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ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
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2012年11月1日

3.NY シニアマンション訪問記 (記 大原延恵さん)


8月に友人がNYに出かけて、貴重な体験をしました。「その時の印象をレポートして!!」とお願いしました。「へぇー こういうところもNYにあるのね」というのが私の感想です。
みなさんは!?

 

2012年10月 大原延恵

この夏休み、8泊をアメリカ版養老院のゲストルームに滞在したので、そのレポートです。

<きっかけ − 母の友人が >

80歳になる母の小学校時代からの友人Kさんがニューヨーク、マンハッタンで一人暮らしをしています。「1度いらっしゃい」と数10年言われていたのですが、やっと念願かなってのニューヨーク。「今住んでいるレジデンスにゲストルームがあるからそこに泊まりなさい」というありがたいお言葉。


レジデンス入り口にて


<しくみ − アルコールはお部屋ならOK>


そこは、翻訳すると養老院かもしれませんが、シニアレジデンスといいます。The salvation Armyつまり、救世軍の経営です。入居資格:50歳以上、定員:約350名。個室ですが、ご夫婦での入居も可能。介護は、希望すればつけてもらえるようですが、認知症や病気の人は、入居できないようです。自力で1階の食堂までこられる人ばかりでした。
入居時に一定額を支払って、あとは、月々払う仕組みです。希望すれば、3食つきます。Kさんは、朝食はなしで、昼食、夕食の2回を申し込んでいるそうです。掃除は週に1回、シーツやタオルの交換もしてもらえます。共有の洗濯機があるので、自分の洗濯もできます。簡単なキッチンは、各部屋にあり、電気、水道代などが込みの料金だそうです。
元ホテルだったところを、救世軍に寄付した人がいるらしく、作りは、完全にホテルです。
禁止事項:食堂へのアルコールの持ち込み(宗教上の理由だそうですが、部屋で飲んでもOKのようです・・えーっと、飲みました)。


部屋のベッド



<場所は、 設備は、>


場所は、マンハッタンのアッパーウェストサイドで、ハドソン川とセントラルパークに挟まれています。Kさんの部屋は、ハドソン川が見える側で、夕日が美しい。地下鉄駅のすぐそばで、バス停も近くて、どちらも頻繁に走っています。屋上からも部屋からも眺めがすばらしいです。部屋は入居時のタイミングで決まるそうなので、Kさんは、「大当たりだった」と喜んでいました。


窓から見えるハドソン川の夕暮れ



警備員さんが入り口で24時間体制、受付にも人が常にいます。図書館、パソコンルーム、教会もあって、ある夜は、慰問の人が歌を歌ってくれました。屋上は、眺望が良い上に、冷暖房付きのサンルーフがあり、花があふれています。Kさん情報では、「花咲か婆さん」がいて、どんな植物も元気にしてしまうそうです。本を持って屋上にあがって、のんびり読んでいる人がいました。Kさんもよく読書に屋上に行くそうです。


図書室


屋上からの景色



<食堂は交流の場>


食堂は、食事の場であると同時に、交流の場でもあります。大学などの学食方式で、メインメニューは、カウンターで注文し、サイドメニューは、好きなものをチョイスして、自分でトレイに取ります。塩分、カロリーなど計算されているようで、野菜や果物もたっぷりありました。デザートのアイスクリームは人気のようです。豆乳やヨーグルト、玄米パンのようなヘルシーメニューは必ずあります。トレイに自分の食事をのせて、好きな席に移動。顔見知りの人びとと同じテーブルでおしゃべりしながら、楽しく食事をしています。kさんの友人達が「親戚の人?」「困ったことがあったら私に言ってね」などと声をかけてくれて、初日のランチに食堂デビューを果たしました。


夕食・フィッシュにソース


夜の食堂の様子



<さまざまな人々とー>


入居者の友人、家族などは、ビジターとして、部屋を借りて滞在することができますが、ビジターの1泊3食は、1部屋2名分で約100ドルでした。チップなどの心配もなく、安心、安全、便利で助かりました。
若い人が食堂にいると、ビジターです。ただ、あまり入居者と交流がないみたいでした。私など、一人でフラフラしていて、英語が不自由なだけでなく、トースターやコーヒーサーバーの使い方がわからないから、相当交流してしまいました。Kさんは、「ぜひ、お話してあげて。みんな刺激がないから、もうあなたたちの滞在は、350人が知ってるわ」とのこと。エレベーターで会ったおじいちゃんにKさんから、「日本から来た友人なの」って紹介してもらったら「I Know」って言われちゃいました。Kさん、チャーミングで他人のめんどうをよく見る人だから、レジデンスではかなりの人気者みたいでした。

とにかくみなさん、お時間あるので、親切です。うろうろしていると、声をかけてくれます。パンの焼き方やら、ジュースが置いてある場所やら、色々めんどうをみてくれます。おじいちゃんには、「 I Like You」と声をかけてもらえます。ゆっくり、簡単な英語ではっきり発音しつつしゃべってくれるから、ありがたいことでした。
食堂にやってくるときは、おしゃれしていて、日本のそういう施設とは色が違う!ターコイズブルーや淡いピンクは、肌の白い人のための衣服の色だったのだとあらためて認識。



大原さんのお母さんとkさん。80歳同士ですが、楽しそう


<なぜか?ほとんどが白人>


場所は便利だし、人気物件かと思ったら、なぜか日本人は、Kさんひとりだけ。中国系1人、日系(日本語が話せない&強制収容所にいたという経歴)の人、黒人も数名だそうです。定員350名のところ、340名くらいが白人ということらしいです。

「美術館めぐり」をして、「メモリアル9.11」を訪ねたことを伝えると「Good!」と、レジデンスのみなさんが、満足そうにしてくれました。ニューヨークを愛している人びとの中で、暮らしているみたいに滞在できたのは、ツアー観光とは、きっと一味違ったのではないかと思い返しています。

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<大原さんからの 追加情報 です>

「なぜ日本人がいないのか?」は、kさんに質問してみました。回答は
・ 日本に帰る人が多い → マンハッタンで一生を終えるということが一般的でない様子
・ 「救世軍」の施設であることに抵抗がある → 宗教のことが、よくわからないのかも
・ もう少し高くて不便なところには、日本人がいるそうです。
なので、高額だからということではなさそうです。

kさんですが、「死んだ後は、火葬にして欲しい」という手続がやっと終わったとおっしゃっていました。アメリカで火葬といえば、もう、なんにもなくなるくらいの火加減だそうです。
未婚、子どももいないので、甥、姪が近い親族とのこと、やっぱり迷惑をかけたくないという気持ちのようです。


kさんがお勧めスポット、スタテン島に向かうフェリーからの風景




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