外壁の内部結露と通気層について

――内部結露の仕組みとそれを防止する通気層の役割――

PAO建築設計



外壁の中で起こる結露は、室内の水蒸気を含んだ空気が壁の中にある断熱材の中まで侵入して外部側に抜けず、断熱材内に滞留した場合、外気温の影響でその部分が冷やさせることによって発生します。


壁内の結露は、断熱材の断熱性能及び木材の耐久性を低下させる原因の一つとされています。


結露を防止するためには、室内の水蒸気を含んだ空気が壁内に侵入するのを防ぐ必要があり、断熱材を隙間なく、かつ、防湿材を壁全面に設けることが基本です。
しかし、防湿層の施工を入念に行っても、水蒸気を含んだ空気が壁内に侵入することを完全に防ぐことは難しいことです。そのため、壁内に侵入した水蒸気を外部に放出させるための処置として、断熱材の外壁側に上下が外気に解放された、空気が流れる通気層を設けることで、壁体内の湿気を常に外部へ排出させることが可能になります。


壁の内部結露を防ぐ、施工上の重要なポイント


■これまでの住宅の壁の構造

■通気層を設けた高断熱高気密住宅の壁の構造

これまでの住宅の壁の構造 高断熱・高気密住宅の壁の構造

外壁内に侵入した湿気が、外部に抜けない為、壁内で結露してしまう。



室内の湿気が外壁内に侵入しにくく、たとえ、少量の湿気が壁内に侵入しても、通気層の空気の流れで、常に外部へ排出される為、壁の中はいつも乾燥状態に保たれます。その結果、断熱材がその本来の性能を発揮でき、室温は快適となり、壁内の木材を腐らせるリスクも減少し、住宅の耐久性が向上します。

更に少しだけ詳しく解説を加えていますので、下記も参考にして下さい。
通気層と外壁の中で起こる内部結露の仕組みと防止について/Pao's Blog(PAO建築設計ブログ)


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