彼は高校時代から“おばけ”というあだ名がついていた
レスリングをやっていて、誰もが知っている人気者だった
大学を卒業して再会したときは＜スナックのマスター＞だった
そこは、いつも大勢人が集まる　繁盛していた店だった

ある日、そこを閉め「専門学校に入って、マッサージの店をやるらしい」という噂をきいた

そして、突然の別れの通知
数年前からガンと戦っていた、と通夜の席で知った

「父としてというより、一人の人間として心から尊敬できる存在でした」
と一人娘は語っていた

通夜は、散らばった高校時代の仲間をまるで、彼がひきよせてくれたような夜だった
それは　さながら主役のいない同窓会だった
翌日メールで送られてきた集合写真を見ると
それぞれが泣き笑いの顔をしていた

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