2020年11月1日
1.新しい扉をノックする(初めての体験)
1) 初めて行った日に
そこに初めて行ったのは7月の下旬でした。これまでも何度か、その建物の前を通りましたが「開いているのは週2日のみ」ということがわかって、ようやく行くことができました。
想像していた以上に静かな、ゆったりとした日本家屋で、何よりもお庭の緑がまぶしく「こんなところで1日ボーッとしていたいなあ」と思いました。
帰りしな、スタッフの女性に「こんな素敵な場所なのに なぜ、週2日しか開けないのですか?」と素朴な質問をしました。「ええ、残念ながら スタッフが足りなくて、、」という答えが返ってきました。
この時、ふと「それならば、私もーー」という気持ちが浮かんだのは確かです。ただ、「今更 新しいボランテア、といってもなあ」という、気持ちも同時にありました。
2)行動を起こす
そして、数週間の時間が流れて、8月のある日 その古い建物のことをネットで調べてみました。ネット上で問い合わせをしたみたところ「もし、興味があれば とにかく1度 ボランテアスタッフとして体験してみてください」という連絡がきたのです。
「そうだ、悩むほどのことではない。嫌なら無理をする必要もない。迷っているより、行ってみよう」と決めて、9月から “見習い”として行くことにしました。
単純に、めんどうなお局さまみたいな先輩がいたら嫌だなあ、思いの外 重労働だったら勤まるかな? そんな思いが交錯しました。「迷ったら、やってみる」というこれまでの私からはほど遠い、ちょっと自分でも意外な?面がありましたね。
3)個性的な 自立した女性たち
行ってみてびっくりしたことが、2つあります。
1つは 想像以上に 「お掃除が大変」ということ。
というか、正確にいうと 合計100枚はある雨戸の開け閉めが かなり面倒です。ごく自然なことではありますが、築100年の木造家屋ですから、最近耐震工事をしたというものの、木の癖?などもあって なかなかサッシのように簡単に動きません。「雨戸に関しては、これはもう“慣れ”しかないんですね。一緒にやる中で覚えていってくださいね。わからないことがあったら、なんでも訊いてください」と。
「畳は目に沿って、掃いてください」
こういうことを言われたのは何年振り?否 何10年ぶりだろうか?一気に、子供のころの”お掃除の感覚“が戻ってきました。ちなみに、我が家はかなり前から”ルンバ“が活躍してくれています。
2つめはそこに集うボランティアスタッフの面々です。
おそらくのべ30名余はいるのですが。曜日によって来る人もマチマチ、時間も最初から最後までいる人、午前のみ・午後のみの人もいて、なかなか全員のお顔と名前をまだまだ覚えられません。
でも 間違いなく言えることは、それぞれの方が非常に個性的でかつ自立した人たちであることです。
ミーテングなどで、積極的に発言する人・しない人の差はもちろんあります。しかし、いわゆる“おとなしい人”という方はいません。わたしは、まだ新参者ですから、私と1対1の2人になるとみなさん積極的に私へ話しかけくれます。
「どちらにお住まいですか?」「こちらに来たきっかけは?」「どんな趣味をおもちですか?」など。
わたしも、負けずにいろいろ伺います。すると、本当に惜しみなく!?いろいろな情報を話してくれるのです。その率直さには、嬉しくなりました。
「個性的な先輩がたくさんいらっしゃるから、楽しいですね」と リーダ−格の大先輩に 話したら「1年もしたら、あなたも”そういわれる人” になるわよ」と 返されました。
4)続けられるかな!?
人と出会うこと—決して苦痛ではなかったはずなのに、随分私自身が億劫に感じて、“守り”にはいっているんだなあ—と今回、自覚しました。たぶんこれも“老い”のひとつでしょう。
それも素直に認めつつ、まだまだ “新しい世界を経験したい” “初めての人との出会いを楽しみたい”という気持ちも大切にしていこう、と思っています。
それには、少しの勇気も必要ですね。
この建築物は 文京区千駄木にあるY邸庭園です。「たてもの応援団」のボランティアスタッフによって管理運営されています。週2回、水・土のみ公開されています。
|
1枚目、4枚目、6枚目は日本ナショナルトラストのWEBサイトより |
<< メニューへ戻る
|