2019年7月1日
1.相性ということ ― 病院での出会い
<相性がいい>とは?
一体 相性がいいーということはどういうことをいうのだろうか?
コンサルタントの仕事をしているとき、研修の場面でやまほど 次のような発言を聞かされた。
「上司とうまくいかない」「部下が話しをきいてくれない」「同僚の協力が得られない」「めんどうなクレーマー客が多い」など など。
私の回答はこうだ。特に研修をキチンと実施する企業はいわば大企業が多い。そこで「そうねえ、相性のいい人、わかりあえる人とばかりで仕事ができるのは最高ですね。
でも、現実はそうはいきません。わたしは 難しい相手、特に上司の場合はずーっとその人と一緒ということもありませんから、あまりムキにならない、適当に、、つきあうということも必要だと思いますよ。」と。
と言いつつ、あまり人事異動がない規模の会社で働いている人は、本当に大変だなあと思う。現に、私自身も20代の時 上司と衝突して会社を辞めた経験がある。日本有数の大企業だったが、もう“我慢ができない”と こちらが切れてしまったのである。今、思うと本当にやりにくい生意気な部下だったと思う、私は。(苦笑)
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<相性のいい病院>
さて、本題に戻って「かかわる人と相性がいい」と感じられるのは幸せなことだ。
実はわたしは2015年以来、ご近所の日医大付属病院にお世話になっているのだが、誠にこの病院とは相性がいいのだ。具体的には のべ何10回と通院しているのだ、不愉快な思いをしたことが一度もない。
一度だけ、採血の時 わたしの血管が細いため「1度で済むならまとめて検査してください。何度も採血されるのは苦痛です」と訴えたことがあった。これは診療科が複数にまたがったため、ドクターがそれぞれ診察日に採血のオーダーを入れた結果だった。意を決して、ドクターに訴えて、ナントカ 採血の回数を減らしてもらった。これも、話すときはものすごい勇気が必要だったが、<話したら、あっさり了解>していただきこちらの力が抜けてしまった記憶がある。
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ドクター、薬剤師、看護師、検査技師、事務職スタッフ。本当にそれぞれが、一生懸命 ご自身の役割を担当していることがこちらに伝わってくる。
特に患者は体だけでなく、患者という立場そのものですでに 病院内では弱者の顔になる。
ヨワヨワしく、どちらかというと不機嫌な顔をしている。わたしは 基本いつも一人で行くのだが、「この人は患者本人か? 付き添いの方なのか?」たいてい わかる。そして、なぜか 女性は一人で来る(付き添いなし)が、男性はしっかり者の奥さん(または娘さん)という風情の女性と一緒が多いような気がする。
単純に男女差ということはできないが、男性のほうが“病気に対して弱い”のではないか。
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<また会えるかもしれない!?>
ある日のこと。
半年ぶりにCTをとり検査結果をきいた。30歳くらいの若い、ざっくばらんな男性のドクターである。
「平井さん、問題ないですね。次も、また半年後かな?」と言う。最後に、かって私の主治医だったY先生のことをお尋ねしてみた。
「ああ、Y先生ね。2年間の留学から帰って、此方に戻りましたよ。会いたいですか?」と訊かれた。
「ええ、お会いしたいですね」
「すごく?」
「ええ、すごく、、、」
「ああ そう、じゃあ 平井さん次回はY先生に会えるようにしてあげますよ。戻しましょう」とあっさり、言うではないか。
一瞬、わたしはその判断と軽やかな言葉に、ポカンとしてしまった。
相性がいいいといえば、もちろん 最初のY先生(女性)とも、わたしは非常に良かった、と思っている。と同時に 最近担当になったこの若いHドクターも、短い言葉で会話が成立し、かつこちらの意図・思いを即座にくみ取ってくれ、対応してくれる。これも正に相性がいいということに他ならない。
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相性がいいーとは 魔訶不思議な表現である。わたしは 目の前の相手から最高のパフォーマンスを引き出すために、こちらも誠実に率直に希望・思いを伝えることを心がけている。そのわたしのスタイルがすーっと通じる相手が、私にとって“相性がいい人”といえる。
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