ブログ・他


Pao's Blog リスト
    / 建築旅日記


  Gallery Pao


香港/夜景

香港 0228

香港/夜景

 成田発の飛行機は出発が3時間近くも遅れ、香港に着いたのは、夜の9時過ぎであった。外はもうすでに暗く、歩いてホテルを探す時間ではなかった。
なんとか両替を済ませ、ホテルを予約して、タクシーで夜のネオンきらめく香港の街に入った。不安と緊張で汗だくであった。

香港/路地裏

 CP001便は、カイタック空港に入る前に、機体を旋回するため、黒い海に、美しく輝いて見える香港島の夜景が、 闇の中で回転して見えたが、不安とともに最初に眺めたその光景を、今も印象深く覚えている。また、ホテルの私の部屋は、ネイザンロードに面した11階にあったが、 そこから見下ろしたネオンきらめく街路と、車と人通りの喧騒は、すでに11時も近いというのにエネルギッシュであり、印象深く思い出される光景の一つである。

路地裏

スターフェリーより香港島を望む

 古い高層ビルの表情は、昼間見ると少々異様である。まず全体にうす汚れていて、汚いのであるが、屋上や、 ベランダから物置らしきものや、その他いろいろ生活に関わる物が顔を出し、また、バルコニーであった所にガラスを入れ部屋にした様なものもある。高層ビルに密集して住むことや、 いろいろなテナントが雑居することに関しては、その経験の長さにおいて、日本などはその比ではないのであろう。

スターフェリーより香港島を望む

香港上海銀行 設計N・フォスター

日本も近い将来この様になるのだろうかと愁いたり、都市は確実にこの方向に進むものかもしれないと、思ったりもした。

香港上海銀行 設計N・フォスター

香港上海銀行 設計N・フォスター

 所々から湯気が立ち上っていたりしている、それら高層ビルを見ると、一つの巨大生物のようでもあり、また、内部にさまざまなものを取り込んだ、小宇宙のようでもあった。しかし、その様な街も、夜になりネオンがつくと、今度は別人のごとく、華やかで、エネルギッシュな表情となる。 私はどちらかといえば夜のほうが好きである。

香港上海銀行 1階エントランス

 高層の古い雑居ビルなどのディテールは、見なれないせいもあろうが、粗悪なようにも見えるが、新しいものは日本並といった印象であった。日本には、そういった古いビルがとても少ない事に気がついた。つまり、ビルに関しては、こちらの方が歴史が長いのである。
一方新しい高層ビルなどは、日本に比べて、とてもノビノビとしていて、個性的であるように思える。

香港上海銀行 1階エントランス

中国銀行 設計I・M・ペイ

 スターフェリーに乗り香港島に向かう。空は白く曇り、靄もかかっていたので、海に浮かぶ高層ビル群も、霞んで見えた。 近づくにつれて、フォスターと、ペイの建物が確認できた。それらは、数あるビル群の中では、ひと際目を引く存在であった。

 香港上海銀行(ノーマン・ フォスター)を見て感じたことは、モダニズムは未だ死に絶えてはいない、ということであった。 それはエレベーションを決定ずけている、構造主義的な表現と、そこから自然に派生してくる、人間のための内部空間とが、それぞれ個性的であり、また、違和感なく結び付いているためである。

中国銀行 設計I・M・ペイ

中国銀行 1階エントランス

 内部は良く考えられ、整理されている。そこで働く人達の姿、そして、そこを利用する人の姿さえも、美しく見えてくる。スラブは吊り構造のためか、薄く心地良いプロポーションである。 設計者の考えがよく整理され、かつ表現されているので、心地良い。設計者とは、文学者でもあり、哲学者でもあるというが、人間本位の立場が、大切であると思う。 デザインのためのデザインではなく、デザインの本質に基ずいた表現が見られる。モダニズム今だ健在なりである。

中国銀行 1階エントランス

アバディーン

 香港はアジアの中に在っても、国際的な都市なのであろう、いろいろな人種が見られる。若い女性などは、日本の女性のようなファッションをしいているが、 視線の強さなど明らかに日本と違う面も持っている。


 タイムトラベルで、中国のビザと、上海行きの船のチッケトを予約して手に入れた。

アバディーン

ホテルのカード(2泊目)

ホテルのカード(2泊目)

香港/フリーマップ

香港/フリーマップ

このページのTOPへ


建築旅日記

Copyright (C) 2000 PAO Architects. All Rights Reserved