平井ゆき子事務所


トップページ

プロフィール

現在の活動

ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー


トップページのバックナンバー


メール mailはこちらまで
yukikoh@gol.com

Copyright (C) 2006
Hirai Yukiko. All Rights Reserved.

ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
green_line
2014年10月1日

2.2014年― インパクトのあった!?― 人 そして言葉


1) 明るくおば様は言い放った ― 「わたし、乳がんの手術をしたの」


たぶん、このおば様は年齢でいうと80歳に手が届くほど。いつも元気で、大きな声でプールの中でも、更衣室でも声が響く。しばらく見かけないなあーと思っていた矢先、プールで一緒になった。
  エクササイズが終わって、最後のリラックスタイムだった。わたしは浮き輪につかまって、のんびり流水(文字通り、一定の強さでなれる水流マシン)にあたっていた時だった。

「あなたには、まだ話してなかったから言うわね。わたし乳がんだったのよ。80近いおばあさんだってなる人はなるのよ。あなた検診ちゃんと、受けてる?乳がんだって軽くみたらだめよ。ちゃんとマンモグラフも必要よ」本当に真剣な顔で、わざわざ、わたしの耳元で話してくれた。すかさず「はい、検診は受けています、私」と大きな声で返事したら「あっそう、それならいいわ」とあっさり引き返して行ってしまった。こちらがあっけにとられた一幕だった。

 まったくの悪気のない女性、本音で自分の体験を通じて喚起を促したのだと思う。しかし、それにしても なんと!!唐突なーというのが わたしの感想である。
自分の乳がん体験をこんなにもあっけらかんと誰かれかまわず(私にはそう感じられた)話した人を私は知らない。
  どうしても言わずにはいられなかったーというのが彼女の気持ちなのだろう。それにしても、、というのが、わたしの本音。




2) 真面目な女子学生の口から―「ジャニーズを 応援しています、私!!」


 人には、きいてみないとわからないことがある。当たり前のことだが、その内容が思いがけない事柄だとますます興味がわいてくる。
大学前期最後の授業で、ある女子学生が「試験に気合をいれて臨むために、タッキーの“義経”のDVDを見ています」と発言した。それもクラスの中で真面目な一見固い印象の学生だった。すかさず私は「そのDVD貸してくれない?わたしも見たいから」と頼んだ。


そのDVDを彼女に返す時、お礼のランチを一緒にした。その時の会話である。

「“タッキー&翼”は、先生もご存知ですよね。わたし中学の時から(というのはかれこれ10年前から)ジャニーズが好きで応援しています。結構 公演を見に行くのもお金がかかるので、そのためにアルバイトをしています。自分の好きなもののためのアルバイトだから、頑張れるんですね。
  もちろん、有名になってマスコミに騒がれて売れていくのは嬉しいのですが、実は彼らはほんの一握りです。歌もうまい、ダンスも上手。でもチャンスに恵まれず売れない若者もたくさんいます。後輩のバックダンスをずーっとやり続けている人だっているんです。そういう下積みを経ていま脚光をあびている翼君やタッキーは、本当に私にとってリスペクトの対象です。これからも、ずーっとジャニーズを応援していきます。」

熱く語る彼女の笑顔は本当にチャーミング。彼女の熱さがビンビン伝わってくる。こんな風に夢中になれるものをもっているなんていいなあ、と羨ましくなった。




3) 留学生との会話― 「カ・タ・ジ・ケ・ナ・イ」


この夏、中国から来た女子留学生2人を東京大学の本郷キャンパスに案内した。2時間ほど、案内してランチを食べたときのこと。「ここはご馳走するから遠慮しないでね」と私が言ったら「カ タ ジ ケ ナ イ」と大きな声で返ってきた。
「??」 「その言葉、誰からおそわったの?男性?」と訊いたら「いいえ、女性からです」と言うではないか。これにはびっくり仰天。
おそらく、ユーモアで教えたのだと推測できるが、教わったほうは<今 現在も日本人が使っている日常語>と思ったらしい。「実は それはね、、、、」と 丁寧に使い方―使うべき場所と相手を説明した 。





4) あるキャリアウーマンの言葉― 「この働き方を上司は認めてくれました」


パックツアーの海外旅行をしたときに、素敵な女性とご一緒できた。年齢は40歳前? 一目見たときから“自立した女性”という印象を受けた。9日間の旅の中で、少しずつ親しくなり言葉を交わすようになって、その人が理系で、環境分析の仕事に携わっていることがわかった。

「わたしは朝のラッシュアワーが嫌いで7:30には職場に行って、仕事を始めています。なぜって、一番 頭も冴えているし、電話もかかってこないし仕事の能率が上がるからです。そのために、毎日5時前に起きて、6時には家を出ます。今みたいに1週間も職場に行かないと朝、お湯を沸かす人がいないから、“あー、Kさんは海外旅行ですね”と職場のみなさんにバレちゃうんです。はい、もちろん朝ちゃんと仕事をするから夜の残業なんてしません。5時になったら、さっさと片付けて“お先に失礼します”と帰ります、私」

わたしは 一番訊きたいことをズバリ質問した。
「あのー それって残業になるの?毎朝1・5H 早く行って仕事をしているわけでしょう!?」
「はい、おかげさまで上司がちゃんと認めてくれています。残業として、きちんと申請しています」という見事な返事だった。
おそらく、朝7:30出勤は 彼女の意思で始めた行動に違いない。最初から残業として認めるーということがあったとは思えない。が、彼女の仕事ぶり・実績そして何よりも人柄が上司も周囲をも認めさせてしまったのではなかろうか。



子育て中の女性に対してもっとフレックスタイムをーとか、自宅勤務を認めようとか、最近ではそれなりの企業の柔軟な動きがマスコミで報道される。
しかし、このKさんはすでに自分にとっての働き方そして結果もきちんと出る働き方を実践して、それを周囲に認めさせたのだ。もちろん、それは簡単な道のりではなかったはず。それをサラリと言ってのける女性が存在しているー それだけで、とても嬉しいKさんとの出会いだった。




5)「そんなことを言ってもいいの?」と こちらが心配になったガイドさんの言葉


今年もアジアを旅した。そこで2人のガイドさんに出会った。一人は香港で、もう一人は中国のハワイと言われている海南島でお世話になった。どうやらお二人とも日本に留学したことがあるそうで、流暢な日本語を話した。そして、まさに異口同音に次のような言葉を発したのには、聴いている私がドキドキしてしまった。

「私は中国人が嫌いです。はっきり言ってマナーが悪い。車や部屋の中を汚す、ウルサイしガサツですよ。香港の街ではトランクを引っ張ってる人が多いでしょ?あれは、ほとんど赤ちゃんのミルクや洗剤を買い占めて帰るんですよ、中国人は自分の国の製品を信用していないんです」
「私の父は共産党員でした。でもその父は共産党からとてもいじめられました。だから、私は共産党員にはなりません。自分の子供にも絶対、共産党員になっちゃダメと言っていますよ」

マイクでこんなことを声高に話しても大丈夫!?と実は私自身が心配になるほどだった。時代が変わり、香港も台湾も中国になってしまったけれど、そこに生きる彼らは“香港人であること”“台湾人であること”に強烈な誇りをもっていることをまた目の当たりにした出来事だった。日本にいる留学生と接すると、この感覚(台湾からの留学生は“自分は中国人”とは決して思っていない)は以前からあったが、実際、今中国にいる(香港であれ、海南島であれ)人から直接、聴いた言葉だけに、よけいショックだった。

見方を変えれば、それだけ“中国”が開かれた国になってきたということなのか?複雑な思いだった。






<< メニューへ戻る