介護している人、される人
ターニングポイント
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ともに笑顔になれる介護服 まゆ縫製
仲 征義さん
北名古屋市熊之庄宮地79番地の5
電話:0568-21-2660
FAX:0568-65-8242
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介護する人にも介護される人にも喜ばれる介護服をデザインし、製造・販売しているまゆ縫製の仲征義さん(北名古屋民商会員)家族。仲さんは、縫製業を40年以上営んできました。祖母の介護を行っていた娘の智子さんの提案で、2年前からオリジナル介護服の販売をはじめました。
智子さんは、5年ほど前に寝たきりのおばあさんを介護していた時に、「もっと使いやすい介護服があれば良いのに」と思いました。寝たきりになると、通常では気にならない、服の『縫い目』が気になり、床ずれをおこし痛みになることも分かりました。
征義さんはこの提案を受け、それから50回以上、試作品を作っては改良する事を繰り返し、「一道」を完成させました。「自分達が介護した経験を活かし、介護される人の身になって様々な工夫をしました。また、知り合いの介護師さんなどからも意見を聞き、誰もが使いやすい介護服が出来たと自信を持っています」と話します。
「一道」の介護服は大変着心地のよい特注の三層構造の生地で、上着は脇が大きくあいており、腕や肩が上がらない人にも無理な姿勢をとることなく着せることが出来ます。また、脇から腹部は二重になっており、腹冷えを防ぐことができ、縫い目は最低限に袖下の部分にしかありません。全体的にゆとりを持ったサイズで、身動きが楽にできます。ズボンはウエストから裾まで介護に適した状態にできます。立っても寝ていてもズボンを下げることなく、オムツが簡単に替えられます。また、オムツが見えないよう股上が深くなっていたり、ウエストのゴムシワが体の負担にならないよう、特別な縫製がしてあったりと、介護をする側とされる側の立場になって考えられています。
使用していただいた方からは、「大変着心地がよくて、気持ちいい」、「介護しやすく、着替えやオムツ替えが楽になった」との声を頂いています。病院の看護師さんからも「こんな介護服ははじめてみる。大変扱いやすい」と言われています。
仲さんは、この介護服を広めようと、介護施設や病院、福祉関係の展示会など様々な場所に出かけて、実演販売を行っています。「言葉で説明してもなかなか理解されない。実際に商品に触って、使ってもらうことでこの介護服の良さを理解して欲しい」と話します。展示をさせてもらっている所もあるのですが、やはり実演しないと人の目にはとまりません。見ていただいた方からは「こんな介護服があるなんて知らなかった」という声をよく聞きます。興味を持ってもらい、販売や普及に協力いただける方を募集しています。現在特許も申請中です。
高齢化社会がすすみ、在宅で介護されている人も増えてきています。「介護はする側もされる側も暗い気持ちになりがちです。しかし、着心地が良く、介護しやすい服を使うことで、双方が笑顔になってくれれば」と仲さんは話します。
82回愛知県中央メーデー
5月1日、名古屋市白川公園で、第82回愛知県中央メーデーが開催され、4000名が参加しました。民商・愛商連からも役員・事務局員が参加しました。
開会挨拶で榑松実行委員長は、「被災地へ愛知からもたくさんの方が支援に行っています。復興にあたり、雇用の安定や中小業者への支援が必要です。財源は消費税増税ではなく、大企業の巨額な内部留保の活用を求めよう」と挨拶するなど、「東日本大震災の救援・支援に力をあわせよう」のスローガンが取り入れられたメーデーになり、救援ボランティアの方や農民連などからも代表発言がありました。
集会後は3コースに別れてデモ行進を行い、愛商連は「雇用をまもろう!」「震災財源に消費税増税反対!」などとシュプレヒコールをおこない、柳橋まで行進しました。
震災復興 雇用と中小業者を守れ!
全商連60周年に向け
会員比8割の共済会員、6割の婦人部を
愛商連共済会は、5月15日、労働会館で第32回定期総会を開催しました。
総会方針(案)を鈴木義一理事長が提案し、決算・予算(案)報告を藤田会計が行いました。
代表発言では一宮民商共済会が昨年総会から現勢を増勢にした活動、知多中央民商が大腸がん検診で受診者を増やした活動、岡崎民商共済会は附則会員を全員移行した活動の報告がありました。
昼食休憩の後、名南会のリハビリ指導員によるストレッチ体操を行いました。「ストレッチは、無理をせず、息を止めないなどの注意が必要です」と話した後、首と肩、足の運動を行いました。その後、大腸がん検診の結果と大腸がん検診の意義について名南会の看護師さんが行いました。「要精密検査の比率は、全国値に近い数値です。結果に応じて再検査、治療、手術を行っています。大腸がんは早期発見、早期治療なら、身体的にも経済的にも負担が軽く済みます。再検査などの結果が出た人は必ず受診しましょう」と話されました。
その後、方針案、決算予算、特別決議、役員選出の採択を行い、賛成多数で採決しました。
愛婦協は5月15日、名古屋市緑区の鳴海・有松絞会館で、第四12回定期総会を開き、24民商婦人部から112名が出席しました。
総会は、11月の全商連60周年記念集会にむけて震災復興と6割以上の婦人部づくりなどの方針案と予算・決算案が提案されました。代表発言では、−さくらまつりの取り組み(名古屋東部民商婦人部)−多くの要求が語られた小集会の取り組み(豊橋民商婦人部)−婦人部拡大と婦人部再建(小牧民商婦人部)の取り組みについて発言がありました。
その後、方針案、決算・予算案、役員提案について、全員の拍手で確認がされました。新たに会員比6割と10%以上の部員拡大を達成した12の民商婦人部が表彰されました。
最後に新役員を代表して加藤会長が、「みんなで助け合い、励まし合い、笑顔で様々な困難を乗り切りましょう」と挨拶し、来年の総会は、稲沢民商婦人部で企画されることが発表されました。
昼からは、有松絞り体験とボランティアガイドの案内で、有松の街並み散策を楽しみました。
震災復興へ仲間への支援続く
自転車23台や工作機械などを届ける
豊川民商の鉄工業を営む会員さんから、民商事務所に「テレビで石巻市で震災で機械が壊れた鉄工業者が、中古機械で営業を再開したという報道を見ました。私のところにも使わなくなった機械があるので、被災地で必要なら使ってもらいたい」と電話がありました。
さっそく石巻民商に板倉事務局長が電話をすると「ちょうど今、機械が必要との相談をうけた。支援いただければ大変ありがたい」と言われました。
そこで、5月27日に届けることにしました。
せっかく行くならと、支援物資を呼びかけると、ホットプレートやポットなどの家電製品や自転車10台以上など、生活再開に向けた様々な物資が集まり、10トン車はじめ、車三台で石巻民商に届けました。
四月四日に続き、支援物資を届ける板倉事務局長は、「会員が自主的に、機械などの商売道具を提供してくれた気持ちが何より嬉しかった。また、急な支援物資の訴えにも多くの会員が協力してくれた事が嬉しい。この気持ちをまた被災地へ届けられてよかったです」と話していました。
ゴールデンウィークに支援に行った吉里副会長が「石巻民商が5月16日にバザーを行う。被災地では復興に向け、自転車が不足していて、自宅で使わなくなった自転車や中古自転車を送ることは出来ないか」と提案がありました。
これを受け、急な話でしたが、使わなくなった23台の自転車を整備して、津島民商会員の運送屋業者が2トントラックで石巻民商に届けました。同時に、野菜なども不足しているとのことだったので、ジャガイモ、玉葱、キャベツなどを寄せられた義援金で購入して送付しました。
5月16日に石巻民商が行ったバザーには、1200名もの人が集まりました。
石巻民商事務局長は、「多いときは300名〜500名が並ぶほどの盛況ぶりでしたトラック約6台分の全国からの支援物資全てを配布できました。中でも自転車は人気で、愛知からの23台を含む37台を抽選で被災者に渡しました。野菜も大変喜んでもらいました」と話していました。
「異常なし」はわずか1名
尾北民商 集団健康診断で
尾北民商共済会が4月17日に行った集団健康診断の結果がでました。驚くべきことは、50名中、「異常なし」はわずか1名、「要医療」が52.1%と一番高く、「要精密検査」が30%とあわせて、8割以上になります。
この10年間の結果を比較してみても、2000年には「異常なし」が3割ほどあり、「異常なし」が年々減少していて、中小業者の健康破壊が広がっていることが分かりました。
「要医療」の原因は、脂質代謝や血液、肝機能、尿などが高くなっています。
尾北民商共済会では、結果をもって病院にかかり、予防や治療することを呼びかけています。
名古屋西部民商
昭和天白瑞穂民商を創立
5月15日、中村民商と中川民商の統合総会が開催され、名古屋西部民商が誕生しました。当面は旧中川民商の事務所で業務を行います。
また、5月29日には、昭和瑞穂民商と天白民商の統合総会が開催され、昭和天白瑞穂民商が誕生しました。旧天白民商の事務所で業務を行います。
これにより、県下の民商数は24となりました。
名古屋西部民商
人権無視の税務調査や徴収は許さない
自治体は県市民税、国保税などの徴収をブロックごとに徴収機構をつくりました。生存権を無視した差押えや徴収が行われるおそれがあります。愛商連は、5月25日に愛知県総務部税務課と交渉を行いました。民商・愛商連から八名、税務課は安藤主幹など三名が対応しました。
4月1日から始まった愛知県地方税滞納整理機構(以下「機構」)の、内容、法的権限を中心に質問と要望などについて懇談を行いました。
まず、機構の法的根拠について質問すると、職員は「根拠法がなくても、『要綱』があるから問題はない。自治体から派遣された職員は、知事と各首長との間で協定書を交わし、ブロック機構に参加している自治体の徴収にあたる徴収吏員証を発行している。ブロック機構内の案件に対し、出身自治体以外の案件でも当たれる「併任」を可能としています。ブロックごとで、『要綱』を作っており、是認されています」と法的根拠の無いことを認めますが、要綱があるから機構として徴収ができると回答しました。また、「職員は『租税法律主義』も承知していますが、納税者には憲法30条納税の義務もある」とかみ合わない議論を続けました。
権限と責任について質問すると「機構は任意団体。滞納整理等は市長村長の責任で行う。滞納処分など、不服申し立ても各市長村(長)です。機構には何の権限もない」と明言しました。
参加者からは、「各自治体や機構のHP、納付催告書に、『滞納処分を前提とした滞納整理を行います』と最後通告や脅迫めいたことを書いている。2010年3月24日の国会で当時の原口一博総務相が『生存権を脅かすような徴税があってはならない』などの答弁と相いれない内容だ。」と問いただすと職員は「それには異存はありません。ただ、税の公平を図る点から、すすめています」と法的権限も責任もない機構が、国会答弁も無視した、人権無視の徴収を行うことを否定しませんでした。
このほか、参加者からは「自治体とは、話し合って毎月の納付をし、払えない時も説明していた。しかし、機構に送られて、差押予告書が来ている。『誠意ある納税者にはひどいことはしない』と言っていたではないか。自治体は50万円を超える案件を機械的に送っている。滞納者の生活や経営状況をしっかり把握していない」など、不当事例が出されました。
法的な根拠もなく、徴収に特化した組織で、県主導で作りながら、責任や実態がはっきりせず、県も責任を逃れています。民商・愛商連では、引き続き各ブロックや自治体とも交渉し、運動を広げていきます。
豊田市で運送業を営むAさんは、市税の滞納がありましたが、毎月市と約束した金額を納付していました。しかし、市は自宅を差し押さえました。驚いた社長は、すぐに収納課へ行きましたが「完納の見通しがない。払ってください」とAさんの納付実績や実情を聞く耳を持ちませんでした。
困ったAさんは民商の相談会で、市の不当な対応などを明らかにし、仲間と供に再度交渉しました。機械的な対応が当然のように言う担当者に対して、「状況をよく把握し、実態に即した対応を行うこと」と迫るなどして、最終的には2年間の納期限の延長を勝ち取りました。更に、2年間これまでどおりの分納をするが、「残額がある場合には改めて話しあう」という文面も加えさせました。
Aさんは「分納で納付していたのに、突然の差押えに驚いた。民商の仲間と学習し、交渉して差押えを解除し、2年間の納期限の延長が出来てよかった」とホッとした表情でした。
岡崎民商ではこの他にも、差押え予告や督促などの相談が増えていて、相談し強権的な徴収を是正させるたたかいをすすめています。
務調査を受けたAさん。臨店した税務署員は身分証を提示することなくAさんに帳簿などの提示を求めました。
任意調査にもかかわらず、Aさんが「拒否できないのですか?」と尋ねると「できません。警察以上になんでもできます」と、帳簿や私的な手帳などを預かり、借用書一枚を置いて、持ち帰りました。後日、税務署から「借用書の記載に誤りがあるから税務署に来て欲しい」と電話があり、借用書に記載のない、従業員の履歴書などまで持ち去られていました。
「おかしい」と思ったAさんは、名古屋南民商に相談しました。相談会の中で、「書類の提示や持ち帰ることを拒否できないとの発言は不当です。すぐに取り戻そう」と、後日、役員と事務局員と供に熱田税務署へ行きました。対応した統括官も、誤りを認め、すべての書類を返却させることができました。
Aさんは「『すべて拒否できない』と言われ、おかしいと思いながら鵜呑みにしてしまった。納税者に権利がある事がわかり、相談して良かった」と話していました。抗議に行った役員は「今回の件は、国会に提出されている『国税通則法改悪案』を先取りした、税務運営方針にも背く不当な調査です。納税者の権利を学び、広げることの重要性を感じました」と話していました。
話して気持ちが楽になった
介護交流会 名古屋東部民商婦人部
名古屋東部民商婦人部は、5月22日に介護問題で交流会を開き10名が参加し、社会福祉法人緑生福祉会で相談員をしている原田さんにも参加してもらいました。参加者はお互いの介護の現状や経験を出し合うと、涙ぐむ姿やにこやかになる話など、多彩な経験が出されました。
「母を介護している。今はまだ、食事の介護や身体の介護をするまでにいたっていないが、進行性の病気なので、今後のことを考えるととても苦しく不安。自分の心を落ち着ける方法を自分自身で考え、無理の内容、仕事をやりながら生活している」「父親に車の運転をやめてもらうのに苦労した」など日々の苦労話が次々に出ました。
「介護をする中で、火の不始末がないか心配」「洗濯をして、水を止め忘れるので、水道代がとてもかかる」「ロウソクに火をつけたがって、自分のいないときが心配」など日ごろの不安も多く出されました。
原田さんは「介護を受ける本人の生活をなるべくこれまでどおり普段の生活にしておくことが大切です。家族と介護を受ける人とで納得いくまでよく話し合うことが重要」と話し、大変有意義な交流会となりました。
参加者は「自分の状況を話して、うなずいてもらえるだけで心がすっきりした」「いつまで続くのかという不安は誰もが抱えていることが分かり安心した」など、交流できて大変良かったという感想を話していました。 婦人部では今後も定期的に介護の学習会や交流会を行っていくことにしています。
「幸せ」を売る 地域の憩いの場
好きです商売
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たこ焼き ちかちゃん
長谷川 徳雄さん 千賀子さん
瀬戸市瀬戸口町43
電話:0561-87-0150
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愛知環状鉄道瀬戸口駅の近くで、たこ焼き店を営む長谷川徳雄さん(瀬戸旭民商会員)。2007年2月に開業してから14年間、おいしいたこ焼きなどを提供するとともに、地域に方々の憩いの場となっています。
それまで親と営んでいた食料品店が廃業し、新しい仕事をしようと考えました。「勤めに行くことも考えましたが、夫婦で一緒に仕事をしたかった。食料品店で提供した経験から、たこ焼き店を開業することにしました」と話します。
「一番大事なのは材料です。良い材料が、美味しく提供できる基本。あとはお客様に喜んでもらいたいという気持ちです」と話します。たこ焼きの他にも、お好み焼き、焼きそば、みたらし、たい焼き、夏にはかき氷、わらび餅なども提供しています。
「ちかちゃんのメイン商品は『幸せ』です」と長谷川さんは言います。お客様には必ず声をかけます。下を向いている人にも「何をしてるの?」「暑いけど(寒いけど)元気?」と明るく声をかけます。そうすると憂鬱そうな顔が明るくなり、反応が返ってきて、元気に帰っていくそうです。休憩時間に来て世間話や仕事の話をしていくなど、店先で長い時間話していく常連さんも少なくありません。
「私達は、どんな人とも話をします。みんないろんな事を考え、悩んでいるけど、話す場が少ない。聞いて欲しいんだよね」と長谷川さんは言います。
また、店の周りでたくさんの花や木を育てています。通りがかりの人も花を見て、立ち止まって会話になり、育て方を教えてくれる人もいます。花屋だと勘違いしている人がいたり、売って欲しいと言う人もいるそうです。
「開業当時から徐々にお客さんの財布は堅くなっていることを実感する」と言います。長谷川さんは、「誰でも買いやすい価格に」と値下げした商品もあります。「開店当時は、ご飯を食べる時もないほど、手を休める暇がなかった。今は、お客様とゆっくり話をしたり、店の花木の手入れをしたりできる。子供も独立した私には丁度良い。しかし、誰もが余暇を楽しむ余裕は必要だと思う。庶民が幸せに生活できるよう政治をかえてもらいたい」と話します。
長谷川さんは、大野会長に店舗の建築を依頼した縁で、長年の読者でした。商工新聞の内容でよく大野会長とは話をしていました。入会したのは今年の3月です。「民商で申告をしたら、税金の仕組みもよく分かった」と話しています。
シリーズDr.Inouchi井内尚樹の腕まくり指南 第123回
東日本大震災の復興を考える(1)
全商連の震災復興プロジェクトに参加し、福島・宮城・岩手の被災地域で、ヒアリング活動を行ってきました。現在、地域経済の復旧・復興、再建に向けて、「どのような地域政策を考えるのか」など、様々な思いが錯綜しています。自分自身、整理がつかない状態ですが、愛知の業者運動にとって、重要だと思うことを書いていきます。
今回は、地域経済の活性化を図るための「住宅リフォーム助成」制度で有名な、宮古市を取り上げます。なぜかというと、「福島・宮城と宮古市のがれき処理の状況を比べると、宮古市がものすごく早く進んでいます」と聞いたからです。各地域によって、被災状況はそれぞれ違っており、「宮古は被災程度が少ないから」と言ってしまうとそれまでですが、現地で話しを聞くと、宮古はすごいとわかりました。
復旧の先頭におらが街の建設関連業者がいた−「情報の共有」から−
3月11日の大震災から、3日後くらいから、建設業3団体が集まりはじめ、5日後の16日に「宮古地区災害復旧対策連絡協議会」が立ち上がりました。この協議会には、岩手県建設業協会宮古支部、宮古建設業会、宮古建設組合、(社)宮古電業協会、宮古市水道工事業協同組合、岩手県管工業協会宮古支部、宮古市指定下水道工事店が参加しました。大震災直後、停電、携帯電話の不通、水道がストップ状態など、ライフラインがまったく機能していない段階から、建設業関連の業者が、「おらが街を復旧する」として集まったのです。
皆が放心状態、何をすればいいのかがわからないなかで、行政主導ではなく、街をつくってきた民間業者(家を建てたり、道路をつくったり、水道・電気を通してきた)が、自らが被災しながら、真っ先に立ちあがったのです。道路を通し、がれきを処理しなければならないので、最初に行った作業が「情報の共有」でした。
道路のがれきを片付けられる重機、ダンプは「どこに何台あるのか」、宮古地区で使える重機、ダンプの数などを調べました。協議会の事務所に宮古地図を貼り、「どこの場所が水道、電気が不通なのか」を色分けして書きいれました。
街をつくった業者、自らがライフラインのマップをつくりあげたのです。この協議会は、宮古市、岩手県、商工会議所にも会への参加を要請し、「情報の共有」を進めていきました。
被災地では、最初に、自衛隊が遺体捜索を行いました。協議会は、自衛隊の後方支援という形で、がれきの処理、壊れた家のかたづけ(建設業者のアイデアでチェーンソー部隊が発足しました)などを進めていきました。前日の夜に、行政・自衛隊の方から、「明日はどの地域に入るか」の連絡があり、協議会で、当日の朝4時から、がれき処理などの段取りが組まれました。現在、がれき処理費用は国・県が責任をもっていますが、協議会が立ち上がった時は、「ボランティア覚悟で街を復旧することに参加する」業者の集まりでした。
私たちが宮古の建設関連業者から学ぶもの−建設業も地産地消−
もし「東海大地震」がおこれば、私たちは茫然自失状態になるでしょう。住民がどうしていいかわからない時に、行政に言われるでもなく、ボランティアで「おらが街」を立ち上げようと、建設関連業者が総結集し、復旧作業を行ったのです。
宮古では「なぜすぐに建設関連業者が集まる」ことができたのでしょうか?すべてが地元の業者だったからです。地元業者が街をつくった本人ですから、街の道路、電気、水道、家などの復旧はすぐに取り組み可能です。
家は大手ハウスメーカーの建設、道路は県外大規模業者とのジョイント、電気工事は他市の業者の入札価格に負けているような地域では、宮古市でのボランティア覚悟の建設関連業者の協議会がすぐに立ちあがるでしょうか?答えは、「ノー」だと考えられます。
10年以上も前から、宮古では様々な建設業界、業者が集まり、協働の取り組みを行っています。例として、木造住宅の建設現場の事故を減少させるために、大手建設会社の安全管理に学び、現場の安全パトロールを協働で取り組んでいます。
愛知でも建設業者の多い民商が多数あります。もし大震災があれば、建設業者の皆さんは、すぐに集まることができるでしょうか。「価格引き下げのたたき合い」ではなく、「地産地消」型の建設関連業者の集積を構築し、他の業界、業者も含めた日常的な協働化が必要だと、今回の大震災は私たちに教えています。