2010年1月1日
2.時は流れない、積み重なるー
を感じさせた女性
11月のある日、久しぶりにその女性に再会した。年齢は40代のはじめで、相変わらずおしゃれのセンスがいい。彼女は5年前にとある銀行の人事担当者だった。
わたしはそこへ伺い、その企業におけるポジティブアクション推進のための研修を企画提案して実施した。それから5年の月日が流れて、彼女は人事から他部門へ移動して活躍している。私も彼女との出会いがきっかけでこの企業で研修を継続実施して、5年が過ぎてしまったということだ。
「今日は 私は一受講生として、先生の研修に参加しました。同じような立場で(女性の管理職)悩み、活躍している女性がこんなにいるんだということが確認できて、私にとってもすごく新鮮でした。そして私が企画提案してスタートしたこのポジティブアクション推進のための取り組みが間違いではなかった、ということがわかってすごく嬉しかったです」
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「今ですか? 新しい分野(融資・企業支援)の仕事をしているので、これからもっと専門性を高めていこうと考えています。以前より、カリカリしなくなったかなあ!? 以前は社員旅行に対しても傍観者でしたが、最近は“同じアホなら踊らにぁ損 損”という感じで、参加しています。もちろん仕事は好きだし一生懸命やっていますが、それだけが全てにはなりたくないですね。以前より、ちょっと物事を俯瞰して見られるようになったと思います」
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企業にはそれぞれ固有のカラーがある。同時に業界特有の匂い!?もあるといっていい。
金融業界はいわゆる堅い、真面目という風土があるが、組織風土もいまだ男尊女卑の傾向が根強く残っている。現実には銀行の窓口の第一線でお客様と接しているのは女性が多いのだが、「店は女性、お得意様のところ行くのは男性」という住み分けが歴然と残っている。
このような組織風土の中で彼女は自分を見失わず、キャリアを確実に築いてきた。本当に“よく頑張りましたね”と心からの拍手を贈りたい。そして「まだ大きな変化には見えないけれど、この銀行でポジティブアクション推進を実現させたあなたの功績はやがて実を結びますよ」と声を大にして言いたい。
こういう頑張る女性たちとの出会いが、何よりも嬉しい。そして楽しいし、私自身の励みにもなっている。
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