2016年11月1日
2.仕事の現場でー 肩をもませる上司、肩をもんでくれる上司
時代の変化とともに、職場の様子も大きな変化を見せている。いちばん 具体的な変化はーフロアに人がたくさんいるのに、静かだということ。電話もあまりかかってこない。各人がデスクでPCの画面とニラメッコしている。さらに 女性社員の仕事からお茶くみが消滅したこと。職場の片隅にコーヒーメーカーがあって各自が自由に飲んでいるか、自分でマイボトルを持参している。
過日、ある企業の研修でこんな発言が出た。2年目の若手男性社員から。
「あのー ちょっと困ったことがあるんです。それは僕の上司が時々“おい、肩もんでくれ”といって、僕に声をかけるんです」
「えーえっ!!」とそれをきいた他のメンバーの発言。そして質問攻めに。
「週に何回くらい?」―「3回くらいかな」
「1回どれくらい?」―「時間ですか? たいてい15分くらいですが。でも、長いときにはこ1時間も、、、」
「あのー 僕だけですか?こんなことさせられてるのは?やっぱり!!もしかしたら、他にも同じような人がいるのかな?と思ったんですが」
本人の嫌がることを強要しているなら、明らかにこれはパワハラになる。たぶん、そんなことは全く予想もしないで、この上司は気軽に!?頼んでいるのだろう。そして、頼まれた!?部下は、おかしい!?と思いながらも、、、やっている、という構図が見えてくる。
嫌なことははっきりと断ることーと 研修では話したが、さて この2年目社員はどうしたのだろうか?
この話を女友達にしたら、反対のエピソードを話してくれた。
「実はもう20年くらい前になりますが、わたしがまだ20代だった頃、上司に肩をもむのがとっても上手な人がいたんです。その上司は 時々、部下の肩をもむんですよ、すごく気持ちがいいので、“もっと強くやってください”なんてリクエストしたりしました。もちろん 特定の人に対してやるというのではなく 部下に平等!!にやってましたが。今、思うとななんだか おかしな話ですね。セクハラとか パワハラとか、、全く そういう感覚はありませんでしたから」
そして、私自身も思い出したことがある。
そういえば、一緒に働いていた上司に<肩をもむのが好きな人がいたなあ>と。仕事をしていると、突然、そばに来て「平井さん、肩こっているねえ」といきなり、肩もみを始めるのだ。「結構です」と断っても、、「いいからいいから」と本人は好意のつもりで意に介さない。短時間だったけど、率直にいって すっごく、不快だった。
肩をもませる上司がいる。そして かっては肩をもんでくれる!?上司もいたのだ。
職場というのは摩訶不思議、、、な世界。そこで どう対処していくのか、常に私たち自身が問われている世界である。
<追記>
ここ最近、ショッキングな事件が新聞・TVで話題になりました。−日本のトップ広告代理店の親入社員が過労死で自殺したーというものです。タイからの留学生のWさんとこの件が話題になりました。彼曰く「どうして、月100時間もの残業をしてしまったんですか? 僕なら 絶対断ります。タイ人はこんな働き方をしません」
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