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  愛知商工新聞
第202号(2011年4月15日発行)
発行:愛知県商工団体連合会
〒456−0018 名古屋市熱田区新尾頭1丁目4番3号
Tel:(052)679-6911/Fax:(052)679-6912
目次
・ターニングポイント〜お客様に頼りにされるすし処(すし処 美月)
・消費税増税反対宣伝グッズ〜増税反対と救援募金訴えるく
・3・13重税反対統一行動 24カ所3554名が参加〜許すな!消費税増税、国税通則法改悪、徴収強化
・県議会に消費税反対の議員なし〜消費税やめさせる愛知の会 県議会請願行動
・今こそ力をあわせて東北地方太平洋沖地震
・「国税通則法改悪阻止!消費税増税反対」〜国会議員請願行動に参加
・介護保険制度を知ろう〜名北民商で学習会
・好きです商売〜蕎麦打ちの魅力に誘われて〜手打ち蕎麦屋 とみ庵
・Dr.Inouchi井内尚樹の腕まくり指南 第121回

お客様に頼りにされるすし処

ターニングポイント
村田 伸吾さん
すし処 美月
村田 伸吾さん(42歳)
名古屋市中区錦3−14−4
シャインαビル1F
電話・FAX 052-961-7888

名古屋市中区錦で、すし処「美月」を営む村田伸吾さん(42歳、中民商会員)。幼いときに親と行った寿司屋さんの板前に憧れ、寿司職人の道に入りました。「ねじりハチマキに高下駄、威勢のいい元気な声、板前が僕のあこがれでした」と話します。


寿司職人にあこがれて

これまで中区周辺の寿司屋や和食店数店で働いてきた村田さんは、三年前に、飲食店チェーンを展開するオーナーから、「錦に寿司屋を出店するので、店を任せたい」と言われました。調理の責任者などの経験はしていましたが、店を任されることは初めてでした。経営をすべてを任せてくれるというので、店長を引き受けました。

開店から一緒にずっとやっている職人さんと、メニューや集客の方法、営業などについて話し合いました。最初の一年は本当にお客さんが少なく、錦でどの客層をターゲットにしたらよいのかも悩みながら、丸の内など周辺の会社へ「接待などに使ってほしい」と営業活動に出かけました。同時に、インターネットのグルメサイトにも登録し、接待や商談での利用をアピールしました。インターネットを見たと遠方から出張にきている方も来ていただいています。

「安心して食べていただきたいから、時価というのは嫌です。料金はすべて明示しています」。と話します。


技術と経験いかしたい

技術と経験いかしたい

そうした努力もあって、二年経ってやっと軌道に乗り始め、昨年は黒字にすることができました。そんな昨年末に、オーナーから突然「この店は撤退したい」と言われ、せっかく頑張って軌道にのせてきた店でしたので、譲ってほしいと伝えると快く了解してくれ、独立開業することになりました。「独立したいという気持ちはあまりありませんでした。特に今の経済状況を考えると独立は難しいと思っていました。しかし、この店は、自分達で一からつくってきたという自負と、独立するならこのチャンスしかないと思い、急なことでしたが独立をしました」と話します。

営業時間は、午後6時から深夜3時までです。仕入は柳橋市場で行いますが、毎日は行けないので、昔から信頼のできる魚屋さんから仕入れています。三河牛の握りや対馬産の穴子の押し寿司など、珍しいメニューもあります。お寿司以外にも夏には釣ってきた天然鮎の塩焼きなど一品料理も豊富です。接待で利用しやすいようにと、コース料理も用意しています。「大事な商談がうまくいくようにこちらも出来る限りのことはしています。経験が少ない若い営業マンからは、接待の相談を受けることもあります」と話します。そんな心配りが通じたのか、最近では大企業の接待でも利用されるようになりました。


開業資金民商で相談

開業資金民商で相談

申告や融資のことが分からなかった村田さんは、知人の紹介で民商に入会しました。「突然の独立でしたが、なんでも相談できるところができて良かったです。役員さんの力も借りて、開業資金を借り入れることも出来て良かったです」と話します。

開業して3ヵ月です。「店でやっていることは同じですが、売上や経費など以前にも増して気にするようになりました。その分、お客様に喜んでもらった時、次もまたご来店いただいた時など喜びも大きくなりました」と言います。また、「飲食店はなんと言っても味が一番。『この店に食べに来て良かった』と思ってもらえるように日々技術の向上をめざしたいと思います。一大決心をしてはじめた店なので、長くお客様に愛される店にしていきたいと思います」と今後の決意を話してくれました。


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消費税増税反対宣伝グッズ

増税反対と救援募金訴えるく

消費税増税反対宣伝グッズ

消費税をやめさせる愛知の会は、3月24日、愛商連、労働組合、保険医協会、消費税をなくす会など6名の参加で、毎月定例の消費税増税反対街頭宣伝行動を行いました。

消費税増税反対署名への協力と合わせて、東北地方太平洋沖地震の救援募金を訴えました。大型パネルに震災の写真や募金のお願いを訴えると遠くからでもよく見え、募金箱に千円以上を入れていく人も多くいて、9,669円が集まりました。

また、「消費税は大企業減税に使われている」と話すと、「それはおかしい」と署名してくれる人など、16筆が集まりました。


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3・13重税反対統一行動 24カ所3554名が参加

許すな!消費税増税、国税通則法改悪、徴収強化

3・13重税反対統一行動

3月11日(一部10日、14日)に県下24ヵ所、114団体、3,553名が参加して、「3・13重税反対統一行動」を行いました。各地で、消費税増税反対、国税通則法改悪反対など、重税反対の大きな運動を行いました。

全国の集会と合わせ、3月11日、3・13重税反対全国統一行動愛知県実行委員会の開催と名古屋国税局交渉を行ないました。午前11時から、中区桜華会館にて、実行委員会を開催しました。呼び掛けに応じて、榑松愛労連議長、吉田全日本年金者組合愛知県本部委員長、柳自治労連書記、向井愛知県保険医協会事務局参事の四名の参加と愛商連から太田会長他五名が参加、各団体からの意見を交換しました。

実行委員会の後、中民商のデモに合流し、国税局交渉に臨みました。太田会長(実行委員長)からの挨拶と大橋課長補佐に要望書を手渡し、「国税通則法改正は乱暴なやり方」「石油、諸物価が上がり、その上、消費税アップなど、年金者にとって到底、許せない」「消費税の逆進性、医療費消費税は患者から取れず、仕入れ分は病院の過大な負担」等々、参加した団体からは、意見が出されました。


消費税増税は許せない愛知県実行委員会


550名で集会・デモ行進〜春日井・尾北・小牧地区集会


3・13重税反対統一行動

雪がちらつく11日、春日井民商、尾北民商、小牧民商は重税反対統一行動を行いました。尾北民商はバスや乗用車に乗り合わせて会場へ、名鉄小牧駅東口広場で集会を行いました。参加者は「低所得者には減税を!富裕者には増税を!」などと書かれたプラカードや「税務署の調査権限を強める国税通則法改悪反対」などののぼり旗をもち、賑やかな集会になりました。

集会では重税反対統一行動の歴史的意義や国税通則法の危険な内容が報告され、「国税通則法反対の世論を盛り上げよう」と呼びかけられました。民商のほか、年金者組合や日本共産党なども参加しあいさつしました。

集会後は、小牧税務署までシュプレヒコールを行いながらデモ行進を行い、税務署で請願書を提出しました。


多数の団体が参加〜北区集会

名北民商は、北区集会を開催し、民商の会員の他、自治労連、年金者組合、新日本婦人の会、北法律事務所など多彩な団体が参加しました。集会では各団体の代表が決意表明を行い、大会決議案を全会一致で採択しました。

集会後は「消費税大増税はやめよ!」「強権的な徴収はやめよ!」「年金から税金をとるな!」など重税に反対するプラカードを持ち、北税務署までデモ行進を行いました。


人権無視の徴収やめろ〜熱田税務署交渉

名古屋南民商は、集会の日の午前中、年金者組合とともに熱田税務署交渉を行いました。今回は、税金滞納による徴収の問題を追及しました。


事例示し改善求める

税金滞納者の売掛金を差し押さえたり、取引先へ調査に行くことで、商売に重大な影響を及ぼしている事実を示して、「業者にとって、売掛金は生きていくために最低限必要な生存権的財産であり、徴収法に則り、いかなる理由があっても差し押さえるべきではない」との追及に、徴収課統括官は「何度も連絡して返事がない場合や納税できないなどやむを得ない時にしか行っていない」と答弁しましたが、参加者から「実際は違う。実態を話しても聞く耳を持たない態度で、本当に悩んだ」との追及に、「職員には実情をしっかり聞くように言っている。払えない場合は必ず相談してほしい」と回答するにとどまり、「実情を聞き対応すること」を確認しました。


署員の言動をただす〜中川税務署集会

中川民商は、3月3日に中川税務署交渉を行いました。今年、税務調査を受けたAさんは、勝手な反面調査や納税者の話を聞こうとしない税務署員の態度、調査結果の説明をしないなどの署員の対応を追及しました。Aさんは「帳簿書類を見せているのに、結果については数字を示すだけで説明を全くしない。絶対に納得できない」と話すと統括官は「今後、説明をさせてもらいます」と是正を約束し、署員の言動についても「迷惑を掛けました」と謝罪しました。


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県議会に消費税反対の議員なし

消費税やめさせる愛知の会 県議会請願行動

3・13重税反対統一行動

3月1日、愛商連も加盟する「消費税をやめさせる愛知連絡会」は、自治労連、名古屋市職労、愛商連で愛知県議会に「消費税の増税をやめ、緊急に食料品などくらしにかかる消費税を減税するよう求める意見書」を国に提出するよう求め、団体署名60団体分を議長に提出しました。同時に、請願書の紹介議員になってもらうよう、自民、民主、公明党の議員控室に事前要請の回答を聞きに行きました。

三会派とも「紹介議員になれません」と回答しました。参加者は、中小業者や庶民の実情を伝え、「再考をお願いしたい」と訴えました。

その中で、ある議員は、「消費税は景気に左右されない安定した財源だから重要」と言うのに対して、参加者は「安定した財源というのは取る側の理屈。収入が少ない人に重い税金です。中小業者は負担しきれずに苦しんでいる。お金を持っている人達には軽い税制だ」と抗議すると、県議は説明しきれませんでした。


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今こそ力をあわせて東北地方太平洋沖地震


今こそ力をあわせて東北地方太平洋沖地震

3月11日、重税反対統一行動の日におこった東北地方太平洋沖地震。未曾有の被害が広がっています。被害にあわれた方、親戚、知人、友人などが被害にあわれた方に、心からお見舞い申し上げます。

現地の民商では、事務所が崩壊したり、役員・会員・事務局員が亡くなるなど、かつてなく被害が広がっています。

この地域の中小業者でも「材料が入らないため、仕事がストップ」(建設業)、「予約のキャンセルが相ついで売上減」(飲食業、旅館業)「野菜の値上がり、生クリームなどの材料が仕入が出来ない」(飲食業)「コンパネが手に入らない」(建設業)「缶ビールの仕入れの制限を受けている」(酒販業)「軽油の給油制限を受けている」(運送業)など影響が広がっています。

民商では「困ったことがあればすぐに相談を」と声を掛けると同時に、被災された人の力になりたいと、救援募金を訴え、会員や地域の方から多くの募金が集まっています。

訴えに応えて、「これまで貯めていたお金です。こんな時に役立ててほしい」(津島)。「商工新聞を見て、これは人ごとではないと実感した。仲間のために役立ててほしい」、「婦人部の物資販売の半分を募金します」(昭和瑞穂)など、多くの方の思いが集められています。


街頭募金活動協力広がる

街頭募金活動協力広がる

名古屋南民商は、3月20日、七名が参加してスーパー前で救援募金を訴えました。訴えをはじめるとすぐに、「どこでしたらいいか探していた。渡せて良かった」とビニール袋に入った小銭をカンパしていただいた方など、多数の方が協力してくれ、一時間で5万円余の救援募金が集まりました。

他にも、FAXの訴えに応えて事務所に届けてくれた会員や班会や婦人部でカンパを訴えて、10万円以上のカンパが集まっています。


店頭で募金毛布も送付

民商会員のあるクリーニング店では、「組合から店頭で救援募金をやろうと提起があり、店先に募金箱を置いたらお客様が快く募金をしてくれた。これまでも募金を行ったが、今回ほどの反応はなかった。また、被災地に送る毛布の無料クリーニングをしますと案内すると、近所の方から続々と集まってきて、一週間で40枚ほどを医療機関の便で届けました」と話します。また、「民商の班でも声を掛けたら、班費を全額カンパすることにみんなが快く了解してくれ、追加のカンパも集まった。」と話します。



「国税通則法改悪阻止!消費税増税反対」

国会議員請願行動に参加

今こそ力をあわせて東北地方太平洋沖地震

3月9日尾東知多地域と県連から五人で、今年5回目となる議員要請行動に行きました。

この日の午前中には、井上さとし参議委員秘書の紹介で参議院予算委員会を傍聴しました。昼は、国民大運動実行委員会の集会に参加してきました。全体で300人、全商連で60人、署名4万余が集まったと報告されました。

この後、愛知県選出の議員へ要請行動を行いました。要請行動には、全商連の税務調査の不当事例集を持参し、今でさえひどい調査が行われていることを訴えました。秘書が対応し、議員に伝えますと回答しました。

要請行動の最後に佐々木憲昭衆議員をたずね懇談と記念撮影をしました。佐々木議員は、予算関連法案の行方など国会情勢の報告をうけました。

参加者からは「国会の傍聴という貴重な体験ができ、議員から国会情勢が聞けて良かった」と話していました。

この間の国会要請行動に参加された方から感想が寄せられています。


☆ ☆

国会議員に会うのは初めてなのでかなり緊張して行きました。ほとんどが秘書の対応で、中には「国税通則法ってなんですか?」と聞き返される場面もあり、地元事務所を回ったときとは違う感じを受けました。

最後に日本共産党の佐々木憲昭議員を訪問し、他では受け取ってもらえなかった署名を受け取ってもらい、国会情勢を聞くことが出来ました。

全体的には、中小業者や国民の状況をつかみ政治に活かそうとする視点がない事に驚きました。

名古屋東部民商 Tさん


☆ ☆

今年から税金対策部の役員をやることになり、初めは何もわからなかった私も、いろんな話を聞き少しずつ勉強している中で、初めて議員要請行動に参加しました。

せっかく行ったのだから、議員に直接会って直訴したくなりましたが、秘書の対応で十分な話も出来なかったことが残念です。

シンポジウムにも参加し、全国から集まっている方の熱い思いが伝わり、民商でもみんなと力を合わせて頑張りたいと思いました。

尾北民商 Mさん



介護保険制度を知ろう 名北民商で学習会


介護保険制度を知ろう 名北民商で学習会

名北民商は2月23日、民商事務所で市議会議員候補者(当時)の岡田ゆき子さんを講師に、介護保険の勉強会を行いました。岡田さんは候補者になるまで介護士・ケアマネージャーとして第一線の現場で働いており、介護の現実を交え、大変わかりやすい内容でした。


介護保険に問題点多い

岡田さんは、介護保険制度の内容について説明した後、「サービスを受けるには、認定を受けなくてはいけませんが、認定に時間がかかる、サービスを使う予定がないと申請できない、認定基準が高くなり介護の必要性がある人もサービスを受けられない。介護度が低いと自己負担が大きくなる。」など問題点を指摘しました。


更なる負担増ねらわれる

2012年度の改定で、介護保険料の更なる値上げか給付抑制が行われることを指摘し、「重度者に財政の重きをあてて、軽度者を保険から外す流れがある」と話しました。後半の質問では、参加者から次々に質問があり関心の高さがうかがえました。




好きです商売

蕎麦打ちの魅力に誘われて

手打ち蕎麦屋 とみ庵
冨田 勇さん(59歳)
春日井市中央台6丁目9番地7
電話・FAX:0568‐91‐6373
冨田さん

高蔵寺ニュータウンで、手打ち蕎麦屋を営む冨田勇さん(59歳、春日井民商会員)。蕎麦打ちに興味を持ち、サラリーマンを56歳で退職して、第二の人生を歩こうと夫婦で2009年3月に開業しました。

設備設計の仕事をサラリーマンとしてやっていた冨田さんが、蕎麦打ちに初めて出会ったのは十年前です。「春日井市で、蕎麦打ちを体験し、とっても面白かった。それから、自宅で休日に蕎麦を打つようになった」と言います。初めの頃はなかなか美味しい蕎麦が作れませんでしたが、つくれなかった事で逆に「今度こそは美味しい蕎麦を」と蕎麦打ちへの意欲がわき、試行錯誤を繰り返しながら、技術を向上させることができました。


人生の豊かさ求めて第二の人生

同じころに、老後の人生も含めて「自分の人生にとってなにが幸せなのか。」と考えるようになり、夫婦で南知多の田舎暮らし支援センターの活動にも参加しました。支援センターの蕎麦屋を手伝う中で、「自分にもできるかもしれない」と思いました。

夫婦でよく話し合い、自宅を住居兼店舗に建て替えて開業することにしました。まわりには住宅が立ち並ぶ地域です。


素材の良さ味わってほしい

冨田さんは毎日、朝七時から蕎麦を打ちます。1日30食限定です。使用しているそば粉は、福井で採れるそばのまだ青い実のうちに収穫する「早刈り蕎麦」です。「風味、食味がよく。ポリフェノールやルチンが多く含まれているなど身体にも良い」と言われています。それ以外にも長野県松川町で蕎麦を、南知多で黒米を自家栽培しています。

おすすめはざるそばです。ランチセットは、黒米のいなり寿司やおかず、惣菜など、ボリュームたっぷりです。「私は蕎麦、その他は妻の手作り料理です」と冨田さんは話します。ほかにも三河湾近海でとれるアカシャエビを使ったエビおろし蕎麦や地元の食材の良さが味わえるメニューです。


人のあたたかさ身にしみる

また、蕎麦打ちの面白さを味わっていただこうと、「蕎麦打ち体験」も実施しています。

開店から二年、「こんな所においしい蕎麦屋さんが」と近所の方を中心にご来店いただき、徐々にお客様も広がってきました。


元気でいつまでも

お客様はもちろん、南知多の仲間や農園を貸してくれた松川の方、そして民商の方、店をやるようになって、本当にいろんな人に出会い、教わってこの店が出来たと実感しています。この事は大きな宝物です。

第二の人生を歩き始めた冨田さん夫婦は、「夫婦そろって健康で、店を末永く続けていきたい」と話します。


シリーズDr.Inouchi井内尚樹の腕まくり指南 第121回

震災復興と原子力発電からの転換‐地域資源をいかしたエネルギー・地域産業政策を‐

学生の国際フィールド・ワークの下見を兼ねた、フランス・ドイツ調査から帰った翌日の3月11日に、「東北地方太平洋沖地震」がありました。今回の大震災で、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。そして、被災された皆さん、ご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧を心からお祈り申し上げます。これから震災復興支援に向けて、私たちは「何をすればいいのか」、私たちに「何ができるのか」など、業者の皆さんをはじめ、私たち、「日本のがんばり」が必要です。

阪神・淡路大震災の時もそうですが、自然は人間、生きものすべてに対して、予想もしない力を発揮するときがあります。その際、大災害がおきます。人間では「制御」できない自然の力の前には、時に人間を無力にします。今回の福島第一原子力発電所の事故を見ると、人間はまだ原子力を「制御」できないことが明らかになりました。

原子力発電を推進する電力会社などは、本来「制御」できないものを私たちに、「自然災害があっても制御可能」だと「日本は安全」だと宣伝してきたのです。「制御」できない時には、自然災害が「想定外」だったと「自然」の責任にし、自らを「傍観者」にし、責任逃れをおこなっています。現在は、原子力発電に頼った人間生活からの脱却であり、日本のエネルギー政策を根本的に転換する時です。今回はこのエネルギー政策について書きたいと思います。


ドイツの地方選挙から何を学ぶのか‐地域資源をいかした産業・エネルギー政策‐

日本から1万数千キロ何万キロも離れたドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州地方選挙がおこなわれ、日本の原発事故を問題とし、「脱原発」を掲げている環境政党の「緑の党」が得票率を倍増させ、勝利しました。新聞記事によると、ドイツのメディアは「日本がドイツ政界に激変をもたらした」など、「こぞって福島の事故を緑の党躍進の原因」と論評しています。

バーデン=ヴュルテンベルク州は、ここで何回か紹介している「環境首都」フライブルク市のある州です。フライブルクでは農林業における間伐材、家畜の糞尿などのバイオマス発電(発電と同時に木材を燃やすことで90度の給湯)、太陽光、風力、ミニ水力発電など、これらの代替エネルギーでの発電が50%程度になっています。この代替エネルギー政策が、産業構造にも大きく影響しています。

「脱原発」政策は単なる「政治的理想」ではなく、地域産業の根幹をなすものです。バイオマス発電は、とりわけ、農林業を重要な産業として発展させます。間伐材を利用するには豊富な森林資源が前提となります。森林地域の保全など、山を本当に大切にするようになり、これが「環境政策」とリンクします。

1986年に何百キロか離れたチェルノブイリの原子力発電所の事故の影響で、黒い森が被害にあったことも影響し、フライブルクの農家、学生、市民などは、原子力発電所の建設に反対し、「反原子力」政策のまちづくりを掲げました。この運動のなかで、環境政党である「緑の党」が育ち、原子力に頼らない農林業家、中小企業が育成され、地域資源をいかした地域産業が発展しています。


ここはドイツではなく日本‐一斉地方選挙をどう闘うのか‐

日本でも地方選挙が目の前に迫っています。ここは、ドイツではなく、日本です。福島原発から数百キロしか離れていません。一番の被害者である私たちに、既存の「エネルギー政策」の変革ができないわけがないのです。

今問われているのは、私たち日本人が、「どのようなエネルギーに基づいて、人間生活を営むのか」です。福島の原発事故を教訓にし、原子力発電に頼らないエネルギー政策を掲げる必要があります。その際、「地域資源をいかしたエネルギー」政策を掲げる必要があります。森林資源が豊富な地域、水が豊富な地域、地熱資源が豊富な地域、風力が豊富な地域など、それぞれの地域に特有の地域資源があります。

「自らの地域で、エネルギーを生み出す地域資源は何か」を考える必要があります。太陽光発電だけを屋根に設置することが、本当の「環境」政策ではありません。そして、新しいエネルギー政策には、地域産業の再生が結びついています。「反原発」という、うわべだけのスローガンではなく、「地域資源と結びついたエネルギーと地域産業」政策を掲げる必要があります。


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