第4回 ヨーロッパ音楽研修旅行
Vielen Dank! Unser Freund! その1
(2005年4月28日〜5月9日)
旅程表
4 / 28 〜 5 / 1 |
イムスハウゼン(4 / 29 フルダ) |
5 / 2 |
イムスハウゼン 〜 ドレスデン 〜 シルギスヴァルデ |
5 / 3 |
シルギスヴァルデ 〜 ブレスラウ |
5 / 4 |
ブレスラウ 〜 クラカウ 〜 アウシュヴィッツ 〜 ブレスラウ |
5 / 5 |
ブレスラウ 〜 ウィーン |
5 / 6 〜 5 / 9 |
ウィーン |
4/28 イムスハウゼン一日目
4月28日、参加メンバーのほぼ全員が、14:25に、フランクフルトの空港待合所にて合流し、15:00にバスで出発し、18:00頃、イムスハウゼンへ到着しました。天気は、よく晴れて暖かく、21:00頃まで薄明るかったです。イムスハウゼンは、自然に囲まれた、静かで過ごし易い土地で、アンゲリカさんをはじめ、現地スタッフの方々は、人当たりが良くて、信頼の出来る人ばかりでした。又、みんなで一緒に食べる食事は楽しくて、心を一つにして、神様にお祈りをして、あっという間に時間が過ぎてゆきました。
到着した頃から感じていた事は、ドイツ人は、まじめで親切で、地図を見ながら歩く私たちに声をかけて道を教えてくれたり、片言の英語でも一生懸命、理解してくれて、感激しました。それから、橋本先生にも大変お世話になりました。旅行は、いろんな人との出逢いがあって、気分転換になります。新参者の私も、いつのまにかメンバーの雰囲気に溶け込めて、明るく元気に過ごせました。(記録者:R.T.)
イムスハウゼンの二つの施設。
左:丘の上のタンネンホーフ(礼拝堂)と、右:アダム・フォン・トロット財団(宿舎)
小さな火
今回のスコラヨーロッパ旅行は私にとって初めてで、一生の記憶に残る事柄、場所がとても多くありましたが、そのうち最も想い出に残ったのは、最初の日のイムスハウゼンでの晩課でした。
飾りのない小さな部屋で、アンゲリカさんはじめ数人の年老いた土地の方々と小さな火を囲んで座りました。歌や祈りもありましたが、じっと火を見ながら沈黙する時間が多くを占めました。昔から、火というものは暖をとる、照明、調理に使われていましたが、そのほかに火を見てじっと沈黙していると深い自分自身の想いの中に入って行けるということがあったのではないでしょうか。今日は収穫が多くてラッキーとか、逆に何で自分にだけこんな嫌なことが起こるのだろうかとかいろいろな想いがあるでしょうが、それが次第に感謝なり、自分自身の価値観の錯覚に気付いたりと変容していくのではないかと思いました。
今、日本に帰りそのような気持ちは吹っ飛んで、世間に流されている自分に戻ってしまいましたが、この文を書きながら、私の心の奥にあの晩の小さい火があることに気がつきました。一日の作業を終えて晩課の時を持つように、自分の中の小さい火を見つめる時を持ちたいと思いました。(記録者:K.K.)
4/29 イムスハウゼン二日目
フルダに向けて
バスでべブラに向かい、そこからは汽車でフルダへ。ちょっとした修学旅行気分。べブラ駅に向かう行きのバスは何だか謎めいていた。余り車の走っていない山道を登り、村はずれでUターンする。一度だけ停まり、運転手さんが降りて村の叔父さんと立ち話しをしている。えッ、用事があってここまで来たの!我々はそれに付き合わせられた訳!その間停留場があったか確認してなかったが、乗り降りの人もいない。単なる村経由なのだったのか、帰りのバスはあの道を通らない、あれは一体何だったのだろう。
べブラ駅近くの信号に来た頃、誰かがこの信号だ!と言い出す。5年前信号が故障とも知らず、ずっと赤信号を守り、5分近くも立ち往生したのだ。
左:バス停まで歩く、右:電車でフルダへ
フラウエンベルク修道院訪問
フルダに着く頃は雨、タクシーに分乗して、ゲレオン神父がいらしたフラウエンベルク修道院へ。ゲレオン神父が喜んで我々を迎えて下さり、今回もいろいろ院内を案内して下さるような、そんな錯覚を覚えた。5年前にはゲレオン神父もバスでレストランまで行き、食事をご一緒し、そして最後お別れするは時、今度は天国で会いましょ、と言われた。皆その言葉に胸がつまったものだった。でもきっと、再会はあると信じていたのに・・・。もうお目にかかれない寂しさを感じた。「僕はここに入るんだよ。」とおっしゃっていたお墓の前に花束を手向け、「赤とんぼ」を歌った。ゲレオン神父は天国で余りに喜びすぎて、雨まで降らせてしまったのか、本当に激しい雨。びっしょり濡れながらも心を込め「赤とんぼ」を歌った。帰り道、ゲレオン神父は「かあさんの歌」が好きだったんだぁ!と言い出す人がいる。もう遅い!歌いながら修道院をあとにした。♪かあさんが夜なべをして・・・
左:ゲレオン神父のお墓、右:みんなで「赤とんぼ」を歌う
フルダの午後
その後フルダ駅に集合の時間を決め、自由行動。各人思い思いのレストランで昼食をとるが、多くの人がドイツ料理店へ。
そこで「シュパーゲルを注文したのに、他のテーブルに運ばれて、他の人がそれを食べてしまった。」という今でも話題になる10年前の被害者と実行犯が同じテーブルでシュパーゲルを食べたのが可笑しかった。(編注:シュパーゲル=ドイツ語でアスパラガス)あの時、橋本先生ご推薦のリキュールが美味しくて、ついつい飲み過ぎ、そのお陰で間違って運ばれたシュパーゲルを「いいから、食べちゃお!」と言ったのは何を隠そう、私なのだ!注文主を確認しなかったから出来た事だったのか、、。
集合時間まで市内のドームやミヒャエル教会を通り、落ち着いたフルダの町並みや美しい森林公園を散策しながら駅へ。すっかり雨はあがり、益々木々の緑が美しく、心まで洗われたフルダの一日だった。(記録者:Y.S.)
4/30 イムスハウゼン三日目
以前からあの地が如何に素晴らしい所か、機会があれば是非行きなさい、と何度も聞かされて、その気になって参加した今回のツアーでした。いざその地に着いて、自然の美しさには感動しましたが、『これからの4日間、どうなるんだろう...』という不安感でいっぱいになりました。初めてお祈りに参加して、あの沈黙の深さ、重さにぎょっとしたのが正直な感想でした。逃げ出したくなりました。
ところが一日休んで元気になった翌日からは、あの沈黙が素晴らしいものに思えてきたのです。不思議ですね~。アンゲリカさんのお話も素晴らしかった。「沈黙の中で初めて、普段目に見えない物が見え、聞こえない物が聞こえてくる。」あの祈りの中で自分自身が浄められていくような気持ちになったのです。美しい自然の中、あの沈黙と美しい歌に包まれた時と空間は、今回の旅の中で最も印象に残る、これからも決して忘れることの出来ない、私にとってのハイライトとなりました。(記録者:K.T.)
イムスハウゼンの土曜日
ドイツに着いて三日目、翌日の主日を迎えるための準備の日であり、私達も特に出掛ける予定のない自由行動の日である。朝7時半に朝食を摂り後片付けをして、9時からの朝のお祈りに間に合うように急ぐ。一日の仕事を始める前の短いお祈りなのだが、コミュニテートの人々の、それこそ関わりのある様々な方達に対する心遣いのあふれたお祈りであった。
その後、お墓参りに行くことにする。「長靴を履いていらっしゃい」と薦められるのを振り切って山を登っていったのだが、やはり、長靴はあった方が良かった。朝露でたっぷり(びっしょり)濡れたクローバーの原っぱを歩いて行った私達の足は靴はおろか、くるぶしの上まで、ズボンもろともぐしょぐしょに濡れてしまった。
墓地は礼拝堂より更に上の方にあって、コミュニテートが出来た初めの頃に礼拝を捧げていた小さなチャペルがあり、礼拝堂を見上げるように野外の集会場の跡(石積み)が残っている。そしてお墓はそれよりも少し高いところにあり、ハウスフラウのヴェラのお墓の前で「神共にいまして」を歌う。ヴェラのお墓からは「アダムの十字架が見えるところで眠りにつきたい」という彼女の遺言通り、遙かに十字架が見渡せる。初めからここで仕事をしてきた何人かの兄弟姉妹達が眠っておられる。その後、また足をびしょびしょに濡らしながら、アダムの十字架まで行く。十字架は、ゾルツの町を見守っているように静かに建っていた。ここに立っていると本当に静かな気持ちになれる。暖かい日射しの中、ホッと一休み。下に降りてしたこと。泥んこになった靴を洗い、濡れた靴下とズボンを洗って干した。
左:朝露に濡れながら歩く、右:アダム・フォン・トロットを記念する十字架
昼食は野菜と鶏のスープにソーセージ。クワルク(独特のヨーグルトのようなもの)の中にここで採れたいろいろなベリーの入ったデザート。午後はあまりのお天気に誘われて、思い思いに散歩。お八つにスザンネがケーキを焼いて下さり、3時半から皆でお茶をいただき、その後、どこかで日本の歌を披露する場合もあり得る、ということで、日本から持って来た歌集の中から何曲か練習する。
イムスハウゼンに滞在することの意味を考えた。『そこに居ること』が、即ち、意味のあることなのかなと思っている。朝起きる前から、耳元で小鳥が歌い始める。一日中啼いている。15年前も10年前も5年前もずっと変わらぬ景色の中で(尤も発電用の風車は数がだいぶ増えているが)。この先もきっと変わらない。人の心も変わらないで、神様の道具として働いていきたい、とずっと願い、その心の囁きに正直に従っていくのだと思う。そのために常に祈り続けているのだと思う。祈りが力の源になっているのだと思う。日本に帰ってきてはや一ヶ月以上も経ったが、ここで自分がこのように感じたということを思い出して、私も常に祈ることを忘れないでいきたい。 (記録者:E.A.)
5/1 イムスハウゼン四日目
主日礼拝と昼食
4:00頃 起きる気配を感じる。
5:00 白みがかり、鳥のさえずりが始まる。
7:30 朝食。食器は帰ってきてから洗うことにして、ナプキンで皿を拭くことを覚える。
8:00 歩いて行く人々が出発
8:30 迎えの車到着
9:00 鐘が鳴り、礼拝が始まる。
ペーターが礼拝堂から降りてきて、十字を切る。「今日は東方教会のイースターに当たるので、そのことを覚えて礼拝を行う。本日の献金は、教会に来られない人々の世話をしているシスターの働きのために捧げる。彼女の25周年記念会が行われる。」とアンゲリカがアナウンスする。
11:00 二階のバルコニ-でGEDENKEを歌い祈って、昼食。
二階のバルコニ-で昼食後、歓談
11:40 アンゲリカのアナウンス「3:30から下で Tea time。その後、アンゲリカとの懇談の時を持つ。」
13:00 歩いて下り、宿舎に到着。それぞれに静かな時を過ごす。時間が止まった感じ。
15:30 アンゲリカ歩いてきて、ホールでケーキ2種類、クッキー、コーヒー、茶でTea time。
17:30 数名、夕食の準備のため上へいく。
18:00 晩祷
19:00 夕食(礼拝堂の一階ロビーにて)
19:50 懇談(ロビーで円座になって)
詩篇23篇を共に唱える。
「主は羊飼い、私には何も欠けることがない。
主は私を青草の原に休ませ
憩いの水のほとりに伴い・・・」
アナウンス「明日、バスは8:00出発」と。
20:30~20:50 Komplet(終祷)
21:00 宿舎に戻り、それぞれ明日の出発に向けて準備に入る。(記録者:F.I.)
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旅の始まり、イムスハウゼンに到着!
結団夕食会
アンゲリカさんにいただいた歓迎の花束
運転手のロルフさん・・・ウィーンまで一緒に
改装されたイムスハウゼンの館
どの部屋も居心地がよさそう
フルダ
ゾルツ村の春景色
思い思いに過ごした休日
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