2011年11月1日
1.美しく老いることー自治体のセミナーで
最近、東京都・神奈川県・千葉県など行政主催のセミナーをお手伝いする仕事が続いた。中でも地域住民を対象としたもの、それも地域の中で生涯学習のプログラムを担当・運営する方々を対象とした研修を実施した。
こういう場に積極的に参画する方々は、平均年齢も高い。もちろん「アロマテラピー」とか「ヨガ」を教えていますーという30〜40代の女性もいたが、多くは60代の後半から70代、そして「女性だけにカラオケがうまくなる演歌指導をしています」という80代の男性にもお目にかかった。教えているテーマは多種多様「環境・自然観察について」「シルバー限定のパソコン教室」など、リタイアした後と思われる男性が自分なりに中味も考えて<講師>として、クラス運営をしているということだった。
私の話を聴いてくれる姿勢もさまざまである。ほとんどの方がにこやかに、かつ真剣な態度で聞き、熱心にメモもとり、積極的に質問もする。「はたして、私自身が70代80代になったとき、こんな素敵なお年寄りになれるかな!?」と 考えさせられた。
反面、「こうならないようにしなければ」というお年寄りにも会う。元気いっぱい、よくしゃべる。でもほとんど、自分自身の話に終始して、他者の話に耳を傾けない。「時間を独占しないで、人の話も聞く・引き出すことを意識してください。話すこと・聴くことのバランスが大切ですね」とこちらがリードしても、自分自身のコミュニケーションスタイルを振り返ることもないし、変えることができない。平たい言葉でいうなら“頑固”というべきか。こういうお年寄り(実は男性よりなぜか女性に多いのだが)を目の当たりにすると、つい苦笑いしている私がいる。
美しいーとは姿・形だけではない。その人の立居振舞もあるし、言葉の使い方や、洋服・身だしなみのセンスも関係してくる。過日のセミナーで、見かけたおそらく70代半ばと思われる男性。ジャケットは濃い茶色、インナーに鮮やかなレモンイエローのシャツを着ていた。― とっても素敵だったなあ。
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