安心できる食文化を未来へ
ターニングポイント
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地球の恵みダイニング 味来空間
春日井市東野町7−2−9
TEL:0568−29−9927
FAX:0568−29−9928
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今年3月に、「地球の恵みダイニング味来空間」を開業した、井上裕雅さん(39歳、春日井民商会員)。無農薬栽培野菜・有機栽培野菜・こだわり野菜・無添加食材・地産地消にできる限りこだわり、身体によく、素材本来が持っている味を楽しんでいただけるレストランです。野菜はもちろん、塩、しょうゆ、オイルなどの調味料、水、卵など、使うものすべてにこだわっています。良い食材を仕入れるため、7,8件ある仕入れ先には、「電話で注文し郵送してくれるところもありますが、良い物を仕入れるには、実際に見て仕入れるのが一番良い」と、なるべく足を運ぶようにしています。
井上さんが、自然食品や無農薬野菜に興味を持ったのは、自閉症の施設とのつながりの中でした。小麦や牛乳、卵のアレルギーの人が大変多いことに驚きました。
井上さんが、なぜ自閉症になるのか、アレルギー症の人が多いのかを疑問に持ち、「アレルギーの原因は、農薬などを使った食物を長年食べ続けたことではないか」と考えました。両親と飲食店を開業すると決めたとき、自分が提供するものは、身体によい事に徹底的にこだわった料理にしようと決めました。
朝七時から営業し、モーニングサービスを提供しています。日替わりプレートは、無農薬野菜はもちろん、出来る限り無添加食材を使用したサイドディッシュやライ麦パンなどを使用し、フルーツもついています。
ランチタイムは、一日限定25食の味来空間ランチと日替わり創作パスタランチを提供しています。味来空間ランチは、肉の変わりに大豆ミートを使うなど、肉はあまり使わず、野菜料理が中心です。大きなプレートに盛りつけられた6〜8種類の色鮮やかな料理と、サラダ、スープ、ライスです。「男性でも十分に満足していただきたい」と、ボリュームも満点です。「日替わりで一度として同じメニューはない」と言うように、毎朝、ランチの献立を考え、メニューは井上さんが手書きで作成します。
一方、「パスタ好き」と話す井上さん自らが考えている創作パスタは、有機野菜をふんだんに使った自信作です。麺は、有機パスタやツルツルプリプリの食感がある米粉麺を使用しています。こちらも日替わりで、前菜とセットで提供しています。
ランチにはどちらも無農薬コーヒーか有機ドリンク、デザートがついてます。無農薬コーヒーはウガンダ産の豆を使用しています。「初めて飲んだ時、正直『これだ!』と直感で思いました」と井上さんは話します。デザートも小麦の変わりに米粉を使ったケーキを提供しています。
ランチタイムには、店に人が並ぶほどの盛況ぶりで、地域の主婦の方などにご来店いただき、大変喜ばれています。
カフェタイムは、ドリンクにクッキーやサンドイッチなどをつけていて、美味しい飲み物とデザートを食べに地域の方が来店しています。
ディナーは、予約制で毎日2組限定で行っています。
また、アレルギーのある方にもいつでも対応しており、誰でも安心して楽しめるようにしています。
開業して8ヶ月、口コミでの評判が広がり、お客様も増えてきました。今後についてお聞きすると、「店を始めたときに決めたコンセプト『子ども達の子ども達もそのずっと先の子ども達も食べていける食文化を目指します』を続けていけるよう頑張っていきたい」と話します。
青年部は、未来の民商をつくるへ
全青協総会へ参加
11月13日、全青協第36回総会が開かれ、愛青協から佐野議長をはじめ、役員・代議員7名が参加しました。
中務議長は「TPPへの参加に断固反対しないといけない。全青協幹事会でも、介護事業者から外国人を雇用する大変さが語られた」と迫力ある挨拶が行われました。
連帯挨拶、総会決議案・予算決算案の提案などが行われました。
県青協からの代表発言では「業者青年実態アンケートを中心に据え、一部員三名の目標で取り組み、部会が毎月できるようになったり、仕事と地域のつながりについて真剣に論議できるようになった。」(静岡)、「福島の子供達は、友達に別れの言葉もかけられないまま、他の地域に引っ越さざるをえない。『脱原発』運動を全国で取り組もう」(福島)など、この一年の多彩な取り組みが話されました。
参加者は「TPP参加の危険性がよくわかった」「震災の影響や民商の役割について、リアルな話が聞けて良かった」「両親の働く姿や実績を見て、七割以上が事業継承を望んでいることに驚いた」、「全国で、これからの民商をつくるには青年部が大切と、多種多様な活動をしていることに感心しました」などの感想を話していました。
得とくフェスタ
- プロ歌手の歌謡ショー、着物ファッションショー
- 飲食、雑貨、マッサージなどの出店
- 絵画、写真、絵手紙など多彩な作品展示
愛婦協は、11月20日にウィル愛知にて、「得とくフェスタ」を開催し、県下から、婦人部員、会員、家族など400名が集まり大成功しました。大ホールでは、プロ歌手の公演、着物ショーやカラオケ教室の発表が行われ、会議室等では、様々な飲食・出店や展示、参加者は1日楽しみました。
参加者からも、「日頃の活動、工夫、努力がされて、華やかなショーを沢山見せていただき、本当に感動しました。2人での参加でしたが、他の人にも見せたかったです」と感想が寄せられました。また、「一階でハッピを着ていらっしゃる方が目にとまり、参加させて頂きました。商店街の復活を願い、個人として伝統文化を守りたい気持ちがあります。お店の経営は大変と思いますが、よろしくお願いします」と、大変励まされる感想も寄せられました。実行委員をはじめ、要員なのご奮闘により事故もなく無事終えることができました。ありがとうございました。
日ごろの習い事の成果を部員が発表しました。詩吟、カラオケ、踊り、太極拳、詩舞などを多彩な技を披露しました。また、「着物でつづる女の一生」と題した着物ファッションショーや、着物リフォームショーも行われました。午後は民商会員であるプロ歌手4名による歌謡ショーが行われました。
母の習っている詩吟をはじめて聞くことができました」「カラオケ教室のみなさんの頑張りが良くわかりました」「民商にこんなにプロ歌手がいるのには、驚きました」など、感想が寄せられています。また、最後の総踊り「河内おとこ節」では、三河からの参加者のみなさんが大活躍。行きのバスの中で練習してきた踊りを揃いのハッピで披露し、会場を盛り上げてくれました。
大会議室では、26の出店がありました。いろんな商品を品定めしたり、交流スペースで、食べ物をいただきながら交流が行われました。後半には各店舗から「完売バンザイ」や拍手が鳴り響くなど、活気あるものとなりました。参加者からも「美味しかったです」「いろんな良いものに出会いました」との感想も寄せられています。また、出店者同士の交流もできました。日本髪かつら装着ショーでは、参加者もモデルになり楽しむことが出来ました。
絵画、絵手紙、伊勢型紙、雑貨など、数々の作品が展示されました。「すばらしい作品がたくさんあった」「みなさんの特技にビックリ」など、感想が寄せられています。
スタンプラリーが好評。血圧測定や占い、住宅相談などが行われ、一言カードにも「消費税増税反対」切実な願いが記されていました。
支部・婦人・青年が出店
11月13日、中川区荒子公園で、中川フェスティバルが、1500名を越える来場者を迎え、開催されました。
名古屋西部民商は、4つの支部と婦人部、青年部が出店しました。前日の会場設営には、各支部から役員・会員が集まり、舞台やテント設営に奮闘しました。当日は朝早くから出店の準備を行いました。
たこ焼きを販売したあおなみ支部は、支部長や役員・会員が「うまく焼けるかな?」と初めは心配そうでしたが、試作してみると「うまい!上出来」と早速販売を開始し、他の支部からも応援を受け、午後2時には完売しました。
他にも、長良支部はチヂミなど韓国料理、富田北支部は焼き餅とフランクフルト、山八支部は化粧品の販売を行い、どこも完売しました。婦人部は、不用品バザーを行い、役員や部員が売り子となり、お客様と対話しながら販売しました。青年部は、「熱い!熱い!」と汗を拭き拭き焼き鳥を販売、500本を完売しました。
店の裏ではバーベキューを臨時営業。店番を交代しながら、休憩時間に、ビールとつまみで楽しく交流していました。
民商のフェスティバル実行委員長の中村さんは「天気もよく、昨年よりたくさんのお客様が来てくれました。民商の店は、みんなの頑張りで無事完売できて良かったです。来年もまた多くの会員に参加してもらいたいです」と話していました。
愛青協 キックベース大会
愛青協は10月30日、愛西市木曽川河川敷で、毎年恒例のキックベース大会を開催し、大人、子供合わせて34名が参加しました。
朝から曇り空で、今にも雨が降り出しそうな天気でしたが、開会式後さっそくキックベースを行いました。
日ごろ運動不足の部員や元気いっぱいの子供達がいっしょになってボールを追いかけました。ナイスプレー、珍プレーにみんなが歓声をあげながら、楽しくプレーしました。
ますますあやしくなり天気に、2試合が終わったところでバーベキューを始めました。雨が強くなると、橋の下へ移動し雨をしのぎながら、交流しました。初参加の人も多かったのですが、お互い自己紹介をしながら、仕事のこと、家族の事、子育ての事などを交流していました。子供達も橋の下でドッジボールを行うなど、悪天候の中みんなで工夫して楽しみました。
施策の充実で地域経済の発展を
自治体交渉 自治体キャラバン
尾東民商は、11月10日、東郷町との交渉を行いました。
東郷支部の支部長が「不況で町内の中小業者が苦労している。実態を聞いてほしい」と交渉の主旨を説明しました。
小規模工事の拡充を
要望では、近隣市に先駆けて実施されている「小規模工事希望者登録制度」について、28社が登録し、今年上半期で6社102万円の発注がありますが、仕事おこしのため、件数、金額とも拡充するよう訴えました。
住宅リフォームで地域経済の発展を
住宅リフォーム制度創設を要望すると、職員は「一般住宅に対する助成制度は考えていない。遅れている木造住宅の耐震改修を重点的にすすめている」との回答に対して、住宅リフォームは単に住宅改修の為だけでなく、町内の建築業者に仕事おこしになり、地域経済が活性化する」と蒲郡市などの事例もだして訴えました。
その他、国保税の負担軽減や税金滞納者への徴収問題についても交渉しました。
西区役所交渉
11月11日、西民商は西区役所保険年金課と交渉を行いました。西民商から前田会長他5名が参加し、区役所からは年金課長はじめ保険係長、管理係長、管理課主事の四名が応対しました。
年金課長は国の医療費が33兆を越えているていることを強調し「税と社会保障の一体改革がどうなるか注視している。国保行政について意見を伺い、改善できるところはしていきたい」と挨拶しました。
参加者からは、「身内に病人がいると、1ヶ月の短期保険証は大変不安」、「資格証明書が多いのはなぜか」「1ヶ月とか3ヶ月の短期保険証の期間の判断はどうしているのか」などと質問について、課長は、「相談に来ていただき、減免制度を利用し、負担を少なくするよう努力している」「資格証明書は、接触できない人に資格証明書を発行すると相談に来てもらえるケースが多々ある」、「保険料が払えない時は、まず相談に来てほしい。一人で来られない方は皆さんが一緒に来てください」と話しました。また、「国保料は、社会的弱者の方からもの保険料を頂いているという気持ちでやっています」と話していました。
岩倉市交渉 尾北民商
尾北民商は、11月15日に岩倉市と交渉を行いました。千田会長は、「自治体との意見交換を行い、共通の認識をもって行政の仕事に当たってほしい。『仕事がない』、『税金が払えない』など、中小業者は本当に困っている。仕事おこしで支援することが必要」と話しました。
議会で請願が採択された「住宅リフォーム助成制度」創設について、早急に具体化するように要望しましたが、都市整備課長は「検討中としか言えない」と答弁しました。22年度から始まっている小規模工事希望者登録制度は、登録事業者わずか3名、発注件数ゼロという実態が明らかになり、運用の改善を求めました。
地方税徴収の問題では、「(地方税滞納整理)機構に移管した滞納者も、市が責任をもって対応すべき」という追及に、「事情がわかっている機構の判断を仰いだ方がいい」と市で相談にのらない立場を変えませんでした。
国保税の滞納世帯が37%に達していることも「外国人が多い」事を理由にあげ、「払いたくても払えない高すぎる保険税」である認識はありませんでした。
自治体キャラバン
10月25日から28日の4日間、愛商連も加盟する自治体キャラバン実行委員会は、県下全治自体に対して、社会保障の充実などを要望しました。この行動には、県下の民主団体など多数の方が参加し、民商からも多の役員・事務局員が参加しました。
参加者からは「今年は、大震災があり、耐震や防災の要望も出た」「高すぎる国保税、介護保険の実態が多く出された」「地方税滞納整理機構について、職員から十分な回答が得られなかった」などの感想が出されました。
人権無視の徴収やめろ
各自治体との話し合いの結果を受け、同実行委員会は、11月17日に、愛知県と交渉をしました。障害者団体からは「バリヤフリーの避難所を十分に確保してほしい」「65歳になると、福祉制度から介護制度にかわり、サービスの回数が低下する。年齢で差別するのはおかしい。」などの意見が出ていました。他にも、「高い介護保険料に対して、財政安定化基金から繰り入れて、値上げさせないこと」「効率病院の統廃合をやめること」など様々な要望が出されました。
愛商連から参加した三浦常任理事は、国保税滞納と徴収機構の問題を発言しました。「機構ではおよそ公務員とは思えない言動が次々に出される。滞納者に対して話をよく聞き、実態にあった対応をしてほしい。人権無視の機構は解散すべきです」と訴えました。医務国保課の職員は「少しでも国保税を払っている方を、機構に送るようなことはしていない。よく話し合いをするよう、自治体職員にも話している」と話しました。
軍事基地化は許さない!!
10月30日、小牧市久田公園で、15回目となる「小牧平和集会」が開催され、350名が集まりました。近田小牧民商会長が「集会アピール」を読み上げるなど、小牧、春日井、北名古屋民商と県連の役員・事務局員が参加しました。
集会では、米軍戦闘機との空中給油訓練を行う「覚書」が交わされていたことがわかり、軍事基地にさせないため憲法違反の「覚書」を撤回させる決議をしました。井上哲士参議院議員は「防衛省は、一年前の覚書を隠し続けてきました。小牧基地からアラスカでの給油訓練に参加している」と報告しました。集会後は、小牧基地までデモ行進を行いました。
参加者からは「私たちの知らないところで、基地の軍事化の動きが進んでいることに驚いた」「軍用機の離発着は、地域住民にとっても危険きわまりない存在だ」「県営名古屋空港を軍事基地化することは許されない」などの感想が寄せられました。
紅葉、温泉、食事を楽しむ
名北民商 共済会と婦人部バスハイク
名北民商共済会と婦人部は合同で、10月30日に三重県御在所へのバスハイクに開催し、42名が参加しました。
御在所では、雨も止んで曇り空の中、ロープウェイで頂上まで登ると、山の中腹からは山肌の岩の間から紅葉した木々が見えました。野生の猿も見ることが出来、参加者からは「来て良かった!」との声がきかれました。頂上は11度と寒かったです。
その後は湯の山温泉で食事と温泉を楽しみました。共済会からは、活動報告や財政・給付の報告もあり、「健康あってこその商売です。これから行う大腸がん検診も是非受けて下さい」と訴えました。
最後に、雨の中でしたが椿大神社に参拝し、「商売のこと、健康のこと」をお願いし、お土産を買って無事に帰路につきました。
「Snap−On」(スナップ オン)の魅力にひかれて
尾東民商 斎藤 誠 さん(37歳)
18歳の時、お世話になっていた自動車修理工場でSnap−onに出会いました。メカニックは、工具箱にぎっしり入ったSnap−on工具を愛用していました。
「これが噂に聞くSnap−onか!」と使ってみると最高の使い心地でした。その感動的な出会いは今でも覚えています。毎週土曜日にSnap−onのバンが来ると聞き、毎週Snap−onバン通いが始まりました。値段が高く、最初は話を聞いているだけでしたが、一つ、二つと買っていくうちに、Snap−onの魅力にはまっていきました。Sna−onの販売方式や商売のやり方などを聞くと、ますます入り込み「私がやりたい事は、これだ!!」と思う様になり、96年の五月に新卒で開業しました。
毎日のお客様とのコミュニケーションが楽しく、お客様のライフスタイルの中に自分の存在感を感じる時があります。主力のSnap−on工具は、自信を持ってお勧め出来る物が多いし、コレクション的な魅力もあります。このブランド力とブランドイメージは、私の商売の大きな力になっています。この仕事を15年やって来ましたが、誰よりも自分がSnap−onというブランドを好きでなければ、ここまでやって来られなかったと思います。
お客様が困っている時に駆け付けて私の持って行った工具で問題が解決した時、私は工具を買っていただき代金を頂く立場なのですが、お客様から「ありがとう。」と声を掛けて頂く時があります。こんな時、「この仕事をやっていて良かった。」と思います。私の持って行った工具でみんなが幸せになれます。小さなことですが。
新卒で何も分からずに商売を始めて、今までやって来られたのは、いろいろ教えていただいたお客様、民商の仲間、Snap−onの仲間、そして家族のおかげだと思います。
いつもお世話になっているお客様に営業のついでに民商の話をして、何人かの方に商工新聞を読んでいただく様になりました。何か問題を抱えている方は、「あれ、これはどうなるの」と聞いてきたり、入会していただいた方もいます。今年から役員になったという事もあり民商や商工新聞の話をする事が多くなりました。民商を知らない業者の方は沢山います。もっと宣伝していきたいと思います。
今後も民商、商工新聞の拡大と共にSnap−onの拡販、そして「幸せ」の拡大に頑張って行きたいと思います。
Snap−On(スナップオン)と は
- 約90年の歴史を有するアメリカの高級工具ブランド。
- 世界シェアNo.1でハイクオリティーなプロメカニック工具。
- 販売方法は、定期訪問のバンセリングがメインで、その販売者はほとんどがフランチャイズ。
- 世界13カ国約6000台のバンが走り、日本では約300台のバンが走っている。
- 食べ物以外のフランチャイズでは世界一。昨年の世界ベストフランチャイズでベスト6。
シリーズDr.Inouchi井内尚樹の腕まくり指南 第128回
「TPP」問題を乗り越える−自営業者の「百姓化」を考える−
現在、「反対」と「賛成」で意見がわかれているのが「TPP=環太平洋経済連携協定」問題です。民主党内でも、日本農業を心配し、反対する議員がいれば、新たな「開国」に乗り遅れまいとし、「TPP」を積極的に推進する議員もいます。自民党内でも、民主党と同じ状況がでています。「TPP反対、賛成なんでもあり」の政党を国民は正しく政治選択できるでしょうか。「中途半端」な政党をメディアは批判する必要があると考えます。マスコミは「TPP」問題は報道するようになりましたが、「なんでもあり」の政党を批判しているでしょうか。
ここで以前、19世紀前半のイギリスの「穀物法の廃止」を例に、「自由貿易と保護貿易」問題を考えました。国内農業を守ろうとしたのが大土地所有者、それを支えたのがトーリー党であり、勃興しつつあった産業資本家を代表していたのがウィッグ党でした。自分の利害のために、大土地所有者と産業資本家が対立し、その政治的反映が、トーリー党とウィッグ党の政治的対立です。「今の給料でパンが2倍になる」と労働者階級を取り込んだ、産業資本家が勝利し、イギリスは自由貿易に突き進んで行きました。歴史的経験に学ぶなら、「TPP」問題で反対派と賛成派に、はっきりとわけ、国民に「信」を問う必要があります。本格的な「TPP」問題は、別に取り上げて議論したいと思います。ここでは、「TPP」への対抗論で間違った議論を紹介し、中小業者はどうあるべきかを考えたいと思います。
大規模化が日本農業の生き残りか−小規模百姓化の効率性について−
「TPP」は、アメリカで実施されている「市場ルール」を他国に適用するものであり、日本の「あらゆる市場の自由化」を目指すものです。農業、混合医療(自由診療の拡大により、保険適用診療領域の縮小)、官公需入札の外国企業参加、労働市場の規制緩和など、工業品、農業品、サービスなど「すべて分野の関税」などをなくすことを目的としています。
この自由化に対抗するために、農業分野では、小規模農地を集約化し、大規模なコメ農家にする方向、サクランボを高級化し、他にはまねのできない味にする「大規模化、専門化」を考えています。この考え方の背景には、「大規模化=効率的で小規模=不効率」との発想があります。
「自然エネルギー分野では、地産地消の小規模化が効率的」と本紙で指摘してきました。
フライアムトの農家インゲラインさん宅は、トウモロコシ、牧草、畜産業、林業に加えて、自然エネルギー、アグリツーリズムなど、何でもやる=百姓化された農家でした。自然エネルギーでも一農家が、太陽光、木質チップ、コージェネ・バイオガス、風力発電など、一農家で何種類もの自然エネルギー発電を行っていました。
大規模化し、おいしいコメを大量生産することだけが、市場で生き残る道なのでしょうか。この議論では、小規模経営が不効率な存在となりますが、ドイツの小規模農家は「なんでもやる=百姓化」された方向で、効率的に農家を営んでいます。
ものづくりでの下請加工からなんでも削れる鍛冶屋=百姓化を考えるものづくり分野で上のことを考えます。これから先、世の中が変化していく中で、自らのものづくりはどのような「社会的有用性=使用価値視点」を発揮すればいいのか。現在は、ガソリン部品の切削だが、これからは、ハイブリットの切削部品をどう切り開くか。これは市場の「前後」の関係です。自動車部品の切削から、他業界の切削部品に展開できるのかどうか。これは市場の「右左」の関係です。
自らを取引先の単なる下請切削加工屋と見ると、「前も後ろ、左も右」の市場は見えてきません。自分を自動車部品の切削加工とだけみるのではなく、「なんでも削れる」切削鍛冶屋と見ると、「前後左右」に市場は拡がります。自らを「なんでも削れる」存在と位置づけると、いろんな業界の部品を調べて、自らが削れそうな部品市場を探し当てられます。
現に私の知っている切削鍛冶屋さんは、リーマンショック後に、自動車部品に加えて、建設機械メーカーとの部品取引をはじめています。「上から言われるままの加工屋」ではなく、「なんでも切削の鍛冶屋」だと、自らを位置づけられたからです。以前は、下請加工屋意識でしたが、現在は、「何でも、難でも、切削できる鍛冶屋」の発想が重要です。まさに、小規模、何でも切削の百姓化だからこそ効率性が発揮できる事例ではないでしょうか。