・・真面目をバカにする傾向はあまり聞かなくなったと思っていた。ところが まだあったのだ。新聞の人生相談のコーナー(2018年)にそれを裏付けるような相談が出ていた。20代女性からの相談でー昔から真面目だと言われてきた、が自分を変えたいというのだという。
というのは公務員試験に落ちた時に、周囲に「真面目だけではダメ、皆 真面目なのだからそれ以上に自分自身をアピールできるものは何かを考え、自分自身を変えていかなければいけない」
と 言われた。以来、「とても悩んでいるが」どう変えればいいかわからないとい切実な相談だった。
・・確かに公務員試験を受けようとする人たちは「皆、真面目なのだから」その上を行く必要はあるかもしれない。
だが、そうだとしても、世に中にはこういうことをしたり顔に言う人っている。賢しらに言いたがる世代ってあるのだ。不作法も極まれるである。
回答者の鷲田清一(哲学者)が、明確に書いている。「<真面目>は<杓子定規>や<堅物>とは違います」
鷲田は、他人の思いを憤ったり、空気を読んだりして、丁寧に応える大切さをあげている。これは何もかも相手に合わせるということではない。
「他人の思いを想像し、いつも同じ仕方ではなく、そのつどその他人の思いに最適なかたちで対応できるということが、ほんとうの真面目なのではないでしょうか」
相談者は納得できたのではないか。