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シラーズ/イラン 0521
午後、5人でタクシーをチャーターして、ナクシェロスタムと、ペルセポリスを回った。1時間ちょっとで、ナクシェに到着する。 切り立った岩壁の中腹にアケメネス朝の4人の王の墓が、岩壁を切り取るように、作り込まれている。
ナクシェロスタム
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砂漠の中にある点では、中国の莫高窟に似たロケイションであるが、一つ大きく異なる点は、空が抜けるように青く、 澄み渡っていることである。それは、中国西域で見られる、砂塵で白く霞んで遠くを見通せない砂漠の風景とは、明らかに趣を異にするものであり、又違った文化を期待させるものがあった。
岩壁で囲まれた、前庭のような広場の端に、奇妙な建物があった。
ファイアーテンプル
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そのほぼ箱状の建物の周囲は、深さ5mくらいの堀(水はない)が巡らせてあり、建物には近づけないのであるが、 ガイドブックによるとファイアーテンプルとあるので、多分、拝火教に関するものであろう。
ファイアーテンプル

手摺りのデザインや、レリーフ、柱頭のデザインなどは、明快で力強く、デザイン的に見ても、とても良いものであった。
ペルセポリス/手摺

造形センス(造形的傾向としては、ギリシャに近いものがある。)は、明快で、レリーフなどのモチーフは判り易いし、 勇ましいものが多い。
ペルセポリス/柱頭

牡牛や怪獣の柱頭などは、初めて見るものであったが、力強い造形で魅力的であった。
パキスタンとも違っているし、これがメソポタミヤというか、砂漠の民の造形なのであろう。
ペルセポリス/柱頭
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ペルセポリス拝観チケット

スケッチ/岩壁に彫り込まれた墓/ペルセポリス
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その後、バザールに行って見た。道を挟んで、両側に100m位アーケイドの掛かったバザールが続いている。 交差ボールトの天井が掛かり、一部はボールトのトップが天窓になっており、そこから差し込む光が規則正しく床に落ち、連続した丸い光の模様を付けている。
バザール
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綺麗なクロス屋の前には、やはり女性が多い。こちらの女性は、パキスタンとは違いチャドルはつけるが、顔を隠したりはしない。 顔立ちはパキスタン人とは違うし、肌の色も少し明るい。パキスタンでは、顔を見る期会が少なかったが、こちらの方が知的な顔立ちに見える。ちなみにパキスタンのチャドルは、
カラフルな色彩であるが、こちらは黒がほとんどである。
バザール/商店
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売られているのは、カーペット、クロス、金属細工、香辛料、書籍、宝石などの装飾品、電気製品、衣服など多彩である。
バザール/香辛料

シャーチェラグ聖廟(Shah-e-Cheragh)のメインモスクの屋根は、修理中で、モザイクタイルは全く無かった。
シャーチェラグ聖廟

他のモスクは、タイルの一部が剥げ落ちていたり、下地とタイルが、剥離しているのであろう、モスクの形も歪んで見えた。
シャーチェラグ聖廟
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しかしモスクを含め、エントランスなどの、モザイクタイルのパターン模様は綺麗であった。
シャーチェラグ聖廟/モザイクタイル
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エントランスの天井がとても綺麗なので、写真を取らせてもらった。
シャーチェラグ聖廟/エントランス天井/モザイルタイル

イスファハン/イラン 0524
イスファハンは並木道が整い、街を流れる河も水量が豊かで、その河岸も綺麗であった。緑も多くしっとりしていて街が充実している、 まさに古都の雰囲気があった。
ハージュ橋

ハージュ橋は大変ユニークな造りであった。
私は今までにあのような楽しめる、人間の為の橋を見たことがな い。
ハージュ橋

この橋は岸と岸を必要があるから結ぶというためだけで造られたものではなく、水を恋しがる人間の意志が強く働いていて、 微笑ましい橋であった。
ハージュ橋より川面を見る

こういった人間の感情がストレートに出ているものを見る時、国や時代は異なっても、人間には共通のものがあることを知り、 旅行をしていて良かったと思える一時である。
橋の下の橋脚にはアーチ状の開口があり、その脇を川の水が流れ、心地よい風が吹き抜けてゆく、橋の上は太陽が照りつけ暑いが、下は涼むには快適な空間である。
イスファン大学の学生だろうか本を手にしている2人連れを見かけた。
ハージュ橋/橋の下の様子
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ハージュ橋/水辺
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水辺公園とでも呼ぶのだろうか、橋の下の生ジュース屋、女の子は冷たいものを買って貰ったようである。
ハージュ橋/売店
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ハージュ橋/水辺
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シェイク・ロトフォッラー・モスクは、屋根の曲線が他のモスクに比べて緩やかでやわらかく、そしてそのモザイクタイルは一際美しい。 正面入口に対しモスクの屋根が右側にずれているのも特徴の一つである。
建物内のモスクに至る経路は神秘的であった。
シェイク・ロトフォッラー・モスク
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シェイク・ロトフォッラー・モスク/壁面のモザイクタイル
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スケッチ/マスジュデ・イマーム
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モスクの一角で、ひとりの大工が、おそらくボールト天井の下地であると思うが、木の骨組みに小板を張付けていた。
マスジュデ・イマーム
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揺れるミナレット
Menar-e-Jonban/イスファハン
スケッチ/揺れるミナレット