2020年11月1日
4.<紹介します・わたしの友人>
その10 岩井 美代子さん
今回は 久しぶりに再会した友人に原稿を書いてもらいました。なんと 彼女がかって出版した著書が、再びリニューアル出版されたとのこと。今 まさに時代が必要としてきたのですね。
若かりし頃、ともにアサーションを学びました。 が、今や わたしを置いてきぼりにして はるか遠いアカデミックな世界に旅立っていきました。
頑張れ!! 美代子さん
(平井 ゆき子 記)
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〜もくじ〜
<はじめに- 平井さんと私>
<私の2冊の本>
<さらなる展開が、、 夢・象徴 >
<はじめに- 平井さんと私>
初めまして。岩井美代子と申します。平井ゆき子さんとは、主にアサーティブネス・トレーニングを通じて、長年のおつきあいをさせていただいています。といっても、お会いするのは、いつも、美味しいお店やご自宅のテーブルに呼んでいただいての、「おしゃべりタイム」です。今年、2冊のアサーティブネス関連本を出版したのをきっかけに、平井さんから、HP参加のお誘いを受けました。
<私の2冊の本>
この2冊は、19年前に出版したものの改訂版です。今年2月に、出版元のワニブックスからお話をいただいた時には、「なんで今頃?」ときょとんとしつつ、あれよあれよと話が進んで、6月には地元の書店にも並びました。
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増田書店店頭 |
地元の友人が購入して、所属する団体のHPに、書評を載せてくれました。「なんで今頃?」という思いへの丁寧な解説なので、ここに転載させていただきます。
-天野聖子さんの書評- 「私の心が決めていい 」
「著者は岩井美代子さん、幾つになってもみんなに(みよちゃん)と呼ばれて愛されている人だ。
この本は2001年にアサーティブブトレーニングの入門書として発行され、コロナ狂騒下の今年6月に、静かに、でもしっかりとした佇まいで再登場した。地元国立の増田書店ではいち早く心理コーナーに並べられ、売れ行きは上々と店員さんが教えてくれた。
誰にとっても長い人生、家でも学校でも仕事でも生きてゆく上では対人関係はついてまわる。時には大きく傷ついたり怒りが収まらなかったり、混乱し消耗もする、その上に社会政治状況や経済的現実が重なるし、今回のように感染に覆われたりすれば不安感が心の大半を占めてしまう。
実は福祉の仕事につく人の中には、自分の根本的な問題に蓋をして対象者のケアに関わっている人が案外多い。人と関わる自分の根っこがいつもぐらついているのに、いやそれだからこそ人のために尽くしたいと真剣になっている。
多分今はそうした(支援)もやりにくい状況だ。寄り添うこと、集まること、語り合うことで培ってきた(対人援助)の仕事は、(距離を置け、声を出すな 触れるな)というファッショのような命令に置き換えられているのだから。
でもそんな時だからこそ自分を見つめ考えてゆくという作業は大切だ。不幸中の幸いのような浮いた時間を使って心の揺れを見つめるにはもってこいの本だ。
実はこのアサーションは手法自体が個人の抜き差しならぬ背景や負わされた課題という深遠な井戸に入り込む手前で、今の自分を見つめ直そうというスキルだから人によっては抵抗感なく入りやすい。
まず漫画で(自分も相手も大切にするコツ)を伝授する。それから(心の力をつける)という切り口で自分の気持ちを大事にすること、そして伝えること、無理しないこと、怒っていいことなど12の考え方が披露される。読み進むうちにそうかそう考えればいいのかー自分のやり方で相手を大事にしてゆけるのかなどという気づきがある。
無意識に作ってきてしまった傾向や考えかたの癖を再確認しながらもどこかでリセットできるという希望も持てる。
緊迫感と不安感に覆われたこの日常でも、この先生きてゆくのが少し楽になるかもしれないと思わせてくれる優しい本である。
同時に発刊された(女と男じゃなく私とあなたで話そう)は、恋人やパートナーとの関係に悩む人におすすめのこれまた優しい恋愛本。永遠に続く男女のズレを根気強く見つめ直す著者の真摯な姿勢には敬意を表したい。」
「多摩棕櫚亭協会HP」掲載 2020.8
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世界を席巻しているコロナの元で働く、福祉・医療・メンタルヘルスのワーカーたちに向けてのメッセージになっているのが、嬉しいです。
-小学校5年生女の子からの感想-
併せて、友人の子どもさんが、夏休みの宿題の「推薦図書」に挙げてくれました。小学校5年生の女子です。お名前や写真を載せることはできませんが、次のような一文です。
-「私のおすすめ 本のタイトル『わたしのこころが決めていい』
この本は、私の知り合いの岩井美代子さんが書いた本です。この本では、『こころのちから』についての12のメッセージが書かれています。私が心に残った場面はメッセージ2の『私は、自分の良い所や能力を、ちゃんと認めてもらっていい』です。自分に自信がなかったり、自分の事をなかなかほめてもらえない人などにオススメです」
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イラストも見事に再現して、思わずイラストレーターのふじわらかずえさんに送りました。「すばらしい!」と返信が来たので女の子に転送したら、彼女は「わたし、幸せの絶頂です!」と喜んでくれました。この一文がきっかけになって、小学校で「学級文庫」に加えてくださる先生も現れました。友人からエールが届いたこと、50才以上年の差がある女の子に推薦文を書いてもらえたこと、この二つが、改訂版出版のハイライトになりました。
<さらなる展開が、、 夢・象徴 >
一方、個人的に最も重要なことがあります。それは、私自身が今回の再出版にあたり作者プロフィールに書いて、始まったことです。私のそのプロフィールを転載します。
「岩井美代子1952年生まれ、東京在住。精神保健福祉士、The International Focusing Institute(米国)認定トレーナー。1994年、エンパワーYOUネットワークを設立。アサーティブネス・トレーニング及フォーカシングの普及につとめる。2019年、エンパワーYOUネットワークを解散。現在、ピアノ、ギリシャ古典文学、英文学に親しみながら、『夢・象徴』のライフワークを継続中」
上記のように「夢・象徴」のライフワークに取り組むと宣言したところ、このプロジェクトが急速に私の中で展開し始めました。
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フォーカシングの国際会議(ケンブリッジ)で、踊ってる私。中央正面。 |
印税でiPadを購入し、そこに、これまで描きためてきた絵や記号の「象徴」を写真に撮って投入しました。次に、それらを各スケッチブック、ノート、ワークブック毎に18のアルバムに収めました。絵の総数が1200枚になりました。その次に、項目を立てて、それ毎に仕分けていきました。項目は30を越えました。項目で仕分けすることによって、直線的な時系列とは別の、相互作用を「象徴」間に自在に連鎖させることができるようになりました。
1998年に「トランス・パーソナル心理学」に出会ってから「フォーカシング」に至るまで、セッションやワークで自己探索をし続けてきたプロセスが、くっきりと画面上に現れました。
iPadの画面はその一部です。これらを時系列や項目別に整理して、、、、。
こうすることで、絵(象徴)が繰り返し現れては次第に発展し、ある時、意味が飛躍して新たな絵(象徴)になることがわかります。絵(象徴)は、描かれた後にも新しい展開を生み続け、作業中に、「あ!」という思いを、連続して体験することになります。
果たして、この「夢・象徴」のライフワークが どこに着地するのか? 私自身がまだまだ模索している段階です。
ともあれ 20年ぶりに<2冊の本>が再評価され、世に出たことはこの上ない喜びです。ぜひ、みなさまの心に届きますように願っています。
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