中庭空間の活用について

PAO建築設計


ウッドデッキの中庭と吹抜けのある住宅


中庭を室内と連続して使える、ウッドデッキのある住宅。


中庭をファミリースペースと一体化して使えるように
ウッドデッキで段差なく連続させ、広がりと華やかさを演出。


1F平面図
配置・1階平面図
縮尺スケール


■オープンキッチン


家族団らんの中で、一番大切なのは食事の時間だと思います。この限られた時間の中で、食事を作ったり、片付けたりという行為を他と隔離された台所で行う事は、 非常にもったいないことです。片方は食事ができるまでテレビや新聞を読んだりと、お互いの会話がスムーズにできません。あるいは食卓で子供との会話が弾んでいても、 何かカヤの外のようで会話に加われず、フラストレーションがたまります。又食事を作る行為が見えずに、台所から料理がしずしずと運ばれてきたりする生活ですと、 「あなた作る人。私食べる人。」みたいな意識になりやすく、これもフラストレーションの原因になり、家族団らんを気持ちよくする為にはマイナス効果でしょう。


そのような思いから、中庭も含むファミリースペース全体を見渡せる位置に台所を配置し、食事の準備をしながら、今日起こったことを話し合ったり、 夕飯はシチューかな、などと想像しながら、心を込めて料理をする姿を見れるように計画しました。


■高齢者対応について


今後は高齢者と同居というケースが増加することが予想されますし、建主が高齢になっても、住み慣れた自宅で一生を過ごしたいと思うなら、そのような配慮が今から必要です。


高齢者の部屋はファミリースペースに近く、1階で日当たりが良く、トイレ、浴室等に近いこと。更に介護が必要になった時のために、トイレ、浴室廻りが広めに作られている事が大切です。 車椅子を使用する生活では、家族とのコミュニケーションが最も大切ですが、その他に四季の自然に触れたり、外部との交流等の刺激も重要になってきます。 その為には、気軽に車椅子で外に出られるような配慮が大切です。この案では、外部へはウッドデッキからスロープで外出できるようにしています。

2F平面図
2階平面図


■個室は吹抜けのあるリビングを取り囲むように配置


リビングに居ても子供室の気配が感じとれる空間、そして各個室に居てもファミリースペースでの団らんの様子が感じとれ、 自然と家族がファミリースペースに集まって来るような空間構成とし、吹抜けが家族のコミュニティーを円滑にするように計画しました。 家族は必ずファミリースペースを通るような動線になっています。


A-A断面図
A-A 断面図


●吹抜けのあるファミリースペースを囲むように個室を配置し、どこにいても家族の気配を感じれる空間構成。


B-B断面図
B-B 断面図


●夏の日射は庇等でカットし、室内には入れません。
●冬の日射はダイレクトゲインとして積極的に室内に取り込み、暖房に活用しま す。
●中庭とは段差を無くし、気軽に外に出れます。気持ちの良い季節には、中庭の方が快適でしょう。


敷 地 面 積 182.01m2 (約55.05坪)
建 築 面 積   71.65m2 (約21.67坪)
延 床 面 積 126.56m2 (約38.28坪)
1 階床面積   71.65m2 (約21.67坪)
2 階床面積   54.91m2 (約16.61坪)


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