研究分野
社会法学、産業精神保健法学
研究分野を表すキーワード
労働法、労働安全衛生法、労災補償保険法、法社会学
主な研究テーマ
1. 職場のメンタルヘルス対策に関する法的検討
キーワード: 精神障害 産業ストレス メンタルヘルス 労働法 社会保障法
職域におけるメンタルヘルス不調者の増加に伴い、実務領域では、賃金、降格、降職、配置、休職、復職、解雇等の人事措置内外で様々な法的問題が生じている。労働者のメンタルヘルス情報の取扱いにかかる実体的なルール形成も十分ではない。精神障害には、目に見えにくいが故に、診断の困難性や相対性、難治性等の事情のほか、業務上外の認定判断が困難なこと、り患者がいったん企業外に放逐されると、身体障害者に比べても再就職が困難となる、といった特性がある。また、症状が進行すると、意思能力、行為能力にも一定の影響を及ぼす。そこで、こころの病の本質と、そのリスクファクターないし社会的・組織的・文化的背景を踏まえつつ、職場のメンタルヘルス不調者の取扱いにかかる、より包括的な法的検討を行う必要性が生じる。本研究では、医学、心理学等の関係学問領域の知見を活用しつつ、臨床法学的視点から、職場で現実に生じているメンタルヘルス不調者に関する幅広い法律問題につき、個々に精緻な法理論形成を図ると共に、それらに通底する一般的法理の形成に努めている。
研究分野: 社会法学、精神医学、心理学
(国内共同研究) 2009-2009 平成21年度厚生労働科学研究費補助金(労働安全衛生総合研究事業「研究課題:メンタルヘルス不調者の効果的な職場復帰に関する調査研究」(分担研究者)
2011- 平成23年度厚生労働科学研究費補助金(労働安全衛生総合研究事業)「諸外国の産業精神保健法制度の背景・特徴・効果とわが国への適応可能性に関する調査研究」(研究代表者)
2. 産業ストレス被害(いわゆる作業関連疾患)の民事損害賠償法理のあり方に関する研究
キーワード: 労働法 労働災害 産業ストレス
近時、産業ストレス発展型災害事案において、1次的に使用者側の責任を認定しながら、2次的に過失相殺またはそれに類する法理の適用を通じ、賠償額を減額する判例が増えて来ている。私は、これを、「上げたり下げたり」、という趣旨で、ジェット・コースター判決と呼び、ある意味では、かかる事案の性格を象徴するものと考えているが、「上げたり」の部分については、産業ストレス研究の進展にも呼応して、長時間労働のみならず、いじめの他、種々のハラスメントなど、労働の過重性要因(リスク・ファクター)が幅広く捉えられる傾向にあり、「下げたり」の部分については、過失相殺の類推適用、すなわち過失概念の客観化等を通じ、労働者側の素因や性格傾向が安易に減額事由と捉えられる傾向にあり、その揺れ幅が更に拡大して来ているように思われる。そこで、「上げたり」部分で捉えられるストレッサーにつき客観的かつ法的にも公正な捕捉がなされるよう、他方、「下げたり」部分で安易な素因等の斟酌がなされないよう、精緻な法理論的検討が求められる。この点については、既に2編の判例研究において、民事損害賠償責任法の示唆を得つつ、一定の考察を加えたところだが、今後は、自らの手による比較労働法研究等を通じ、その内容を更に精緻化し、理論的な枠組みとしての完成を目していきたいと考えている。
研究分野: 社会法学
(個人研究) 2005−
外部研究費の獲得履歴
平成23年度厚生労働科学研究費補助金(労働安全衛生総合研究事業)
研究代表者:三柴 丈典
研究課題:諸外国の産業精神保健法制度の背景・特徴・効果とわが国への適応可能性に関する調査研究
平成21年度厚生労働科学研究費補助金(労働安全衛生総合研究事業)
研究代表者:島 悟(京都文教大学教授、精神科医)
研究課題:メンタルヘルス不調者の効果的な職場復帰に関する調査研究
分担:国内外の関連法制度に関する調査研究