2009年5月1日
4.時は流れない、積み重なる
20世紀の最後から21世紀にかけて、つまり1999年から2000年にかけて某研修団体のセミナーに参加した。ふと気づくと、早10年の月日が流れたことになる。約30名の企業人が集まり、数名の小グループに分かれて約半年間・月2回ほど集まって講演を聴いたり、経営者にインタビューに行ったりして課題研究に取り組んだ。確かわたしたちのグループは<企業風土の研究・元気のいい企業とは>だった。
フォーマルなセミナー期間が終わっても年に1・2度集まるーというお付き合いはしばらく続いた。先日 久しぶりにこの大きな集団・30名の中の有志メンバー9名が集った。
そこで感じたこと。− まさに時は流れない、積み重なるーという感覚だった。
10年前は大企業の部長とか本部長とかの肩書きの方々が多く、まさに会社を背負って参加しているーという堅い、気負いのある顔つきがほとんどであった。そして、今 そのときの顔と重ね合わせてみると明らかな変化がある。わたしもみんなも10歳、年取ったというのは紛れもないことだが、それぞれが“いい顔”になったような気がした。
企業の出世の階段をさらに上って役員になった人、早期退職制度を活用して自由人になった人、グループ企業に出向や転籍になって異なる仕事をしている人、そしてもちろん会社内でいくつか職場を異動して会う度に名刺が変わっている人もいた。
以前はほぼ100% 自分の会社の話・仕事の話で終始したが、この夜は違った。プライベートな話、スポーツジムで若い女性のパーソナルトレーナーについている、病気の妻を介護した、息子が携帯電話の料金未払いで裁判所が来た、とか自身だけでなく家族のことも話題になった。
なぜ、こんなに自然な会話ができるんだろうか?10年前には見られなかった“個人の顔”がより鮮明に見えた夜だった。それぞれの個人の成熟もあるだろう。と同時に 断続的ではあるが、10年という時間を共有化してきた人間同士の安心感のようなものーが、男性から“かみしも”を脱がせたのかもしれない。
<北アルプスを望むこいのぼりー 友人・渡辺 実さん 撮影>
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