2019年3月1日
5.「紹介します!! 私の友人」コーナー
<紹介します!! 私の友人> その1 矢田早苗さん
今回から、わたしの友人でぜひみなさんへ紹介したいな、という人を取り上げます。その1回目はこのHPにずーっと係わってくれているWEBデザイナー(私にとっては)の早苗さん(48歳)です。見かけはキャシャな印象なのですが、その実とても骨太な人生を送ってきました。彼女の生き方から私自身が教わること、励まされることも多い若い友人です。
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こんにちは。
平井さんのホームページ更新をサポートしている矢田早苗です。
いつも平井さんから、みなさんからの嬉しい反響をお聞きして小躍りしています。ありがとうございます!
平井さんとは2003年の改訂からのお付き合いで、もう16年になります。
毎回誰よりも早くホームページの原稿を読めるのは、ホント役得だなーと思っています。
今回、平井さんが「早苗さん、好きなように書いていいわよ」と言ってくれたので、思う存分、私について書いてみたいと思います。
●自己紹介
まずは簡単に自己紹介です。
東京都台東区生まれ、埼玉育ち。
本業はアサーションの講師です。
講師歴は15年。平井さんとは、このアサーションを通じて出会いました。
現在はフリーで活動しており、講師業の他に、アトピーの人と不妊治療中のカップルをサポートする活動をしています。
アトピーも不妊治療も私自身が経験し、自分も苦労したし、周りの苦労も感じました。
背景には、社会から刷り込まれたステレオタイプに苦しみ「ありのままの自分を良いと思えない」という共通した社会問題があります。
そこを変えていきたい、ひとりでも多くの人に「どんな自分でも、自分には価値がある」と思ってもらいたい、その一心で活動しています!
●「底付きは人生からの問いかけ」
ふり返ってみれば、私自身、底付き体験をしたときに人生が大きく変わっていきました。
家族の依存症が発覚したとき、アトピーが重症化したとき、不妊治療をがんばっても子どもを授かれなかったとき、いつも人生からのマジの問いかけが飛んできました。
「で、あなたはどうするの?」
これからどう生きていくのか問われ、のたうち回りながらそれに応えてきた人生でした。
その「のたうち回ったこと」が強烈な原体験となり、いまのアトピーと不妊治療の活動につながっています。
●アトピーとともに歩んだ人生
私は生まれたときからのアトピーで、33歳になるまでずっとステロイドを塗り続けていました。家庭環境も複雑で、家族が依存症になってしまったり一家が離散したりして、アトピーが良くなったり悪くなったりを繰り返していました。
30歳を過ぎたころ、パニック障害になり8年間働いていた会社を辞めました。
そしてアトピーも爆発するようにひどくなりました。いわゆる重度のアトピーです。
ある夏の暑い日、地下鉄東西線に乗ったら急激なクーラーと自分の汗で猛烈にかゆくなりました。落ち着こうと思い座席に座ったら、となりの中年の女性が私の顔を見てぎょっとし、汚いものから離れるように慌てて席を移動しました。
向かいの窓ガラスに映る肌がぼろぼろの自分をみたら涙がぽろりぽろりと流れてきました。自分の体をまったくいいと思えず、憎んでいました。思えば子どもの頃から、自分のことをずっと「汚い」と思って生きてきたのです。
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脱ステロイド療法と食事療法に取り組んでいた頃の写真 |
●体との和解
そんな私にあるとき転機が訪れました。
何の気なしに自分のひどい肌をみていたら、ふとこんなことを思いました。
自分の体なのに、私からこんなに嫌われてかわいそう
いちばん近くにいる私からこんなに嫌われている体はどんな気持ちだろう
そう思ったら涙がとまりませんでした。私もかわいそうだけど、体もかわいそうだよな、誰も味方がいないなんて孤独だろうな、と。
このときからです。これも自分なんだ、と少しずつですが受け入れられるようになっていきました。
●根本的に生活を変える
同時にそのころ思ったのが、治療法に関する疑問です。
30年以上ステロイドを塗り続けたけど、治ってない
そんな薬に自分はこれからもたより続けるのだろうか
文章にして書くとたった2行ですが、私にとっては衝撃でした。
ここから大きく治療法を転換。33年間使ってきたステロイドをやめました。(アトピー界隈では「脱ステ」と言います)
体質改善に関する本を読み漁り、いいと思うものは実践してみました。
食事療法、冷え取り、半身浴・・・、試行錯誤しながらライフスタイルをどんどん変えていきました。大好きだった甘いもの全般、ファーストフード、外食をやめました。
こう書くと超ストイックで意志が強い人のように思うかもしれませんが、そんなことありません(笑)。
もうそれこそ何度も失敗して、痛い目にも何度もあって、食生活を変えていきました。「チョコレートを食べると30分後に猛烈にかゆくなる」とか、「外食はそのとき美味しいような気がするけど、肌が悪化して2週間はダメージが続く」とか、いわば壮大な人体実験みたいなものです。これでわかったことは、私は相当痛い目にあわないと行動を変えられないということです(笑)
途中からは「脱保湿」という考え方を知り、肌に保湿剤を塗ることも一切やめました。食事療法も脱ステも効果がありましたが、脱保湿の効果は大きかったです。
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今では赤みも消えて健康な肌になりました |
●ステロイドに戻らなかった理由
激しいリバウンドを何回も経験し、それでもステロイドに戻らなかったのは、ほかでもない「自分」がこの治療法を選択しているという誇りがあったからです。
いままでは、言われるままに連れて行かれた皮膚科、出されるままに受け取っていた薬、自分の体のことなのにどこか他人に主導権を預けてしまったような、そんな感覚がありました。そして自分の体を「モノ」のように扱い、自分から切り離して考えていました。
しかし、治療法を変えたことによって、自分の心と体が統合されました。そして、「自分の人生を自分でかじ取りしている」、そんな思いが私の心を支えてくれました。
●かゆみと決別
無我夢中で取り組んでいるうちに、「あれ、なんだか今日は気分がいいな」と思う日がちらほら出てくるようになりました。
はじめは単に気分の問題だと思っていました。しかし、よくよく考えてみたら朝から一度も「かゆくない」のです。
本当に衝撃でした。
そして今までは一瞬も「かゆくないとき」がなかったんだと気づき、愕然としました。
そういうこともあって、私は「アトピーの人はいい人だ」と思うのです。そのことについてツイートしたら沢山の人が賛同してくれました。↓
●現在の活動
アトピーの人は自分に自信が持てない人が多いです。
その状況を変えたい一心で、2016年に「アトピーきほん帖」というブログを立ち上げました。そこで私の脱ステの経験や、具体的にどのように食事を変えてきたかなど、アトピーさんに役立つ情報を発信しています。
「アトピーの人はいい人だ」をスローガンにYouTube(さな吉チャンネル)、ツイッターもやっています。ときどきフォロワーさんとお茶会したり、ピクニックしたりしています。
今は私が「アトピーだったんですよ」と言っても誰も信じてくれません。
だから平井さんは私の最悪の時を知る貴重な存在です(笑)
いかがでしたか?アトピーとの壮絶な戦いを克服した早苗さんは、とても爽やかな素敵な笑顔の女性です。次回のHP(5月改定版)では <パート2>として妊活についても紹介していただきます。(平井 ゆき子)
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