2021年3月1日
2.「男性も育休を絶対とるべきですね!!」
「平井さん、僕に子供が生まれたんですよ!」と その人は嬉しそうにわたしに言った。一瞬、あっけにとられた。なぜなら、その彼は確か独身だったハズ!? 思わず「確か、あなた独身だったんじゃない?」と訊き返してしまった。
「ええそうですよ。結婚は来月します。先に子供が生まれました」ということだった。
この会話をしたのが、マンションのエントランスだ。この彼とは少し前に、たまたまマンション管理組合の理事を同じ時期にやったことで言葉を交わすようになった。
彼の年齢・職業も正確には知らない。ただ2年間の数度の会議でなんとなく”バランスのとれた” できる人だなあーという印象をもっていた。それととってもおしゃれ!!だ。デニムパンツに、赤いセーターを着たり。仕事の時はピシッとスーツを決めている。ヘア・スタイルも今風で とってもスタイリッシュだ。
私は多分、勝手に30代後半かなと推測していたが、実際はもう少し年上だったようだ。「僕は40代後半です、妻も若くはないですよ」と照れ笑いをした。
早速、彼の子育て観を知りたいと思い、インビューを申し込んだら、快諾してくれた。
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日曜日の昼下がり、NさんとミセスN そしてとてもご機嫌な生後4か月のHちゃんが出迎えてくれた。赤ちゃんといっても、目鼻立ちはしっかりしていて 表情がくるくる変わってとても愛らしい。きっと、成長したらNさん同様ハンサム・ボーイになるに違いない。
Q1 子供が生まれる前と生まれてからで大きな変化はありましたか?
そうですね、僕は出産のとき立ち会ったんです。やっぱりものすごく感動しました。自分の子供、というよりもっと“生命そのもの”が世の中に生まれてきた!!という感動でした。本当に僕も泣いてしまったんですよ。
具体的な子育てですか? ほぼ、できることはやっています。ミルクをあげる、おむつ替え、お風呂に入れる、お散歩に行く、あやすこともやってますよ。
(と私の目の前で赤ちゃんをだっこしながら嬉しそう語る)
―「ええ、私もびっくりするくらいです。以前は子供に興味がなさそうだったのに、こんなにもやってくれるので意外で、嬉しい誤算でした」とミセスNの声も。
その他 家事の分担― 料理・お掃除・買い物・洗濯・ゴミ出しなど、なにしろ一ひとり暮らしが長かったからなんでもできます。やります。もし可能なら、僕が家事・子育てをやりたいくらいです。(笑)
Q2 コロナ禍の影響は ありましたか?
妊娠がわかってから、やはり無事に生まれてくるまで気を付けましたね。母親学級など、普通なら学べるチャンスがなかったのでそれが残念でした。(ミセスNの声)ただ、スティ・ホームということで 二人で過ごせる時間があったので、その点は良かったです。今となってはもっと 胎教など勉強すれば良かったかなあーと。
Q3 会社の育休、産休の制度は?
僕は外資系金融会社のIT部門で働いています。原則、新卒は採用しない、中途採用のみの会社で、社員の平均年齢も高いですね。もちろん、男性も女性も産休・育休をとった人はたくさんいます。女性の管理職もいますし、そういう意味でフラットな会社ですね。育休は30日間OKでしたが、僕は3週間・21日間申告して、とりました。
―ミセスNも不動産関係の会社に勤務していて、子供が1歳になるまで育休中。
保育園を探しています、とのこと。先日も二人で近所の保育園に見学にいったそうです。
Q4 最後に声を大にして言いたいことはありますか?
男性も、絶対に育休をとるべきですね。育児を妻だけにまかせるべきではない、と思います。せっかくの子育てという機会を楽しむべき。子育てって正解がない仕事でしょう!?子供の成長に、父親としてどういう形でサポートできるか、真剣に考えています。
何よりも 僕たちのお互いの親が孫の誕生を喜んでくれたのは嬉しかったことです。
そして、それ以上に、周りの方(友人や会社の同僚、近隣の人々)が喜んでくれたことで僕たち自身の喜びも、より一層 深まりました。
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成熟した大人の父親、Nさんのような感覚の男性がもっと日本でも増えてほしいなあ、と心から願う。
と同時に、こういう意見を 堂々と話すNさんを前にして、「時代はゆっくりではあるが、確実に変化している」と実感できた。
―写真は 全てNさんの提供によるものです。写真を撮る方と撮られる方の濃密な関係がにじみ出ていますね。特に「パパと赤ちゃんの写真」はカメラのこちら側にいるママの笑顔も感じられます。―
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