2011年7月1日
2.学生はお客様、教育はサービス業である
2011年4月より、大学で新しい科目を担当している。内容はアサーション、プレゼンテーションとこれまでも教えてきたテーマではあるが、大学生対象となるとやはりそれなりに伝え方に工夫がいる。
そして 対象も3年生限定だったり、1−4年までの選択科目だったりすると、そこでも聞く側の能力・意欲・授業に臨む態度にばらつきがある。あきらかに大きな違いがある。
<真剣に自分自身にとって不足している内容だからと、貪欲に吸収しようとする者><曜日、時間帯が自分にとって都合がよかったから履修した者><ペーパーテストをしないと明言したので、単位を取るのが楽そうだから履修した者>本当にその目的はさまざまで、教室に座っている姿勢もいろいろである。
ニーズが明確で能力・意欲もあまりばらつきがない対象に教えるのがなんとラクなことか、ありがたいことかと実感する。たとえば、企業セミナーでいわゆる社会人を対象に話すとその吸収の良さ・反応の良さに内心ホットしている自分がいる。
4月中旬からスタートした前期授業もそろそろ折り返し地点をまがって ゴールが見えてきた。教員にとっても夏休みは待ち遠しい。4月5月と悪戦苦闘?した教室も、少しずつ変化がでてきた。
一番わかりやすいのは、毎授業に提出してもらう質問用紙の内容である。単に授業に関するものだけでなく「先生はどのように困難を克服してきたのですか」とか「マイナスの評価を受けて落ち込むことはないですか」など私自身に問いかける内容が多くなってくる。
そして授業の終わりになんとなく、教室を去りがたくウロウロして話しかけてくる学生がいる。「僕、この授業好きなんです」とボソっと言っていく男子学生。「就活のときのプレゼンはどういうのがいいんですか?」と訊いてくる男子学生。「来年は絶対、先生のゼミに入りたいです」と言う女子学生など。
今どきの学生はーとひとくくりでとらえると腹の立つことも多いけれど、一人ひとりの顔が浮かび肉声が聞こえてくると、それぞれの学生はまじめだし嫌な奴(!?)は実は一人もいない。
いつも胸にかみしめている言葉がある―「学生はお客様、教育とはサービス業である」と。
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