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ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
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2007年9月1日

2.お勧めの2冊の本−「女性の品格」と「おひとりさまの老後」

 この夏も結構本を読みました。その中でPHP新書「女性の品格」(坂東眞理子 著)と法研「おひとりさまの老後」(上野千鶴子 著)は、読みながら“納得”と思う内容がたくさんありました。実は坂東さんも上野さんも、わたしはもう20年も前から知っています。もちろん個人的な関わりがあるのではありません。坂東さんはある時期男女共同参画室の室長として、かなりマスコミにも出ていました。そんなとき、確かJR御茶ノ水のホームだったと記憶していますが、シンプルなマントのようなコートを颯爽と着こなした坂東さんとすれ違ったことがありました。一瞬「さて 誰だっけ?」と思いましたが、「そうだ、よく最近新聞で見かけている、、、」とわかり、振り返って後姿を見送りました。
 上野さんについては、わたしが社会学に興味をもっていたので新進の社会学者として注目していました。京都の平安女学院を皮切りに確実にステップアップして、今は東大の教授です。今回の本は25年ぶりに書いた学術書以外の本ということですが、相変わらずの歯切れの良い文体と潔い内容で元気づけられました。

女性の品格(P18−19)から引用 −約束をきちんと守るー

品格のある人とは、何より人から信頼される人です。信頼されるには、信頼される行動をとらねばなりません。信頼されるためにはすばらしい言葉をいうより、きちんとした行動をすこしずつ積み重ねていかねばなりません。信頼を築くためにはホームランは必要ありません。投げられたボールをこつこつとバットにあてていくだけです。具体的にいえば、約束した時間を守る。約束した仕事は約束した期限に仕上げる。出席するといった会合には必ず出席する。(中略)こうした日頃の約束を守る行動が、気がついたらあなたの信用状になり、あなたの品格を高めていくのです。

以前あるひとから「凡事徹底」という言葉をきいたことがありますが、上記の記述はまさにこのことですね。あたりまえのことをあたりまえにきちんとやる、若い学生にも抵抗なく読んでもらえそうな内容・語り口の本です。


「おひとりさまの老後」(P121−122)から引用―女同士の食卓に男は呼ばないー

 とはいえ、男といっしょに食事をするのがきらいなわけではない。男と食事をするときはさしむかいがいい。不純だろうが純粋だろうがグループ交際の異性交遊より、第3者には遠慮してもらってふたりきりがいい。そのときの相手はわたしの専属で、いっしょにいるあいだはわたしに向き合って心をくだいてくれるからだ。本当に大切な友人はたくさんはいらない。近くにいなくてもよい。(中略)自分の理解者だと思える友人がこの世のどこかにいて、いつでも手をふれば応えてくれる。そう思えるのは、どんなに幸せなことか。老いるとは、こういう友人がひとり、またひとりとこの世を去るさみしさかもしれない。 


 上記の記述だけでなく、いたるところに上野さんの贅沢な?わがままな?そして羨ましいくらいの本音が書かれています。思わずその小気味よさに共感してしまいます。

組織人としてキャリアを築いてきた坂東さんの常識人としての感覚、そして上野さんの溌剌としたジェンダーフリーの生き方・発言。この一見?かけ離れた2人の本に共鳴するものが、わたしの中には矛盾なく共存しているのです。





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