友人と芝居を見に行った

演目は加藤健一主演の「グッドラック、ハリウッド」

内容は―ジェネレーションギャップや世代交代の悲哀をコメディタッチで描いた作品―だった

見ている間、ズキズキと胸に突き刺さってきた

現役を降りた、またはもうすぐ降りる世代にとってナマナマしいテーマだった

それより　何より

開演ギリギリまで劇場に駆け込んでくる　お客様

特に高齢の男性の姿が　気になってしかたがなかった

もちろん、“その人”がわたしに声をかけないまま

“一人”で本多劇場へ来る可能性は皆無といっていい

―　でも　もしかしたら　と

１％の可能性がないわけでもない　と

わたしが目で追っていたのは

お芝居が大好きだった　私の仕事上の、

そして人生の師匠　Ｔ先生である

２０２１年１月T先生からメールが来た

「コロナ禍が終焉したら、ぜひ会おう。私から連絡します」

そして、２年半が経過した

芝居が終わって、友人の中で最もお酒の強い女性としたたかに飲んだ夜だった

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