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コラム2.動かぬ証拠−製造年入りの作品

 英国で最初に磁器焼成に成功したのはどの窯か。これは英国磁器界の永遠のテーマでしょう。会社が設立されても、すぐに磁器焼成に成功したとは限りません。当時の新聞に出された売出広告、保険会社との契約書、経営者や技術者の教会などでの登録、はたまた旅行記の中の小さな記述まで総動員して研究がなされていますが、断定的なことは分かっていません。ただ一つ、動かぬ証拠とされているのは、製造年が直接書き込まれている最も古い作品です。最初に磁器焼成に成功した年の証明とはならなくても、遅くともその年には磁器製造が始まっていたことは証明できるわけです。以下で、代表的な初期窯における、最も古い製造年明記の作品をご紹介します。

磁器窯 作 品 記載年
チェルシー 山羊と蜂の水差し 1745年
ポモナ ボウル 1746年
ボウ 丸型インクポット 1750年
ボウル 1750年
貝殻の塩入れ 1750年
キティ・クリーブ像 1750年
ヘンリー・ウッドワード像 1750年
バスケットを持つ黒人女性像 1750年
ダービー 苺のクリーム差し 1750年
パグ犬の像 1750年
ブリストル 呂洞賓の像 1750年
ウースター 飾り模様付きスープ入れ 1751年

*下線部をクリックすると説明があります。

(2007年7月更新)