昨年PCを使い始めた両親にタッチタイプの練習を勧めたこともあり、昨年11月頃よりオンラインソフトを何種か試してみた。メールやワープロを使いたい初心者がローマ字入力でタッチタイプを練習するためのソフトとして評価しているので、かなり辛辣な表現になっている点ご容赦いただきたい。
ローマ字入力方法が柔軟だというのに惹かれて、まず最初に試してみたのがこれ。 確かに入力方法の柔軟性はすばらしいが、出題される問題もかなり偏りがあり、アニメやゲームとそれに関わるような会話があるかと思えば、難題の熟語があったりで、仕事や日常生活で役立つような語句が網羅されていない。インターフェイスもゲーム感覚で、ハイスコアを残せたりするが、その結果を検討するような仕組みもなく、キーボードの練習ソフトと言うよりはキーボード入力を利用したゲームである。ある程度入力の出来る人が、気分転換に練習するにはいいかもしれないが、それでも練習問題の偏りから、すんなりなじめる人は少ないような気がする。
全7レッスンで構成されており、最初に母音とホームポジション、次に人差し指・中指・薬指・小指・記号の順に練習範囲を広げていくもの。キーボードがウィンドウに表示されていて、次に押すキーが赤く表示されるようになっている。問題として表示される語句は一般的なものであり、練習課題としては適当であるが、何せ語句が少なすぎて少し練習しただけで飽きてしまう。練習結果は正解率と1分あたりのキータッチ速度が表示されるが、全く記録されないので練習しがいがない。画面のデザインももう一工夫ほしいものだ。
美佳のタイプトレーナーシリーズについて |
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このシリーズには、姉妹ソフトとして初心者用の「もぐらたたき編」やかなキーボード用の「かな編」、英文タイプ専用の「テキスト練習編」などがある。 「もぐらたたき編」はオリジナル版のポジション練習をもぐらたたき風にアレンジしたもの。ごく初期に、キーの位置に慣れるための練習用としてはいいかもしれない。それでも、オリジナル版と同じく上一段・下一段などと段別の練習なので、ホームポジションを含まない段別練習はあまりお勧めできない。 「テキスト練習編」はオズの魔法使いなどの物語を英文で入力してゆくもの。入力ミスをするとバックスペースで消去して打ち直さない限り先に進めない仕組みになっている。テキストが半角固定ピッチで表示され、英単語として見にくいという欠点はあるが、テキストも差し替えることができるし、柔軟な使い方が可能である。個人的な考えであるが、タイプミスはあとからチェックして見つけるもので、間違えてもそのまま入力を継続できるような仕組み(ロジック的には難しいと思う)を作れたら、1文字も間違えてはいけないという妙な緊張感から開放されて、気持ちよく入力できるのではと思うのだがいかがなものであろうか。 |
ウィンドウ内が文字のみでデザインされているという、Windowsにしては不思議なソフト。元々がMS-DOS版だとのことで、このインターフェイスを踏襲しているようである。このソフトにはシリーズ化されていて、いくつかの姉妹ソフトがあり(右記)すべてフリーウェアで、サイズも小さく、取り扱いやすいものとなっている。今回はベースとなったオリジナル版をテストしてみた。ポジション練習・ランダム練習・英単語練習・ローマ字練習の4つで構成されている。ポジション練習とランダム練習は、単純にキーを打つ練習をするもの。前者はキーボードが画面に表示されて、それに合わせてキーを入力する形式の練習。後者は画面に表示される英数字を入力して行く練習。いずれもホームポジションから初めて上一段、下一段・数字などとその組み合わせで練習するキーが増えていく。英単語練習は基本英単語やMS-DOSコマンド等々入力する機会の多い英単語を練習するもの。学校でのプログラミング教育を想定して、C言語を初めとしたプログラム言語の単語を用意している点が面白い。ローマ字練習はランダムなものと、単語とがある。練習結果は、速度の最高記録のみがその達成日と共に保存されるだけで、経過は残らない。
以下筆者の私見であるが、文字を段別に練習していくのがいいかどうかちょっと疑問で、上一段や下一段だけで練習なんぞしたら、指がホームポジションに戻らないことが多くなってしまって、かえって調子が悪くなってしまったりする。このソフトを使用するときは、必ずホームポジションを含んだ練習を行うことをお勧めする。また、まずキーを覚えてから、英単語やローマ字に進んでいくという手順を筆者はあまり好まない。というのも、指は日常使うような入力(単語など)を流れで覚えていくもので、ありもしないランダムなキーでの練習だけではあまり効果がないと考えているからだ。また、個人的な練習には、進歩を確認することでモチベーションを保つ必要があるため、途中経過の記録が欠かせない。練習時間と最高記録しか残らないのはちょっといただけないような気がする。
今回の目的に対しては厳しい評価をせざるを得なかったが、フリーソフトであるという点、サイズが小さく配布が容易である点などこのソフトならではのメリットも多々ある。これらのメリットを享受できる環境(たとえば教育機関での多人数の練習)などで、指導者が上記欠点を熟知した上で運用するなら、良い成果を上げることができるであろう。
このソフトを薦めているWebページがあったので試してみた。\1,200のシェアウェアである。試用期間中は練習範囲が制限されるが、基本的な使い方は十分試してみることが可能で、試用期間も限定されないため納得するまで使ってみることができる。最初から「かな単語」を入力していくというコンセプト、ホームポジションから始まりキーを一つずつ増やしていくという練習方法がすばらしい。レッスンの最初にキーボードが画面に表示され、それに従ってキーを入力して行くという練習があり、そのあとは単語をスペースで区切って入力していくという練習に移る。単語練習は2分30秒あるいは8画面経過で終了するようになっていて、入力の遅い人がいつまでも終わらないという事態は回避される仕組みになっている。レッスンが終われば、キー毎の入力精度や速度が表示され、遅いキーや精度の悪いキーがわかる。また、これらの結果がレッスン毎に練習日単位でちゃんと記録され、速度や入力精度の履歴を見ることができるため、練習の励みにもなる。
これらのレッスンを一通り修了した人向けに、単語練習問題と単文練習問題が用意されている。今までのおさらいといった感じだが、一通りタッチタイプのできる人が、時々腕試しをするためにも使える。課題となる単語・文章もあまり偏りがなく、日常に使うための練習として適当なものであろう。
いくつか難点もあり、最初のホームポジションの練習で扱うキー(A,S,D,F,J,K,I)がかなり多いので、慣れない人にはちょっと取っつきにくいところがある。また、数字練習では数字の羅列ばかりが出題され、アルファベットのキーとの組み合わせがないため、ホームポジションにキーをおいて入力するという基本的なことが、ついおろそかになりがちな点も問題であろう。すでにある程度の入力ができる人にとって、ローマ字を変更する機能は必須なのだが、このソフトでは柔軟性がなく、限定した文字に関して2通りから選択することしかできない。選択可能な方法以外で入力する習慣がある人が使うには、使う側が合わせるしかなく、せっかくいいソフトなだけに何とかしてほしいものだ。
練習タイトル | 問題数 | |
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レッスン1 | キーポジションを練習しよう | 15 |
レッスン2 | キーのある場所を覚えてみよう | 60 |
レッスン3 | 時間制限付きでキーの入力練習 | 60 |
レッスン4 | ローマ字でかなを入力してみよう | 60 |
レッスン5 | 時間制限付きでローマ字練習 | 60 |
レッスン6 | 時間制限付きでローマ字練習2 | 60 |
シェアウェアで\500のもの。右表のようなレッスン構成になっているが、試用期間中は各レッスンが6問までに制限されていて、まともな練習はできない。画面は一般的なもので、課題となる文字が表示され、その下側にキーボード配列が表示され、使う指を示すようになっているものだが、反応も良く、画面も美しいので、気持ちよく入力することができる。
しかしながら、レッスン構成はあまり工夫の跡が見られず、レッスン1でホームポジションの練習をしたかと思えば、レッスン2ではいきなり英数字全キーを使っての練習となっていたり、毎回同じ課題が同じ順序で出てくるなど、今ひとつの感がある。また、ローマ字に関しての融通性が全くなく、作者の考えるもっとも合理的な方法「ホームポジション優先」「キーの入力数を減らす」を基準に完全に固定化されている。特に問題なのは「ん」の入力方法で、どうしても「NN」が必要な場合以外は「N」を入力しなければならない点である。そんなことを一々考えるくらいならば、常に「NN」を入力した方が反射的に入力できていいと考える人も多いはず。それ以外にもローマ字の入力に関しては、利用者それぞれのポリシーがあるわけで、作者の考える合理性が普遍的であると考えているあたりちょっと首を傾げてしまう。さらに、練習成果に関しても、その都度終了時に表示されるだけなので、進歩の跡を確かめることも難しく、練習の単調さと相まって、モチベーションを保つのが難しいと思う。
作者はシェアウェアで\500というのを「入門書を買ったりするよりは、はるかに安くて効率的」と述べているが、本と違って製造・流通経費がかからないオンラインソフトウェアにおいて、販売金額がすべて作者の懐にはいるわけで、決して安い金額とは思わない。せっかくデザインはいいのだから、練習内容や練習を支えるための工夫、使用者に対する包容力などを磨いていただきたいと思う。
結論をはっきり言うと、今回調べた中でメールやワープロを目的とした初心者がタッチタイプを練習するために使えるソフトは、QWERTY LESSONしかない。メールやワープロでは、ほとんど日本語入力しかしないと考えて良いから、日本語入力をスムーズに使えるようにするためのタッチタイプをもっとも優先させるべきである。その辺を理解して作られているソフトの中で、記録が残り、進歩のあとを確認しながら、練習を進めていけるものはQWERTY LESSONだけだと考える。いくつかの欠点はあるものの、最初の練習さえクリアできれば、数字は10キーが使えるし、ローマ字入力における柔軟性の欠如も、始めたばかりの初心者にとってはさほど問題とはならないであろう。
なお、余談ではあるが、記号類の入力で筆者が使用している101キーボードでの環境を考慮してあるソフトウェアはこの中にはなかった。 ちょっと残念。
ふと会社帰りに見つけたので買ってしまった。まだ「その2」があるわけでもないのに、最初から「その1」になっているのは、まだまだ遊び始めたばかりで、理解不充分だけれども、最初の印象を書いておきたいと思ったからである。以前から何度か取り上げたことのある、「Age of Empire(以下AOEと略記)」と同じデザイナーが作ったもので、正式とはいえないまでもこれらの後継版と考えても良いソフトである。最初のオリジナルが石器時代〜古代、2つ目が中世だったから、次はどうなるのかと思ったら、何と石器もない時代から近未来までのCivrizationのリアルタイム3D版とでもいうべきゲームを出してきた。
ゲームの中身について論じる前に、ちょっと注意しなければならないことを書いておく。前作までと異なり、ソフト自体は英語版である。日本語の簡易マニュアルは付いてくるが、マニュアル本体も英語なので、これらに抵抗のある人には勧められない。なお、AOEについては、マニュアルの貧弱さを指摘したことがあるが、このソフトにはそれは当てはまらない。索引も入れて238ページという堂々たるものである。ただ、大半が操作方法に費やされていて、登場してくる技術やユニットなどのについての説明はない。それでも、押さえるべき建物などについての説明は確実になされていて、別途テクノロジーツリーやユニットの説明をした表が付いてくるから、ある程度この手のゲームに慣れた人なら何とかなるであろう。
基本的な使い方は、ほとんどAOEと同じである。人やユニットを建物で資源を使って作るところも、技術の開発などを建物で行うところも、そして画面の構成や、マウスの操作方法もさほど変わってはいない。ただ、ユニットの強化(例えば盾や鎧の改良)では、ユニットの持つパラメータ(攻撃力や防御力)を直接操作するようになっているとか、ちょっとした違いはある。
長い期間に対応するためか、ルールがかなり変えられている。従来治療もできた聖職者(Priest)が転向専用になってしまい、治療は病院(Hospital)で行ったり、近代以降はMedic(医者=衛生兵)が行うようになった。また、新しく預言者(Prophet)ができて、災害を引き起こせたりするので、これを使って建物を破壊するという手もある。災害には、建物を壊すための火事や地震の他に、これらを兼ねた噴火や、船舶を沈める台風、人に病気を蔓延させるマラリア・ペストなどがある。うまく使いこなせば、戦いを有利に進められるし、逆に敵にこれを使わせてしまうと、かなり苦しい。また、聖職者も預言者も初期から使用できることに注目。攻城兵器が存在しない青銅器時代以前では、建物に対して預言者がもっとの強力な兵器ということになる。
町の中心はもはや作りっぱなしではない。Settlement(植民地の意味だが、まあ町の出先機関のようなもの)に人を住まわせる(Populate)ことで、それが町の中心(TownCenter)や都市の中心(Capitolと表記されていて、首都の意味であるCapitalとは違う)にアップグレードされる。住まわせた人は2度と出すことはできないから、慎重を要するが、植民地が大きくなって都市になっていくという形を再現していて面白い。そして、都市が大きくなることで、経済的な効果(金属の採掘にボーナスが付く)がより高くなったり、後述するエリア効果が得られたりするので、重要な拠点のアップグレードを忘れないようにしたい。
何より大きく変わったのは、これらの建物のエリア効果である。町の中心以上のエリア内では、戦闘能力や作業能率が上がるという効果がある。また、寺院(Temple)のエリア内では預言者が災害を起こせなかったり、大学(University)のエリア内では聖職者による転向ができないなど、防御にも影響する。治療や修理を行う建物(病院・港・空港など)にも効果のある範囲があるから、常にこれらの範囲を意識して町作りをする必要があることになる。逆にAOE2で頻繁に使われた駐留(塔や城に入って攻撃する)の概念はなくなり、唯一隠れ場所としての砦(Fortress)が残っているのみになった。
AOEに当初から引き継がれてきた人口増加に伴う家の建設は、もはや不要になった。人口の上限はあるが、原則的に固定的なもので、建物でコントロールする必要はない。それでも、家(House)は残っている。町の中心以上のエリア内に建てることで、エリア内での士気(Moral)が向上するのである。効果が明確でないので、ついおろそかにしてしまいがちだが、確かに町から離れて戦うと弱い。どの程度建てるのが適当なのか、まだ見いだせていないが、エリアがオーバーラップするところに建てると、両方のエリアに効いてお得である。
今回の作品で新しく使えるようになったユニットである。戦士型と戦略家型の2種があり、前者はそれ自身強力で、周りにモラルの向上をもたらすもの。後者は、回復機能や雄叫び(Battle Cry)によって、戦闘時に敵の体力を消耗させるもの。銅の時代から使えるが、 時代と共にアップグレードされ、その時代の代表的な英雄(例えばアレクサンダーとかナポレオン)に名前が変わっていく。常に一人しか使えないが、戦略上重要な存在なので、うまく使うようにしたい。
まだまだ始めたばかりなので、要領が良くないせいもあるのだろうが、コンピュータとの一対一の対戦でも、数時間かかる。青銅器時代から暗黒時代の攻城兵器で一気にたたきつぶしてしまえればいいのだろうが、もつれ込んで中世から帝政時代まで行ってしまうことが多くて、そうなると3〜5時間かかるだろうか。AOEのようなスピーディーなゲームを期待したら、ちょっと外してしまうから要注意。 もっとも、トーナメント戦という選択肢もあって、短時間で終わるようなものも用意されているのだが、試してみていないのであしからず。