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2007年9月1日
3.不思議な、または ありふれた光景
梅雨明けの平日、ボーイフレンドのKさんと裏高尾のこけ沢を歩いた。静かな水辺の道を3Hほど歩くが、会ったのは 家族連れの1組のみ。いつもより たぶん1・5Hから2Hくらい時間がずれていたが、16:00頃 T駅の馴染みの店でビールを軽く飲んだ。そのときの光景である。
私たちはのんびりいつものたわいもない話をしていたのだが、振り向いたカウンター席には、なんと1人おきに中年男性が6人座っていて、その背中からなんともいえない“悲哀”を感じた。たぶんそれぞれの男性はなじみの店で一杯飲んで、これから家路につこうか、という風情。誰もが“一人客”、黙って 飲んでいる。
Kさんが「不思議な格好をしている人がいるよ」という。おそらく 自転車通勤?しているのか、ヘルメットをかぶってスポーツウエアーを着ている男性。丁度 帰るタイミングだったのでKさんが 声をかけた。案の定、「ええ、自転車ですから。これから すぐ家ですけどね」という、くったくのない返事。
夕暮れ時の17:00前、この店で軽く一杯やる男性は案外多いのかもしれない。サラリーマンンなのか、それとも近所の自営業の人なのか不明。大げさに言えば“孤独な男たちの背中”が 並んでいた。ちょっと話しかけたら、誰もが気さくに会話ができそうな人々、けれど 誰もが黙々とカウンターで“一人酒”を飲んで家路につく。なんとも不思議な、 そしてたぶん、ありふれた光景を垣間見た。
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