2010年1月1日
1.あなたの上司は“裸の王様”になっていないか!?
秋は企業研修のシーズンである。リーマンショック以来、企業経営の厳しさは続いているが、「研修費カット」までには至らず例年どおり忙しい日々だった。
が、ふと気づくと<組織のトップが交代>したところも多かった。
立て続けに新しいトップにご挨拶したり、部下の方々から上司の人柄や仕事のやり方の変更などを聞く機会が多かった。
「明るいし、大きい声ではっきり話す。でも今までの部長と違って異色です。何が異色かというと、発言に思いつきが多く部下としては大変です。それと組織を無視して、直接一般社員を呼んで仕事の指示を出すので、中間管理職は困っています。自分の考えをクリアに言うのはいいのですが、部下の話を聞かない、会話がなりたたないのも悩みです」
「今までのトップと全くやり方が異なり、とまどっています。今までの上司はプロパーと契約社員に対して差別・区別をしないで、会議にも積極的に意見を言うよう促してくれ
企画を出しても取り上げてくれました。ところが、今度の人はプロパー社員以外とは口を聞かないんですよ。最初びっくりしました。今まで確かに契約形態は異なってもプロパーの方々を支えてきたという自負のあった契約社員はやる気を失ってきています」
部下から否定的な見方をされている上司の姿をみて、わたしはもう一人のトップの姿を思い浮かべていた。
この方は某化学メーカーの文字通りのトップ、社長である。毎年、社員研修に参加して「会社の状況・社長の方針」をお話いただく。その後、懇親会にも参加して若い社員とフランクに会話している。むしろ、社員が社長にいろいろ話している場面が多い。いつも感心しているのは、決して社員の話をさえぎらない社長の聴く姿勢である。この社長が過日懇親会の場で言った言葉が印象的だった。
「組織の上にたつものとして一番怖いのは、部下が何も言わないということなのです。部下が自分に対して何も意見をいってくれないということは本当につらいことなんですよ」
王様をつくるのは家来だ!!−という言葉が好きだ。あなたは上司を“裸の王様”にしていないだろうか? または、あなた自身が“裸の王様”になっていないだろうか?
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