2020年1月1日
3.友との会話 − “ 自分の変化に気づくこと ”
1)あなたはどっち!?
あなたは 自分が一旦決めたことを守る方ですか? それともあまりとらわれないほうでしょうか?もちろん、事柄によりますね。そして、年齢にもよるのかなあ?と最近 思っています。
わたしはどちらかと言うと、「決めたことはやる、なぜなら人から強制されたことではなく、自分自身で決めたことなんだから」という思考が非常に強かったと思います。特に若いころは。――といっても 20代の半ばまでは「何をしたい」ということすら曖昧で、「決めたこと」もなかったかもしれません。が、時がたちキャリアを積み、自分にすこし自信がついてきたころには「自分で決めたことは守る、貫く」といった心情が強くあったように自覚しています。それは 言葉をかえれば<真面目>とか<意思が強い>というように置き換えられるかもしれません。
でも 年齢とともに、随分 私にも変化が起きて、かなり“いいかげん”になってきているなあと今は認識しています。
2)ポツダムにて
前の項目に書いたように11月に友人と旅をしてきました。その度の中での出来事です。
ある日の事、もう旅もそろそろ終盤の頃。ベルリンからちょっと郊外のポツダムへ出かけた日のことです。あいにくの雨、そして駅から私たちが目指した森の中の宮殿まではバスで行くしかありません。でも 運よくバスが来たので「とにかく行ってみよう」と予約したツアー時間までまだ かなり早かったのですが、バスに乗り込みました。そして、1・5Hほど 早かったので「前倒しで前の時間のツアーに入れないか」交渉してみました。答えはNo.「新たに予約を取り直すのならOK、ただし料金は別。キャンセルした予約料金は返さない」ということでした。
幸いなことに、素敵なカフェがあったので そこでお茶しながら<とにかく、落ち着いてどうするか>を考えようということになりました。暖かいお茶と美味しいケーキを食べながら、一息つくことができました。さて、どうしたものかーわたしも友人もそれぞれが 思いを巡らせていました。
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実際 この写真は このときのポツダムの時のものです。 |
3)計画変更!!
そのとき、友人が こう言ったのです。「私、自分で予約をとりましたが、正直いってあまりこれにこだわっていません。あと1時間近くもここで待って宮殿を見るより、ポツダムの他の場所など街歩きしたいなあーという気分です。どうですか?」と。
実は彼女のこの言葉を聞いて意外な感じがしました。内心、「ええーっ」と 思ったのです。その理由は、彼女はかっての若かりし頃の私と似ていて、いやそれ以上に真面目で「計画をたてるのが好き・得意」そして「それを実行しようとする行動力が抜群」の女性だったから。その彼女が!?と 思ったのです。
即座にわたしは「OK、そうしよう。バスで駅に帰る途中で美術館があるみたいだから、そこに寄ってみない?」と提案しました。そこで、ナント 生まれて初めてのゴッホの素晴らしい絵(これまでの展覧会では見たことのない静物、靴を描いたもの)を見ることができたのです。
この時のわたしの心情は? 「せっかく二人で決めて彼女がネットで予約してくれた宮殿ツアーを辞めたい、というのは彼女に悪いし、もったいない。積極的に行きたいわけでないけど、まあーここまで来たしなーー」というアイマイなものでした。でも彼女から「変更しませんか?」と言われて内心ホットしたのも正直なところでした。
4)その後― ホテルで、そして帰国してから
次の日の朝、友人が言ったことをとても鮮明に覚えています。
「私ね、これまで 最初に計画をたてたらそれを実行することが大切、と思っていました。でもね、これって違うんですね。もちろんそれも大切ですが、それだけではないんですね。時には決めたことも変更する、変えることによってまた違う面が見えてくる、ということ。昨日の体験で、これまでとは違う新しい自分が生まれたような気がしました」
実はこの彼女の変化はわたしも感じました。そういう自分自身の変化についての気づきを率直に語ってくれた友人はまた一回り大きくなったように見えました。
そして帰国後メールがきました。
<思い出は沢山ありますが、今回はポツダムでの出来事→自分で決めた枠にはまりすぎない、時に応じて自由に可能性を広げる醍醐味を感じられたのが大きかったです。>
彼女にとって大きな変革点だったのですね。こうやって、、自分の殻をやぶっていく変化・変貌はとても素敵だし、大切なことだと心から思いました。こういう体験を味わえる旅ってやっぱりいいですね。
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