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2006年3月21日
1.仕事の周辺から
< 1年後の喜び >
どんな仕事でも共通していること、それは やった仕事の成果・手ごたえを感じるということだろう。
丁度 1年前にある研修を実施した。それは 都内の図書館職員を対象に「職員に求められているヒューマンスキル」というテーマだった。
ごく基本的な言葉使いや電話の応対をしつこいほど 実習中心に行った。そして また1年がめぐり、さらに拡大して研修を行うことになり打ち合わせに伺ったときのこと。
「本当に お世話になりました。メンバーが 研修で学んだことを即実行してくれて、区内でも評判の応対がいい図書館ということになりましたよ。利用していただく地域の人に溶け込んで 本当に やりがいを感じています、メンバーが」と言われた。
本当に こういう声は嬉しい。
「わたしは 孤独です」
最近 こういう発言を研修の最後に聞いた、ある金融機関で、女性のリーダーとして頑張っている人から。「あのー 自分でも 先生に何を言いたいのかまとまらないのですが、すごく 孤独だなあ、、と感じています」と続けた。
「わかるような気がします。でもね。仕事をするって、多かれ少なかれ孤独ですよね。さまざまな状況の中で自分一人で判断していかなければならないとき、相談する人がすぐそばにいないと感じたときなど、特にね。―でも わたしも 日々孤独なんだんなあって、 感じることたくさんあります。それだけ、あなたが 責任ある仕事をしているってことですから。でも、こうやって 同じような立場で仕事をしている仲間が職場は違うけど大勢いるってわかったのは大きな励みですよね。ぜひ、ネットワークを大切にしてくださいね」
孤独を自覚する、そこから また一歩を踏み出してほしいと願う。
<同じプログラムでも、反応はさまざま ー無駄をそぎ落とす?>
最近は「キャリアアップ・キャリアプラン」についてのテーマの研修が多い。
もう何回実施しただろう。大体 まる1日。公開講座で開催するので、ほとんど参加者全員が異なる企業から参加、始めは緊張の面持ちでスタートする。<今 生きている時代・環境の認識>からはじまり、<キャリアプランの考え方>と進み、<自分のライフ・インベントリー>を作成してこれまでの生きてきた道を振り返る。最後に<今後のキャリアについて考える>プログラム。ほぼ 同じ進め方で実施しているつもりだが、その場のメンバーの様子をみながら 一番フィットする事例を盛り込む。だんだんと私が話をしなくなり、むしろメンバーからの自発的な発言を促す時間を多くしている。そのせいなのか?
本当に必要なこと、大切なこと、相手にとって重要なことは何か?そういう精神作業をしていくと、どんどん無駄がそぎ落とされていくような気がする。
< と・ほ・ほ >
某企業の女性の主任研修での一コマです。
「今朝 新聞を読んできた人は?」と 問いかけたのだけれど、15人中誰も手を挙げない。「ええー!? 誰もいないのですか?」思わず声を高めた私だった。
「すみから隅まででなくてもいいですが、朝 大きな見出しくらいは目を通してきてくださいね」と。
そして、この研修の最後に「質問があります」という声。「先生は 朝、新聞を読んで来いとおっしゃいましたが、朝ごはんを食べながらTVのニュースを見てくるのでは駄目ですか?新聞を読む、そんな時間ないですよ」と言う。「そうねえ、見ないよりはいいけど。じゃあ新聞はいつ読むの?」という問いかけに「夜、帰ってからTV欄を見るだけです」という答え。
えーえ!?そうなのか。でも、それってあり!! いい年をした(30歳くらい)それも、後輩・部下を指導する立場の女性が堂々と、、発言していい内容かしら!?こういう私の心のつぶやきは オカシイ デスカ。― と・ほ・ほ・
< 10年後の喜び >
コンサルタント会社をやめ、独立して仕事を始めた時に 数年間わたしの秘書業務をやってくれたSさんに再会した。研修をお手伝いしたメーカーの人事にいた女性で、結婚と同時にその会社を辞めていたが、大変シャープでしかも 気働きのできる人だったので、お願いして働いていただいた。数年、それこそ安心して内部事務を任せていたが、出産・夫の転勤で地方へ引っ越した。― そして時が流れ、お子さんも小学校の4年生になったとか、再会の時がきた。子育て・舅姑の介護を経験して ものすごく逞しくなって、こちらが圧倒されるほどの成熟した大人の女性になっていた。「10年前はお互い 若かったね、でも あの頃は本当に楽しかったわね」と話が弾んだ。「平井さんと一緒に働いたあの時期に、わたしはすごく成長したんです」と言われて、こちらの胸が熱くなった。
長く仕事をしていると、こういう<贈り物>があるのですね。
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