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ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
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2008年11月1日

1.“おまえはこの光景を黙ってみているのか?”
  ―ある日のわたしの日記 からー 08年9月某日

なんとなく、体がだるい。
「今日は大きな予定がない日」となると、、よけいにダラダラしてしまって、朝から意気が上がらない。朝ごはんを食べて、何気なくTVを見ていた。NHKで澤地久枝さんと聖路加病院の小児科医細谷先生の対談をやっていた。

その中で澤地さんの最近の体験が語られた。

ある病院で 待ち時間があったので食堂にいたとき、ある親子を目撃した。その若いお母さんは3・4歳くらいの子供に無理やり薬を飲ませようとしていた。誰だって、薬は嫌ですよね、コップに薬を何種類も入れてかき混ぜて飲ませようとしている、その子供は泣きじゃくって嫌がっているんですね。そのとき、、、わたしの心の中に“おまえはこの光景を黙ってみているのか?”という声がしたんですね。見てみぬふりをしていいのかーと。そこで私は立ち上がって行って、そのお母さんに言いました。“お子さんが嫌がっているでしょ? 止めてください”と。

そしたら、、、ね。

その母親から言われました。
「あなた 警察へ行きましょ!ヒトのうちに土足で入り込んで家宅侵入罪ですよ」と。
わたしはビックリして、ちゃんとお話したんですが、、、そうしたら、最後に「今回はもういいです。でもこれからあなたが同じようなことをしたら、刺されますよ」と留めの言葉を言われました。
本当に驚きでした。お母さんが“母親力”を失っている。そして、この病院の食堂で一部始終を多くの人が目撃していたのに、誰も何も言わないことーーにもね。

 

澤地久枝さんはわたしの大好きなノンフィクション作家である。最初の著書「妻たちの2・26事件」からほとんどの本を持っていて、澤地さんの硬派だけれど、熱い、人へのまなざしに尊敬の気持ちを持ち続けている。実はこの7月にも大学のOG会にお招きして話をきいたばかりだった。


心の中で“おまえはこの光景を黙ってみているのか?”という声がする。
という感覚は 時折わたしにもおとずれる。澤地さんのような社会的・政治的な場面でなくても、ふとしたささやかな日常の中で。

そう マンションの理事を要請されたときも、正にわたしの心の中にこの声が響いていたのだ。マンション自治会という身近な自分の生きている、この場で黙ってみているだけ、高みの見物だけでいいのか、と。
わたしのできることをやっていこうと心を決めたのだった。

そして、夜 一気に2年間の自治管理組合の活動を<私のマンション物語>として書いてみようと、目次を仕上げた。






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