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ボウ 貝殻型塩入れ (1750年頃)
A Bow Shell Salt Ca.1750

 

 

 ボウ初期の貝殻型の白磁の塩入れ。本体下部にもたくさんの貝殻が配されている。塩入れとしてはかなり大型であり、甘味入れだとする見方もあるようだが、海にちなんだモチーフの作品であることから、塩入れでよいのではと思う。(ウースター「W4」を参照。)なお、1868年にジョージ・ヒギンズによってボウ窯跡の初発掘が行われた際に、本品と同様の貝殻の台座の破片が発見されている。

 ボウ初期の作品には、何種類かの刻み込みのマークが見られることがある(ボウ「B18」及びボウ「B20」を参照)。本品には、台座裏面の内側に"♂"のマークが刻み込まれている。これは占星術において火星を、錬金術においては鉄を示すものである。ボウでは、他に金星(あるいは銅)や水星(あるいは水銀)のマークも用いられている。これらのマークは、窯印ではなく、職人のマークだと考えられている。(プリマスの窯印として用いられた木星あるいは錫のマークについては、プリマス「P4」を参照。)


サイズ/Sizes:高さ(Height)11cm、幅(Width)15cm
マーク:裏面に刻込みで"♂"(火星のマーク)
Mark: A "♂"(Mars) incised at the back
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参照文献/References:
- Anton Gabszewicz & Geoffrey Freeman"Bow Porcelain The Collection formed by Geoffrey Freeman" Item 42 (p.43)
- Frank Hurlbutt "Bow Porcelain" Plate 3 & pp.84-85 and Note 18 (pp.145-147)
- V&A Museum Collection: A pair of Bow dishes
  http://collections.vam.ac.uk/item/O176238/dish-bow-porcelain-factory/
  http://collections.vam.ac.uk/item/O176241/dish-bow-porcelain-factory/
 also Bernard Rackham"Catalogue of the Schreiber Collection Vol. I Porcelain" No.10 (p.11 and Plate 8)
- Llewellynn Jewitt "The Ceramic Art of Great Britain" Vol.1 pp.203-206 & Fig.413


(2017年5月掲載)