定番の都市開発シュミュレーションである。勝ち負けや終わりがない(財政破綻しない限り)点は以前の前バージョンのSIM CITY 2000と変わっていないが、「ゴミ(廃棄物)」や「水質汚濁」という概念を導入したり、アルコロジーが廃止されるなど、より現実的な方向へ進化している。グラフィックも本格的な3Dに進化している。(そのせいかディスクを250MByteも消費する)そんな中でも特徴的なポイントをいくつか取り上げてみよう。
地価以外に土地を評価する尺度として導入されたもの。市長の支持率との解釈もある。生活上困ること(汚染や犯罪、警察や消防の不備、嫌われる建物など)があると悪化し、望ましいもの(公園などの娯楽施設や教育機関、病院など)があると上昇する。さらに都市全体の健康や教育のレベルも評価されるようだ。地価と評価するポイントが似ているので、同じような動きを見せることが多いが、現実の都市で生活していても、人が受ける印象と投資するための価値は違うわけで、いい街を作るための指標として使いやすいものである。
ダイオキシン汚染などで最近注目されているゴミ処理だが、SIM CITYでもゴミで悩むことになった。焼却炉が作れるようになるまで、埋め立て地に野積み状態にしておくわけだが、これが周囲の地価やオーラをどん底にしてくれる。焼却炉ができたらできたで、周囲の大気汚染が甚だしい。お金を払って他の都市に引き取ってもらう手もあるが、財政上なかなか難しい。がんばってリサイクルしてみたりしたところで、ゴミはなくならない。結局自前で何とかしないといけないわけで、必要悪として邪魔にならないところでせっせと燃やすしかないのが苦しいところ。それにしても燃やしたあとの灰は何処に処分するんだろう?
ゴミと違ってこれは水処理施設の数さえそろえれば、すんなり解決してしまう。施設が高価なのが難だが、ちょっと単純すぎる。水道が届いていれば、下水も整備されたことになるあたり、もうちょっと苦労させる仕組みが必要ではないか?
以前のバージョンで鉄道(地下鉄含む)は、無限のキャパシティをもった理想的な交通機関だった。しかしながら、今回のバージョンでは鉄道が混雑すると苦情が来る。工業地帯を分けて開発したりすると住宅地帯との間に何本もの路線を敷設しないといけない。
今までのように単純ではなくなった。ある程度練習しないとなかなか思った経路では建設できない。しかもSIM CITYの場合土地の上げ下げの操作がなかなか思い通りにいかなかったりで、相当苦労してしまう。建設する前に一度保存して、色々試してからうまくいった方法を本番採用するのがお勧め。