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ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
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2012年1月1日

2.留学生との3年間 ― 2回目の卒論指導を終えて


 B大学での私のゼミは4年前2008年4月にスタートしました。ちょうど今回の論文を書いた3名が入学した年にあたります。2年生からゼミで学び3年が経過しました。偶然にも、今年の4年生は中国からの留学生3名で、私自身も中国について学生のみなさんから多くを学ぶことができました。このゼミの特徴である“New & Goods”を毎週、発表してもらうことによって、学生のみなさんの日本での生活をかいま見ることができました。時にはお互いが言葉につまり漢字で表現することで、わかり合えたこともありました。

卒論については4年生の初めから一人ひとりと話し合って、各人の問題意識や体験を整理しながら興味のあるテーマを深めていくことにしました。参考文献やネットで調べるだけでなく、各人が“自分の言葉で”文章を書くことを特に指導しました。話すことについては、まったく問題がなく日本語を駆使している3人でしたが、15000字の日本語の文章を書くことは大変な労力を要しました。何度も何度も、文章のチェックをやりパソコン上や教室で意見交換したことが今となっては懐かしい思い出になりました。

卒論の内容はそれぞれの学生の体験と問題意識の違いが表れています。Kさんは、日本に来てからコンビニ・家庭教師など多種多様なアルバイトを経験しました。それぞれの職場で一緒に働いた同僚や教えた子供・保護者にまで鋭い観察を行い、コミュニケーションの大切さを訴えています。Rさんは得意なインターネットを活用して、特に3・11以後の中国人の反応にも触れています。さらにネットオークションを通じて、日本人とのコミュニケーションの“ツボ”を会得したことも述べています。Iさんは、大学で学んだ日本人経営者のありかたに興味をもち、さらに自身の新聞配達・販売のアルバイト体験を踏まえて日本の企業経営のありかた、その中でのコミュニケーションの大切さに言及しています。三人三様の卒論には彼らの体験・時間・汗が盛り込まれていて、文章を読みながら私自身も胸が熱くなりました。

卒業後、3人はしばらく日本社会で暮らします。起業する者、大学院へ進学する者、専門職になるため修行を続ける者さまざまです。大学で学び、日本語の論文を書き上げたことは大きな自信となるでしょう。そして、今もこれからも日本と中国の懸け橋になってくれると信じています。






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