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ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
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2000年5月7日

その2 「ちょっといい話(2000年新入社員編)」

この日は横浜で、とある生命保険会社の顧客サービスの一環としての<新人向け、、、ビジネスマナー研修>に出かけた。

横浜の中小企業、ここ2,3年は横文字のITソフト関連の会社からの参加者が多い。全部で10社ほど、参加人数は27名。そのうち女性は10名くらい。 みんな一様に硬い表情で「何がはじまるのか」という顔で集合、朝から始まって午後には大分和んできたというものの、やはり一社での研修とは違ってメン バーの交流が少ない。お昼は同じ会社からの参加者どうしが、お弁当を食べいて「早く終わらないかなあ」と思っていたであろう、、、。

3時の休憩時間に一人のメンバー(男性、さほど目だった人でもなく)がツカツカとわたしのソバに来てこう言った。「先生、今晩あいてますか?」 わたしはきょとんとして、、、「何故?そんなことを聞くの?」と問い返した。「せっかくの機会、いろんな会社の人がきているし、、今日でまたバラバラにな るので、、懇親会をやりたいと思って。先生にも出てほしいんで、、」長い間新人研修の仕事に携わっているが、こんなにストレ―トに誘われたのは、、本当に初めてといっていい。 その場で彼はみんなに呼びかけた。でも、、、ほとんど反応はない。「それでは帰りまで考えておいてください」と彼は食い下がっていた。そして研修が終わり、、、Tさんの他4人が参加。私を含めて6人で、会場のビル の地下1Fの居酒屋に行った。

開口一番「先生、僕の力不足で人数が少なくて申し訳ありません。もっと参加してくれると思ったのに」「いいじゃない。これだけでも集まったんだから」とわたしは1時間の約束で飲み 始めた。私「でも勇気あるのね、Tさん。知らない人が多いなかであなたが言いだしっぺになったから、わたしもみなさんとお話しできるチャンスができたんだから」 そうしたら別の男性が(Sさん)「先生もしかしたら僕たちのこと勘違いしてませんか?」というではないか?私「?」S「ここにいるメンバーはみんな違う会社の奴です、Tさんが何か言い出した ので、、ちょとハラハラしたけど、、、ついてきたんです」 私「ええ!じゃあみんな初対面なの、本当!」と驚いてしまった。

確かにTさんが言い出したのでたぶん付いて来たメンバーはてっきりTさんの同僚と思いこんでいた。改めて自己紹介して5人は3つの会社から来たメンバーということが判明。 新卒・理系・みんなすっきりした印象の男性、22歳前後、、、自宅からの人もいれば、地方から来た人、最近アパートをみつけたという人もいる。そうなのか、、、。Tさんの誘いにのって何か話したい!と思ってきたらし い。その後の会話は、、、特になんということはなく、、でもわたしはちょっとほのぼのとした気分になっていた。

私「みなさん理系みたいだけど、文系・理系と選択するときって どうして選んだの?」「僕は古文が嫌いだったから。だってどうして蝶蝶のことてふてふって書 くのか、、、と思ってしまったから」「僕は本当は文系に行きたかった、、。世界史が好きでそれで受験したら大学を落ちたのでパソコンの専門学校にいったんです、それでこの会社に。でも将来 は考古学が好きなので遺跡発掘なんかしたらパソコンも必要ですから」とか、意外な返答が帰ってきた。そして1時間がたち、私はちょっぴり後ろ髪をひかれながら帰途についた。

呼びかけたTさんもノーテンキだけど憎めない。その勇気は誉めてあげたい。それに誘われてきたSさんたちの柔らかい感覚もいい。みんなマナーの先生と私を 意識してかお行儀がいい。きっとたった一人で入社して友達がいなかった人もこれで4人の友達ができたかも。「先生メールアドレスがあったら教えてください。何か会社でわからないこと がおきたらメールしてもいいですか?」「どうぞ」といって席を後にした。次の日仕事に出かける前にメールをチェック。Tさんからきっちりお礼のメール、、午前1:13に書いたものが入っていた。


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