が堂上だったと
気づくという流れだった。笠原が高校生の時に有害図書になった本の理由は、
表向きは勇者がドラゴンの首を切り落とす残酷描写となっているが冒険する
キャラクター達が多用な個性を持っていた事で笠原は、全員が勇者だけだったり
老人だけだと物語が進まないみたい事を言う部分も例えが解りやすくて良かった。
実写版もアニメ通りに良く出来ていた。デトロイトメタルシティーやデスノートや
テルマエ・ロマエみたいにアニメから実写化された作品レベルのクォリティーも
感じた。戦闘シーンと少し恋愛描写を入れて戦争画にさりげなく花(野草)が
描かれているようなバランスも良かった。階級章のカミツレの花言葉は
「苦難の中の力」など設定も細かく作られていた。
現実世界で国内で図書隊と良化特務機関の両方が銃器で武装して戦闘する事じたい
ありえないが日本政府を国連に置き換えて警察を国連軍の位置にして図書隊と
良化特務機関を理事国でない国連加盟国どうしの戦闘と考えると設定が解り易い。
同じ国内で公務員同士で公に戦闘で撃ち合いして双方が公務で死亡や怪我をされると
厚生労働省が医療費や公務労災を払う事になるし3万人の給料と武装させる予算は
図書館だと文部科学省管轄で良化特務機関は法務省管轄で出さないといけないのでは
ないかと税金の予算分配を考えさせないで映画として観る事ができてフィクションと
して違和感を減らして見られると思える。
消防の救急隊は国際赤十字みたい感じで見ると近い感じなのかも知れない。
今も地球上で続いている戦争や紛争みたいに見えてくる。表現・言論の
自由は、国際ペンクラブの下部組織として日本ペンクラブがある。思想が極右・極左や
カルトな宗教団体の出版物でも全てを歴史資料として後世に残すのが役割である。
国会図書館には出版社は、納本の義務を果たさないとならない。収蔵の義務もある。
「本を焼く国は人を焼く」というセリフがあったが中国の焚書や第二次世界大戦
の言論統制みたいな流れには、なってほしくないものだ。「ペンは剣より強し」と
いうわけで図書館には「弾丸買うより本を買え」と言いたいけど美術館や図書館は
予算が無くて民間業者に業務委託している(「仕出し」の業者という隠語があるらしい)
現状だ。良化特務機関だって本を熟読しないと検閲できないから本気で検閲すると
「笑いの大学」みたい方向になるかも知れない。本にしても映画にしても沢山読んだり
観たりして更にネットで解らない事は検索して各自がメディアリテラシーする力を付けて
深く理解している事が変化の激しい時代には特に重要だと感じた。図書館を使いこなすと
隣接区の住民は図書カードを作れるとか除籍本を、捨てないで来館者用に、ご自由に
お持ちくださいと置いている図書館もあるので知っていると特をするなど色々だ。
図書館と美術館に良く行って休肝日の話題を休館日だと思って聞いて月曜か蔵書整理日を
連想するようになると自然と教養レベルも上がるかも知れない。
三権分立(「立法」「行政」「司法」)の3つの権力とマスコミ(報道機関)が加わって
「第四権力」と言われている時代もインターネットの普及やデジタル放送による多様化で
一般的で共通の話題を見つけてコミニュケーションをするのも情報が細分化しすぎて
関心のある事には特化して精通する傾向があるが世間話として話のネタを探すのは
難しい環境なのかも知れないと感じてもいる。娯楽映画を楽しんだ後で架空の世界の
設定と観賞した後に現実を考えさせてくれた映画だった。


2013年04月18日

『オズ はじまりの戦い』(2013年)サム・ライミ監督作品を観た。
1939年の映画『オズの魔法使い』でドロシーが竜巻でオズの国に来る
前にサーカスの熱気球でオズの国に来たオズの話である。カンザスで
サーカスの興行をしていると竜巻が来てオズの国に飛ばされる手品師
がオズと言う名前で、飛ばされた所がオズの国で東の魔女エヴァノラに
殺された前の国王がオズという名前の魔法使いが現れて国を取り戻して
くれるという予言を残していた。エメラルドの都や黄色いレンガの道や
ケシ畑は、当時の映画をリスペクトしてストーリーの整合性を創ってい
た。マンチキン族の小人は、どうするのか疑問だったが登場した。
ネタバレになるがグリンダが父親である前国王を殺したと妹のセオドラ
まで騙していた姉のエヴァノラがグリンダを悪い魔女だとオズに退治
させようとしてダーク・フォレストに行かせる。平和を望んでいた妹の
セオドラにオズが接近して真実を知られるとグリーンのリンゴを食べさせて
悪意だけ残して凶悪化する魔法をかけて悪い魔女に変えてしまい姉妹で
オズの国を支配しようとコウモリの羽のヒヒを操る。この2人と闘って
エメラルドの都から追放してオズ大王として統治する流れだ。南の魔女
グリンダがケシ畑で冷気でケシを枯らして眠ってしまったドロシーを助ける
場面は、霧の魔法でケシ畑にカカシで作った兵隊を進軍させてコウモリの
羽のヒヒを眠らせる作戦に結びつけたり良く出来ていた。黄色いレンガの
道が始まる渦巻きも再現されていた。ドロシーの家に潰さる事になる
のちに東の魔女になるエヴァノラの赤い靴(ルビーの靴)が出てこなかった
のが少し残念だった。最初に西の魔女になるセオドラが赤い衣装で初めに
オズと出会ったので少し混乱してしまった。(1939年の映画では赤い靴が
パンプスで水色のソックスと組み合わせていたのでミスマッチ感が印象を
強くしていた。童話の原作の挿絵は編み上げでショートブーツの銀の靴だった
ような気がする。)
現在のCGやVFXのテクノロジーでエメラルド・シティーは立派に出来ていた。
時代がエジソンみたいな偉大な人物になりたいと言うオズの目標とカンザスで
畑を耕す善良な人が大事を成し遂げるというラストなどディズニーらしい映画
だった。グリンダと戦いエメラルドのネックレスを割られて老化したエバノラ
は、何だか宝石に執着する女性の本質みたい感じがした。ただ宝石の花が咲いて
いるから何か別の意味がありるかも知れないと感じた。大量の黄金が宝物庫に
あったので希少価値が少ないのかも知れない。オズが莫大な富を望んでいた訳で
ない描写は1939年の作品でオズが熱気球でカンザスに帰ってしまい乗り遅れた
ドロシーが魔法の靴でカンザスに返るとベットに寝ていたと言うラストを
知っていたので、そう感じたのかも知れない。時代設定がエジソンが電球や
蓄音機を発明した後だと特定できる作りだった。映画を発明したのはフランスの
リュミエール兄弟だが、エジソンの発明は家庭で見る物だったので霧をスクリーン
にして顔を巨大に映して巨大な顔にする事をオズが考案した設定だった。
映画の最初にサーカスで車椅子の少女に歩けるようにしてと言われて今は、
出来ないと言った部分は陶器の少女の折れた足を接着剤で付けて歩けるように
して埋め合わせしていた。オズの若い時の話で手当たり次第に女性に優しく
して嫉妬されるオズもオズの様な気もするが最初にサーカスの怪力男に首を
抜かれそうになって熱気球で逃げてミルウォーキーに行こうしたいたが
竜巻で付いたオズの国で同じオルゴールをプレゼントしたり懲りない部分も
あり憎めないキャラクターだった。ラストは、協力してくれた仲間の願いを
叶えるサプライズもあり1939年の作品でライオンに勲章・カカシに学位・
ブリキのキコリに心臓の代わりに時計をプレゼントしたみたい演出もあるので
1939年の作品を観てから観に行ったので解りやすかった。
西の魔女セオドラはドロシーに水をかけられて解けてしまう訳だけど元々は
平和を望んでいたのに姉の東の魔女エヴァノラに魔法をかけられていたり
気の毒な気もした。今回の映画には1939年の映画の名曲「虹の向こうに」は
使われていなかった。後日談の映画を観た記憶があるので前日談という発想も
良いと感じた。ドロシーより前にカンザスから来ていたオズの視点から物語を
作ったという部分で観たいと思えた。


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