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第10章 Towerにて


死んだ理由を考えよう


 運良く生きて帰れた時は、その幸運を神に感謝し、気持ちを落ち着けて気分良く次の出撃にそうなえよう。

 運悪く生還出来ずに死んでしまった時、その時が何かを会得するチャンスである。

自分が死んだ理由

をとことん追求しよう。


 例えば真後ろから撃たれたとしよう。まずなぜ後ろから撃たれたのかを考える。もしかしたら6時の警戒が足りなかったのかもしれない。しかしここで「check 6を強化しよう」と思うのはちょっと浅い。是非もう一歩踏み込みたい。

 ではなぜ6時につかれたのかを考える。その理由はfurballの中で速度を落としてしまったからかもしれないし、敵を深追いしてしまったからかもしれない。ある時点で自分が旋回してしまったために、それまで脅威ではなかった敵機をわざわざ自身の6時につけるいちにまで招いてしまったのかもしれない。

 するとそこで、「どのような状況が危険か」がインプリメントできることになる。その次のステップはそれをどう防ぐかである。


 良く「敵に囲まれてしまったので生き残れなかった」という状況がある。しかし、なぜ囲まれてしまったのか。それを事前に察知してその空域をすみやかに離脱手で着なかったのか。では囲まれてしまう前兆のようなものはないか。次回同様の状況に陥る前にそれを察知出来るか。そういうことを考えなければならない。

 さらにその状況に至る自分の心理状態を分析すれば、調子が良い時の油断、慢心が影響しているかもしれないし、調子悪い時の焦り、いらだちに起因しているのかもしれない。あるいは

「もう1機」という色気

がそうさせたのかもしれない。ほとんどの場合、死因をつくる引き金はパイロットのメンタルな部分に起因しているのだ。


 最初に書いたが、死ぬことは全て自分の責任であり、それを防ぐ手段は必ずあるはずである。

 零戦乗りが高速機にやられたり、Fw乗りがP51にやられたりしたとき、それを「仕方ない」と思うのはたやすい。しかし、それは自分の技術と戦術で防げると信じた時、そこに進歩の余地があるはずだ。




.clearはしない(;_;)


 WBでエースを目指し、スコアもある程度上がってきた。そのうち強力な数字を出せるようにもなってきた。このような状況で誰もが一度は経験するのが「.clear病」である。
 初期のころでそれほど高い得点を出せないうちは別に気にならないが、得点(特にK/D)がある程度上がってくると、連続で死んでスコアが下がるのが許せなくなってくる。
 例えば20killの4killedであればK/Dは5.0である。この状況でdump、カマホリと3連続くらいで死ぬと一気にK/Dが3.0未満に落ちてしまう。これが許せないのでついスコアをクリアしてしまうということである。


 私自身も「.clear病」にかかったことがある。その時は実際にコネクションが悪く、機体lostの半分がdumpだったりして非常に悲しかった。しかしながらclearばかりしていると、いつまで経っても

自分の実力を正当に評価出来ない

ということにも気が付いた。

 dumpで死ぬのが悲しいというのは理解出来るが、実際にはそれ以外にも死んでいる理由はあるはずである。ワープカマホリなど悪コネクションが原因で死ぬことはあるが、それも自分に十分な余裕があればかわせるはずである。

 clearするということは、

「撃墜された」「死んだ」という事実を否定

することであり、そこから生まれる反省や進歩が無いということである。dumpも自分の実力のうちということで受け入れるべきである。

 日々修行の身としては、失敗を受け入れ学習することが大切である。ハイスコアを目指すのは良いが、肩肘張らずに自分の実力を受け入れようではないか(^^;)




戦況を自ら作り出せ


 戦況把握は空戦において非常に重要なファクターであると書いた。しかし、受け身の姿勢で戦況を把握しているだけが能ではない。戦況は自ら作り出していくものである。

 戦いには流れがあり、その

流れに逆らっては生きていけない。

しかし、自分もその流れの一部である以上、流れの向きを変えたり強さをコントロールすることはできるはずである。


 私はしばしば敵の勢力圏奥深くに侵入し、強行偵察を行うことがある。それは戦略上重要なポイントを見つけ出す為である。戦況のツボはかならず存在する。

 それを見つけ出したならあとは運用の問題である。ここでは「指揮」の才能が問われるが、有効なポイントに有効な戦力を投入運用出来れば、例え数で劣勢であろうともそれを覆すことは十分可能である。

 エースクラスのパイロットが10機集まっても戦争はできない。ただ

「狩り」が行われるだけ

である。何故優秀なパイロットが目白押しの国がどんどん基地を失っていく状況があるかがこれで理解出来るだろう。しかし優秀な指揮官が一人いれば戦争できる。それが軍隊組織の強さというものだ。


 全員が指揮官になれるはずもないし、なる必要も無いが、状況を考えることは非常に有効である。例え単機であろうとも、自分の行う行動が戦局全体にどのような影響を与えるか、またどうすれば最大の効果を与えることが出来るかを考えることはできる。それを忘れ去ってただ空戦だけしているわけにもいかないはずだ。

 ここまで来るともう戦略レベルの話である。実際の戦争でそこまで考えて戦ったパイロットはそういないだろうと思われる。しかし、WBには司令官は存在しない。絶対服従の命令も無い。その上で生き残る為には個々のパイロットが戦略について考える必要もあるのではないだろうか。




Vulch City


 「Vulch City」とは、アメリカのWBプレイヤーで使う用語である。簡単に言えば、ある国の基地を残り一つにすれば、その国のプレイヤーはもうその基地しかあがる事ができず、上空で待機していれば

vulchしたい放題

だということである。

 実際に戦略的な戦法として、相手の基地を残り一つにしてVulch Cityのような状況を作り出すという戦い方は存在する。Vulchと聞くと生理的に嫌う人が多いので、あまり深くは追求しないが、基地攻撃という戦略から局所的に戦術的優位を作り出すというという戦法はまったくもって正当なものである。

 これを推し進めて、単純に「敵の基地を残り一つにする」だけではなく、「基地の配置だけでVulch Cityを作り出す」ことは可能である。また、逆説的に「基地を失っていった結果、自軍のある基地はVulch Cityになっている」という状況もありえる。

 このような状況だと、どういうわけか

戦っても戦っても敵に囲まれる

という悲惨な体験をすることになる。これを防ぐ、あるいは作り出す為にも、戦略的な発想は重要である。

 具体的な基地配置はなかなか説明しにくいが、一般に突出した基地配置は危険である。特にその基地が複数の国に隣接している場合は悲惨だ。

 普通自軍の基地上空での先頭は有利なはずなのだが、この場合はそうではない。空戦する事によってどうしてもエネルギーを失い高度が下がってくる。その状況で、次から次へと高度をとった敵機が出現してくる。空域から離脱する事もかなわず、またAckを利用しようともある程度爆撃で失われている場合が少なくない。まさに

死のアリ地獄

である。


 私は一度、意図的にこのVulch Cityを作り出すべく行動した事がある。F1しか持っていなかった赤がF3を奪取しようとして、基地をCloseさせて着陸した直後であった。ちょうどCAPがいなかったのでこの基地にLANDして奪い取った。

 しかし、この行動によって奪取しようとしたF3を死守しようというつもりは毛頭なく、F3はまさに敵をおびき寄せるオトリであった。

 当然取り返そうとredは大挙してやってくるわけだが、爆装という機体状況と爆撃という行動が彼らの高度を奪わざるを得ない。そこに漁夫の利をねらう紫と緑がやってくる。凄絶な着陸合戦が始まる。

 金ははなからこれを死守するつもりは毛頭ないので、F3上空の優位な位置に占位できる。あとはほっておいても自軍に有利な展開になる。F3上空は

阿鼻叫喚の地獄絵図

だ(^^;) まさに、F3基地はgoldの基地でありながら、redに対してのVulch Cityとなったのである。


 空戦は戦術だけでは語れない。空戦機動やエネルギー管理だけでは生き残る事はできない。Vulch Cityはそのことを考えさせてくれる良い例である。




色んな飛行機に乗ろう


 第二次大戦の時、零戦は米軍にとって長い間神秘の存在だった。とにかくむちゃくちゃ強いということはわかっていたが、なぜ強いのかその秘密はほとんどわからなかった。パイロットからの報告は多分に主観が入っており、中には速度優位で戦う敵機を見て「零戦は小さな旋回ができない」などと

的外れな報告

をするものもいて、よりいっそう情報を混乱させた。

 しかし、ミッドウェイの前哨戦、ダッチハーバーで不時着した零戦を入手してから状況は一変した。米軍はろ獲した零戦を復旧し、テストにテストを重ねた。その結果零戦の弱点が露呈され、その弱い防弾、急降下性能の限界、圧倒的な航続距離などなどほとんどあらゆるデータが明らかになった。

 その後米軍は零戦に対する時、一撃離脱やサッチウェーブなどの戦法をとるようになり、零戦に挌闘戦をさせてくれなかった。次期主力戦闘機のF6Fを大馬力重装甲の方向にまとめ、当座の零戦対策とした。そしてさらに最終的に零戦と挌闘戦をやっても勝てる機体として、本命のF8Fの開発をすすめた。(結局F8Fの出番は無かったが)

 この例を見ても分かるとおり、敵機の情報というのは非常に重要である。戦争はある意味情報戦でもあり、敵の情報を数多く握ったものは、それだけ

選択出来るオプションが増える

ということである。

 これはWBの世界でも同じであることは言うまでもない。


 幸いにしてWBでは全ての機体に自由に乗ることが出来る。これを利用しない手はない。あらゆる機体を試し、その速度性能、急降下性能、機動性、視界、高速でのロール率などの情報を自分の体に覚え込ませることである。

 例えば疾風はWBの中でもかなりの高速機である。自分がFwに乗っていて疾風に追いすがられたらかなり不利な状況といえる。しかしながら疾風は意外と

高速でのロール性能が悪い。

一度でも疾風に乗ってこのことを知っているパイロットなら、垂直ダイブしながら自機をロールさせて疾風のパイロットを混乱させようとするだろう。振り切る事はできないとしても、自機の速度を乗せるまでの数秒間疾風からの攻撃をしのぐことができるだろう。


 対戦して得た敵機の情報と、自分が乗って得た機体の情報ではその価値が違う。やはり身体にその性能を覚えさせるのが一番良い。また実際に乗ると意外な発見がたくさんあるはずである。


 この際、オフラインで単機で飛行しても得られる情報が少ない。必ず実戦の場で使用することである。メインアリーナで不慣れな機体を試してスコアを下げるのが嫌ならトレーニングアリーナでH2Hして試すのも良いだろう。私の部隊では部隊練習として色んな機体を使用した編隊戦の訓練を行っている。機体特性を身体で覚える為である。

 たまに日曜日に「J'S Arena」というイベントが行われることがある。日本人プレイヤーによる「お気軽アリーナ」である。ここは

異機種を試す絶好の機会

といえる。是非お勧めしたい。


 色んな機体を実際に実戦で運用してみるとさまざまな発見があるはずだ。例えばF6Fはロールが遅い。これは意外と対峙しているだけでは感覚が掴めない。高速での零戦の舵の効き具合、Fwの視界の良さ、そして意外と射撃を当てにくいこと、Bfの得意とする突っ込み角度、P38の死角などなど、いろんな新発見がある。その経験は必ず普段自分の乗る機体にもプラスになることである。

 さらにその機体の長所短所が理解出来るだけではなく、自分の普段乗る機体との戦いかたも見えてくる。普段敵として戦っている機体に乗って、自分の普段乗る機体と対峙してみることは非常に有益な体験である。例えば零戦乗りの人は是非一度

Fwに乗って零戦と対峙してみる

べきだろう。どうすればFwに対してプレッシャーを与えられる機動が取れるか、Fwのパイロットはどのような心境で零戦に対するか、そこからWBの取り組み方に対してどのような変化がうまれるか。愛機ばかりに乗っていては得られない情報が数多く得られることだろう。




むやみに乗り換えない


 またさっきと矛盾した話を書いてこのsy-cはとお思いだろうが(^_^;)

 これはもっと局所的な話。ある機体を試したらとことん乗ってみることである。これは自分の経験だが、1日に次から次へと機体を乗り換えてもロクなことがない。機体の表面的な特性がわかるだけで、かえってマイナスである。

 とことん乗ってとことん使い込んでみることが重要である。さもないとその機体の本質は見えてこない。

 もちろん1日でその機体を極めることなど不可能だが、

少なくとも5sortie

くらいはしないとなにもわからないと言っていいだろう。


 また人間には習熟というものが必要である。実機でも機種変換には規定の飛行時間が必要であると定められている。一度乗っただけで全てがわかってしまうアムロ・レイ(笑)のようなパイロットならまだしも、私にはそんな器用な真似はできない(^^;)

 習熟しないうちに次の機体乗ったところで何もわかるはずがない。悪い癖がつくだけである。

 調子の悪い時に限って機体をどんどん乗り換え、そしてドツボにはまるというパターンはありがちである(^^;)




気分の良いうちにやめよう


 WBにログオンしておく前に、今日はどのくらい飛ぶかを考えておく。私の場合、集中力が持続する時間が1時間程度なので、1時間〜1時間半程度でいったん抜けることが多い。
 予定の時間が来て、自分の調子が良いようだったらそこで

すっぱりやめよう。

 調子が悪いようだったら傷口が広がらないうちにさっさとlogして気分を一新させるべきである。

 気分の良いうちにやめれば日常生活も気分良く過ごせるし(笑)、次にログインした時も気持ち良く出撃出来る。

 逆にイライラした気分のままだと、嫁には当たり散らすし、仕事ははかどらないし、次に出撃する時も取り替えそうと無理してしまうし、その上

dumpでも食らおうものなら

目も当てられない(^^;)


 同様にdumpを食らった時も、被害が大きくなる前にさっさとあきらめることだ(^^;)その日1回dumpしたら、次もまたdumpするに決まっている(笑) 2度ある事は3度あるのだ(爆)


 空戦はメンタルな部分に非常に影響される。気分良く飛ぶように自分をコントロールするのも技術のうちである。

 私の経験では3時間ぶっとおしで飛ぶよりも、1時間ずつに分けて休憩を挟んで飛んだ方が圧倒的に成績が良い。


 また、WBはあくまでもゲームであることを忘れてはならない。

ゲームは楽しむものである。

WBで得たイライラを実生活に持ち込むようではなんのためのゲームかわからないではないか(^^;)

 とにかく楽しく飛んで楽しくやめよう。それがWBを楽しむということではないだろうか?




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