2019年11月1日
1.サルと猿回し
<衝撃を受けた上司の言葉>
「あなたねえ、僕たちはサルなんだよ。猿だけでは踊れない、踊るためには優秀な猿回しが必要なんだ」
これまでの人生で、数えきれない人のお世話になり支えられてきました。冒頭の言葉は、仕事をする上での<わたしのベース>となりました。アドバイスしてくれたのは、コンサルタント業界の大先輩であり、当時の組織上の上司でもありました。
コンサルタント、もっと平たく言えば<研修講師>といっていいでしょう。私はメーカーの人事を経て、25歳の時 当時 ベンチャー企業だったコンサルタント会社に転職。40歳を目前にしたとき、独立をしました。独立と言ってもまだまだ駆け出しで いくつかの研修ビジネスをしている代理店と契約をしてスタートしました。
この時の日本マンパワーという会社の上司だったTさんから、キッパリと「僕たちはサルに過ぎない」と言われて、それこそ 目からうろこでした。
―どんなに優秀で、いい内容の研修ができたとしても、それを売ってくれる人(営業マン)がいなくては、仕事は成り立たない。研修の内容・質を高めることはあたり前。むしろ それ以上に、あなたを売ってくれる営業マン・仕事を依頼してくれる人事担当者を捕まえなさい。そうだね、あなたのファンになって、あなたを売り込んでくれる営業マンが3人いたら、この業界で食っていけるー
と、誠にわかりやすく熱をこめて語ってくれたのです。
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− 10月のある日、セミナー後の懇親会にてー |
<そして、今も、、、>
大学教員の仕事を定年になり、私の人生もぼちぼち、次のステージへとシフトしています。
一番、時間を使っているのが<かっぽれ・ゆきんこ一座 ボランテア>です。このHPにも活動の状況を載せています。おかげさまで、これまで一座として病院・施設・集まりなどに出向いたのは のべ100回を超えました。特に2019年は毎月コンスタントに2−3回のオファがあって、嬉しい悲鳴をあげています。
ここで わたしが強く意識しているのは、“私自身が積極的な猿回しになる”ことです。かっぽれを踊りたい・落語を披露したい・南京玉すだれをやりたい・語りをやりたいー こういう「やりたい」「できる」人は、実のところ 周辺を見渡してみるとかなり存在しています。しかし、そういう発表の場を見つけてくる、探す、働きかけるー ことは なかなか難しいのです。
私がやったこと、まず口コミで「どこでも 出掛けますからやらせてくれませんか?」と会う人ごとに頼み込みました。友人・知人の御家族が入っている施設を紹介してもらいました。地域の社会福祉協議会へ出かけていって「こういう活動をやっています」とPR紙に掲載を依頼しました。などなど。
そして、特に大切にしていること。一度伺った施設などとのご縁をつなげる働きかけを怠らないこと、です。今では 直接メールで 依頼をうけることも多いのですが、できるだけ初めてのところは事前に出向いて打ち合わせをします。また ボランテアで伺った後は、必ずお礼のメールをいれて、今後への継続をお願いしています。
我ながら、「現役時代に、これ位の熱意があったら、もっと仕事もうまくいったかも!?」などど、自問自答しているのです。(笑)
人はそれぞれのキャラクター、パーソナリテーがあります。私自身が現役時代は「私は、猿回しよりサル」と自覚していました。しかし、もしかして 案外猿回しとしての能力もあるかもしれない!?と最近は思えるようになりました。
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