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ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
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2011年5月1日

4.日本の外で 見たこと、聞いたこと、体験したこと




<ソウルで>


年末に続いて、3月はじめにポカっと時間があいたのでソウルに飛んだ。今回はきっちりプランしないまま、気ままに動き回った。

(1)緊張の板門店ツアー


思い立って、<板門店・バスツアー>に参加した。ソウルから小1時間で板門店につく。あくまで38度線は休戦ラインであることが、実感できる。一発触発で、今ここで拳銃の打ち合いが起きてもおかしくはないーという緊張感があった。

が、わたしにとって最もインパクトがあったのはバスの中での脱北者とのQ&Aだった。その女性(50歳くらい)は実弟が今も北朝鮮にいるので、定期的にかなりの額を送金しているとのこと。「可能なのですか?」という質問に「はい、手数料つまり賄賂で半分以上とられますが、それでも北朝鮮にいる弟には貴重なお金です。確実に届いています」と。「脱北して 一番驚いたことは?」という問いには「まず、北朝鮮では徹底した情報操作が行われていることがわかった。今の国・支配者にとって都合の悪いことは一切 国民にしらされていないことです」ということだった。当然<拉致問題>など、一般の人は全く知らないそうだ。

そしてわたしが興味深く思ったことはこのバスツアー(定員40人)の参加者の8割が男性であること、年齢層が中高年と若手(学生らしき)にはっきり分かれていたことだった。ランチは一人参加の若い男性と一緒の席だったので話しかけてみると2人は大学2年生と大学院生。「このツアーに興味があったので、日本でネットを調べて事前予約してきました」ということだった。
見かけはごく普通の大学生、でもやはり問題意識をもった若者ももちろんいるのだーと実感した。この2人は 特に積極的に脱北者に鋭い質問をしていた。

(2)シャガールに再会できた展覧会


ソウル市立美術館のホームページより

ソウルの街中にある美術館を訪ねた。公園の中にあって「かっての裁判所の建物を活用した」というガイドブックの記述に引きずられてゆっくり坂道を登っていくと、シャガール展をやっていた。何か月か前、東京で見ていた。でも大好きな画家だったので、迷わずチケットを買った。
日本円にすると800円くらい、日本では2000円はしたはず。料金が安い、でもこの国では決して安いとは言えない金額かもしれないが。次に日本の展示と大きく異なったことがあった。絵の額縁にガラスがないことだ。ガラス越しではなくそのままむき出しで展示されているので、シャガールの筆のタッチが生なましく身近にせまってきた。
「シャガールの絵に再会できた」そんな懐かしい、嬉しい気持ちになれた。
絵を見た後の、カフェのお茶とケーキの美味しかったこと!!





<イスタンブールで>


いつか行ってみたいと思い焦がれていたトルコにやっといくことができた。
今回は10日間のパックツアーに参加、予想以上にいろんなものがぎっしり詰まった国だった。

(1)マリア信仰の強さに触れる

ヨーロッパを旅したときに感じる圧倒的なキリスト教の存在感、それと似ているようでやはり違う。現在のイスタンブールの歴史はとてつもなく古い。「そもそもトルコ人が住み着いたのは、ずーっと後、近世になってから。私たちトルコ人は遊牧民でアジア人、つまり日本のみなさまと兄弟です」と何度となくガイドさんが強調していた。



レストランの日本語が上手なウエイター


キリストが十字架にかかった後、マリアは現在のイスタンブールに戻り布教したらしい。マリアには7人の求婚者がいた。夫となったヨセフは大工ですでに子供もいた。あんまりマリアとの結婚に乗り気ではなかった。――などを物語る、なんとも人間臭い壁画が残っていた。確かにヨセフの表情は嬉しいどころか、シブシブという風に見えた。キリスト教とイスラム教が溶け合っている美しいモスク、さらに地方には大規模な地下都市も残っていて時間を超えて古代人の信仰の力に圧倒されそうだった。



イスタンブールのレストランにて
−かってここはオリエントエクスプレスに乗るお客  の待合室だったとかー



(2)ハマムにはまった!!

日本で誤解されて言葉が使われている、とトルコ人が怒ったという「トルコ風呂」をハマムという。古代ローマ時代からあったらしい。ハマムがイスタンブールのホテルにあったのだ。しかも女性の使用時間は朝7:00から午後の15:00まで。15:30から夜のゴールデンタイムは男性専用だった。これって なぜ!?



皮製品・洋服屋の売り子さん −流ちょうな日本語でお勧め上手、
わたしが来ているJKも商品ですー


地方都市のホテルにもあったが、こちらは男女混浴。もっとも男性は腰巻のようにタオルを巻いていたが、女性は水着着用だった。部屋の真ん中に大理石のあたかも巨大なまな板?のような座る?寝そべるスペースがあって、それを取り囲むように壁にそってベンチがある。そこで石鹸で泡をたてて体を洗うーという仕組み。女性専用の時間帯では誰もいない(もっとも朝 早いせいもあった)大きなまな板に寝転んで、ジワーっと心も体もあったまる至福の時を過ごした。



イスタンブールの街角 −今、チューリップが満開でしたー


それにしても、なぜ女性の時間が利用しにくい時間なのだろう?ガイドさんに聞いたところによると、トルコでは女性の働く職場はかなり限られているようだ。バザールでアクセサリーや洋服・バッグなどを売る人は全員男性、日本だったら圧倒的に女性が多い仕事なのに。ツアーの間何回も利用したレストランでもそこに働く女性を見なかった「アルコールを扱う場所では、女性は働かない。女性は公務員や学校の先生に多い」という。働く場での男女差別、ハマムの利用時間― なんだか深い関係がありそうだ。


カッパドキアの風景ー圧倒されましたー



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