2013年9月1日
5.ノンフィクションが好き(わたしの読書傾向)
この夏は手当りしだいに、“読みたい本”を読んだ。それを次にあげる。
なんと こうしてあげてみると、小説といえるのは「誰か」1冊のみだ。
そして、圧倒的に多いのが沢木耕太郎のもの。昔からこの人の作品は好きで、おそらくほとんどの著作を読んでいる。彼は「澤地久枝の影響を受けて、ノンフィクションの道を選んだ」とどこかで語っていた。もともと澤地久枝の作品(「2・26事件の妻たち」など)も20−30代の頃は大好きだった。それがいつの頃からかその生真面目さに少々疲れて 遠のいていた。
そしてまた最近、沢木耕太郎のもの、さらにカンサンジュンの作品にも心が惹かれている。もちろん、2人の作風は全く異なっているが、ノンフィクションという視点では共通している。「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、物語より現実の世界のほうが、あるいはそれを描写しているもののほうが圧倒的に私の心をとらえて離さない。
特に「キャパの十字架」は著者と共に事実を究明しようとスペインを旅しているような気分に陥った。「旅の窓」も彼の透徹したまなざしの文章と写真が詰まっていて、あたかもおいしいコーヒーを飲むように、何度も何度も読み返し味わっている。
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崩れ落ちる兵士 ロバート・キャパ |
− これはキャパを一躍有名にした「ライフ誌」に掲載された写真である。しかし、これが 戦場で撮られたものなのか?さらに 本当にキャパ自身が撮ったものなのか? その疑問解明に沢木は迫っている −
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