2023年5月1日
2.再会
春から夏へ季節が変わろうとしています。特にコロナの感染者数が減って「3年ぶりに対面で卒業式・入学式をやった」「マスクの着用は任意です」など、これまでとは異なる解放感が溢れています。街に活気が戻ってきたような気がします。
同時にこの3年の間に、亡くなった人や消息がわからなくなった友人・知人が 何人かいます。糸を手繰り寄せたいけれど、どうしたらいいのかー そういうもどかしい思いも引きずっている、今日この頃です。
その1 ―10年ぶり、日本橋にて
ある昼下がりのこと、友人と日本橋で「蕎麦屋」に入りました。そこは10年以上前に一緒にジャズダンスを習っていた知人が嫁いだところ。彼女に会いたいというよりも「もしかしたら会えるかも」という思いで暖簾をくぐったら、ばったり目の前に彼女がいたのデス。
もはや、立派な女将さんとしてテキパキと切り盛りしている彼女をまのあたりにして10年という時間の長さを実感しました。
聞けば「実はこのビル、建て替えをするので あと2週間で閉店です。よく来てくれましたね」と感激されました。その彼女から、私のご近所(文京区)のお店の状況を教えてもらいました。彼女は文京区から日本橋に嫁いでも、ご実家があるので文京区の情報はバッチリ知っていました。わたしの家の近所に――とても美味しい天ぷらやさんがあったのですが、コロナ以来休業状態。「もう、あそこのご主人は体を壊されてお店はクローズですよ」と。彼女の情報通ぶりにもビックリ。
その2 ― 3年ぶり、高尾の居酒屋にてー
今年の桜は本当に早かったですね。例年仲間とお花見をしていた東京都森林科学園も桜のシーズンに3年ぶりのオープン。さぞや人・人・人と思いきや「閉園かも?」という思惑があってか人影もまばらでした。
さて、ランチは”いつものお店”で 久しぶりに焼酎のボトルをとりました。
この3年間お休みしていた男性2人が合流、総勢5人で話が弾みました。まずは「この3年間、どんな生活をしていたのか」から始まってそれぞれの家族の状況など語りました。数分のうちに、あっという間に3年のブランクが埋まった気がしました。
実はこの店も、歓迎してくれたオジサンの店員さんがいたのですが、彼もお辞めになりました。私たちお客は、もう20年はこの店に通っているのに、お店の従業員はほとんど入れ替わってしまいました。このコロナ禍の間に変わったこと・変わらないことをお互いが確認しあう、ステキな時間となりました。旧交を暖めるー とてもシンプルな言葉が心に響きました。「時間は流れない、積み重なる」という言葉が しっくりきた再会の時でした。
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