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ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
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2022年1月1日

1.老いることー 誰にとっても初体験!!


“ボケる”とか、認知症という言葉に敏感になっている自分に気づきます。シングルなので、実際におばあちゃんと呼ばれることはありませんが、実は<立派な!?おばあちゃんという年齢>になりました。とうとう70代に投入!!です。と書くと「今年70歳になったの?」と訊かれそうですが、実は?年前になりました。それは ひ・み・つ。(笑)

――というわけで年上の元気な人をみると、嬉しくなりますね。「かくありたい、という人生の先輩に」出会いたいなあーと思っています。

先日出会った人生の先輩の姿―です。

 

 

 

 

<僕は87歳です、といった紳士>

過日、区内をぐるぐる走っているバスに乗った時のことです。

その男性はパリッとしたスーツを着て、ご高齢には見えましたが姿勢もよく、いわゆるヨボヨボした感じは全くありません。ただバスの運転手さんとの会話が納得いかないらしく、やや困惑した様子でした。
「どちらに行くのですか?」と声をかけたら「地下鉄の南北線に乗りたいんですが」という返答。「そうですか、それでは 次でわたしも降りますから、ご案内します」と、すこし強引に言いました。次のバス停で一緒に降りて、エレベーターまで地下に行き、南北線の改札口までお連れしました。その間、時間にしたらほんの数分のことです。

「僕は87歳、B区に住んでいるがほとんどの人生、海外での仕事が多かったのであまり 最近のB区の状況がわからない。もうこの年齢になると友人・知人はみんな死んでしまってね。実は今日もこれから 四谷のホテルニュー・オオタニで葬式なんですよ。後楽園から南北線で四谷迄行こうと思いましてね。バスの運転手さんへの僕の訊き方が まずかったのかなあ!?どうもご親切にありがとうございました。」

実に礼儀正しい、素敵な紳士でした。
一人暮らしなのかなあ? 人恋しくて しゃべりたかったのかしら。

このエピソードを 友人に話したら、思いがけない反応がありました。

「今の話を聴いて、とてもその男性が好ましい人に思えました。なぜって、平井さんに親切に声をかけてもらって,その人は嬉しかったんだと思います。そして、わたしは怪しいものではありません、ボケているわけでもありませんーと 一生懸命アピールしてたんじゃないでしょうか」
ああ、こういう見方もあるのかと、腑に落ちました。

 

 

 

 

<素敵な老婦人!!と 思ったけれど、、、>

友人と根津のフレンチ・カジュアルのお店でランチをしました。気取らないお店の雰囲気と手ごろなお値段で、この日もお店は大盛況でした。

私たちは予約をしていたので、一番奥から1つ手前の席でゆっくりお料理をいただきながらおしゃべり三昧。ふと気づくとわたしたちの隣の一番奥まった席には常連さん?とおぼしき品のいい老婦人がお一人で赤ワインのボトルをあけて、グラスを傾けていました。
 私たちのおしゃべりにまるで、音楽を聴くかのように微笑みながら耳を傾けているようでした。それはちっとも嫌みのない、優雅と言ってもいいたたずまいでワインとフレンチ料理を心から楽しんでいるように見えました。

 

 

 

 ややあって、そのご婦人は食事を終えて帰ろうとしたとき、出口に一番近い席にお知り合いがいたらしく、そこから180度の転換がありました。それまでの優雅な雰囲気が一変して「下町のおばちゃん」になってしまったのです。その方とは久しぶりの再会らしく、大きな声でしゃべる、しゃべる。お店中にその女性の声が響き渡って、、、。
「あの 優雅なたたずまいは,、どこへいったの?」と友人と二人でびっくりして、顔を見合わせてしまいました。 

その老婦人がひとりでワインを飲んでいるときの姿は、本当に素敵でした。そのイメージがあまりに強すぎて、お知り合いとおしゃべりしている姿にがっかりした?という気持ちだったんですね。
それはわたしの勝手な思い込みのせいなのですが、<少なくても大声でお店の雰囲気を壊すようなおしゃべりを20分も続けている無神経な女性にはなりたくないなあ>と自らも戒めた出来事でした。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

このHP作成も27年目に入りました。もはやこれは私にとって「道楽」と「頭の体操」以外の何物でもありません。
まあ、気楽に楽しみながら作り続けていきます。今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

老いることは誰にとっても初体験。いわば、未知の世界です。急がずにゆっくりと味わっていきたいと思います。

 

 

 

 


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