平井ゆき子事務所


トップページ

プロフィール

現在の活動

ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー


トップページのバックナンバー


メール mailはこちらまで
yukikoh@gol.com

Copyright (C) 2006
Hirai Yukiko. All Rights Reserved.

ざっくばらん ゆき子のおしゃべりコーナー
green_line
2023年5月1日

1.人は誰しも“わたしを認めて!ー” と 思っている

 

ある1日の出来事である。

― 午前中、地元の古民家のボランテアに行った。

午前のシフトに入ると、9;00−10:00までは 古民家の雨戸を開けること・お掃除が主たる仕事である。膝が悪いこともあって、和室を掃いたり拭いたりするのは 想像以上にツライ。が、そう思うのは私だけではなかった。メンバーの希望で、モップを買ってもらい、格段にこの苦痛が緩和された。春の日差しの中、誰もいない2階の和室 全部で30畳くらいあるだろうか? ひたすら畳みの目に沿って拭き掃除をするのは、さながら修行僧のような気持になる。静寂の中、、、清々しい気持ちにさえなるから不思議だ。

 掃除が終わって、一緒にシフトにはいっているKさんと話す。
「そういえば、最近 Aさんをお見かけしないけど、お元気ですか?」
「以前より、すこし 明るくなったような感じですよ。うーん、人間っていくつになっても“承認願望”があるのね。“やっぱり、わたしでなければ、”ということが最近あって、それから元気になったみたい」

“承認願望”― か。こういう言葉?が 一般的に使われるのかどうか、わたしは知らない。
<マズローの欲求の5段階―の承認欲求>からくる言葉か?
そうだ、ぴったりの表現だなあーと 思った。Kさんと私だけにわかりあえる言葉だと納得できた。

 

 

 

 

― 午後、地域の男女平等センターでのセミナーに参加した。

1)強烈な体験学習だった

テーマは「アンコンシャスバイアスに気づく〜性差別の疑似体験をとおして〜」だった。

ざっとこのプログラムについて説明すると次のようになる。

参加数は およそ30名。最初にジャンケンで勝ち組と負け組に分けられた。わたしは負け組だったので、腕にリボンをまいた。講師の先生は「みなさんは小学校5年生になってください。私はそのクラスの先生です」と設定を告げた。
「たぶん、これから かなり差別的な言動をするんだろうな」と私は興味津々だった。
案の定、先生は勝ち組に対しては「もっと、元気よく発言しなさい」とか「好きな色は青とか黒とかがいいでしょう」「理科や算数が得意なのはとってもいいことね」などと言った。
リボンをつけた負け組に対しては「好きな色は赤やピンクがいいんじゃない」とか「あなたは家庭科や音楽ができるから、将来いいわね」などと応答した。
つまり「男の子なら、、こうあるべき」「女の子なら こうあるべき」というイメージを徹底的に押し付けて、そうではない発言をした生徒にたいして「あなた、おかしいわよ」という対応を繰り返ししたのだ。
もちろん、自分の発言を否定されることも多いので真面目に!?本気になって対応していたら気分が悪くなる。
さらに 先生はある生徒を狙い撃ちして、その人の発言を無視してしまうこともあったのだ。

なるほど、まさに文字通りの体験学習かーと わたしは納得した。

 

 

 

2)体験の後のフィードバックは 大切だ

私の隣の若い?(40代)女性Bさんはまさに真面目、一直線という感じの方だった。
 おそらく体験学習・ワークショップの意味を理解しないまま「リアルに自分が無視された」と怒っていた。
わたしの後ろの人も「私が言ったことは全て無視されたので、どんどん落ち込んだ」と暗い顔をして発言した。

「ええー どうして、そんな風に思うのかな? あくまでこれは疑似体験で、あなた自身を否定したのではないのよ」とわたしは言いたくなったが、、、。

今回のワークョップは性別に基づく無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)を体験学習から気づくことが目的であった。
したがって「メンバーに嫌な気分にさせること」が最初の狙いで、、「なぜそう感じたか?」を掘り下げることが重要だった。私にとっては、その展開をどうすすめていくのか!!とても興味があったのだった。

 

 

 

講師は某女子大学の先生でかなり、革新的な進め方だった。ただ、残念ながら時間不足で、消化不良の人がいたと思う。

特に私のお隣のBさんが離席した時に、彼女についての解説をしたのは、ややルール違反!?と感じた。なぜか、Bさんが離席した時にBさんに対しての対応を説明したのだ。
「はい、意識的に無視しました、彼女のことは。その理由はめんどくさい!!と感じたから」と疑似体験上の差別した側の感情を説明していた。ならば、なおのことそれをBさん自身にわかるように解説してあげることが重要だったのではないか。

 Bさんの心情を推測するとー
「わたしは真面目にセミナーを受講していたのに、発言を無視されたり、否定ばかりされた。それってわたしがダメっていうこと」という自己嫌悪に陥ってしまったのではないか。
つまり 午前中のAさん同様に強い“承認願望”を持っているにもかかわらず、承認されなかったことへの怒り!?と失望を抱えてしまったのではないか。その思いが強かったので本来の体験学習のねらいが全くBさんには見えずに、理解できなかったのではないか?

 セミナーを終えて帰宅しても、ずーっと私はBさんの気持ちを考えてしまった。私は講師だったら、どういう説明・解説が適切なのか? 考えさせられた。

 

 ・・・・・・・・

 

人は誰しも“認めてほしい”という気持ちを持っている存在だ。だが、誰かに認めてもらえなくても、自分で自分をほめる・認めることができたら、それで十分ではないかーという 気持ちが最近 私には強くなってきた。

「開き直り」とは違う、ダメな自分も弱い自分も丸ごと認めることができたらいいなーと思っている。これは年の功なのか!?

 

 



<< メニューへ戻る