AT互換機関連 ハード・ソフトレビューMattHomePage

1994年7月〜9月


目次

  1. 8月31日
  2. メモリ増設でひと悶着
  3. IllustratorとStreamline
  4. 今度は秋葉原でSIMMを買う
  5. AIVにはまる
  6. SuperDrivers32を導入
  7. 9月19日
  8. PC-DOS J6.3/VへのUpgrade
  9. IBM DOS/V Extensions Ver.2.0
  10. 9月25日
  11. DOS/V Extensionsその後
  12. アイコン警察・ちゅーちゅーマウスほかオンラインソフトウェア
  13. CPUの更新とPCIバス
  14. 超小型のMOドライブ
  15. FEPがらみの問題点解決

8月31日

●メモリ増設でひと悶着

PhotoShopで大きな画像を扱うと遅いのがいやで、メモリー増設に動いた。7/10にソフマップで、16MbitChip使用の16MByte60nsSIMMを見つけたので買う。AdobeのIiiustratorもキャンペーン版を買う。ところがSIMMを増設しようとして驚いた、4MbitChipが乗っているじゃないか。黙っておこうかとも思ったが、口惜しいので電話する。バイヤーが休みだそうでとりあえず連絡待ちになる。

翌日会社に電話があって、代りのものがあったとのこと、交換してもらいに翌日いったら、また4MbitChip付きのものを出してくる。話しが違うということで、返金してくれといったら、なかなか承諾しない。使えないわけではないだろうという。確かに使えないわけではないが、明らかに価格も性能(消費電力やボードへの負荷)も違うものを、高い値段で買わされて引き下がるわけにはいかない。しぶとく説明を繰り返した後、やっと返金に応じてくれた。ところが、また問題だ。開封済みだから8割しか返金できないという。ふざけるな。開封しないとわからない商品違いを、開封したからといって文句をいわれる筋合いはない。思い切り怒鳴ったら、向こうが折れた。1時間も粘った末の返金だが、買った店に行かないといけないらしい、これもばかにしているが、まあ許してやろう。結局税込み8万円が返ってきた。

●IllustratorとStreamline

キャンペーン版のIllustratorだが、トラブル自体はないものの、使いにくいところが結構ある。下絵を取り込んでトレースしようと考えていたのだが、下絵自体の表示が貧弱すぎて、凝った下絵は取り込めない。それと、印刷だけを想定した色表現は、私のようにCRTに表示して遊ぶ向きには不適当である。プレビュー表示が遅いのも気になるが、これは複雑な図形を表示しようとしていることと、ディスプレイカードやCPUの問題もあり、一概にソフトのせいだけでもないであろう。まあ、私の慣れの問題もあろうから、遊びで使うのは今一つであるが、会社と共通ソフトなので、今後ともお世話になることは間違いない。やはり遊び用には、別にそれなりのソフトが必要かもしれない。

欠点ばかりを書いてしまったが、Illustrator以外の部分でのメリットはいっぱいある。付録のCD-ROMのおかげで、ATMフォントが平成角ゴシックと欧文フォント多数が増えたこと。そして、StreamLine(英語版)がついていること。

このStreamLineはおもしろい。仕事に使う分には、いい加減な所も多いけれど、そのへんでスキャンしたTIFFデータを階調やカラー付きでベクトル化してしまう。ベクトル化するときの色の選択には若干問題があるにせよ、とにかく何でもベクトル化する所には敬服する。PhotoShopとかなり色が変わってしまう点、どうも腑に落ちないところもあるが、遊びで使う分にはあらかじめ補正しておけばいいからまあいいだろう。

●今度は秋葉原でSIMMを買う

7/28幕張に行く仕事があったので、総武線回りで帰って秋葉原に寄る。ラジオ会館の1Fの部品屋さんで、6.5万円の16MbitChip16MByte60nsSIMMを見つけて、即買う。トラブッたらどうしようかとの不安もあったが、やすさには負けた。物もビニール入りで確認できるし安心だ。それから30分ほど休憩がてらAT互換機ショップを廻る。あちらはやすい。今度マザーボードとか買い換えるときは、秋葉原にしようと心に誓う。

●AIVにはまる

7/29発売のAIVを7/30に買って、それからお盆休みも含めて家にいるときはずっとはまる。暑さと睡眠不足でぼろぼろだ。

●SuperDrivers32を導入

#9のビデオカードでは問題が出るとか聞いていたが、そろそろAIVも飽きてきたので、8/29買ってみる。コンベンショナルの常駐量が減るとか、メリットもあるが、やはり1280*1024の解像度は使えなかった。BIOS交換という手もあるが、今は面倒なのでとめている。モジュール名が整理されたり、14dotフォントがついて来たりして、結構楽しめたが、画期的というほどでもない。それでも今、一時外していたかな漢字が使えるようになって、DOSでこの文章を入力している。Windowsもいいけど、DOSのマウスのいらない操作も捨てがたい。やはりDOS版のATOKも欲しいなと思ってしまったりして・・・。またお金のかかることを考えている。ひとつSD32のまずいところがある。waitlessを使うと死んでしまうことだ。どちらが悪いかはわからないけど、どちらも変わらないと思うから、今の環境ではSD32は究極にはなり得ない。


9月19日

●PC-DOS J6.3/VへのUpgrade

DOS/V Extensions試用版でのIBMのフォントの品質と、$disp.sysのテキストバッファサイズの変更サポートなどが決め手となって、昨年末からお世話になったMS-DOS 6.2/Vに決別し、PC-DOSに寝返ることとなった。6.1ではサポートされなかったSmartdrvのCDキャッシュやmscdexの添付など、6.3になって改善されている部分も多く、MS-DOS/Vに比べて各種常駐物の負担が少ないというメリットがより効果的に生かせるであろうと判断できる。

導入には慎重を期した。不都合が生じた場合すぐ元の環境へ復帰できるよう、起動ドライブのバックアップ(xcopyした)を取ってからの導入となった。DOS自体の導入は特に大きな問題もなく、オプションプログラムの選択などで悩んだ程度である。しかし、問題は発生した。後述するDOS/V Extentionの導入において、フォントディレクトリの指定がフォントの導入先であるにも関わらす、試用版での引用元と早合点してC:\を指定してしまったために、PC-DOS付属のフォントファイルを上書きしてしまったのである。ファイルを個別に再導入してもよかったのだが、ずぼらして全て再インストールした。また、1度目のインストール時に、config.sysとautoexec.batの書き換えを指定しなかったがために、これらのファイルをどう書き換えていいかわからなくなってしまったのも、再インストールしようという動機のひとつではある。

導入結果は、おおむね良好である。期待通りの常駐量削減を行えたことと、MS-DOS/Vで得られている環境を大きく壊さなかったということでは、十分満足できた。ある程度は仕方ないとはいえ、細かな問題は多数発生したことを明記しておく。まず、config.sysとautoexec.batの自動書き換えであるが、全く使えない。configでは、マルチconfigに対応しているなど努力の跡はみられたものの、結果は全く使えない代物であった。新しく置き換えるべきデバイスの認識が不十分で、自社のDOS/V Extensionを区別できていないなど、ちょっと情けない。また、MS-DOS/Vのprinter.sysもそのまま残っているし、fontexやdispexを残したままで$fontや$dispを追加している。この辺はもう少し細かくチェックしてくれなければ、初心者でなくともかえって混乱する。QEMM,JFONT,JDISP,BILNGなど正しくコメントアウトされていた部分もあり、機能は高いと思われるだけに残念である。

もっと細かな問題として、$IASがらみの常駐量の多さがある。FEPを使う分には、$IASの細かなかな変換など無用の長物である。こんなものに貴重なメモリーを10Kbyte以上も取られてはたまらない。過去との互換性が必要だとはいえ、機能を削ったり、オプションにしてしまうなどもう少し割り切った対応をした方がFEPを使う一般ユーザーにとっては便利なのではないだろうか?結果的には、私の場合$IASを外してATOK付属のカタカナ入力ドライバを使っている。

●IBM DOS/V Extensions Ver.2.0正規版導入

常駐量が大きいという欠点があるものの、フォントの美しさとツールの使いやすさがポイントとなって、DOS/V Extensionsを購入した。導入に関わるトラブルについては一部前述したが、ほかの細かな問題にも言及しておく。  dspxがおかしい。dspxs3が導入されているにも関わらず、拡張モードを全く認識していない。これは困ったと思ったら、実はDOS付属のdspxが起動していた。pathでC:\DOSをC:\DOSEXより優先していたためのトラブルである。この辺は、同じIBMの製品なのであるから、チェックをかけてメッセージを出すなどの対処をすべきだ。


9月25日

●DOS/V Extensionsその後

細かな問題が噴出したDOS/V Extensionsであるが、各種雑誌などを調べてみたところ、どうもDOSと同じディレクトリにインストールすることを前提としているらしいことが判明した。(9/20,2:00AM)先ほどマニュアルを確認したところ、導入先ディレクトリーについて次のような記載がある。「導入プログラムは、CONFIG.SYSファイルの中の$DISP.SYSの設定からDOSが導入されているディレクトリを判断し、これを導入先ディレクトリとします(一般的にはC:\DOSです)。したがって、特殊な環境が設定されている場合や、ディスケットに導入する場合は、導入先ディレクトリの変更が必要になります。」回りくどい表現ではあるが、明らかに「DOSが導入されているディレクトリ」導入すべきであるとの意味である。だとすれば、前述の問題点の多くは、出るはずのないものである。

DOS/V ExtensionsをDOSディレクトリにインストールすべきであるなら、何らかの方法でそうする必要がある。ここで問題は、DOS/V Extensionsが必要ない場合にも、これが使われてしまうことにある。具体的には、マルチコンフィグレーションにおける、Windows起動環境や、DOS/V純正環境がこれにあたる。相互間の互換性は高いとは思われるものの、不要なフォントによりメモリが消費されてしまう、ディスプレイドライバの常駐サイズが大きくなる、などの問題は解決すべきものだ。

●アイコン警察・ちゅーちゅーマウスほかオンラインソフトウェア

最近Nifty高速回線の転送速度が向上しており、特に混雑する時間でなければ1,000cpsを超える速度でのダウンロードが可能になっている。ここしばらくバージョンアップ以外に新しいオンラインソフトを入れていなかったが、雑誌などで見かけたものをfwinfにて発見したのでこの機会にダウンロードしてみた。

アイコン警察は画面の下で邪魔になりがちなアイコンを右上(設定にもよるが)に整列してくれるユーティリティである。タスクモニタもついていて、アイコンにならなくてもよいワトソン博士などを見えなくしてしまうなどの機能もある。マニュアルが凝っていて、ひねくれた表現を取っているため理解しづらい所もあるが、良好に動作している。

ちゅーちゅーマウスは、新しく開いたウィンドウにマウスを追尾してくれるユーティリティーで、たいていの場合気が利いた動作をしてくれる。カーソルがいきなり動いてしまっては見失ってしまう所だが、きちんとネズミの形になって鳴きながら動いてくれるから追いかけるのはたやすい。いらなくなったファイルを、頬袋に入れて預かっておいてくれる(実体はファイル名付きで別ディレクトリに移動しているようだ)という機能も単なるごみ箱より復元がしやすいという点で優れている。シェアウェアで\500となっているが、これだけの機能で\500であれば安いものだ。Niftyの送金代行が使えるのでさっそく送金しておく。ちゅーちゅーマウスの元気カーソルという関連ソフトもあるのだが、こちらはカーソルがネズミの形になって暇になったら寝てしまうという、よくありそうなものである。悪くはないのだが、特に便利になるわけでもなく、今のところ使用していない。

卓駆のバージョンアップもあった。秀丸と違ってバージョンアップのメールがないので昨年に導入したままになっていたはずであるが、かなりバージョンがあがっていて、全体をダウンロードすることになった。ライセンスの問題があったので、単純にインストールしていいかよくわからなかったが、Windowsディレクトリにあるiniファイルがこの辺を管理しているらしく結果的には問題なく更新することができた。

Emi Clock for Windowsはプログラム名通り時計である。このソフトの面白いところは、時計の文字盤に女の子(子ども)が出てきて、こいつがいろいろな服に替わったり、反対向いたりするところである。一見ロリコンかエッチなソフトに見えるが、飽きのこないデザインとえぐさのないエッチさ(下着姿もある)ところが人気の秘密であろう。秒針も動かしているが、システムへの負荷はあまりないようで、便利に利用している。ちなみに元々はMacのソフトで、これをWindowsに移植したものらしい。

●CPUの更新とPCIバス

夏頃に予定していたCPUの更新とPCIバスへの移行が遅延している。現状のi486DX/66とVLバスのシステムではSCSIにVLバス版を使用していることもあり、ディスプレイカードのVLバス接続の負荷と合わせてCPUローカルバスへの負担が重すぎるという欠点がある。このため、CPU-Memory間の転送速度が遅くなるなどの問題があって、これらを解決するためにはPCIバスへの移行が必要だと考えられるわけだ。また、PhotoShopやIllustratorを快適に使用するためにも、CPUをできればPentiumに移行したいということもあり、Pentium-PCIマザーボードへ一気に替えてしまおうとのもくろみである。

春にStealth-Proが壊れたあたりから、PCIのマザーボードについてはかなり注目してきたが、未だ安定したものが現れていない。ディスプレイカードについても#9-GXE64proあたりを狙っているのであるが、未だ安定しない様子である。本格的な更新は、いっそのことこのまま安定するのを待つ方がよいと思われる。それでも、グラフィック系のソフトの遅さも頭に来るので、それまでの逃げはほしいものだ。問題はCPUの遅さで、DX4に移行したところで3割り増しがいいところであると思われるから、マザーボードの交換も併せて合計10万円の対費用効果は疑問である。また、VLバスの負荷の重さもあり、バスのクロックを40MHzに上げることも困難であろう。もしクロックアップができるとすれば、SCSIボードをISAバスに乗せ換えたうえで、4MBチップを使っているRAMを16MBチップのものに交換する必要がある。これでは、お金がかかりすぎる。

●超小型のMOドライブ

T-ZONEでIBM製の3.5インチベイに内蔵できる230MBのMOドライブを売っていた。そろそろMOもほしいなとは思うが、やはりスピードアップが先決。

●FEPがらみの問題点解決

PC-DOS J6.3/V導入の際、$IASの常駐量のことは前述の通りであるが、ATOK8KCを利用した場合でもいくつかの問題が残っていた。ひとつは、FEPを使っていないにも関わらず画面下1行がカナ入力のために取られてしまうこと、もう一つは$FONTにDISP32を組み合わせた場合、FEPのシステムラインが出なくなってしまうことである。前者はこんなものだとあきらめればすむが、後者はそうはいかない。$IASを使えばすむが、これではメモリーが無駄なので別の解決方法を考えた。KKCFUNCである。IBMのマニュアルではあまりおすすめではないようだが、ためしに組み込んでみたらうまく動く。おまけにFEPを使わない場合はシステムラインが無駄にならないため、前者の問題まで解決してしまった。いろいろな組み合わせを試してみたが、特に問題は出ていないので、IBMのおすすめに反して、KKCFUNCを常用することになりそうだ。

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