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銀河急便 あとがき

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銀河急便 あとがき

あとがき


 はい。これで終わりでごじゃいます。起承転結の転がまるごと抜けたような構成ですが、どうかご容赦のほどを。


 CGで漫画を描こう、と最初に考えたのがいつだったのかはよく覚えていません。絵が描けなくて漫画を描くのを断念したのはもうずいぶん昔のことなのですが、残り火はいつまでも消えやらず燻っていたのですから、たぶんCGソフトを最初に手にしたときから、最終的な目標のひとつとして無意識にでも視野のなかに入っていたのかもしれません。


 実はこの『銀河急便』以前、構想だけで実際には着手できなかった作品、着手はしたものの自分の手には余ると中断してしまった作品が、それぞれひとつずつ存在します。

 ひとつは、オープニングシーンに多量の小道具を必要としたために着手するとっかかりすらつかめない状態で凍結しました。もうひとつは、人物をタブレットで手書き、背景などを3DCGを使って作成していく、という手順を踏んでみました。はかどらなかったのは、はるか昔に断念した手書き作業の未熟さ以上に、3Dで背景や小道具をそろえていくことへの煩雑さがネックになってのことだと思います。

 手にした道具は、便利ではあってもやはり大きな壁を内包していたわけです。

 それぞれの作品は、学生時代に小説として完成させたものをベースにしました。前者はずいぶん以前、ノートに手書きで漫画化を試みたことがありますが、やはりどうにも満足がいかずに中断したまま。同じようなことをくりかえし、CGという素敵な表現手段を手に入れたいまもまたさらにくりかえそうとしたわけです。



 形にできぬまま終わらせるのもひとつの行きかたではありますが、せっかく手にできた道具を活かしきれない歯がゆさは常にありました。

 だから、少し方向を変えることにしました。手書きで絵を描くことはもとよりものにならず、CGを利用しても圧倒的に時間と能率が欠落している状態である以上、複雑なストーリーや多くの舞台を要する作品など、描きあげることは夢のまた夢。

 ならばいっそ、ワンセットドラマにして、内容も思いっきり単純にしてしまえば。

 ただしそれでは誰よりも、作成する私自身がおもしろみにかける――から、せめて自分の好きなアイドルをモデルにして主人公にしてしまえば、すこしは作業がはかどるのでは、と。


 思惑は当たりました――とはいえません。宇宙トラックを舞台に、惑星間の配送屋、という長年あたためていた構想をひっぱりだしてきたはいいものの、そのトラック自体のモデリングにずいぶんと時間がかかってしまいました。作品の性質上、ワンセットドラマとはいえ内装などもひととおりそろえなければならないし、大した量ではないとはいえさまざまな小物類なども含めるとやはりそれなりに時間がかかってしまいます。

 加えて、人物を2Dにするか3Dにするか、という問題もありました。デッサンの勉強などしたこともないから2Dには難がありますが、こちらは比較的すぐに着手できる方法ではあります。対して、3Dの人物モデリングは、これ以前にも何回かチャレンジしてきましたが、どうしても思いどおりにはいきませんでした。

 この状態でいけば、またもや中断の憂き目を見ることは明白。

 その一方で、単純さを第一条件に構想したエピソードは、さまざまな可能性を私につきつけてきます。今回の話は矢口、中澤、辻の三人だけですが、ほかのメンバーもいずれ登場してもらいたいし、そういうことを考え出すととても単純とはいえないストーリーや舞台が必要にもなってくる。


 構想ばかりが増大していくなど、世の素人創作者には珍しくもない現象でありましょう。それをいかに形にするかが、ひとつの分岐点であると思います。

 まずくても、稚拙でも、まずは完成させること。いままでの創作生活で、残念ながら私はこの域から先には進めていない状態ではありますが、こと漫画に関していえばこの地点にすらいつまでたってもたどりつけない。

 このまま朽ち果ててしまうのも業腹であります。

 そういうわけで、強引に突き進んでみたわけでごじゃいます。


 この項のいちばん最初に、ご容赦を、と口にしましたが、これもあまり本心ではないかもしれません。読み手は作者の事情などどうでもいいことだし、作者としてもこちらの事情を斟酌して評価を受けてもあまりうれしくはありませんし。


 まあ。そういうわけです。


  登場人物に矢口、中澤、辻の三人を選んだのに、あまり深い理由はありません。私の一押しは矢口なので第一に配置。もちろんひとりではお話にならないので、矢口びいきの中澤をもってきました。ふたりだけだとやはりまだ寂しいのでもうひとり。


 というわけで、『銀河急便』第一話はこれにて完結。

 もちろん上にも記したとおり、シリーズとしてこれにつづく作品の構想はすでにできあがっています。やはりできるだけ単純な話をこころがけています。といっても、内部を含めた宇宙ステーションが舞台になる予定で、ステーションといってもひとつの小都市程度の規模のものを想定していて、これをまた一からモデリングする必要があるので、つぎはいついつとは残念ながら予告できません。

 また、新たにモーニング娘。のメンバーから二人に登場していただく予定です。だれが出てくるかは――ま、隠すほどのことでもないかな。後藤と吉澤がコンビで登場します。もちろんこの二人も、いまから3D化の作業が待っているわけです。


 そういうわけで、気長にお待ちいただければ、幸いです。それではひとまず、ごきげんよう。

2002年5月23日 青木無常

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