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ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
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2010年7月1日

1.上司と女性部下のありふれた?関係
               −台北の銀行にて


今になって気づいたこと、そもそもそこへ入った時間がまずかったのだ。
確か午後の3時少し前、2時50分くらいだったと記憶している。
台北の街中のとある銀行に「せっかくだから、普通の銀行で両替をしてみよう」と友人と2人で入ったのだった。
 1Fは 日本と同じようなカウンターがあり、結構お客さんで混み合っていた。ちょっと偉そうな男性がロビーに出ていて、そのお客さんたちを手際よく案内していた。見慣れぬ私たち2人を見て側に来てくれたので「両替したいのです」と告げたら、「それは2Fですよ」と案内してくれた。

そして2Fにいくと、そこは1Fとは違って静かなフロアーだった。が、結構みなさん 真剣に仕事をしていた。「あのー 両替お願いします」といってカウンターの中の女性行員に声をかけた。すると、どうだろう。とっても不愉快そうな、めんどうくさそうな顔をして「もう、時間切れです」というではないか。あっそうか、やっぱり 日本と同じねーと半分納得して帰ろうとしたとき、さっき1Fで案内してくれた男性が登場。

 「大丈夫、何とかしてあげますよ」というメッセージを顔の表情で、私に送ってきた。一緒にいた私の友人は「平井さん、ダメらしいから諦めましょう」と帰ろうとした。
「ちょっと、待って。たぶんあの人、上司だから 彼が何とかなるという表情をしたから、、やってもらえそうよ」と私。

一番綺麗でやり手?女性は、明らかに「15:00になりました。規則ですから、時間切れでだめ」と断っていた。そこで上司は、他の真面目そうなベテラン女性に声をかけて、頼み込んでいた。「日本からの観光客だから、なんとかしてあげて、、」とかなんとか、きっと言ったのだろうと推測。その女性は一生懸命、計算そしてその係りの上司のOKもとって両替をしてくれたのだった。この間、わたしはまるでお芝居を見るように一部始終を目撃していたのだった。

最初に声をかけた男性はおそらく、この銀行の支店長か次長ではないかと思われた。トップ自ら、1Fフロアでお客様を案内し、不慣れな言葉もできない観光客を2Fに誘導した。でもそこで結局、両替できなかったーでは 面目がたたない。なんとかしてあげたい。けれど 実務担当の女性行員はおかんむり、だから言うことを聞いてくれそうな他の担当女性に頼み込んだんだ、きっと。この間ずーっと、綺麗なやり手女性行員は不機嫌で私たちを無視していた。

もう、お店のシャッターもしまった銀行を出て「やれやれ」と思ったとき、さっきの男性にまた銀行の前の道でばったり会った。「ありがとうございました」と笑顔でお礼をいうと「どうも、どうも」という感じの会釈がかえってきた。

この男性も部下のマネジメントでは苦労しているんだろうな、ふとそんな気がした。
日本も台湾も全く変わらない、職場のありふれた風景が、そこにあった。

(2010年のGW 台湾での体験)


 



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