樹懶庵閑話 the Strong Cancer Survivor 200802



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2008/02/14

 養豚場の豚ならば


一昨日(2月12日)点滴後の検診に
 白血球:2,300 CEA:360 血色素:当然低い。。てな血液検査の結果
 レントゲン写真も大きな変化を確認できるほどの写り具合ではない
私「副作用の谷底で ヘロヘロですわ」
医「食欲は?」
私「ありません この1週間絶食状態です」
医「吐き気があるのですか?」
私「食べないから 吐き気はないです」
医「吐き気止めの薬 出しときましょか?」
私「しばらく食べませんから 薬も不要です」
医「では 3日後に来てください」
私「は〜い」
毎度のことながら10分程度のやりとり
 病院に着いたのは朝9時 終わったのは正午を過ぎていた

同病の仲間たちは抗ガン剤が体内で活躍している間も「栄養つけなくては!」と滋養強壮に溢れた食物を無理矢理胃袋に押し込むみたいで
全く活動していない胃袋に詰め込まれたら「嘔吐」となるわけで
それでも頑張る癌患者たちは無理矢理詰め込みを決行するみたいで そのためには「嘔吐止め」なる薬剤の力を借りているのだ
胃袋をなんとかごまかせても 次に控える腸も完全に休止状態なのである
 私は抗ガン剤を点滴した後3〜5日は完全に便通が止まる
嘔吐止めで無理矢理押し込んだ滋養強壮のかたまりを 今度は「下剤」で強制排除。。。
抗ガン剤たちが身体に「何を?」引き起こしているかを注意深く感じることなんてなく一心不乱の対処療法・薬剤頼み。。。
 仏さまも見捨てていく我ら癌患者だから 仕方ないかとおもいつつ
養殖場のブロイラーたちや豚たちでさえも もうちょっと丁寧に扱われている気がしてならない
 癌患者は仏さまも見捨てていくが 鶏や豚たちは立派な商品になるのだから。。なんて 少々ひがみ根性が頭をもたげてきたりもする
  

2008/02/14 19:32 カテゴリー: 癌をこじらせて… | 個別ページ | コメント (6) | トラックバック (0)




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2008/02/14

 得意技は?

旧知の僧侶に久しぶりに出合った

末期癌患者としては
 生きていく苦しみ
 老いていきながらの闘病への不安
 病が確実に身体を蝕む恐怖
 死を強烈に意識しながらの日常生活

そんな四苦八苦の愚痴を肴に雑談をしばし。。。。

「今の私ほど仏教の救いを必要としているやつはいないのだが 仏教寺院からはだ〜れもお出でにはならないですな もうちょいと生者に関われる仏教の仕組みがあっても良いと思うのだが」

僧侶はすかさず

「そのあたりが いちばんの弱点なのですな」ときた

ならば「得意技は?」と聞き返さなかった私は悟りに近づいておるのかも。。。

2008/02/14 18:58 カテゴリー: ひと, 宗教, 癌をこじらせて… | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)




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2008/02/12

 大和田通信 080211


こんばんは、大和田です。

先週2/6(水)、4クール目となった三種類目の抗ガン剤治療を一旦終えることとなりました。

今回の治療では、腎機能低下や貧血など、薬剤投与を延期することを余儀なくされることもありました。

サードラインにもなると様々の影響が如実に現れ、命を左右することのできる薬であることを、改めて思い知らされます。

CT検査についても先々週に実施された結果、原発巣が前回撮影時の15mm程度から、12mm少々に縮小しているようでした。

付近リンパ節についても活発化している様子は見てとれないようですが、造影剤を使用した前回撮影と同条件ではないことも考慮しなければなりません。

4クール目を終え一休みすることとなり、今後の治療方針については、後日医師と話すこととなります。

一休みを利用して、薬の副作用が落ち着くころを見込み、今度こそ温泉行きを、と目論んでいるところであります。

幾多の喜びや辛酸をともにした、神戸のおばちゃんたちともに。。。

2008/02/12 08:39 カテゴリー: 大和田通信 | 個別ページ | コメント (1) | トラックバック (0)




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2008/02/10

 けもの部屋


今回の化学療法(抗ガン剤)は 薬剤では3種類目
 はじめの組み合わせで 7ヶ月
 2回目で4ヶ月
 今回は3ヶ月
おおよそ1週間に1度ずつの点滴に通院するのである
朝一番で血液検査→結果を待って診察→診察結果で点滴開始→薬剤にもよるが3〜6時間をベッドに横になっての点滴
 午前9時に病院到着→少なくとも1時間以上の検査結果待ち→診察の順番を「待って」調剤された薬剤の到着を待って→点滴開始は正午前後(すでに腹ぺこ)→支払いを済ませて病院を出るのは早くて午後3〜4時
その治療を受けるのが「外来化学治療室」という名目の部屋にベッドが5台ほど並べてあるの部屋で まるで野戦病院なのだ
【悪性腫瘍に対する化学療法のこと】=【Chemotherapy】=【ケモ】
その部屋は「ケモの部屋」と呼び習わされていることに1年半通ってはじめて知った
まさしく「けもの部屋」だ
この部屋は外来患者の緊急処置室も兼ねていて
 隣のベッドには「帰りたい!お腹すいた!死んでしまう!」と老婆が下血しながら休み無く叫び続けるし
 検査機器やら人工呼吸器やらが置いてあるので ひっきりなしに医師やら看護師やらが枕元を闊歩される

我ら「ケモ」の患者は ゆっくり静かに10万円以上もする薬剤を優雅に点滴してほしいのだ

・野戦病院仕様のベッドでは寝返りさえままならない
・長時間の治療だ お茶を飲めたりおにぎり・サンドイッチなんぞを食せる仕掛けがあってもいい
・音楽を聴きたいのだ!せめて雑誌を眺める仕掛けは必要だ
・待ち時間を合わせれば大作映画の2〜3本観ることもできる
・白いシーツのベッド以外の場所がいい ソファなんかも悪くない
・暇つぶしの世間話の相手をしてくれる人はいないのか専門教育を受けている人なら大歓迎

投稿をくださったモニカさんの病院の「けもの部屋」が 患者とそこで働く人たちにとって少しでも安らかな場所になるように。。。。

2008/02/10 17:22 カテゴリー: 病院暮らし, 癌をこじらせて… | 個別ページ | コメント (1) | トラックバック (0)




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2008/02/10

 やらずの。。。。雪



昨日2月9日は朝から 雪 夕方までに5センチは積もったはず
こんなにまとまった雪が降ったのはたぶん 8年と1日ぶりのこと

3日前に抗ガン剤の点滴を受けて
 その翌日には在宅ケアをはじめた肺ガン仲間のFさん宅におしゃべりをしに行って 
 そのまた次の半日も外出して元気にしゃべりまくっていた
 疲れの山が雪の日に重なった 眠い。。。ひたすら眠い。。。一日中眠い
墓参を予定していたのに雪で動けない 余日を期して眠る ひたすらに眠る
 8年前のその日が命日の仏さんのことと 私のことを気にかけて2本の電話があった
 お互いの近況と雪のことなんかを少し話して受話器を置く 涙が止めどなく流れる
日が改まって10日「明日は○○さんの命日ですね」と脳天気な挨拶がやってくる
件の仏さんと親分・子分の杯を交わした間柄でさえ この気軽さ。。。
何月何日に鬼籍に入ったか…なんて大した問題ではないのである。。。このご時世

1.17を過ごし 春節を迎え 2月9日を終えて 気分が改まる
今年の2月9日は 雪
 一日を布団にくるまって過ごしたのだ

2008/02/10 16:45 カテゴリー: ひと | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)




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2008/02/04

 立春大吉


節分の夜
硯箱をひらいて墨をする
「立春大吉」と半紙に認めて柱に貼る
柊の一枝をマンションの鉄扉に取り付けて
豆まきの真似事をしながら
焼酎のお湯割りで煎り大豆をかじる
 ほんの何年か前まではそんなふうにこの夜を過ごしていた
昭和5年生まれの老母と同居している今は
およそ風情の無い巻き寿司をまるかぶりにして
頭なんぞは即!生ゴミにされてしまう高価な鰯の塩漬けを食して
すっかり商売人たちの思うつぼなのだ。。。。

2月7日は旧暦で元日。。。
このあたりを過ごさないと年が改まった気分になれない習慣になって久しい
なにはともあれ 立春大吉

2008/02/04 00:08 カテゴリー: 時事問題 | 個別ページ | コメント (1) | トラックバック (0)




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2008/02/02

 一回休み


1月末に3週間に一度の抗ガン剤の点滴の予定だったが
赤血球数が少ない=貧血症状が強いため「一回休み」
「点滴は来週にしましょう」と合意成立。。
   正直「ホッとした」
4クール目の点滴は2月6日(水)となりました。治療後1週間〜10日目あたりが「ご機嫌斜め」のピークになるはず。近辺の皆様m(__)mよろしくご理解のほどを。。

1月25日に撮影したCTスキャンの画像を妹一緒に見る。
肺臓には12.6oの癌の塊がしっかり写ってはいるものの3ヶ月前の画像と比べれば数o小さくなっているようにも見て取れる。リンパなどでの活動も衰えているようにも思える。
少なくとも 癌が活発になっている様子はない。
癌が縮小している様子も「ない」

腫瘍マーカー(CEA)も3割減
 20以下→600以上→400台(標準値:5以下)
これまた悪い方向には向かっていないよう

なにはともあれ 今日は「元気」です!

2008/02/02 13:38 カテゴリー: 癌をこじらせて… | 個別ページ | コメント (5) | トラックバック (0)




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2008/02/02

 南無


齢10数年を車椅子で過ごした先達が
昨日 先立った

病を得た知己が次々に追い越して鬼籍の人になっていく
生命の限りに順番も決まり事もないことなんて承知の上だが
10歳の少女との別れはずっしりと重い

傍らで生命に寄り添った人たち。。。少し休んでください

インフルエンザを拗らせた肺炎に耐えれなかったらしい
最期を迎える準備を周りの人たちにさせてくれないままの臨終だったらしい
終焉は唐突だが確実にやってくる。。。。

先立った魂に冥福を。。。
残された魂に平安を。。。
   南無。。。。

2008/02/02 13:12 カテゴリー: ひと | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)

 


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